2008年8月30日土曜日

8月30日(土)全国小中学力調査

・ 「雨の始業式」になった。全校生徒が久方ぶりに勢ぞろいだ。この夏休み、事故など一切なく新学期がスタートすることが出来て本当に嬉しい。式はそれぞれの「ホームルーム」で行う。「体育館」は使用しない。1700名以上の生徒が入り又出て行くには相当の時間がかかるからだ。特別な時以外は教室を使う。私は「校内放送」でしゃべるのだ。
・ 予想通り「全国小中学力調査の結果」を各紙が大きく報道している。まず1面、そして全国版の社会面、そして大阪地方版と記事は3分野に渡って相当詳しく記事にされている。今年は些か問題が難しかったが「正答率の傾向は昨年と同じ」で、やはり「活用力」に課題が残る。応用が利かないのだ。
・ 全国別では昨年と同じく小中とも「秋田県がトップ」で富山青森福井などが上位を占める。「大阪は全国平均を下回り」、沖縄、北海道、高知などとワースト3で「悲惨」である。一体全体大阪の公立はどうなったのか。
・ 西の拠点をうたい、知事が「教育日本一」と叫んでみても全教科で全国平均を下回るという結果に教育委員会も知事も顔色真っ青で特に知事は「このざまは何だ」と本当に激怒したらしい。しかし怒っても仕方がない。新聞を読めば知事の怒りが伝わってくるようだ。
・ 小6のB問題はワースト3位、中3の国語は沖縄高知に続くワースト3位、数学Bもワースト3位で、これでは府教委も申し開きが立たないだろう。知事は「教育委員会と教職員はもっとしっかりしろ」と言いたいと詰めより、教育長も「改めて大阪の抱える課題が大変厳しいということを認識した」とコメントを出している。このコメントも如何なものか。
・ 「巻き返し決意」とあるから大金を投じて「習熟度別授業」や「独自の新テストを導入」とある。大組織だから「その気になればやるだろう」が問題は本校でもそうだが家庭での「生活習慣の改善」である。しかし実際は「家庭訪問くらいしか決め手はない」のが実態である。
・ 「就学援助」を受けている家庭の比率が高いほど「低学力」とのことであるが、そうだとすれば全国断トツでトップの大阪の状態からすればこれは厳しい話となる。確かに「経済力は教育力」の面はあるだけに、先の「橋下改革の方向と整合性」があるのか気になるところだ。
・ 注目しなければならないのは「府独自の学力テストをやるというもので、これは全国学力調査対策としての模擬試験に近い」。ワークブックも作ると言うから「なりふり構わずかかっていく」という感じだ。来年も全国平均を下回れば「責任問題」となり府教委は「信頼感を失いパワーはなくなる」だろうから今後1年は必死だろう。本校も「新しい考えを導入」して対応策を考えねばならない。
・ しかし私は各紙が全く触れていないが今回の結果をすべて家庭とか生徒に振っているところが気に食わない。「学校長とか教職員の意識と熱意」とかあるだろうと言いたいのだ。仕事柄中学校の関係者や塾の先生などとお話を伺う機会は多くあるが、大阪市内の小中では「これが学校の管理職?これが先生?」などの話しは枚挙に暇がないくらい多いのだ。4時過ぎには帰る教員もいるらしい。
・ 幾ら府教委が頑張り、予算をつけても「現場の先生が働かなかったら意味はない」。元々教職員団体は今でも「全国学力調査に反対である。」数値化に繋がり、序列を生み、過当な競争となるという黴の生えたような理屈を未だに振りかざしている。この辺のことに全く触れていない各紙には些か調子抜けだ。産経でさえもそうであった。
・ さて問題は「浪速のポジション」だが、中学の教務部長が鼻歌交じりに部屋に入ってくるから想像できる話しだ。「全科目で全国平均を大きく上回った」。特に国語Bが昨年は悪かったが今年は大きく好転した。これは「視写」と直前に「表を読み取る特別授業を数時間特訓した成果」だと胸を張っている。やれば成果は跳ね返ってくる。
・ 国立、公立、私立間で言えばその「格差は拡大」しているとの分析が朝日の詳細記事がある。国公立は愛知県の犬山市を除いて(今揉めに揉めているが)全学校の参加であるが私立は希望制で昨年に対して「参加率が6割から5割」に下がったとある。
・ 私立の中には参加することが「返って弱点を明らかにする、恥ずかしい」と言って敬遠するのだと思うがそれは良くない考えではないか。「データがないのはわびしいし切ない」ではないか。本校は今後とも参加し、データを蓄積して「日々の教育活動に活かす」ことが大切だと考え連続して参加する。来年は70名と一挙に生徒数が増えるので結果に興味が湧く。
・ とにかく今や「習熟度別授業」は「常識」となってきた。昨年着任してから何回も何回も言ってようやく中学の教員も分かってくれるようになってきた。「伸ばすものはより伸ばし、遅れているものは細かく指導して引き上げる」ためにはある程度レベルをそろえないと効率的な授業は出来ない筈だ。
・ 大阪府も動き始めた。「夜スペ」という何かいかがわしい響きのする追加講習もするだろう。当方も安閑とはしておられない。「中学も高校も更に学力向上対策に集中」していかねばならない。今回のデータを共有して更にレベルアップを図らねばならない。「全国私学平均との差」が問われることになってきた。「私学間競争」なのである。
・ そのためにも「服装などの生活習慣の改善」も重要である。そういう意味で今日の始業式から「全面作戦の展開」をして「生徒生活指導の質的量的レベルアップ」に入った。生憎雨の始業式となったが校長講話もじっくり話した。
・ 一度にはいかないが「全教職員でスクラムを組んで対応」することが重要だ。今度の作戦は「いい加減なものにはしない」。したら生徒に足元を見透かされる。頭髪、スカート、化粧、づり下げズボン、靴のかかと踏み、色物Tシャーツ、徹底して指導する。そのことが「生徒の為になる」と信じて疑わない。
・ 「駄目なものは駄目と教えないといけない」今まで我々は色々と理屈をつけて「逃げてきた」のではないかと最近考えるようになってきた。今日の職員会議でも思いを伝えた。時間はかかるが一歩づつ前に進もう。必ず「投入したエネルギーは何らかの結果を生み出す」ものだ。