2008年11月15日土曜日

11月15日(土)第二回浪速中学校プレテスト

・ 昼前に校内を巡回していたら新館入口付近から入試広報室の先生が「中学校、プレテストの数、年々増えていきますね」と声がかかった。「増えてもなー、問題はどのレベルの生徒かだねー?」と混ぜ返して“お互い大笑い”となったのだが、今日は第二回浪速中学校プレテストの日である。笑えるだけ良いのだ。
・ 段取りは一回目とさして変わらず、今日は「中学校1年生による体験発表」がある。これが結構評判が良い。従って僕の時間は10分マックス、それに一回目のプレも受けて2回目も受けに来る比率は約60%であるから、保護者に同じ事を2回も聞いてもらう必要はない。
・ 先ほどの“年々増えていますねー”ではないが「ここ数年の伸び率」は凄い。18年度入試を100とすれば19年度が99%の伸び率でその後さすがに99%とは行かないが50%の伸び率をキープしている。今年もそうだ。
・ 世の中にこのような伸び率を示す変数もなかろう。中国の経済成長率でも一ケタ台になってきた。しかし「問題はこの後」である。中学は高校入試と違ってまったく読めないのであり、深く静かに進行していく。長引くのである。
・ プレテストはあくまでプレテストで「志願者数」とは限らない。しかしまずプレテストを受けておくことが絶対的条件ではないが有利だから大体「その気がある」ならプレは受けるのが普通だ。
・ 志願者が決まった後でも高校入試と違って私立中学は受験日がばらばらだからこの段階でも「受験するかどうか分からない」。例年だと数名は他の私学に切り替える者は当然いる。そして次が「合格者」となり、「入学者」となる。入学者は入学料を払ってくれた人である。以上のようなわけで中学入試は局面が何回もあるのだ。
・ 府内の私立中学も大体プレは2回に分けて行う。だから最初のプレで「基準点をクリア」しておけば、「A判定」を貰えるからAを貰った生徒は「朱印状」を手にしたのも当然だから、2回目のプレは受けに来ないのも居る。
・ どうしているかといえば「良かった。もうしんどいから受けに行かなーい!」というのと「もっと上のレベルを目指す」というのと二つのタイプだろう。わざわざレベルの低いところに2回目を受けに行くなど考えられないからである。
・ 本当に私立中学の入試システムは上手く考え出されており最初にこのシステムを誰が考えたのであろうか、僕は感心してしまうのだ。前回ギリギリだった子は2回目何としても頑張ろうと受けにやってく。2回もプレを受ける生徒は「本校に入りたい一心」だと思って良い。
・ そういうと「そうでもない」と入試広報は言う。今や私立中学のプレテストは「外部模試的感覚」であり、受ける子は片っ端から受けるらしい。とにかく前述したように中学入試はこのように複雑怪奇なところが面白い。僕は今は「嵌っている感じ」だ。
・ 今日以降入試広報室の面々は受験してくれた生徒のいる塾などを回り「情報を集めて」最終判断するのだが今年は余計に大変だろうと思う。それは本校のポジションが相対的に上がったことと近隣の初芝が立命館グループ入りして「初芝立命館」となったことである。
・ 今まで本校と初芝は似通った中学校であったが「本校の実力アップ」と果たして立命館と名前が付くことになった「初芝との勝負が興味深い」のである。大阪市内ならまだしも泉州に住む生徒が東海道線の草津くんだりまで行くかという声は良く耳にするがこれだけは分からない。立命館は立命館だ。
・ その点本校が今最終的に話を進めている「関西大学」は全く違う。アクセスの良さと言ったらもはや「同じキャンパス内」という感じだ。順調に話し合いも進んでいる。正式に決まったらお金を使って大々的に宣伝だ。ひょっとしたらテレビコマーシャルまで流すかも知れない。
・ 僕はやる時は思い切ってやる。大体「少量小出し作戦」は旧日本軍のやり方だ。だから負けた。「けちな根性が失敗する」。アメリカみたいに「大量集中投入作戦」でなければならない。これは「兵法」である。
・ とにかく今大阪の南部ではこの経済不況下であるが「私立中学人気」が高まっているという。それというのも橋下知事の怒りの原点、「公立中学校の現状」に希望を失った親が「少々授業料が高くとも」、可愛いわが子の為なら「面倒見の良い私学へ」と考えているからだ。
・ それにしても僕は「中学校に思い入れが強い」。生まれて初めて中学校の修学旅行について行った。全員に屋久島登山撤退記念に携帯の屋久杉が付いたストラップを一人ひとりに手渡してやった。時々「まだ持っているか」と聞くのだが「家に大事に置いてある」と答えてくれる。これが「嬉しい」のだ。
・ 「サツマイモ育成体験」も場所を改め継続した。昨日は生徒会の役員がお芋を持ってきてくれた。「中学校運動」を始めた。大変好評だった。「遠足」について行き一緒にカレーライスを食べた。「テニスコート」を作り変え、「1面は中学優先」とした。「雅楽やブラバンの楽器」はどんどん買う。どうしてこうなんだろうと自分でも驚くくらいだ。
・ 「理由はある」ような気がする。2年目着任したときの最初の最重要なテーマは「中学校の廃止問題」であった。勿論理事会各位には同意を得て、浪速中学校卒業生の同窓会長までにも経営実態を詳細説明し「覚悟を決めて」赴任したのである。
・ 「忘れもしない」。1月9日の着任日当日16時から始まった私の「着任挨拶と経営方針」の資料だ。その年の年末年始を潰して私が「浪速を徹底分析した資料」で20ページにも及ぶものだった。
・ その時の資料は「中学校は廃止する」とは明確に書いては居なかったが誰が読んでも「そう分かる資料」であった。最後の質疑応答で一人の教員がやおら立ち上がって発言した。極めて「抑制したトーン」で「中学校廃止問題はもうしばらく1,2年待てないだろうか」というものであった。
・ その男が据わっていた席は私から見て最も右側で後ろから数番目に据わっている「背の高い男」であった。その時にはまだ名前も知らない人物であった。しばらく字数を使って中学校問題を振り返ってみよう。本音の文章となるだろう。
(その2:以降は浪速中学校プレテストその2として明日のブログに続く予定