2010年1月31日日曜日

1月31日(日)教職員雅楽団
















・ 本校の教職員で構成する「雅楽団」の練習が25日に始まった。神社神道の学校として本校に勤務する「教職員の同好会」ではあるが、正直私の「強い思い」もあってお願いしている「正式な職域団体」として位置づけている。今のところ10名でスタートした。
・ 本校の「例祭」などでこの雅楽団がクラブ活動の生徒たちと合同で演奏してくれたらどれだけ生徒や「学院神社の神様」は喜んでいただけるであろうか。又一人の人間として日本古来の和楽器である雅楽の楽器を「奏でる」ことが出来れば「人生の側面を華やいだものに出来る」だろうと考え始めたものである。
・ 「龍笛」は竹で出来た横笛であり、7つの指穴を持って能管、篠笛などの「和楽器の原型先祖」と言われている。その音色は「舞い立ち昇る龍の鳴き声」と言われることから「龍笛」」と名づけられたと物の本に書いてある。
・ 古代から貴族や武将に好まれ、有名な「牛若丸源義経の笛」なども龍笛である。宮本武蔵の恋人「お通さん」が吹くのも龍笛である。「清少納言」も吹いており「枕草子」には「楽器の中では笛がとても良い」などの記述がある。この龍笛がシルクロードを伝わって、ヨーロッパで「フルート」になったといわれている。
・ 私は支援の一環として「龍笛」を一人ひとりにこの月曜日にプレゼントする。最も竹製は高価で手が出ないから「プラスチック製」であるがこれで「我慢」して貰わねばならない。腕が上がったら自分で良いものを求めて欲しい。
・ そのうちに「装束」の用意も考えている。総合指導は大阪では第一人者の先生にお願いし、その先生の下、様々な指導者から「指導をお受けする」ということがあっても一向に構わない。費用は一切法人が支援する。
・ 年度末には「40畳の和室の大広間」が完成し、そこには「雅楽器格納庫」も設置するようにしている。「歌舞練場」である。先生方には1年くらいで「何とかいける」ようになってくれれば有り難いが急ぐ必要はない。個人差もあるだろうし、あくまで「生徒に向き合う教師としての仕事が最優先」であることは言うまでもない。
・ 最初のレッスンで「龍笛」が最初から最後まで「鳴らなかった」先生がいて「次回までに絶対鳴らしてみせる」と息巻いていたらしい。この先生は英語の先生だから「発音の関係」で上手く「舌」が回らなかったのではないかと私は考えている。
・ 他にも「やってみたい」と思われる先生がおれば「大歓迎」である。私個人も関心があるが「とても時間がない」と思って止めることにした。「職域」のこのような文化活動の地域大会、全国大会も多くあり、将来「浪速高校教職員雅楽団」として出場してもらうのが夢である。
・ とにかく浪速教職員雅楽団の皆さんには「頑張って欲しい」と念願するばかりである。「忙中閑あり」である。忙しい毎日の中で「ちょっと一服するゆとり」があっても良いではないか。返ってその方が「本業の方で良い仕事が出来る」と私は思っているのである。

・ 今日は「第30回大阪府高等学校芸術文化祭日本音楽部門のコンクール」があり午後「ドーンセンター」に赴いた。本校の雅楽部が出演した。ただ残念なことに学校の制服着用が義務つけられており、折角の装束を着用できなかったという。
・ 公立の学校に遠慮してというから「それはないだろう」と顧問の先生に言ったのだが仕方がなかった。「姿形から入っていく」というのは大切なことが分かっていないのだ。「雅楽は神にご奉仕するもの」で西洋音楽の個人の楽しみとは少し違うだけに衣装は重要なのである。
・ それにしても「素晴しい演奏」であった。観客席の皆様も珍しいと見えて真剣に聴取されていた。特に「大太鼓」の迫力が全体を盛り上げていた。龍笛、篳篥、笙、小太鼓、鉦と「一応全ての雅楽用の楽器を私は3年で揃えた」ことになる。「よくぞここまで来た」という感じだがプロ級の3年生が卒業するので後が心配である。

・ ところで「神社新報」という神社関係の新聞を読んでいたら興味ある記事があった。「ヨシを守れ」「雅楽関係者が活動」である。分かり易く言えば雅楽器の中で「篳篥(ひちりき)」というのがあるがこれの原材料は「ヨシ」でヨシの中でも唯一絶対のものが高槻市の淀川右岸の「鵜殿」産というか地区のものでなければ駄目だと言う。
・ この地区に高速道路計画が進捗中でこれがなされたらアシは全滅と国土交通大臣に対して請願活動をしていると言う。そのメンバーの呼びかけ人は「東儀俊美日本芸術会員・元宮内庁楽部首席楽長や九邇邦昭神社本庁統理」など全国の雅楽関係者だというのだから本格的である。
・ 雅楽は独特な音色と雰囲気を持つ日本の伝統楽器であるが宮内庁の雅楽は国の重要無形文化財の指定を受けているし、ユネスコの無形文化遺産にも指定されている。「笙(しょう)」「篳篥(ひちりき)」「龍笛(りゅうてき)」の三つを「三管(さんかん)」と言う。
・ どの楽器も主に竹をはじめ植物で作られておりその保護や製作技術の継承にも力が注がれているが、三管の中でも「主旋律」を担当する「篳篥」はその濃厚な音が「地上にこだまする人々の声」とまで称されているらしい。西洋楽器の「オーボエ」に近い構造だという。
・ この楽器の中枢部分である「蘆舌(ろぜつ)」というリード部分が「ヨシ」で、それも高槻市の「鵜殿のヨシ」でないと「使い物にならない」と記事にはあった。ヨシは全国いたるところにあって関東では利根川、関西でも琵琶湖にも多くあるが駄目だという。
・ 興味があって調べてみると鵜殿のヨシ原は平安時代から歴史があり、江戸時代の「楽家録」には「鵜殿のヨシは固くしまっている」と書いているそうだし、明治4年には宮内省が「鵜殿のヨシの刈り取りを願い出た」との記述もある。
・ とにかく素晴らしいものだということは歴史的経緯で分かった。だから「鵜殿のヨシを守れ」となっているのだろうと確信したので本校も「呼びかけ人」に登録されても良いなと思った次第である。

・ 以上でまがりなりにも新武道館の和室の「歌舞練場」の使用主体は雅楽団と生徒の雅楽クラブで形が付く。多く言われていることであるが、何かの「箱物」を作った当座は興味関心があって「賑わう」が少し経てば「誰も行かない」などという光景は日常茶飯事である。
・ 私はこれを「忌み嫌う」。お金を捨てた気がするのだ。無理やりでも「使って貰う」ことを考えるのが私の仕事である。「多聞尚学館」もそうだった。「週末スペシャル」がそうであった。最初から「使うように仕組みを作る」のが私の責任である。教職員雅楽団の狙いの一方はここにあるのである。