2010年1月15日金曜日

1月15日(金)その2:私立中学校応募状況




・ 今朝の新聞を見て「浪速中学の応援者」は目で数値を追ってくれていることだろうと思った。大阪の私立中学校高等学校連合会は14日に府内の「私立中学校2010年度入試の応募状況(13日の午後3時現在)」を集約して発表したのである。
・ 中等教育学校の1校を除き外部募集人員は昨年度より523人増で内「1次A試験は7171人の募集に対して9898人の応募者」があった。この数値は面白い。募集が7、1、7,1で応募が9、8、9、8、と揃っている。まあ関係ないか。
・ 「平均倍率は昨年度より0.07ポイント下がって1.38倍」である。男子校が2倍、女子校が1.3倍、共学校は1.28倍となっている。新聞記事にはまだ願書を受け付けており「最終的な平均倍率は変動する」と書いてあるが、その通りで「本校はこの新聞発表よりは大分多い数値」となっている。
・ 「一次試験は明日の16日から各校一斉に始まる」。本校も明日の準備は大方終わって静かにその時を待っているという状況である。私は2時過ぎ会場を視察し、気づいた点を指導した。
・ 人数が増えたから会場設営など大変だった。まず「明日が1次A試験で引き続いて日曜日の17日が1次B試験」となる。どの学校の同じようなものであるが第2次試験まであるところと無いところがある。本校は2次試験まで実施する。
・ 読売は「京阪神中間発表」として「私立中志願者3万人下回る」と書き、分析記事を載せている。京都、兵庫でも平均倍率が前年度を下回って「5年ぶりに3万人を切った」という。更に記事では有名進学校でも前年実績を下回る学校が相次いだと書いてある。
・ 「長引く不況や公立高校での授業料無償化」によって「中高一貫の私立が敬遠」されたと分析している。「」と私は思ったのである。一旦入れば6年間高校卒業までに動けない中高一貫よりはある程度の自由度を持っておきたいと保護者が考えたというのであろうが「果たして本当にそうだろうか」という疑問もある。
・ 大阪ではほぼ横ばい、京都は1300人減、兵庫は1200人減であったというが、大阪は今年公立高校の超エリート校10校が出来るからそれを狙うなら私立中学を敬遠すると考えれば志願者が下がる筈が落ちていないから「やはり経済問題ではないのか」という気がするのである。
・ 「全国屈指の難関中学である灘中学」も70人も減り倍率は10年ぶりに2.85倍と3倍を割り込んでいると言う。灘の教頭先生は毎年100人以上いる関東圏の受験者が落ち込んでいるという。しかし灘くらいになると東京から受験に来るのかと私は驚いたのである。
・ 京都の絡星中学も志願者が減ったと言う。大阪の近大付属中学も「公立高校授業料無償化で中学も私学離れが進んだ」とコメントしている。中学受験では大手の第一ゼミナールの関係者は「今後人気校を除き、生徒募集で苦戦する私立中学が増えるだろう」と話している。
・ 私は朝から鉛筆片手に「老眼鏡」をかけて新聞の数値を追った。こういう場合、「大阪日日新聞」が最も便利で、それは片面全てを使って記事にしているからである。「見易い」のである。自分で「他校の倍率と絶対数値を縦から横から眺めて分析する」のである。
・ 中学受験はまず「1次試験の募集人員を応募状況とのギャップ」で見なければならない。その次に「応募者の絶対数値」である。募集人員120名で110名の応募で10名のマイナスとなっているA中学と募集人員30人で応募40人で10人のーバーのB中学とどちらが良いかという話である。
・ 定員割れはしているが絶対数値の多いほうが良いと言いたいが、必ずしもそうとは言えないのである。A中学110名の「偏差値」が50平均とB中学40名の偏差値平均が60とすればどちらが良いのかという議論にもなってくるからだ。
・ 本校のポジションは丁度「中間点の少し上の位置」にあることは間違いない。私は十分満足しているのである。過去3年間を見れば「一挙には行かない」のであって、丁度「転換点」に来たと分析している。「120名と言うのは少ない数値ではない」。
・ 1次B試験での志願者も130名を超え、これはまさしく「関大連携の効果の一つ」と考えている。とにかく今年の受験は「読めなかった」。入試広報室のメンバーも皆が同じようなことを言っているのである。
・ 1次B試験は1次A試験をどこかの上位校で受けて万が一の場合は「滑り止め」にするとの狙いであると考えれば理解できる。1次Bからの「戻り」が果たしてどうなるのか、それが最終的入学者数を決めるのである。
・ 大阪の場合中等学校の1校を入れて「総計65校あるが定員を満たしている学校は37校」ある。本校もその中に入っている。「28校は定員割れ」だ。中には数名という学校もある。しかしこの倍率論議は余り意味は無い。「如何に多くの生徒を呼んでいるかで志願者の絶対数値」で追えば私立中学の構図が容易に見えてくる。
・ 男子校では上から「星光」「高槻」「明星」「清風」となる。女子中学では「四天王寺」「大阪女学院」「大谷」「プール学院」「帝塚山学院」「樟蔭」と来る。女子中学は強い。共学校では「関西創価」「関大一髙」「同志社香里」「清風南海」「清教学園」「近大付属」「開明」「桐蔭」「帝塚山泉が丘」などが来る。
・ 前述したように本校は105名の募集で122名、1次Bで130名が受験してくれる。4年前などの30名も受験生がいなかったときのことを考えれば中学副校長や教頭は「感無量」という。
・ 今日の新聞記事など「昔は見なかったそうだ。」見るに耐えなかったということだろう。しかしようやく中間点に来た。100名以上集められる学校になったということである。しかし「胸突き八丁」であることも間違いない。
・ 後、2次試験などがあるが今年の勝負はほぼ終わった。今年の結果を徹底的に分析し来年度の作戦に備えなければならない。「少子化、公立高校の授業料無償化、子供手当ての支給」など要因は全ての私立中学の関して同じ条件である。
・ 関大連携浪速中学校はもっともっと教育の中身を高め、今まで以上に頑張らねばならない。「今の本校の先生方であればどこの中学の先生方にも負けてはいないと確信」している。私は先生方の力を信じ「経営資源を投入してインフラの整備」を進める。
・ 来年度は入試広報室にも更に人材を投入し、「新たな戦略を練る」よう既に私は入試広報室長に指示したところである。「間違いなく浪速中学は良い中学であるから自信を持って塾の先生方や保護者に訴えてい」のである。