2008年9月15日月曜日

9月15日(月)映画「おくりびと」

・ 本当に久し振りの「連休」である。大体土曜日は午後も学校において様々な行事があり、午後から休みと言うことにはならない。体ももう慣れてしまった。そういうわけでこのような祝日があると連休となり、「嬉しく」なってくる。
・ 前日から「さて明日は何をしようか」となるのだが、いざそのような時になると取り立ててということもなく、時間を若干もてあまし気味になってくるのが悲しい。別件で京都で用事もあったのだが、午後から雨の予想で、結局取りやめてしまった。
・ そういうときに便利なのが「映画鑑賞」である。田舎と違って今住んでいる場所は快適な映画館が歩いて直ぐそばにあるから「良いと評判の映画」は行くのである。しかし本当に久し振りの映画館だ。
・ この夏は藤田まこと主演の「明日への遺言」も見逃してしまった。気分が乗らないとどうも行く気になれない。しかし今日はその気になったのである。見たい映画は封切二日目だから、混むと思って9時半頃チケットを劇場まで買いに行く。15時20分始まりを求めたがもう一杯だという。
・ 「シニヤー料金」とかで格安だ。当初はシニヤーとか言われて何か複雑な思いがしたのに、今は平気である。収入があるのでこういうサービスなど私には不要なのだが今日は顔を見るなり「シニヤーさんですね。」と言われた。去年まではそういうことはなかったのにと思う。老けたのかも知れない。休みは顔のひげも剃らないからそのように見えるのかもしれない。
・ 映画は「おくりびと」というタイトルで「本木雅弘、山崎勉」が主演で「納棺師」という職業を真正面から捉えた意欲作だ。海外のモントリオール世界映画祭で賞をとった作品で、監督は良く知らなかったが滝田洋二郎氏である。
・ 確かに「素晴らしい映画」だった。私がここ10年で見た映画のうちで最も良かったと自信を持って言える。テレビなどでも宣伝しているので興味があったのだが、期待を裏切らず「面白いというか感動」というか「何かが私に入ってきた」映画であった。
・ 映画でも舞台でも唄でも美術展覧会でも見ることによって「何らかの影響を自分自身が受ける」。これが大切だ。それにしても主演の本木、山崎両氏の演技は圧巻だった。巣晴らしい。特に名優といわれる人の演技の素晴らしさは「物を食う」シーンに現れるというのが私の見方で、今日の映画もそういう場面が多かった。
・ 脇役陣も広末涼子、余貴美子、吉行和子、笹野崇文、峰竜太等でそれぞれが良い味を出していた。中でも広末は良かった。しかしとにかく山崎勉、本木雅弘両氏はこのような役では他の追随を許さないだろう。代表作となるような名演技であった。私は感動した。
・ 「親子の情愛」を絡ませながら「人間の尊厳である死での旅立ち」を主題に涙あり笑いありで、昔伊丹万三作品の「お葬式」という映画があったが、それを超えるものだと感じた。家に帰ってもまだ「死体の雰囲気の微粒子」が体にまとわり付いている感じで、さすがにそのまま「夕食」というわけには行かなかった。それだけ映画が良かったということである。風呂に入る。
・ 是非多くの人に見ていただきたい作品でした。詳しくは書きませんが「きっと心に残る映画」となるでしょう。家の大きなテレビでDVDで見るのも悪くはありませんが、映画館でみる迫力と臨場感は違います。
・ それにしても最近の映画館はちょっとしたホテルのラウンジみたいな誂えで椅子も広くて立派です。くつろいで見えるし、何より全館指定席だからその時間に行けば宜しい。立ってみている人など皆無であの「ゆったりとした開放感」が私には丁度良いのである。1000円で3時間、ゆったりと良い映画は「こころのコリをほぐしてくれました」。人間がやさしくなれるような気がするのです。
・ さて連休も終わった。明日は「秋の理事会」である。色々と重要な課題があり、「議長」として立派に運ばなければならない。明日の特徴は理事会、評議員会に「教諭に出席してもらって、報告してもらう」ことだ。何時も管理職だけではなくて時に先生方も経験して欲しいと思って考えたものだ。