2009年4月7日火曜日

4月7日(火)健康診断

・ 明日の「始業式」を前にして今日は新入生の「健康診断」である。「X線と心電図」だ。中学校高校の635名である。中学校は8時20分に登校させて心電図から入る。部屋から見ていると中学生は直ぐ分かる。まだ「子ども、子ども」しているからだ。
・ 学院神社の前まで進んで「ピョコッ」と頭を下げて拍手を打っているのが見えるが前まで来なくとも鳥居の外で軽く頭を下げるのが高校生のスタイルだが、まだ素直にそのようにしているのだろう。
・ 今年の中学生はどうも良いみたいだ。今年卒業した中学3年生は一クラスであり、この担任を務めたN先生に引き続いて1年生の担任をお願いしている。この先生が私に次のようなメールを寄越している。
 “私自身、長い教師生活の中で、初めての中学1年生担任・学年主任ということで、責任の重さをひしひしと感じる入学式でありました。しかし、待機中の生徒たちの態度、教室での話を聴く姿勢、提出物(忘れ物の少なさ)、などを見ておりますと、上手く表現できませんが、「今までの中学生とは少し違うなあ」という印象を持ちました。「今後が非常に楽しみな生徒」たちで、ますますやる気が湧いてまいりました。”
・ 高校生は数が多いため、「時差登校」をさせて各類単位に行う。レントゲン車は1台来る。又検査の流れをスムースにするため、男女とも無地のTシャツまたは肌着を指定しており、特に女子にはスポーツブラや金具の無い下着の着用を指導している。
・ 男子校時代はいい加減で裸の男ばかりがそこらじゅうを走り回っていたが共学になって以降、この辺の「生指ノウハウ」も徐々にではあるが積みあがってきており、特に女性教師が増えて大いに助かっている。
・ まさか女生徒の前で男子生徒がパンツ一枚と言うわけにも行かず、もしそういう光景を見たら「民度の低い学校」と言われかねないし、「セクハラ学校」の掛け声などがかからないとも限らない。私はこの辺を厳しく見ているのだ。  
・ 内科検診は3回に分けて「学校医」の手によって成されるが、本校は生徒数が多いため、数回に分けて実施される。昨年学校医を変えて新しい先生にお願いしたのであるがどうしても回数減にはならない。どうして今日の診断と内科検診がドッキングして出来ないのか考えれば腹が立つ。日が合わないというが調整したのか。
・ この医者の世界も友人のドクターに頼んで応援してもらい1回で済ますと言うのは無理みたいだ。背景には「医者不足」があるのか。それに体育科が「体力測定」をドクターの休日である木曜日に入れたものだから今年も4月、5月と月をまたいで行うことになっている。気に入らない。だらだらと内科検診が続くことになる。
・ ところで学校で最も恐れる病気は「肺結核」である。今朝の新聞でマスコミはタレントのはりせんぼんさんの箕輪さんが罹患して入院と報じていたが、タレントの肺結核が珍しいのか、頻繁に報道されているが実は最近でも極めて恐ろしい病気である。
・ 「 学校保健法」でも第三章で「伝染病の予防」は厳しく規定されており、若し一人でも生徒が判明すれば大変なことになるからだ。私は生徒を守らねばならない。従って生徒の健康診断には気を使う。
・ 今年はインフルエンザに罹った生徒も少なくほっと一安心であった。中学で連続して発生した時には「何時学級閉鎖をするか」真剣に考えたものだったが今年は幸運であった。夏は本校の大敵「熱中症」である。2年前これには痛い目にあったからである。
・ それにしても学校保健法と言う法律も大したものだ。昭和33年の法律であるが今日まで見事に規定している。第一章が総則で学校保健安全計画、学校環境衛生、学校環境の安全の規定だ。
・ 第二章が健康診断で「就学時の健康診断」がある。今回のものが相当する。又この章には職員の健康診断の規定や健康相談の項目もある。第三章は前述したように「伝染病の予防規定」である。
・ 16条に「学校医の設置義務」と19条に「保健室の設置」が義務つけられている。しかし私は思うのだ。「昔の人は偉い」と。簡潔に学校の保健健康管理を守るための法令がこのように見事に昭和33年ころに規定されていることは素晴らしいではないか。
・ 重要な役割を担うのが「養護教諭」と「保健主事と言われる教諭」である。特に養護教諭は養護教員免許を持つ学校の正規職員である。養護助教諭というのもあるが臨時的な職位だと思う。
・ 本校くらいの規模になると養護教諭は2名必要であり、今年から1名増強して2名体制とした。これ以外に保健室勤務の職員を有しており、「看護師の資格」を有しておられる方だから「本校の保健室は強力」である。
・ 全てを取り仕切る責任者は保健主事でこの職位の言い方は色々あるが、本校では「保健体育部長」である。普通は保健体育科の教諭が就くことが多い。彼らは「授業」をすることは出来るが養護教諭は授業は出来ない。出来るのは「保健指導」である。
・ 体育科の教諭は言って見れば「学校全国区」であり高校の英語とか数学の先生、中学校の先生とかの「地方区」ではない。学校全体の「行事」には欠かせない全国区である。
・ ところが今年着任した東京女子体育大学のバリバリの新任の女性体育教師を、こともあろうに中学校は「副担任として採用」したと「錯覚」してこき使っているという。この話しを聞きつけた私は早速命令を下した。
・ 定席は体育科、早く女生徒の体育の授業のシラバスを勉強し、体育科の仕組みを身につけないと体育科の先生として役に立たないと関係者を呼んで厳命したのだ。明日の始業式が終わればもう授業なのに「「私、何をどうしたら良いんでしょう」では可哀想ではないか。他の教科の新人先生は教材研究に血眼になっているというのに。
・ 「体育科はまとまりの大変良い教科団」である。まずここで訓練して余裕が出れば中学校の仕事も当然すれば良い。しかし優先順位がある。幾ら教室の掃除や中学校の仕組みが理解でき、上手くなっても「本家本元の体育科の授業」を見事にやってもらわないといけない。そのために採用したのである。すんでのところで私は救助、救済したのである。危ないところであった。