・ 「高校授業料の無償化」に比べて「子ども手当て」の問題は大きな議論にも話題にもなっていないのが私は不思議と感じている。もう少し騒がれても良いのにと思うのだ。これも民主党の目玉の政策である。
・ 過日どこかのテレビで報道していたが「今、塾業界が燃えている」という。それはこの子ども手当てが「教育費に回る」と期待してのことらしい。確かにこの「子ども手当ては教育費」となってくれれば良いと私も思う。
・ 民主党が掲げた子ども手当は中学生以下の子ども一人当たり月額26000円(初年度の10年度は半額の13000円らしいが)を支給する制度で現在厚生労働省が急ピッチで制度設計を進めているものである。
・ ただ注意しなければならないのは国会でも激しい自民党の突き上げがあったが、子ども手当てを創設する代わりに財源捻出のため「配偶者控除」と「扶養控除」が廃止されるから子どもの数と年収によっては収入が目減りのケースもある。
・ 例えば子どもは居なくて妻のみ扶養で年収が300以上であったら2万円程度目減りとなる。子ども一人であれば15万円ほど増、子ども二人であれば51万円以上の大きな収入増となる。
・ 現在、「中学卒業までの子どものいる世帯は約1100万世帯」があり、とにかくこの人たちにとっては有難いことは間違いない。生まれてから中学卒業まで毎月26000円が子ども一人に対して支払われるのだから年間312000円にもなる。二人居れば624000円だから小さい数値ではない。
・ 自民や公明の公約は「児童手当」で「所得制限」があったりしたがこの民主党の子ども手当ては所得制限などなくて魅力的なことは間違いない。しかしこの政策の「真の狙い」は何処にあるのか。どこからも教育費だという声など聞いたことはない。
・ 財務省は「景気対策」と言い、家庭の収入を増やして消費を刺激するというが、子ども手当てとなっているお金で「てっちり鍋」を食べたり、「ユニクロ」で服を買ったりするだろうか、はなはだ疑問である。
・ 政府からお金が貰えるからと言って「少子化対策」に応えるとして「せっせ」と子どもを作るだろうか。これもはなはだ疑問である。仮に現在の出生率1.37が2.0に跳ね上がったら子ども手当てに要する費用は約1.5倍になって財政はパンクすることは間違いない。
・ 国の借金(債務)が550兆円、地方の借金を合わせると880兆円にもなっているが「約5兆円を超える子ども手当て」だ。結局「生活給付金」的なものなのであろう。生活が苦しい家庭では「生活費」に消えていくだろうし、余裕のある家庭では子どもの教育費に回っていく可能性もある。
・ ある有名な人が「子ども手当てで家を買え」と言ったらしいが5人くらい連続で子どもを作って貯金したら2000万円くらいはすぐ貯まることになる計算だ。「親の年金を当てにする子どもがいるように、子ども手当てを当てにする親」が居てもおかしくはない。
・ 高校の授業料は国や府の支援が制度化されて低所得家庭には「授業料無償化」がスタートする。中学生以下にはこの子ども手当てが「授業料軽減措置」だと考えれば26000円X12ヶ月=312000円の補助金であり、「私立中学に行かせよう」と考える親も出て来ないか。ここを期待している。
・ 前述したように塾業界はこの子ども手当てが塾に10%以上回ってくると踏んでいるようだが、小学生を塾に通わせようとするのは狙いとしては公立中学校へ行かせるのではなくて、「有名私立中学校に行かせよう」と考えているからである。だから塾が期待しているのである。
・ とにかくこの26000円は「教育費」に回すことが最も理にかなったことと思う。「子どもへの生きていく力の養成」のための出費にすべきであって「回転寿司」や「ファミレス」に行く頻度を増やすべきではないと私は思う。
・ ここに面白いデータがある。11月2日の日経の記事だ。双子が生まれてその上に7歳の子ども、共働きで夫47歳、妻39歳の家庭である。義務教育は公立だが高校は「私学に行かせてやりたい」と考えており、この「家計をシミュレーション」しているのである。
・ 今生まれた双子が大学に入学するときに夫は66歳で妻は57歳になっており、夫は年金生活、大学卒業までの教育費トータルは4000万円必要で、教育費のピークは夫65歳のときと言う。特に60歳定年後は毎年500万円程度の赤字となる計算だ。
・ この間子ども手当てが3人分で1100万円あるから、これをすべて「貯蓄」に回しても不足で夫婦共働きの手取り収入から「3割は教育費貯蓄に」となるらしい。3割も貯蓄に回して子ども3人を大学に行かせるのは至難のこととなってきているのである。
・ やはりこれは間違っているのであって、結局日本の教育問題は「大学の教育費への公的支援が少なすぎる」と言うこと、言い換えれば「私費負担が大きすぎる」ということである。確かに高校授業料の無償化や子ども手当ての創設は「人目を引く」が日本で今最も「国として必要な施策」は前のブログにも書いたが「大学教育への助成」ではないのか。
・ 私立中学校、私立高校を経営する者としては授業料の助成と子ども手当ては大いに助かるは話であるが何時政権がひっくり返るかもしれないし、特に子ども手当てが「教育費に循環」されることを期待するばかりである。
・ 自民党議員が「子ども手当でパチンコに行ったらどうする」とか言っていたが、それはともかく、これで「給食費を払う」とか「授業料の滞納は無くなる」とかは思わないほうが良いと思う。いくらお金があっても払わない人は払わないという人も多い。
・ 今回の財源では雇用調整助成金、再就職支援能力開発対策、緊急雇用創出事業、一人親家庭の支援、社会的養護、子育て応援等別手当てなどなど多くの施策が廃止される。このことで「泣く人もいる」のである。この高校授業料無償化と子ども手当てに全く「恩恵にあずからない人々」が多く居るということを受益者は意識して適切な使い道を考えないと全く意味はない。
・ 過日どこかのテレビで報道していたが「今、塾業界が燃えている」という。それはこの子ども手当てが「教育費に回る」と期待してのことらしい。確かにこの「子ども手当ては教育費」となってくれれば良いと私も思う。
・ 民主党が掲げた子ども手当は中学生以下の子ども一人当たり月額26000円(初年度の10年度は半額の13000円らしいが)を支給する制度で現在厚生労働省が急ピッチで制度設計を進めているものである。
・ ただ注意しなければならないのは国会でも激しい自民党の突き上げがあったが、子ども手当てを創設する代わりに財源捻出のため「配偶者控除」と「扶養控除」が廃止されるから子どもの数と年収によっては収入が目減りのケースもある。
・ 例えば子どもは居なくて妻のみ扶養で年収が300以上であったら2万円程度目減りとなる。子ども一人であれば15万円ほど増、子ども二人であれば51万円以上の大きな収入増となる。
・ 現在、「中学卒業までの子どものいる世帯は約1100万世帯」があり、とにかくこの人たちにとっては有難いことは間違いない。生まれてから中学卒業まで毎月26000円が子ども一人に対して支払われるのだから年間312000円にもなる。二人居れば624000円だから小さい数値ではない。
・ 自民や公明の公約は「児童手当」で「所得制限」があったりしたがこの民主党の子ども手当ては所得制限などなくて魅力的なことは間違いない。しかしこの政策の「真の狙い」は何処にあるのか。どこからも教育費だという声など聞いたことはない。
・ 財務省は「景気対策」と言い、家庭の収入を増やして消費を刺激するというが、子ども手当てとなっているお金で「てっちり鍋」を食べたり、「ユニクロ」で服を買ったりするだろうか、はなはだ疑問である。
・ 政府からお金が貰えるからと言って「少子化対策」に応えるとして「せっせ」と子どもを作るだろうか。これもはなはだ疑問である。仮に現在の出生率1.37が2.0に跳ね上がったら子ども手当てに要する費用は約1.5倍になって財政はパンクすることは間違いない。
・ 国の借金(債務)が550兆円、地方の借金を合わせると880兆円にもなっているが「約5兆円を超える子ども手当て」だ。結局「生活給付金」的なものなのであろう。生活が苦しい家庭では「生活費」に消えていくだろうし、余裕のある家庭では子どもの教育費に回っていく可能性もある。
・ ある有名な人が「子ども手当てで家を買え」と言ったらしいが5人くらい連続で子どもを作って貯金したら2000万円くらいはすぐ貯まることになる計算だ。「親の年金を当てにする子どもがいるように、子ども手当てを当てにする親」が居てもおかしくはない。
・ 高校の授業料は国や府の支援が制度化されて低所得家庭には「授業料無償化」がスタートする。中学生以下にはこの子ども手当てが「授業料軽減措置」だと考えれば26000円X12ヶ月=312000円の補助金であり、「私立中学に行かせよう」と考える親も出て来ないか。ここを期待している。
・ 前述したように塾業界はこの子ども手当てが塾に10%以上回ってくると踏んでいるようだが、小学生を塾に通わせようとするのは狙いとしては公立中学校へ行かせるのではなくて、「有名私立中学校に行かせよう」と考えているからである。だから塾が期待しているのである。
・ とにかくこの26000円は「教育費」に回すことが最も理にかなったことと思う。「子どもへの生きていく力の養成」のための出費にすべきであって「回転寿司」や「ファミレス」に行く頻度を増やすべきではないと私は思う。
・ ここに面白いデータがある。11月2日の日経の記事だ。双子が生まれてその上に7歳の子ども、共働きで夫47歳、妻39歳の家庭である。義務教育は公立だが高校は「私学に行かせてやりたい」と考えており、この「家計をシミュレーション」しているのである。
・ 今生まれた双子が大学に入学するときに夫は66歳で妻は57歳になっており、夫は年金生活、大学卒業までの教育費トータルは4000万円必要で、教育費のピークは夫65歳のときと言う。特に60歳定年後は毎年500万円程度の赤字となる計算だ。
・ この間子ども手当てが3人分で1100万円あるから、これをすべて「貯蓄」に回しても不足で夫婦共働きの手取り収入から「3割は教育費貯蓄に」となるらしい。3割も貯蓄に回して子ども3人を大学に行かせるのは至難のこととなってきているのである。
・ やはりこれは間違っているのであって、結局日本の教育問題は「大学の教育費への公的支援が少なすぎる」と言うこと、言い換えれば「私費負担が大きすぎる」ということである。確かに高校授業料の無償化や子ども手当ての創設は「人目を引く」が日本で今最も「国として必要な施策」は前のブログにも書いたが「大学教育への助成」ではないのか。
・ 私立中学校、私立高校を経営する者としては授業料の助成と子ども手当ては大いに助かるは話であるが何時政権がひっくり返るかもしれないし、特に子ども手当てが「教育費に循環」されることを期待するばかりである。
・ 自民党議員が「子ども手当でパチンコに行ったらどうする」とか言っていたが、それはともかく、これで「給食費を払う」とか「授業料の滞納は無くなる」とかは思わないほうが良いと思う。いくらお金があっても払わない人は払わないという人も多い。
・ 今回の財源では雇用調整助成金、再就職支援能力開発対策、緊急雇用創出事業、一人親家庭の支援、社会的養護、子育て応援等別手当てなどなど多くの施策が廃止される。このことで「泣く人もいる」のである。この高校授業料無償化と子ども手当てに全く「恩恵にあずからない人々」が多く居るということを受益者は意識して適切な使い道を考えないと全く意味はない。