2010年5月13日木曜日

5月13日(木)国の就学支援制度






















・ 今日は「朝礼の日」であった。校長講話としては来週から始まる「中間試験」を頑張るように激励した。高校1年生にとっては初めて体験する「大型の校内考査」であり、緊張もしているだろうが、こちらとしても緊張して勉強して貰わないといけない。
・ 私からは中学と違って点数が低いと1年が終了した時点で単位取得に影響が出て「原級留置」となる可能性もあるとまで言及した。分かり易く「留年」もっと言えば「落第」の言葉まで使って発破をかけたのである。
・ 居並ぶ生徒を見ながら今年から始まった「高等学校就学支援金制度」のことを思った。この1年生には相当数の加算支給対象者がおり、彼らには税金が支給され授業料が実質無償化となるので、その分「意識を高めて頑張って貰わないといけないな」と思ったのである。
・ しかし個別に「貴方は授業料は無料、貴方は全額戴きます」となど絶対に学校からは言えないが、そのうち生徒間でお互いの事情が知れ渡るようになったら「困ったなー」とも感じたのである。これは一度整理して対応を考えることにしよう。

・ 国の「高等学校等就学支援金」(全員、保護者の所得に応じて加算あり)と大阪府の「高等学校等授業料支援補助金」(保護者の所得が基準以下)制度が4月からスタートしたがこのほど漸く「第一次集約の結果」が纏まった。しかしこの間「事務処理は大変だった」。
・ 特に5月の連休を挟んでいたから「生徒からのプリント持ち帰り」だけではなくてコストはかかったが「切手を貼った郵便物」としたり臨時職員会議や入れたりして「事務と教員がタッグ」を組んでご家庭に対する「趣旨の説明と洩れ防止の徹底」を図ったのである。
・ そして見事と言うか何と言うか、4月から6月までの分については「事務処理が完了」した。洩れはないと思う。4月から勤務いただいている事務長代理には突然の大きな仕事で大変だったと思うが「良い仕事」をして貰ったと思う。
・ 今回感じたことだが、このような内容での事務手続きにおいて「如何に保護者との連絡を取るのが難しいか」ということである。勿論圧倒的には問題はないのだがご家庭によっては「連絡が取れない」のである。まさに「夜討ち朝駆け」で捉まえないといけない場面もあったのである。
・ 保護者が理解に時間を要したのは「国の支援金と府の補助金を区分」して考えねばならないことだったと思う。この「中味の違い」が分かればその後の理解は進むと思ったがこれは当方の詳しい説明書きでご理解頂いたのではないか。
・ 課題は予想したとおり「低所得の場合加算を受けることが出来る」の項目であり、「加算請求」の事務処理に時間がかかったのである。これは家庭の所得が低ければ「加算」即ち「支援金の上積みを要求することが出来る制度」である。
・ 従って定められた「所得基準」に沿った「加算支給申出書」を締切日までに、証明書添付で学校に提出してもらわねばならなかったのだが、これに大半の時間を取られた。
・ 結局事務手続きに時間を取ったのは所得基準の税額「父母合算」であると言う項目である。しかし一つ一つ我々は精査して漸く集約結果が纏まったのである。「本校の加算請求者の数」はここでは書けないが結構大きい数値となった。
・ でも仕方がない。生徒保護者のためで学校法人から「加給型奨学金」を支給し低所得者には実質授業料の無償化を進める。経営を直撃するが先行して「学校改革」を進めた効果がここでも効いたのである。
・ 次の山場は「4月から6月までと7月から明年3月まで」の基準となる所得の年次が異なることに伴う6月中になされる第二次集約作業であろう。国の支援金を受け取るには「4月と6月の2回提出しなければならない」ことである。ここがポイントである。
・ 基本的に同じ事務手続きとなるが、保護者からは「又ですか?この前の資料では駄目なんですか?」と言われるのでないか。これは十分想像できる。しかし法律だから仕方がない。2回提出して初めて「満額」受け取ることが出来るのである。
・ そして「10月には大阪府の補助金申請作業」が始まる。年収500万円未満程度(市町村民税所得割額81300円未満)に該当する場合は大阪府の授業料支援補助金を受け取ることが出来るので6月末に再度「加算支給申請書(7月認定分)」と「授業料支援補助金申請書」を学校に提出することが求められている。これも大変である。
・ 私は今朝の朝会で「事務職員の変更・増強」を検討するように事務長に指示を出した。こういう作業はミスがあってはならない。元々2000名近い生徒と150名の教職員の事務処理を現在は7名の職員で対応しているのが「一杯一杯」になってきていると思っているのである。

・ 新年度が始まったばかりであるが。もう来年度に向けての業務が始まっている。来年度の入学者数はどうなるのか?「浪速人気はまだ燃え盛っている」のかどうか心配である。ただ例年なら6月頃から公立中学校の生徒が本校訪問に入るのだが、今年はこの5月から来校の話しがあるらしい。こういうニュースは嬉しい。
・ 入試広報室の面々が中学校訪問でこの「私立学校授業料支援制度」の分かり易い資料を持参されたら中学校サイドには大変好評と聞いた。結構なことである。この辺の「気配り心配り」が本校入試広報室の最大の長所だと思う。

・ 平成22年度大阪私立高等学校の入学者数が纏まりその資料が送付されてきた。すでに公表されており、「入学者数の多い順にグラフ化」してみたら「本校はトップ6位」につけていた。競馬や陸上競技ではないのだから別に順位は関係ないのであるがそれでも私学経営者としては重要な数値である。
・ トップ3は大学系列の付属高校である。中でもダントツのトップは近畿大学付属高校さんで1004名というから信じられない規模である。独立系トップは清風学園さんで715名、清風さんの素晴らしさは「内部進学者が420名という府内ぶっちぎりの多さ」である。
・ 独立系2位は興国高校さんでこの学校の立派なことは中学校を持たないだけに内部進学者ゼロであるが実に「外部入学者数が615名で専願で埋まる」と言う大きさを誇ることである。その次に浪速が来るが2位興国との差は結構大きい。
・ しかし「現実は厳しい」。入学者数が100人未満の学校が7校、200人未満の学校が26校もある。300人未満となると53校となり、半分以上になる。統計上95校のうち53校が300人未満だからグラフを見ても分かるように完全に「模様」が分かるのである。
・ それぞれの学校に特徴があって「数を競って」居るわけではない。抑えている学校も多いのであるが本校は「文武両立」の学校を標榜し、「ウイングを広げた懐の大きい学校作り」を目指しているだけに「ある程度の規模」は確保したいのである。さあ、来年に向かって頑張って行こう。