2007年7月13日金曜日

7月13日(金)その2 「伊勢修養学舎」

伊勢修養学舎
1.本校には他校にない独特の言葉が多くある。先にブログに書いたが「神社奉仕」というのもあった。「春季例祭」「秋季例祭」「奉告祭」などもある。これらの中で異彩を放っているのがこの「伊勢修養学舎」である。これも着任当時は何のことかさっぱり分からなかった。
2.本校の学院神社は伊勢神宮のご祭神と同じであり学院神社の真東に神宮がある。学院神社にお詣りすることは自動的に「伊勢神宮に遙拝」していることになるのだ。即ち一年に一回本家本元の大神宮(伊勢神宮のこと)に学校として参拝する行事が「伊勢修養学舎」である。
3. 要は新入生を迎えて1学期終了直後、全員を伊勢神宮に連れて行くというものだ。神宮会館を宿舎として3日間続く。小さな修学旅行である。内容がすごい。内宮、外宮参拝は当然として聖俗界を分けるという宇治橋の下を流れる清流「五十鈴川での禊ぎ」というのがある。朝早く生徒全員水着姿で聖なる川にて禊ぎをしてから内宮にお詣りするのだ。ネットの五十鈴川を検索すると本校のこの禊ぎが記述されているくらいもう有名になっている。その他神楽奉納、風日祈宮・荒祭宮・猿田彦神社参拝、夜は夜で神社拝詞の講義や書写がある。スケジュールは過密でさえある。
4.共学にしてから女生徒への対応に困っているらしく、女生徒には五十鈴川の禊ぎはないとのことだが、私は「工夫して、考えて欲しい。」と言っている。女生徒には別途着物の着付け、礼儀作法というのがあって、これは男性教員には出来ないので大阪の神社の女性宮司や女性禰宜さんに頼んでいる。今年は女生徒も増え、4人の方にお願いした。
5. 神社神道の精神を建学の源としている学校だけあって伊勢神宮司庁の有り難いご配慮があり、通常入れない「御垣内」という内部まで入れる。今年は7月21日近鉄上本町から全員電車で出発、私も3日間、フルアテンドし、五十鈴川にて禊ぎをするつもりだ。けがれを取り除かなければならない。
6.周年誌などを読むと多くの卒業生が強く印象に残っている行事であり、私もこの行事は大切にしたい。それにしても学年主任をはじめ教職員がよく対応してくれている。有り難い事だし本校教員の見識の高さを示している。実は組合教員を中心にして天皇家に繋がる伊勢神宮の参拝には何かあるのかと想像し、場合によっては、「一戦覚悟」と思っていたが、それはなさそうだ。内心の自由は認めるがこれは学校行事だ。回数も既に50回を超え、若い教員がとやかく言う話ではない。彼らが生まれる前からやっていることだ。これは建学の精神そのものである。
7.尚 今年から中学生は中止とし高校1年生で外部入学生と同時に行うこととした。その代わり中学生には同時期に「学習合宿」として宿泊学習を行事に入れた。2回も行かなくて良い。浪速中学から他の高校に行く子どもには機会が無いではないかという意見には賛同できない。浪速高校を捨てて他の高校に進学する浪速中学生を我々は想定していない。