2008年1月13日日曜日

1月13日(日)映画「椿三十郎」

正月後初めての日曜日、それも連休である。「先週は長かったー。」特段予定も入っているのではないが、仕事始め、新春拝賀始業式、教育相談会、といっても特段私の役目はなく、入試広報室の面々の動きを傍で見ながらただ「やきもきするだけ」であるが、それでも疲れる1週間であった。早く寝ても最近は疲れが翌日に残る。「年かなー。」すべてが順調に運んでおり、それで今朝は開放感と満足感みたいなものが些か感じられるのだ。久し振りである。
1.午前中資料つくり
・ 癖でどうしても早く目が覚める。もっとも夜が早いから、どうしてもそうなるのであるが、5時30分には起きている。日曜の朝は散歩がてら、「四天王寺の庚申さんの骨董市」を覗く。その後8時を廻れば阿倍野筋の喫茶店でモーニングと新聞数紙に目を通す。
・ その後は昼まで、部屋にて資料作りだ。せかされてやっているのではなくて「何もやることがないからただやっているだけ」のことです。学校ホームページの公式メッセージ、「論考:学校改革」を頭から打っていく。次々と文章が出てくる。しかし11時30分にはもう飽きが来て身支度をして家を出る。外へ出るのが結局好きです。
2.映画「椿三十郎」
・ アポロビルの地下で「軽い」昼食と言いたいところだが、僕の場合、人に言わせれば、それほど軽くもないらしい。今日は中程度か。メインは「かつ丼」を食しました。旨かったです。
・ 12時30分始まりのアポロシネマスクリーン8「椿三十郎」を観る。「良かった。」「お勧めです。」超娯楽大作時代劇といったところです。東宝角川映画ですからセットなどにもお金をかけています。誰に勧めているかって?一人いらっしゃるのです。僕のブログを読んで興味を持ち、観てくれる人が、一人おられるのです。「眉山」もそうだったし、最近では「象の背中」でした。従ってブログに映画のことを書くときは余程慎重にしなければなりません。裏切ることになりますから。「Oさん」と仮にしておきましょう。
・ Oさん、実はこの映画「リメイク作品」です。貴方が生まれる前の1962年、昭和37年ですね。あの有名な黒澤明監督の名作中の名作です。当時の私は高校2年生、今でも覚えていますよ。勿論細部は忘れていますが「最後の三船敏郎と仲代達也の決闘シーン」は映画史に残る名場面と言われています。高校生の僕だけではなくて当時の日本人にこの映画は強烈な印象を与えたと思います。
・ 昨年末に封切られ、まだ上映中ですが、余りにも前作が良かったので「行く気にもなれず・・・。」と思っていましたが、批評も悪くなく、なにより監督があの「森田芳光」さんで、この人の作品ならと言う気持ちと、前述した「余裕の気持ち」が意を決しさせたのですね。とにかく映画は監督です。
・ 期待に見事に応えてくれた「椿三十郎」でした。主演は「織田裕二」、副は「豊川悦司」他主演クラスが脇を固めています。藤田まこと、中村玉緒に劇中「三悪人に風間杜夫、西岡徳馬、小林稔司」、特にこの3人の悪党ぶりも見所です。
・ 少し心配した織田裕二ですが「頑張っていました。」です。監督がブログに書いていますね。「今の俳優でこれをやれるのは、彼しかいなかった」と。今回は劇場で見ている人からも大きな笑いがたびたび出るくらいコメディタッチな味もあり、そのキャラにはあの明るさを持つ織田裕二だったんですね。私なら豊川悦司が三船敏郎に近いような気がしたのですが、映画を観て監督の意図が良く分かりました。
・ しかしやはり「映画は筋、脚本」なのでしょうか。今見ても面白い。黒澤映画と全く同じ脚本で寸分も変えなかったと監督は書いていますから、それほど素晴らしいシナリオだったのでしょう。映像も綺麗でこの監督のカメラワークが素晴らしい。映画冒頭のシーンから映像と構成に魅入られます。黒澤物は100分弱で、これは120分を超えるものですが、決して長く感じられない。しかし不思議ですね、Oさん、脚本は同じで上映時間は長いのですから。結局、「間」とか1シーンの永撮りなのでしょうね。
・ 筋は書けません。しかし十分現代に通じます。悪が実は善で、善が実は悪だったり、組織に縛られない自由な人間は何時の世にも居て、又逆に組織にしか生きられず、組織に縛りついて生きているもの、自己保身にきゅうきゅうとして潔くない人間、人間の潔さの大切さ、「人間の持つべき大切なもの」を今でもこの映画は伝えてくれます。食品偽装のトップや高級料亭の経営者、某私学の理事長など潔くない態度に社会は厳しい。「潔さは人間の品格」だと思いますよ。
・ 勧善懲悪ものですが、せりふが短くて分かり易い。大切なことです。学校でもだらだらしゃべって何を言っているのか、言いたいのか分からない人が時々いますが、しゃべる言葉は短い方が良い。これは私の反省点です。「9人の若侍」、腕もなければ、知恵もない。未熟でどうしようもありませんが、若者だけが持つ「理想と行動力」を黒澤監督は賞賛しているのですね。黒澤椿三十郎は結局若者を温かく応援します。
・ 最後の決闘シーンはOさんの為に何も書きません。それは「観てのお楽しみ」、素晴らしい。完全に森田監督は黒澤映画を意識していますね。Oさん、早く行った方が良いですよ。こういう映画はDVDではいけません。最もOさんのご家庭に100インチくらいの液晶か大きなプラズマテレビがあれば別ですけど。
3.「母べえ」予告編
 ・今年の年賀状を見たとき、思わず「吉永小百合さんから年賀状が来た」のかと最初は目を疑いましたが、何のことはない、JPの宣伝でした。山田洋次監督、吉永小百合主演の話題の映画「母べえ」の予告編がありました。
・ しかしねー。山田監督だから良いものになるんでしょうが、はっきり言って吉永さんは演技力はない。生活感が全く彼女すべてから出てこない。「北の零年」も落胆しました。そのへんのところはご本人も認めているらしいですが。
・ 私は観に行くことはないと思います。Oさん、今度は貴方が観にいって感想を私に教えてくださいよ。たまにはね。