1.指導力不足教員認定に指針案
・ 日本経済新聞は時々小さい記事ながらも教育関係でタイミング良い、考えさせられる記事をのせる。1月21日の朝刊にその記事はある。自治体ごとに基準がばらついていると指摘されていた「指導力不足教員の認定に文部科学省がガイドライン」の素案をまとめたというのだ。
・ 指導力不足教員は都道府県と政令市の教育委員会が独自基準で認定している。平成14年大阪府最初の民間人校長として採用されたが4月赴任まで3ヶ月間、我孫子にある府の教育センターで徹底した「赴任前研修」を受けていたところが、実は指導力不足教員を預かり研修をさせる部門であった。
・ 民間人校長二人をどこで赴任前研修させるか考え、結局ベテランの校長経験者で指導員が詰めているこの部門が良いという結論になったのであろうが、指導力不足教員と隣りあわせでの研修は大変に驚いたものだ。様々な理由で送り込まれてきた先生といわれる人たちと3ヶ月間近くで研修したのだ。
・ 「2006年度全国で450人が指導力不足と認定されている」。2004年が550人超えであったから、いくらか減少している。07年6月に教育公務員特例法が改正され、教育委員会に対して「08年度から指導力不足教員に研修を受けさせることが義務」付けられたことに伴い、各自治体ごとのばらつきを無くす狙いだろう。
・ ガイドの定義は「教科の専門性が足りず、子どもの質問に正確に答えられない、授業は板書するだけで子どもの質問を受け付けない、子どもの意見を聞かず対話もしないと」いったケースを想定していると記事にはある。
・ 認定されたが改善が見られた場合は職場復帰が可能だが改善の見込みがないと判断されたら「分限処分」か「教職以外への配置転換」となる。この分限免職のことを知らない人は多いのだが、これは当局の伝家の宝刀で「あなたには今の仕事は資質がないから、首」というもので、刑事処分を受けるなどの以外に首にはならないと思っていたら大間違いである。
・ 私学には「分限処分」という規定はないが「就業規則などで懲戒処分に相当すれば解雇は可能」と考えている。所帯の小さい私学で「指導力不足教員を抱えておられるような余裕は全く無い」。
・ 大阪府で数学の教諭が高校の入試問題を何回やっても数十点しか解けなかったといって「分限処分」になり、全国で話題になったのは3年前のことだ。大阪市でも昨年1名の教諭が「態度が改まらない」といって首になった。別段法的に悪いことをしているのではないが「教師としての適性」を問われて処分を受けたのである。
・ 組合も公式には行政当局にクレームはつけるが本気でこの問題で戦う気はなさそうだ。それはもし、こういう教諭を庇っていたら世の批判を受けることを怖れているのかも知れない。いずれにしても「教員受難の時代」とみるか「教員選別の時代」とみるか、「教員に押し寄せる激しい波」は今後とも学校社会を襲って来るだろう。
・ しかし萎縮してはならない。しっかりとやるべきことをしておれば何も怖れることはない。今まで明確でなかったのがようやく、基準化されてくるということだ。「頑張っている教員を応援する。」との声は社会の大勢である。
・本校には指導力不足の教員はいないと確信している。また指導力不足に徐々に成っていってはならない。誰も最初から指導力不足で教師になった訳ではあるまい。初心を忘れ惰性にながれ、気力を失い、勉強も、研究もせずただ学校に来て給料を貰い、見た目は仕事をしているように見えても「誰もが分かり、見抜いている。「 教師の誇り」を失ってはならない。
2.修学旅行の引率手当て倍増
・文部科学省は2008年度の教員給与体系の見直しを決定した。大きな特徴は修学旅行の引率指導に対して支払われる手当てを現行の1700円から3400円に、大災害時の防災救急業務手当ては3200円から6400円にするという。校外での運動競技大会の引率は3400円に倍増、土曜日の部活動手当ては2400円とする。これで総額13億円の増額分となると記事にはある。
・味なことをする。一方では指導力不足教員には厳しく対応する代わりに「出すものは出すという姿勢」で歓迎すべきである。一方で「全員に一律支給されている特別手当は削減する」としている。
・学校教育法改正で新たに設けた職種の副校長は教頭より高い給料で処遇し、主幹や指導教諭は教頭と一般の教諭の間の給与水準とする。又教員は残業時間を計算するにそぐわない職種だとして残業代が支払われない代わりに「給与の4%相当額が教職調整額」として一律支給されているものは、今回は文科省と財務省の折り合いがつかず、09年度以降に先送りされた。
・ 本校では修学旅行もその他各種手当ても公立教員以上に配慮している。管理職給与は担当教頭、教頭、副校長と3段階して管理職手当てを支払っている。決して公立より劣る処遇にはしない積りだ。それがないと「本校の教員の誇り」が失われると思うからだ。「頑張ってくれている教員には応援を惜しまない。出すものはしっかりと出す。ただし「全員一律に出す時代はだんだんと遠のいていく」ということだ。」
3.中学入試二次選抜
・予定通り試験を実施、夕刻判定会議。合格者を決定した。これで浪速中学入試に関わる一連の業務は終了した。入試広報室、中学校校務会、事務室、広報情報委員会、運営委員会他多くの関係する人で見事にトラブルなく対応してくれた。
・「有難う。心から感謝いたします。」お見事でした。
4.高校願書受付開始
・「すごい、すごい。中学生が10時以降押し寄せる感じだ」。3年生の使っていた教室は2階で、ここをすべて開放し、教職員手分けして対応だ。図書室からも実習助手の先生の応援なども得てやるのだがそれでも長い列が出来る。今日だけで1400人だ。
・寒い日なので、担当の先生が急遽他の部屋も空けて中学生を部屋に入れていた。こういう「優しさが浪速の真骨頂」だと思った。嬉しくなった。