2008年12月13日土曜日

12月13日(土)保護者からの贈答品

・ 年の瀬も押し迫ってきた。本当に「師走」という感じだ。先生方も頑張ってくれている。今日は最後の「高校入試説明会」である。それぞれが役割分担を担って、持ち場持ち場で頑張ってくれている。
・ ところで年の瀬というと「お歳暮のシーズン」である。これには特に学校関係者は気をつけなければならない。私は着任以来言い続けてきた。「保護者、業者からの贈答品」は受け取ってはならないと。
・ 本当にこのことは着任して2年間言い続けてきたことである。又このブログにも書いてきたことでもある。1年前に2名の教員が贈答品を贈って来た時も「受取辞退」で処理した。そしてその教員には優しく諭したのである。
・ およそ組織の中で「部下が上司に季節の贈答品を贈るような組織」はいずれ終わってしまう。それは著しく「民度が低い組織」の証明だからである。勿論贈る方もよこしまな考えはなくてお世話になっているからという理由だと思うが「上司が部下の面倒世話をするのは仕事」だ。
・ 間違いがあってはいけないので、8時25分「臨時職員会議」を行い再度徹底した。特に「中学校と部活動」が気になる。順序だてて私は説明した。世の中の経済状態、授業料の値上げのお願いなどますます厳しいご家庭の経済状態の中で保護者からの贈答品を受領するなどは浪速を潰す要因であると。
・ 保護者から基本的に「子どもがお世話になったお礼です」と言われても「受け取る根拠」は何もない。御礼とは何事かと。「生徒の面倒を見るのは教職員の本来の仕事」であり「仕事の対価は法人からの給与」である。保護者からの物品ではない。
・ 本校の風土や体質は基本的にそういうものはないが「念には念」を押さねばならない。それが私の仕事である。差し出された時に「生徒の面倒をみている」「この子は手がかかっている」「これくらいのお礼があっても良い」と「自分を正当化」していくことだってあるだろうが、それが間違いの始まりだ。
・ 私は今「新しい浪速の文化、風土」を作るために奮闘している。「教職員間の贈答の習慣」が大分県の「教員採用汚職」を生みだした。そのうち「教員評価システム」も始まる。臨時職員会議で私は30名を超える常勤講師の先生方にも言った。私や副校長や教頭に物を贈っても「専任教諭にはなれませんよ」と。成るためには「仕事の質と浪速教員としての人物評価」ですと。
・ そして全教職員に私は申し上げた。「品格ある学校は品格ある教職員から」であり、学校が安定し上昇気流に乗りつつある今が最も大切な時であるとの認識を忘れてはならないと。
・ 大体物品の受領などは「何かの目的」があって成り立つもので「職務権限のある人間」は余程注意しなければならない。学校の教職員は生徒の評定、進級、進路決定、調査書作成、大学推薦など「極めて大きな職務権限」を有している。それを忘れてはならない。
・ 社会一般よりも相対的に高い報酬を得ているのだから「肉やハム、果物」などは「自分の金で買え」ということだ。生徒の親から物を受け取るなどとんでもない話である。受け取ったら、相手は心の中で「笑っている」と思ったほうが良い。
・ 人間の底の部分を生徒の保護者に見せてはならない。万が一、生徒の知るところとなって「あの先生にお母さんはウイスキーを贈ったんだよ」なんて事はないと思うが気をつけなければならない。
・ 特に「部活動の保護者会」からの贈り物には注意が必要である。「うちの子をレギュラーに」「うちの子を一回は試合に出して」などの理由ではないと思うが特定の部員の親から贈答品を受け取ることは誤解を招きかねない。
・ 「同じようなものを返したら良いのではないか」「相手が気分を害する」とかの意見が出るがこれは考えが足りない。「受け取る行為自体を厳禁」と言っているのだ。欲しくもないのに受け取って「お返し」をすると計画外の出費にもなろう。
・ 「浪速は保護者からの贈答品は絶対に受け取らない学校」だという「学校作り」を進めているのである。心して欲しいと今日私は臨時職員会議をして強く述べた、職会の記録担当は本日の私のメッセージを記録に残してくれるだろう。

・ 前述したように今日は3回目の高校入試説明会である。年明け8日から「教育相談」となって今度は「公立中学校進路指導部が公式に前面に出て来て本校との教育相談」となる。今日も私は気合を入れてご説明した。
・ しかし本当に多くの生徒と保護者に来校して頂いた。300ほど追加した椅子が満杯だ。数は書けないが昨年よりも増えている。高校副校長は来年の人事構想を検討して教員採用をしているのだが、ひょっとしたら「クラス数増」も考えねばと言っていた。
・ しかし体育館に居並ぶ中学生と真剣に聞いてくれている保護者のお顔を見ていると「責任感に身が引き締まる」。今日は時間を5分多く貰って、少し突っ込んでお話したのだが、今日も終わった後の「拍手」が大きかった。校長の挨拶に拍手を頂けるのが嬉しい。
・ 今年の大きな特徴であるが終わった後、生徒と保護者が「学院神社に参詣」して一生懸命お祈りしているのだ。「合格祈願」だろうと思うが1年前にはなかった光景だ。「チャリン、チャリン」とお賽銭を投げる音がする。
・ 私は最後の最後に言ったのだ。「併願よりも専願で行ったほうが良いですよ」と言った時には場内「爆笑」となった。ぴったし15分、持ち時間を使って部屋に戻る。
・ 年が明ければ具体的な入試相談とか出てくるが「入試ルールを厳守」するように改めて管理職に厳命した。「口利き」「問い合わせ」など今後出てくる局面が予想されるが勝手に振舞うことはしてはならないということである。
・ 入試合否に関することでは本校における「責任者は2名」である。一人は当然のこと、校長ともう一人は入試担当の教頭である。この2人が責任を持って対応する話である。私も基本的には「口を出さない」ことにしている。教頭に任せるほうが良いと考えているからだ。教頭が困れば相談に来るだろうと考えている。そのために私はコストは掛かったが「入試担当の管理職を創設」したのである。
・ OB,役員、議員先生、塾、大学関係者等から当然問い合わせなどはあっても不自然ではない。あった場合には「教頭に振れ」ということだ。振って手を引けということだ。今まで浪速はこの面では「極めて几帳面で正義の学校」と高く評価されてきた。これは「誇り」にしなければならない。