・ 一応多聞は大きな山場を過ぎた。後の価格交渉は私にとって大きなテーマではもうなくなっている。理事長職務代理は大いに気にされておられるのだが。もう引き返すことは出来ない。NHK「篤姫」の「女の道は一本道」ではないが「男の一本道」である。
・ 今大変気にしているのは「10年度から公私比率が見直される」ことだ。「相当な影響が出てくる」と考えた方が良い。「専願比率」の高い私学なら良いだろうが「発展途上にある浪速」はまだ専願で定員が埋まるところには言っていない。
・ それどころか「世界的な金融危機」から来る日本経済の状態と「橋下改革の私学助成削減」は家計を直撃し、「公立回帰」が現実のものとなって来ている。このことは「併願数の増大」ということになる。その面では本校は「併願人気校の道」をひたすら走っていて良さそうであるが実はそうではない。
・ 私学は「専願で埋まる学校」が強い。それは私学としての「付加価値が高い」という証明である。本校も今は仕方がないとしても最終的には「専願人気校」にならねばならない。
・ 併願人気校から「専願充足校」になっていくのが「自然の法則」だろう。だから発展途上と言った。そこで私は「二つの戦略」を立てた。一つは「関西大学との連携」と「多聞尚学館の活用による徹底した学力強化作戦」である。
・ 「学校の人気を左右する要因」は多い。「綺麗な学校、美しい学校」というのも大きな要因である。「新しい校舎は生徒を呼び込む」ことは間違いない。「耐震強度」の問題もある。これは後数年で「新校舎」にする。これが現在の「新経営計画」である。
・ しかし私は理事会で申し上げた。新校舎が建っても「その時に生徒が来なくなっていた」ではどうしようもない。「お笑い草」であると。そのために「今やらねばならない」ことを進めなければいけないと「関大に走り」「多聞の購入」を決めたのだ。
・ 次に何と言っても「教員の質」だ。「学校は教員の質で決まる」。良い教員を育て集めなければならない。しかしこれは「大変な作業」だ。私と人事担当の副校長は今「専任教員比率」を大変気にしている。
・ 伸びない、役に立たない先生を65才まで雇用することは出来ない。余程見極めなければならないと思ったのだ。契機は知事の打ち出した「公私比率の見直し」である。私の後に学校を経営する人のことも考えておかねば無責任となる。
・ 一人ええカッコして専任教諭をバンバン作り、「生徒は減少していった」では泣くに泣けない。「教員の整理という荒業」か「ワークシェアによる給与の削減」とならないためにも「適正規模」というのが大切な考えである。
・ 次の学校評価のバロメーターは教職員の「ビヘイビア」だ。「概観、言動」と言っても良い。人は見た目から評価に入っていくのは事実である。これが間違っているとは思えない。「概観・言動は積み重ねられた人格そのもの」と私は考えている。「少し目に余る」ようになった。
・ 「元々本校は教職員の服装は概して立派」である。このことは評価されて良い。前の校長が相当エネルギーを投入して改善されたものらしい。この原点に戻り、更に形をきめたいと私は考えた。
・ 本校は未だに「校内で教職員が喫煙する民度の低い学校」である。このような学校は2府4県でももう少なくなった。時間をかけたが明年1月1日から「敷地内全面禁煙」だ。これでこの点では人並みの学校になれる。
・ 次は「教職員の服装」だ。昨日から出退勤時には「ジャケットとネクタイの着用」を義務付けた。夏場の「クールビズは私が導入」した。6月から9月は「ノーネクタイ」を許可したのだがそのままクールビズを継続している教員が目に付くようになったからである。それもだらしなく見える。ノーネクタイほど男にとって難しいファッションはないのだ。年配の教員に多い。
・ 「浪速の教員の服装はしっかりされている。さすがに素晴らしい学校だ」といわれるだけで学校の人気は上がる。「何、あのスタイル?!」「庭掃除でもするような格好で職場に通勤している」と言われたらお終いだ。現実にそのような者が居る。
・ 特に「自動車通勤」をしている教員に多いと感じる。元来は「自動車通勤は許可しないのが日本の教員への対応」である。全国の公立学校はすべてそうだ。それは教員がたとえ「貰い事故」と言っても人を撥ね、その人が死んだりしたら教育活動にも影響があるだろうという「配慮」からだ。
・ しかし本校は私学だし、通勤圏も広い。従って「例外的に許可」しているという考えも、時が立てば人間は悲しいもので例外的をすぐ忘れる。こういう人は家の玄関から直ぐ車に乗って学校前の駐車場に止める。それから職員室まで2分だから、酷い話、「パジャマ」を着て通勤しても分かりはしない。
・ それで例え2分でもネクタイ、ジャケットを義務付けたのである。又理事長の部屋に入ってくるのに「いい加減な格好で入っていくか」ということだ。テレビでも映画でも見ればよい。上司の部屋に入る、呼ばれたりするときに「いい加減な服装で行くか」ということだ。
・ 民間会社ではそのような事をするアホはいない。たとえアホでもそれだけはしない。案外民間経験のある教職員がそのようであるから始末に困る。私は厳しく注意した。結局甘えである。自堕落なのである。組織をなめているのである。
・ 理事長は最高経営責任者である。加えて校長として校務の責任者でもある。そこにええ加減な格好をして入らせてはならないと副校長に言ったら彼もそう感じていたらしく早速「全教職員にメール」をしていた。私は教職員のお友達ではない。兄貴分でもない。雇い主である。雇用者という。
・ 職場を離れたらそこでは「わいわいが、がやがや」があって良い。当然である。しかし勤務中は「凛とした」ものが欲しい。理事会、評議員会、あるいは公認会計士など目の厳しい外部の人たちに浪速の教職員が「あの程度か」と侮られてはならない。「多聞の購入を契機」に「凛とした浪速の教職員を私は誇りする」ように教職員に理解と協力を求めていきたい。「新しい浪速の風土」つくりだ。