2009年1月18日日曜日

1月18日(日)浪速中学入試一次B

・ 「浪速中学入試一次Bの試験日」である。このように私立中学は土曜日も日曜日も無い。私も通常通り出勤である。それでも今日は30分ほど遅く7時過ぎには学校に到着する。なんと学校の前に多くの塾関係者が立っておられる。このような光景も今まではなかった。
・ B試験と言うのは「第2希望」と言って間違いは無い。昨日、何処かの私立中学を受験した生徒が「すべり止め」に受けるか「同じ学校のAとBの両方を受ける」かの生徒である。
・ 従ってBの受験者は一般的、全く一般的であるが「学力レベルは相対的に高い」といっても良いかもしれない。恐らく昨日難関といわれる中学を受験して少し落として「本校をバックアップとして選択」してくれたのだと思う。
・ 浪速中学B試験で本年は「極めて特記的なこと」が起きた。「それは何であるか?」。実はBの受験志願者がA試験の志願者を数で追い抜いたことだ。A試験で128名、なんとB試験で132名と「初めて逆転」した。「歴史上初めてのこと」である。このことの持つ意味は大きい。
・ 塾の関係者は「当たり前でしょう、浪速さんはそういう学校になっているということです」と答えられたという。「普通の進学を旨とする私立中学になってきたということです」と言われたそうだ。それでは「今まではどうだったの?」と言いたい気もするがそれは言わない。
・ だから「難関私立の受け皿」としてB受験者が増えていると分析されるというのは今や「一般的な本校を見る世評」である。表面上は「素直に喜びたい」。しかし内心は「今に見ておれ、そのうちに超難関校にしてみせる」と私は思っているのだ。
・ それは実際に昨日のA試験の解答率を見ても分かるのである。確かに分散はしているが高得点をとる比率が極めて多くなってきている。分かり易く言えば「偏差値の高い生徒が浪速に目を向け始めた」と言うことである。
・ 中には偏差値60以上と言う子もいる。それが昨日のブログに書いたように「浪速中学で違った世界が始まる」ということに繋がっている。しかし同時に私の本音の一部は「入りたい子はすべて入れてやりたい」と思っているのも事実である。
・ しかし「教室数の制限」があり、又「定員」という考え方がある。加えて「教育の展開」において「教育効果」を考えたら極力「一定のレベルの範囲で生徒が揃う」ことが望ましいという考え方もある。「難しい」ところである。
・ 経営的には中高6年間本校で学んでくれる生徒は有難いことではあるが「教育責任」と言うことも考えねばならない。やはりここは「学校」であり、「施設的なもの」となってはいけない限界もあるのだ。
・ 昨日の「合格判定管理職会議」でも私の意見と管理職の意見は激しくぶつかり合った。教育現場出身の管理職は「彼らなりの適切と考える線引きライン」を主張し、私はその「論理的な説明を求める」と言う具合だ。特に昨日は時間がかかったのである。
・ それもこれも「レベルが上がり生徒数が増えて来たから」であり、ある管理職は「考えられない」。昔は議論も何も来てくれた子を入れなかったら「一教室も組めなかった時代」を思い出して感無量に言うのだ。しかし「物事が変わる」ということはこういうことを言うのだろう。
・ 私は「学校説明会を最重要な校長の仕事」としている。高熱が出ようと腰が痛かろうと欠かしたことはない。それよりか私の出番の順番、私の持ち時間、説明する資料など「徹底的に準備」して、「私の言葉」で保護者に訴えてきた。
・ 決して通りいっぺんの「挨拶」などでは終わらせない。「現状を正直に語り」、「未来を具体的に示して」「今やるべきこと」を生徒・保護者に語りかけるのだ。そして教育の持つ力強さを感じて貰い、「夢を持って貰う」のである。「トップの言葉が重要」なことなのである。
・ だから多くの保護者や塾の先生方が「支援」をしてくださっている。格好良く言えば「透明性を確保し説明責任を果たす」ということに他ならない。「マニフェスト」「公約」と言っても良い。だから私は「生徒・保護者を裏切ることは出来ない」のだ。それは「浪速の消滅」を意味する。
・ 私の学校説明会で「保護者から大きな拍手」が起こるなど当初教員は信じられなかったという。アンケートをとっても「この校長がいる限りこの学校は大丈夫だ。子どもを預けたい」とすべての人が書いてくれているのだ。
・ このような「声を背負って」私は毎日業務をこなしている。「決して教員の顔を見て仕事をしているのではない」。「生徒の力の付き具合」とそしてその後ろに控えている「高い授業料を支払ってくれている保護者のお顔」だ。
・ 「この理屈」がまだ分からない教員がいるとしたらそれは厳しく糾弾されなければならない。まず「私立学校は生徒保護者の信頼を勝ち取る努力が最優先」される。その後だ。「自分のことを考えるのはその後だ」。この思想だけは「絶対的な未来永劫不変不滅の浪速の哲学」である。
・ 朝10時、正門入ってすぐ横の掲示板に「合格発表」を張り出した。見慣れた光景となる。歓声が上がり飛び上がって喜ぶもの、下を向いてそそくさに立ち去る者。今年は不合格者が多く私も入試広報室の面々も「暗く辛い悲しい」気持ちになる。でも仕方がなくこれが現実なのである。
・ 試験終了後昨日と同じ手順で「B試験合格判定会議」が行われる。A試験の合格者はほぼ100%入学手続きとなるが明日発表するB試験の合格者の入学は「入学金が入金」されるまで我々には分からない。というのは合格者のうちに他校の一次Aに合格した受験生の数が把握出来ないからである。高校受験で言う「戻り」である。
・ 我々の作業はこの後も続く「AとBとの合格者が入学金を納付」してくれた数で「クラス編成」をし、調整の為に「2次試験の段取り」に入るのだ。しかしこれは微調整で本日の試験で4月以降の体制はほぼ決まった。今日の判定会議で私はメンバーにこの「優秀な生徒」のために頑張って欲しいと「檄を飛ばした」のである。