・ 「耐寒行事金剛山登山」の計画が煮詰まってきた。もうすぐ2月だから月替わりでもなれば更に「機運」が盛り上がってくるだろう。「楽しみ」である。これにつき昨日保健体育部長と体育科教諭の2人が「経験多い、ある私立女子学校の実践を勉強」に行ってくれた。
・ こういう行動が素晴らしい。「経験者に耳を傾ける」ということを私は評価している。口では簡単なことだが「中々出来ることではない。」特に教師という職業を持つ人間は「プライド」が高いから「人は人、我は我」となるものだが、体育科の教師は「幾分幅が広い。」それは他の教科に比べて「付き合いが広い」からである。部活指導で常日頃から交際範囲が広いのである。
・ 私の経験では体育科の教師で「組合員」は極めて少ないか、いないところが多い。「体育系の大学や学部を卒業」し、専門競技などで伝統性、先輩後輩の上下関係、勝った負けたで、生きてきているから「国旗掲揚反対、国歌斉唱反対」とは彼らは言わない。
・ イデオロギーに毒されていないのだ。本校に着任時10名の教諭のうち、たった一人の先生が組合員であったが中々の人物であった。「組合教員でも色々」なのである。とにかく私は体育科の教諭を買っている。
・ 性格も「スパッ」としたところがあり、「手当て」とか「残業代」とか一切不平不満など口に出さない。朝錬や放課後の部活動指導、土日などは試合で自分の時間などない。だから逆に私は体育科の教諭に「何かしてやりたい」と思うのである。学校経営に「体育科教師の果たしている役割」は極めて大きい。
・ まず「学校行事」については彼らの力がなければ滞りなく進まない。昨年初めて行った「中学校の運動会」、それに今回の「金剛山登山」だ。「陸上競技大会」「耐寒マラソン」もそうだ。大体部活動で多くの生徒を「抑えている」から「生徒への指導力」は抜群である。
・ 従って生徒の生活指導上の問題も運動クラブに属している生徒の問題は少ないと言うか殆どない。それは「部活動を通じて人間教育」をしてくれているからだ。ただ気をつけなければならないのは行き過ぎた指導即ち「体罰」と「自分たちの世界に耽溺する唯我独尊」だけである。「自分たちだけのワールドの世界」に陥る言うことだけは気をつけなければならない。
・ 彼らへの支援として私は着任以来積極的に投資をしてきた。まず「中庭を人工芝生化」した。「体育館の全面塗装」をしてリフレッシュした。そして「第2グラウンド」を作った。これはテニスコート3面化で彼らからも大変評価された。
・ ところが信じられない話だが体育科の教師には「学閥めいたもの」が厳然としてある。日本体育大学閥、筑波大学閥など公立私立にもある。酷いところになったら全ての体育科の「教師が特定の大学に集中」というのもある。本校はばらばらである。
・ 今はご結婚で東京に行かれたが昨年の常勤講師の先生は筑波大の卒業で、公立の体育科の教員であったが「学閥が嫌で辞めた」と言っておられた。とにかく体育科の教員はあっさりとはしているが些か「古い」ところもあるのである。しかし本校は全く学閥などないし、彼らはよく仕事をする。そしてどうも聞くところによると「仲が良いので有名」らしい。
・ ただ仲は良くて大変結構であるが「赤信号、皆で渡れば怖くない」で「サボりの集団」となったら困るが全くそういうところがないので今は安心している。だから合宿とか遠征とかも幾分私は「大目に見ている」のだ。
・ 今回新年度の教室手配の関係で「体育教官室」も改装の対象となったみたいだ。広いので半分に仕切って半分は男性教諭のロッカールームとして活用したいと言う副校長案であった。
・ しかし私は最終的に「現状維持」とし、ただ今までとは「雰囲気を変える」ように言ったのである。昔は酷い所だった。「梁山泊」ならぬ「体育科租界」みたいな雰囲気で「煙草をぷかぷか」の紫煙の充満している部屋であったのである。「保健体育を教える教官室が煙草の煙り」でクスぼっているのは許せないとした。
・ 今度は「「第二弾の改装」だ。レイアウトの変更になろうが良く考えて決めて欲しい。やはり体育科は「全員一致」で「仲良く公平に公正に」が合言葉だ。「ドン」などは学校には不要である。居てはいけない。
・ 話を金剛山に戻そう。調査に行った学校はなんと「50回を迎える」という。今年は2月10日で記念登山だという。お世話になったお山だからと言って山頂公園に「ベンチ」などを寄贈するという。
・ 1400名の生徒を80人の教師が引率する。本校は200名の生徒を34名の先生だから初回ということもあり本校は「手厚い」体制だ。しかし多くの参考になった情報を頂けたと言う。
・ 上り口付近に「タクシーを1台待機」させ「万が一に備える」という。早速これは見習うこととした。「簡易タンカ」も持参するという。弁当は山頂にて「トン汁」で、おにぎりが冷えているので温かい汁物をつけるのだという。本校は下山後「多聞尚学館でPTAサービスの具沢山のトン汁」らしい。今年はこれで行く。
・ 1400名の女生徒の部隊が登山するとなるとまず「トイレ」の問題らしい。先頭が山頂に着いても最後尾はまだ上り口というからこれは大変だ。本校は今回中学生だけだから問題はないが浪速高校の生徒ともなると1800人近い生徒となるからもう不可能に近いのではないか。大型バスだけでこの学校は30台強だろうと思うが本校だと50台近くになる。何処に停めておくのか。
・ 「浪速高校の耐寒訓練は何か別のもの」を考えて欲しいと今日の時点では言ったが「何が出来るのか、あるのか難しい問題」だ。何しろ数が多い。私は「耐寒20キロウォーキング」が良いというのだが「交通事故が心配」とすぐ教員はいう。
・ 報告を受けて分かったのだが「すごい汗をかく」ことになるから生徒などは「薄着」らしい。ところが私は「寒さ対策で完全防寒服を用意」をしている。もう買ってしまったから高島屋とスポーツ高橋に返却は出来ない。「早く言えって!」。
・ ところで「校長ブログのファンで本校の応援者」からお手紙を頂いた。「昭和28年、中学2年生で冬の金剛山登山」を「良い思い出」としているお方だ。「(前略)普通の運動靴に手袋とジャンパーくらいの準備、山は凍てつき氷の山、すべるので全員荒縄を持参、現地で運動靴の上から何重かにしばるのです。
・ 昇りは何とか小枝につかんだりしながらでしたが問題は下りです。とても立っては下りられません。持参の縄やタオルをおしりに当ててすべりおりるのです。顔は真っ赤。
私は母が新品の綿のズボンを買ってくれましたので大丈夫でしたが、何人も何人もおしりの布が破れ恥ずかしく、リュックなどで隠していました。
・ 冷たいお弁当、おやつも飴玉が3~4個くらいでした。しかし今は懐かしい嬉しい思い出です。浪速の中学生は私たちの時と違い恵まれていますね。心に残る人生の想い出は沢山経験できるとその人生は豊かになると存じます。温かいお汁も忘れられないことでしょう。相変わらず世話焼きの大阪のおばちゃんの一人言です・・・。(後略)
・ この方のように「浪速中学校の生徒に良い思い出」を作ってやりたい。しかし今までのところ「盛り上がっているのは私一人」でどうも教員も肝心の生徒も熱気が伝わって来ない。近く「アイゼン」をつける練習をするというからその内に?