・ 「世帯所得が過去19年間で最低」、先月の大阪日日の記事である。「国民生活基礎調査」によると「07年度の所得平均が556万円」とある。厚生労働省の発表である。これは平成に年号が変わった1989年以来での19年間で最低だったという。
・ 世帯あたりのピークはまだバブルの余韻が残っていた「94年の664万2千円を山」としてほぼ一貫して下がっているという。556万円と言う数値は1988年並みの水準と言う。1988年というと私は働き盛りの42歳の頃だから随分と前の話しとなる。
・ 厚労省は「働き手の稼ぐ額の減少や収入の少ない高齢者所帯の増加が背景にある」と言っているが大幅な賃金増が見込めない非正規労働者が若者を中心に増えるなど「雇用情勢の変化が影響」を与えているのは間違いない。
・ 「生活が苦しい」と答えた世帯の割合は過去最高だった07年調査と同じ「57.2%」で11年連続で50%超えとなった。また「所得が平均を下回った世帯の割合は60.9%」に上り、4年連続で6割超え。多くの世帯の実感に近いとされる「中央値は448万円」である。
・ 「所得が400万円未満の層は44.4%」を占め、65歳以上の高齢者世帯の平均所得は298万9千円で04年以降遂に300万円を割り込んだという。ここで言う世帯数とは「08年6月時点での全国の推定世帯数4795万7千」で「世帯当たりの人数」は過去最少だった07年と同じ推計の「2.63人」である。
・ 本当に「厳しい世の中」になった。しかし私はまだまだこの傾向は続いていくと思う。ある経済学者か評論家かテレビタレントか知らないが森永さんというお方が「年収300万円で暮らす方法」とかの本を書いておられたが、それに向かって下がっているような感じだ。
・ 一方「2008年に全国で32000人の人が自殺した」という。これは警察庁が「自殺統計」で発表したものだが「11年連続で3万人超え」だ。自殺の原因・動機を特定した23,000人のうち多いもので言えばまず「負債(多重債務)原因」が一番に来る。
・ 亡くなった母などもそうであったが日本人は「借金を恥とする」文化が強く、借金で「にっちもさっち」もいかなくなり、自殺に至ったのだと思うが痛ましい話だ。確かに「借りた金は返さなければならない」が、死ぬことは無い。
・ 次が「生活苦」である。そして「事業不振」「失業」「就職失敗」と続く。年代別ではなんと「30代の自殺者が最も多く」、統計を取り始めた1978年以降で最多になった。20代も3.9%増えたという。「人口比でも20代、30代の自殺者増加が目立つ」と国立精神・神経センターの竹島自殺予防総合対策センター長は指摘する。
・ NPOの「自殺対策支援センター」の清水代表は「不況が影響している」とし、同時に「自殺の原因は生活苦や健康問題などいくつかの要因が複合したケースが大半」とも述べている。随分前の日経新聞記事にあった。
・ 「親の生活難」は当然「貧困の中の子ども」を生み出す。親の経済情勢悪化は子どもの将来に具体的に「暗い影」を落とすのだ。「貧困の連鎖」である。毎日新聞は昨年から「キャンペーン」を展開しているがまず「無保険の子ども」が出てきている。
・ 日本の耀く社会保障制度とされた「国民皆保健」制度がおかしくなってきているのである。自営業者や非正規労働者が加入する「国民健康保険」において保険料滞納者が続いた家では「保険証」を取り上げられる。子どもが病院に行けなくなる「無保険の子どもたちの出現」である。
・ 昨年の厚労省の調査でこういった子どもの数(中学生)が全国3万人を超えたという。慌てた政府は昨年12月の臨時国会で「改正国民健康保険法」を成立させなんとか救済したもののまだ18歳以下の高校生世代は残っている。
・ 4月22日の政府の経済諮問会議では「25歳未満と50代において所得格差が拡大傾向」にあるとし、小学校中学校では親の経済的困窮から「学校の給食費」が払えない家庭がますます増えていると言う。以上は親の経済的困窮が貧困の中の子どもを作り出している代表例だ。
・ 労働政策研究・研修機構は大都市東京の「若者の学歴とキャリアを調査」しこれを発表した。2,006年東京在住の18歳から29歳の、学生でもなければ、専業主婦でもない「若者を対象」にこれまでの働き方(雇用形態)を尋ねる調査である。滅多に見ない「貴重なデータ」だと私は評価する。
・ その結果は「大学卒就職してそのまま仕事が定着している者が30%」、「卒業直後は違ったが後に正社員になった者が10%、」「今も非正規社員と言う者が30%」「残りの30%は失業中や自営・家業あるいは正社員から非正規社員になった者」だという。
・ 特に厳しいのは「中卒と高校の中退者」と「大学の中退者」は悲惨で、最初から「正社員になるケースはごくまれ」で非正規社員のままの比率が最も高いということである。
・ 即ち中退すると「後がしんどい」というデータである。最初からハンディを背負ってその後も潜り抜けることは難しいということらしい。とにかく定期採用、新卒採用の枠を外れると「正社員へのハードルは非常に高い」という証明である。
・ 又データは高卒は非正規のままの者が多く、後から正社員に変わる比率は4人に1人、女性なら14人に1人と、大卒者に較べて高卒者の雇用不利益もデータが示している。しかしショックなのは「高校中退者の辿る道」である。希望が見えない。
・ 私は思った。「本校に入学してくれた生徒は何としても卒業だけはさせてやらねばならない」。高等学校の場合は現場的には「進路変更」という言葉を使って「高等学校を変わる」ということが一般的である。
・ 「転校」というと一般的には公立から公立で親の転勤でやむなくと言う形が多いが「進路変更」というのは微妙な言い回しなのである。高校の進路変更はまず「不登校」「病気」「生徒生活指導上の問題」等様々な理由があるが、いずれにしてもその学校での継続を「自主的進路変更」の名目で強制的に絶たれた場合がまず多い。
・ この場合生徒はどうするかというと一般的には「通信制の単位制の高校」に「転校」して「高校卒業認定」を得ることになる。そこでも継続出来なかった場合に「中退」となる。折角本校に入学してくれた生徒だ。私は簡単には「首を切らない」ようにしたいと思うのである。
・ 前に書いたブログ「ゼロトレランス」で中学の対応を厳しく責めたが新型インフルエンスではないが「新型ゼロトレランス」でいかねばならない。簡単にクビを切ることは「教育の敗北」だ。中退者を中学も高校も減らさねばならない。
・ 世帯あたりのピークはまだバブルの余韻が残っていた「94年の664万2千円を山」としてほぼ一貫して下がっているという。556万円と言う数値は1988年並みの水準と言う。1988年というと私は働き盛りの42歳の頃だから随分と前の話しとなる。
・ 厚労省は「働き手の稼ぐ額の減少や収入の少ない高齢者所帯の増加が背景にある」と言っているが大幅な賃金増が見込めない非正規労働者が若者を中心に増えるなど「雇用情勢の変化が影響」を与えているのは間違いない。
・ 「生活が苦しい」と答えた世帯の割合は過去最高だった07年調査と同じ「57.2%」で11年連続で50%超えとなった。また「所得が平均を下回った世帯の割合は60.9%」に上り、4年連続で6割超え。多くの世帯の実感に近いとされる「中央値は448万円」である。
・ 「所得が400万円未満の層は44.4%」を占め、65歳以上の高齢者世帯の平均所得は298万9千円で04年以降遂に300万円を割り込んだという。ここで言う世帯数とは「08年6月時点での全国の推定世帯数4795万7千」で「世帯当たりの人数」は過去最少だった07年と同じ推計の「2.63人」である。
・ 本当に「厳しい世の中」になった。しかし私はまだまだこの傾向は続いていくと思う。ある経済学者か評論家かテレビタレントか知らないが森永さんというお方が「年収300万円で暮らす方法」とかの本を書いておられたが、それに向かって下がっているような感じだ。
・ 一方「2008年に全国で32000人の人が自殺した」という。これは警察庁が「自殺統計」で発表したものだが「11年連続で3万人超え」だ。自殺の原因・動機を特定した23,000人のうち多いもので言えばまず「負債(多重債務)原因」が一番に来る。
・ 亡くなった母などもそうであったが日本人は「借金を恥とする」文化が強く、借金で「にっちもさっち」もいかなくなり、自殺に至ったのだと思うが痛ましい話だ。確かに「借りた金は返さなければならない」が、死ぬことは無い。
・ 次が「生活苦」である。そして「事業不振」「失業」「就職失敗」と続く。年代別ではなんと「30代の自殺者が最も多く」、統計を取り始めた1978年以降で最多になった。20代も3.9%増えたという。「人口比でも20代、30代の自殺者増加が目立つ」と国立精神・神経センターの竹島自殺予防総合対策センター長は指摘する。
・ NPOの「自殺対策支援センター」の清水代表は「不況が影響している」とし、同時に「自殺の原因は生活苦や健康問題などいくつかの要因が複合したケースが大半」とも述べている。随分前の日経新聞記事にあった。
・ 「親の生活難」は当然「貧困の中の子ども」を生み出す。親の経済情勢悪化は子どもの将来に具体的に「暗い影」を落とすのだ。「貧困の連鎖」である。毎日新聞は昨年から「キャンペーン」を展開しているがまず「無保険の子ども」が出てきている。
・ 日本の耀く社会保障制度とされた「国民皆保健」制度がおかしくなってきているのである。自営業者や非正規労働者が加入する「国民健康保険」において保険料滞納者が続いた家では「保険証」を取り上げられる。子どもが病院に行けなくなる「無保険の子どもたちの出現」である。
・ 昨年の厚労省の調査でこういった子どもの数(中学生)が全国3万人を超えたという。慌てた政府は昨年12月の臨時国会で「改正国民健康保険法」を成立させなんとか救済したもののまだ18歳以下の高校生世代は残っている。
・ 4月22日の政府の経済諮問会議では「25歳未満と50代において所得格差が拡大傾向」にあるとし、小学校中学校では親の経済的困窮から「学校の給食費」が払えない家庭がますます増えていると言う。以上は親の経済的困窮が貧困の中の子どもを作り出している代表例だ。
・ 労働政策研究・研修機構は大都市東京の「若者の学歴とキャリアを調査」しこれを発表した。2,006年東京在住の18歳から29歳の、学生でもなければ、専業主婦でもない「若者を対象」にこれまでの働き方(雇用形態)を尋ねる調査である。滅多に見ない「貴重なデータ」だと私は評価する。
・ その結果は「大学卒就職してそのまま仕事が定着している者が30%」、「卒業直後は違ったが後に正社員になった者が10%、」「今も非正規社員と言う者が30%」「残りの30%は失業中や自営・家業あるいは正社員から非正規社員になった者」だという。
・ 特に厳しいのは「中卒と高校の中退者」と「大学の中退者」は悲惨で、最初から「正社員になるケースはごくまれ」で非正規社員のままの比率が最も高いということである。
・ 即ち中退すると「後がしんどい」というデータである。最初からハンディを背負ってその後も潜り抜けることは難しいということらしい。とにかく定期採用、新卒採用の枠を外れると「正社員へのハードルは非常に高い」という証明である。
・ 又データは高卒は非正規のままの者が多く、後から正社員に変わる比率は4人に1人、女性なら14人に1人と、大卒者に較べて高卒者の雇用不利益もデータが示している。しかしショックなのは「高校中退者の辿る道」である。希望が見えない。
・ 私は思った。「本校に入学してくれた生徒は何としても卒業だけはさせてやらねばならない」。高等学校の場合は現場的には「進路変更」という言葉を使って「高等学校を変わる」ということが一般的である。
・ 「転校」というと一般的には公立から公立で親の転勤でやむなくと言う形が多いが「進路変更」というのは微妙な言い回しなのである。高校の進路変更はまず「不登校」「病気」「生徒生活指導上の問題」等様々な理由があるが、いずれにしてもその学校での継続を「自主的進路変更」の名目で強制的に絶たれた場合がまず多い。
・ この場合生徒はどうするかというと一般的には「通信制の単位制の高校」に「転校」して「高校卒業認定」を得ることになる。そこでも継続出来なかった場合に「中退」となる。折角本校に入学してくれた生徒だ。私は簡単には「首を切らない」ようにしたいと思うのである。
・ 前に書いたブログ「ゼロトレランス」で中学の対応を厳しく責めたが新型インフルエンスではないが「新型ゼロトレランス」でいかねばならない。簡単にクビを切ることは「教育の敗北」だ。中退者を中学も高校も減らさねばならない。