2009年8月19日水曜日

8月19日(水)インターハイ空手道部全国優勝
















・ リフレッシュ休暇中の7日に副校長からメールが2回に分けて入ってきた。「私に幸せをもたらす内容」であった。特に2通目に「今井先生が嬉しそうでした!」とあったが、この今井先生とは「空手道部の監督で体育科の教師」である。私はこのメールを見て「今井先生の喜びが手に取るように分かった」のである。
・ 浪速高校はインターハイ空手道で全国制覇を成し遂げ組み手部門で団体「優勝」した。前回から4年振りである。前回は勿論私はまだ居ない時代であったが、「着任3年目で全国優勝の経験を空手道部は私に与えて呉れた」のである。私は「日本一」を抱えることになった。
・ 本日「学校のリフレッシュ休暇」が終えて全教職員が「後半戦に向けて始動」し始めた。9時校務運営委員会、10時職員会議と全員が晴れ晴れとした顔で勢揃いした。どの教職員も久方ぶりの休暇で「英気」を養ったと見えて「良いお顔」をされていた。
・ こういうタイミングに先行きに「吉兆」を示す「全国優勝を成し遂げてくれた」のである。私は嬉しくて涙が出そうであった。昼休み選手諸君と今井先生が正式報告に校長室に来てくれることになっており、楽しみにその時を待っていたのである。
・ 「優勝旗,盾、賞状」と選手がそれぞれ手分けして入室して来てくれた。皆晴れ晴れとした顔をしていたが中でも「大将」の3年生「大西誠一君の顔」は「満足感と誇り」に満ち溢れていたのである。私は彼にどれだけ「発破」をかけたことか。
・ 団体1回戦は「島根松徳学園に5対0で完勝」、2回戦は「岩手釜石高校にこれ又5対0で完勝」であった。問題は3回戦の相手である「東京代表の強豪世田谷学園」であった。優勝経験が何回もある空手の第一級の高校である。
・ 出発前に私は選手諸君に天童よしみさんの「負けたらあかんぜ、東京に」を本当に口ずさんで「東京には負けてはならない。」ときつく念を押していたのである。全国の空手関係者は「実質的な優勝決定戦」とまで言われていたのである。結果は浪速が3対1で勝ったのである。圧勝と言ってよい。
・ 次が準々決勝で相手は九州の誇る「熊本の九州学園」であったがこれも3対0で圧勝であった。「空手道の団体戦は5人の選手が先鋒、次鋒、中堅、副将、大将」と5人の選手が「勝った、負けた」で「勝ち数を争う勝負」である。
・ 3対0とは5人のうち3人が勝ちを収めたものであるから私は圧勝と言う表現を使っている。そして準決勝は「埼玉県代表の埼玉栄高校」で、これまた名にしおう強豪校である。この学校は全国駅伝でも常に名前の挙がる学校である。当然であるが勝ち進むに連れて確かに強いところと当たる。
・ 埼玉栄とは何と3対2で「辛勝」と書くと選手職員に悪いか。とにかく勝ったのである。結局後述するがこの勝負が次の決勝戦に繋がったのだろうと思う。先鋒は勝ち、次鋒は負け、中堅も負け、この時点で1対2で遅れているのである。しかし次の「副将戦で本校の3年生前田卓人君が見事に勝ち」を取り、遂に2対2の同点である。「勝負は大将戦」となったのである。
・ 本校の「大将大西誠一君」は気迫こもる進撃で、相手を「寄せ付けず」ポイントでは8-0で圧勝であった。「見事な逆転勝利」である。そして勝負は「8月7日の決勝戦」となったのである。場所は兵庫県立武道館で姫路にある。
・決勝戦の相手はこれまた有名な「岡山山陽高校」である。素晴らしい空手道場を有する空手名門高校である。決勝戦の模様は余程文章が上手くないと臨場感溢れる報告が出来ないが、広い会場が一試合ごとに「ウォー、ウォー」と地鳴りのするような「大歓声に包まれていった」という。
・ 先鋒、次鋒、中堅と勝負がつかず「0対0のまま、引き分けで副将戦」となった。しかし副将前田は準決勝のようには行かず、結局3-8で「5ポイントの大差で敗れた」のである。この時点で「浪速万事休す」と誰もが思うのは当然である。
・ 「1試合たった2分」で5ポイント差を跳ね返しても「引き分け」であり、決勝戦であるだけに到底手が届くとは思えず、優勝は相手の山陽高校と誰もが思われたに違いない。確かに山陽は「優勝を掌中」にしたかに見え、山陽の観客席も勝ち誇ったように喜びに沸いていたという。
・ 「ところが勝負事は最後まで分からない」。これからまさに本校主将で大将の大西誠一君は「鬼人の働き」をする。「なんと、なんと10-2で8ポイントをつけて優勝を呼び込んだ」のである。突き技でポイントを稼ぎ試合時間43秒を残して勝ったのである。野球で言えば9回裏の逆転満塁ホームランである。
・ 結果から言えば1対1で引き分けであるが「内容勝ち」と言うのがあって「完全に試合の内容が勝っており本校が文句なしの優勝」となったのである。勝った瞬間「雄たけび」「感涙」そして「笑顔」と新聞記事の見出しにはあった。
・ 監督の今井先生は「一人一人の肩を抱いて泣きながらねぎらった」とある。実は1月の全国選抜大会では優勝していたが本選では3回戦で敗退したことが背景にある。その後今井監督は「鬼になった」と自ら語っている。決して妥協をせずにこの日に向けて精進をしてきた。この日の監督の涙は私は分かるのだ。しかし彼は見事に期待に応えた。これが「プロの仕事」である。仕事をするとこういうことである。
・ 理事長からは空手道部を「特別強化クラブ」に据えて、府内の有名な街の道場の先生方に挨拶に回り、懇親の場を持ち、あまつさえ、「新武道館」には「専用の空手道場」を作るから「全国一になれ」とまで言われて「相当なプレッシャー」になったことだろう。
・ 素晴らしい働きをしたキャプテンの大西選手は新聞のインタビューに次のように答えている。「監督を信じ、チームが一丸となって戦ってきた。自分を信じ勝負をまわしてくれたのが嬉しい。」だから「勝てた。チームの勝利です」とのコメントが新聞の見出しを飾っている。「信じる力で結実」と。そして新聞は書く。「これが大将の仕事」と。 私も大変良く知っているが本当に「性格の優しい良い男」だ。彼の「青春を一生飾る大きな思い出」となったに違いない。全国の有名大学から「引き」もすごいのである。
・ 私は近々「全国優勝祝賀会」を一流ホテルでやるつもりで早速手配に入った。保護者会と共同主催である。中学生、高校生部員、府内のお世話になっている先生方やご関係の先生方をご招待して祝ってやりたいのである。
・ 本校の保護者も素晴らしい、ほぼ部員全員の保護者が4連泊して姫路に応援に出かけたという。OBも20名以上が応援に駆けつけてくれた。大将大西君の母君は30分以上応援席で動くことなく「喜びで泣き崩れて」いたという。
・ 今回の「まほろば総体」で全国優勝した大阪のチームは団体競技では本校の空手道とハンドボールだけでだけであった。本当に良くやってくれた。「新武道館建設に花を添える素晴らしい一事」であった。関西大学の学長先生や多くの方々から「ありがたい祝電」を頂いている。
・ 私は今日の校務運営委員会でも職員会議でも言葉を尽くして空手道部の良い結果を褒め称え、同時に他のクラブにも激励をしたのである。「私学の私学たる所以は文武両道」であり、拠って立つためには「クラブ活動は極めて重要」であり、今回インターハイの応援に出かけてつくづくと思ったのである。「部活動を奨励し支援」しなければならない。