2008年6月23日月曜日

6月23日(月)校舎10000棟倒壊の可能性

・ 遂にデータが明らかになってきた。本当はもっと前に国民に知らさねばならない事項だと思う。「中国四川大地震で学校校舎が倒壊」し、「多くの児童生徒が犠牲」になり新聞報道やテレビで瓦礫の傍で泣き伏す保護者の姿に同情した国民は多いはずだ。元来学校は何があってもびくともしない「地域住民の避難場所」というのが常識だったが中国では「学校は手抜き工事の対象」だったのだ。
・ その報道も徐々に下火になり国民の関心は「秋葉原事件」に移ったかと思えば日本でも「岩手・宮城内陸地震」に見舞われた。朝早い時間帯と山岳地震だったから、阪神淡路の時よりも地震エネルギーは大きかったにも関わらず被害は比較的少ない状況だ。日本はさすがに「姉歯事件」みたいな偽装設計みたいなものは学校建設に関して言えばないから倒壊などの事故はなかった。
・ 文部科学省は20日、全国の公立小中学校の校舎や体育館約127000棟を調査し、現行の耐震基準前に建てられ、未改修の建物が43000棟もあり、このうち「10000棟は震度6強で倒壊する危険性が高い」ことを発表した。21日の朝刊で産経が、22日は読売が詳細に報じている。
・ 注目すべきはここでも「大阪府で全国最多の1045棟でトップ」だ。名誉なことではない。とにかく大阪は「全国学力調査でも下からトップ、私学助成金も下からトップ」と、一体これはどういうことか。次が北海道605棟、埼玉524棟と続く。良いのは沖縄県で29棟でちなみに東京は403棟だ。大阪はダントツのビリだ。
・ こういう場合人口が多いとか学校の数が多いとか言ってはならない。「比率の問題ではなく絶対数」が重要な考えだが行政の姿勢を図る上では「比率」で判断できる。大阪府で言えば田尻町100%、大阪市は大変立派で87.6%の進捗率だ。
・ 自治体でこのように大きな違いがあるのは勿論「財政状態」があるが、私は「行政の長の見識や市議会議員の熱意」など色々あると思う。どう考えたって大阪府はおかしいのではないか。阪神淡路大震災を受けた場所だからもっと「敏感」であって良いと思う。
・ 大阪市の関市長は平成7年度から「耐震診断」を行い、9年度から改修や建て替えを進め、27年度末には完了するという。「阪神淡路大震災を受けて取り組みを始めた。生徒や市民のために学校は安全でないといけない」と説明している。大変立派だ。関さんもこの辺をもっとPRすれば良かったのに。あの人は「今の人と違って行政のプロ」だ。
・ 今朝の読売は府全体で診断実施率93.7%、耐震化率56.9%と報じ、「府最低、高石市の7.3%」との見出しだ。高石市長も市議会議員も「顔色真っ青」だろう。高石市民は市に対して説明を求めなければならない。耐震化がとりあえず「可」であるとして60%以上の自治体で言えば鵜原枚方市64.3%、富田林市60%、河内長野市78%、松原、大東などが続く。
・ 低いところは理事長職務代理に住んでおられる藤井寺市が25%、守口12.1%、豊中19.4%だ。問題は耐震診断結果を学校に伝えていないと報じているが、積極的に開示する必要もないと私は思うが・・・。
・ 余分な「不安」を与え、「混乱」を避けるために今までは公表していなかったが、政府は四川大地震を受けて突貫で法律を見直した。それが18日に「改正地震防災特別措置法」として施行されたので今後公表の動きは加速されるのではないか。
・ 吹田市は19,20日に学校長に対して「あなたの学校は倒壊する危険性があります」と伝えたとある。言われた方の校長も「困りるわなー」。「一体どうしろと言うんだ!」と言いたいだろう。その校長は「補強や避難経路を考え直さねばならない」とコメントしている。
・ ただ同市も「生徒保護者への開示は消極的で今後方法を検討していく」とあるから、役所の検討は「しない」ということだから、騒ぎにはならないだろう。騒いでもどうにもならないからだ。
・ 変な言い方だが今回の発表で内心ほっとした。本校以外にも多くの学校が耐震対策を打っていないからだ。今回の発表と政府の財政出動で加速されるだろう。本校は「簡易耐震診断」は実施した。本格的な耐震診断は費用が極めて高くつき、やっても結果は同じことだから、一挙に「新校舎建設」を考えたのである。耐震補強工事も相当な費用がかかり、外観も制限され、タイミングも返って新築よりは長くかかると考えている。
・ ただ世の中の動きは我々の想定を超えて進んでいる状況の中で「間違いない判断」をしなければならない。公立はこのように積極的に開示されてきているが私立学校は全くその様子が分からないのでその分「不安」を感じている。
・ ただ府内でも私立は「生徒獲得競争の強力な武器としての新校舎」を謳い文句にしてきており、「建設ラッシュ」だ。確かに本校は「立ち遅れている」が心配はない。私が「しっかりと対応していく」から教職員は安心して欲しい。そのためにも武道場を先行しないと何も進まない。
・ 「 検討チームが現在全国を調査し、データを集めている」。今度関東の方に見学に行きたいと行ってきたから「どんどん、行きなさい」と言った。世間がびっくりするような「新しい感覚の校舎」を作りたいものだ。「21世紀の浪速発展の基盤」だ。皆で苦労を分かち合い、絶対に「やりきる覚悟」が必要だ。誰も助けてはくれない。自らの手でやらねばならないのだ。