2008年6月30日月曜日

6月30日(月)府の採用試験

大阪府職員採用給与減で?受験者半減
・ 平成20年度の大阪府職員採用試験(大卒程度)が29日に府立大学のなかもずキャンパスで行われたとある。何と今年の受験者は平成11年以降最も少なく、772人だったという。
・ 採用予定者数は19年度のほぼ半数の75人程度とあるから、結果としては相変わらず「高い倍率」だと思うが、減りこみ数値が少し大きいのでこんな記事になったのだろう。5月に開いた採用セミナーではわざわざ橋下知事が出席して「声援」した時に申込者は1420人とあったのに実際に試験に来たのは半数となった。
・ これは知事が推し進める改革で教職員の給与を平均で11.9%カットされそうなことが「影響した?」と記事にはあるが、そうではあるまい。府の人事委員会は大幅な減少について「大阪市や堺市と試験日程が重なったことや民間の新卒採用が好調なため」とコメントしたらしい。
・ しかし私はこの記事やコメントは少し違うのではないかと思う。確かに民間は十周年ぶりに「初任給」を上げたりし、少子化の中で「採用は積極的」である。これは大きな因子と言える。しかし今日の若者は誰も給料など最初の条件には持ってこないと思う。
・ 要は公務員が「働き甲斐のある職場」かどうかが問われ始めてきたのである。財務省など中央省庁でもキャリアが民間や海外に流れる傾向が出てきたといわれる。国民サービスや府民サービスという「全体の奉仕者という行為」について「むなしく」感じ始めているのだと思う。
・ 公務員は全体の奉仕者で「憲法15条に規定されているごとく公正中立で最大の能力を発揮するよう定められており」、「スケールの大きい仕事」が特徴である。民間などの「車のセールスとか住宅販売とか高島屋勤務とか」とは根本的に異なる。財務省などの役人は国の予算を動かすのだし、大阪府も何億円という大きな予算の執行という事業がある。
・ しかしながら国も地方も財政はパンク状態で「国民府民を幸せにする新しい事業」など提案さえ許されない時代となってきた。逆に「廃止やシュリンク」の話しばかりだ。「偉そうには出来ず」、頭ばかりぺこぺこ下げる職業は嫌だと思い初めているのかもしれない。
・ まして橋下知事は「道州制」を頭に市町村に権限委譲をすると言っており、そうなればますます拍車がかかることになろう。夕張市の職員は「辛く悲しい事態」で職場を去って行った。全国どの自治体も今後給与が上がることはまずない。「下がる一方」だと思う。「人員も削減される方向」だから今のところ良いことは何もない感じだ。
・ したがって公務員を目指すのはやはり「覚悟と心構え」が必要だと思う。表現は悪いが民間と違って「おおざっぱな、ある面いい加減」な仕事は出来ないのだ。すべて「税金だから」である。すべては法律、条例で決められており「裁量の範囲」は基本的にない。
・ 民間は刑法民法を守ってさえおれば後は大体「裁量の範囲」である。教員も公立と私立では全然異なる。公立の教員は処遇はすべて「条例」で決められるが私立は「理事会の決定事項」だ。言ってみれば臨機応変、柔軟に対応可能であるが地方公務員は「議会」を経なければならない。
・ 民間企業人気で言えば相変わらず男子文系は三菱商事、三井住友銀行、東京三菱UFJ,男子理系では松下、日立、NTT、文系女子ではANA,JTBなどがある。昔も今も変わらない構図だ。
・ 日本の大学生の傾向はまず「楽しく働きたい」次が「大手企業志向」そして「暗い、きつい仕事を敬遠」最後に「自分のやりたい仕事が出来る会社」と来るらしいが、自分のやりたい仕事が最初からある訳がない。何にも分からない奴に任せられる仕事があるほど企業は甘くはない。景気の良いときは民間企業に、景気が悪くなったら公務員にというのが傾向だが少しずつ変化の兆しが現れてきていないか。
・ やはり「やりがいのある仕事」「自己を実現させてくれる仕事」「大きな組織の中でも自由度の高い仕事」等が若者の思いなのかなと思う。大企業の良いところは安定しているということもあるが、それよりも「個人裁量の範囲がある程度あり「企業文化の民度が高くて自由度がある」ということだと私は考えている。
・ アメリカでは最近人気就職先は「NGOとか社会貢献団体」が来ており日本の若者と少し異なる。しかし傾向としては「人のために役に立つ」という実感が得られる仕事が大きな位置を占めて来ている。これは重要は視点である。金ではなくて「やりがい」というのだ。
・ そういう視点の中で「教職員の仕事」は間違いなく人の為に役立つ、「やりがいのある素晴らしい、生涯をかけても惜しくはない仕事」だと私は思うのだ。次世代を担う若い世代を「教育訓練する」楽しみは何事にも変えがたい。このことを喜びだと思う人間は教員となる必要条件はパスしている。
・ しかし問題はこれからだ。「威張らず、頭を低く」、生徒の為に自分の時間を如何に投入できるかが問われているのだ。「教員は生涯勉強」だ。まず「生徒が好きでなければならない。」自分は子ども好きか否か、自分の内心を直視しながら自分の将来設計を考えて欲しいと思う。「教員ほど男女に差がなく共同参画の場はない」。誇りを持って意識を高めることが今求められている。