・ 大阪の私立高校は低所得家庭を対象に国、大阪府、学校法人の3者で「完全授業料無償化」の方針を先ほど府と私立中学校高等学校連盟とが合意に達した。「私立高校生就学支援推進校」制度というものでこれについては校長日記に前にも書いた。府内96校すべての私立学校が名乗りを上げ、統一行動を取ることを決めたのである。
・ 3月31日の参議院通過で「公立高校授業料無償化と私立高校授業料支援法案」はようやく正式な法律となった。これを受けて大阪府は早速具体的な「私立高校就学支援制度」の具体的な「事務処理設計」をして各私立高校に連絡・指導が始まるのだろう。
・ 昨日から新年度がスタートしたが、まさに私立高校にとって「エポックメーキングな年度22年度」が始動し始めたのである。私立高校に勤務する教職員や保護者の皆さまは、私は生徒にもと思っているが、要は「この事態を正しく認識する」ことが重要である。
・ 特に教職員の中には「そういうことは教員には関係ない」とか言って、正しい認識を持たないと、これからは教員の生徒指導力にも問題が出てくる可能性がある。私立高校の教員は生徒のご家庭の経済状況の把握に従来以上に距離感が縮まるものと私は思っている。
・ 私は着任以来とにかく「経営指標」を教職員にオープンにして「ほとんど全てを公開し開示」してきた。銀行預金の額まで知らしめてきている。それは私立学校の教職員は「常に経営という視点を忘れてはいけない」と考えているからである。
・ 22年度から始まる「私立高校就学支援制度」がどのような影響を学校経営に与えるのか、このことによって「私立高校への入学者模様」にどのような影響が出てくるのか、誰も現段階では想像できない「波乱の要素」なのである。
・ 助成が「子供手当て」のように直接保護者に対してなされるのではなくて私立学校に対して直接なされるから、国・大阪府とご家庭との間に立つ「学校が公金扱い機関としての機能」がより求められる。正直言って「仕事が大幅に増える」が仕方がない。「家計が厳しい生徒とご家庭の為」である。
・ 色々意見はあろうが、これにより大阪府では低所得世帯に限るとの条件はあっても、「私立高校でも授業料の完全無償化」が実現するから「画期的」なことだと言える。これで少なくとも「家にお金が無いから私学には行けない」ということは無くなった筈である。
・ 学校現場の実態としては、当然この事態を見越して「本年度の公立高校入試、私立高校入試は終わっている」。「公立高校授業料の無償化はどのような結果を出したか」「私立高校への支援制度は少しは効果があったのか」等々大変興味がある。
・ どういう結果になったのかはもう少しデータが出揃わないと何も言えないが、耳に入っている情報では一部公立の定員が割れ、私立は入学者数を増やしていると言う話もある。最も大阪府では3000名以上の定員増をしたのだから「公立回帰」は動かせない傾向であることは間違いない。しかし少なくとも本校では昨年を上回る生徒増を得た。
・ 橋下知事は現在の「公私比率の7対3」は「私学側のカルテル」だと言い放ち、長い間「公立、私立の秩序の枠組み」を維持してきた規制を撤廃しようとされている。その上で「同じ土俵で公立、私立が勝負すれば良い」と主張されているのだ。しかしこの「同じ土俵というのが曲者」でここに少し誤解があるのではないか。
・ 今の大阪府の私立高校就学支援制度を突き進んでいけば私立高校は「もはや授業料は上げられない」と思う。これは「相当しんどい話」である。大阪府は「府内の私立高校授業料の中間値を55万円」としているのだが、これは平均値ではなくて根拠のない「にらみ数値」でそれを中間値と言っているだけの話ではないのか。
・ この支援制度の根幹は、授業料55万円以上の私立高校は「差額分を吐き出せ」ということなのである。「学校法人支援金の名目で財源を確保せよ」ということなのである。私は将来この「55万円の法的根拠」について「訴訟」などもめなければ良いがという気もある。
・ 国及び大阪府が行う私立高校就学支援施策の概要の1例であるが、本校は59万円の授業料等だから生活保護世帯や年350万円以下の家庭に対する授業料軽減措置は以下のようになる。
国 大阪府 学校法人負担 合計
生活保護世帯 24万円 31万円 4万円 59万円
年収350万円以下 18 37 4 59
・ 例えば実際に存在するのだが授業料等が90万円という学校の場合、法人負担は対象生徒一人当たり35万円となる計算である。「このようなご家庭の生徒が何名在籍するか」が大きな問題となってくる。
・ 問題は「対象となる生徒数の想定数」である。これが多いと学校法人からの助成額が多く、「経営を直撃する要因」となる。新1年生だけではなくて在校生にも適用されるだけに年収350万円以下の家庭の子弟がどれくらいの割合かは法人経営上、重要な問題なのである。
・ 「4月6日の入学式」まではまだ本校の生徒ではないから何も出来ないが「入学式後には早速ご家庭の経済状況の把握」が我々の仕事となる。そして正式に高校2年生と3年生にも調査を拡げねばならない。それも「事務処理」の間違いがないように適切に行わなければならない。
・ 私はこの制度については「真っ先に賛成と参画の手を挙げた。」それは「今後の私立学校のあり方に大きな変革の兆しを感じた」からである。今でもその気持ちに変化はない。しかしまだ「考え方の理論武装」が完成されているとは言えないのである。クリアしなければならない問題はまだ多い。
・ 3月31日の参議院通過で「公立高校授業料無償化と私立高校授業料支援法案」はようやく正式な法律となった。これを受けて大阪府は早速具体的な「私立高校就学支援制度」の具体的な「事務処理設計」をして各私立高校に連絡・指導が始まるのだろう。
・ 昨日から新年度がスタートしたが、まさに私立高校にとって「エポックメーキングな年度22年度」が始動し始めたのである。私立高校に勤務する教職員や保護者の皆さまは、私は生徒にもと思っているが、要は「この事態を正しく認識する」ことが重要である。
・ 特に教職員の中には「そういうことは教員には関係ない」とか言って、正しい認識を持たないと、これからは教員の生徒指導力にも問題が出てくる可能性がある。私立高校の教員は生徒のご家庭の経済状況の把握に従来以上に距離感が縮まるものと私は思っている。
・ 私は着任以来とにかく「経営指標」を教職員にオープンにして「ほとんど全てを公開し開示」してきた。銀行預金の額まで知らしめてきている。それは私立学校の教職員は「常に経営という視点を忘れてはいけない」と考えているからである。
・ 22年度から始まる「私立高校就学支援制度」がどのような影響を学校経営に与えるのか、このことによって「私立高校への入学者模様」にどのような影響が出てくるのか、誰も現段階では想像できない「波乱の要素」なのである。
・ 助成が「子供手当て」のように直接保護者に対してなされるのではなくて私立学校に対して直接なされるから、国・大阪府とご家庭との間に立つ「学校が公金扱い機関としての機能」がより求められる。正直言って「仕事が大幅に増える」が仕方がない。「家計が厳しい生徒とご家庭の為」である。
・ 色々意見はあろうが、これにより大阪府では低所得世帯に限るとの条件はあっても、「私立高校でも授業料の完全無償化」が実現するから「画期的」なことだと言える。これで少なくとも「家にお金が無いから私学には行けない」ということは無くなった筈である。
・ 学校現場の実態としては、当然この事態を見越して「本年度の公立高校入試、私立高校入試は終わっている」。「公立高校授業料の無償化はどのような結果を出したか」「私立高校への支援制度は少しは効果があったのか」等々大変興味がある。
・ どういう結果になったのかはもう少しデータが出揃わないと何も言えないが、耳に入っている情報では一部公立の定員が割れ、私立は入学者数を増やしていると言う話もある。最も大阪府では3000名以上の定員増をしたのだから「公立回帰」は動かせない傾向であることは間違いない。しかし少なくとも本校では昨年を上回る生徒増を得た。
・ 橋下知事は現在の「公私比率の7対3」は「私学側のカルテル」だと言い放ち、長い間「公立、私立の秩序の枠組み」を維持してきた規制を撤廃しようとされている。その上で「同じ土俵で公立、私立が勝負すれば良い」と主張されているのだ。しかしこの「同じ土俵というのが曲者」でここに少し誤解があるのではないか。
・ 今の大阪府の私立高校就学支援制度を突き進んでいけば私立高校は「もはや授業料は上げられない」と思う。これは「相当しんどい話」である。大阪府は「府内の私立高校授業料の中間値を55万円」としているのだが、これは平均値ではなくて根拠のない「にらみ数値」でそれを中間値と言っているだけの話ではないのか。
・ この支援制度の根幹は、授業料55万円以上の私立高校は「差額分を吐き出せ」ということなのである。「学校法人支援金の名目で財源を確保せよ」ということなのである。私は将来この「55万円の法的根拠」について「訴訟」などもめなければ良いがという気もある。
・ 国及び大阪府が行う私立高校就学支援施策の概要の1例であるが、本校は59万円の授業料等だから生活保護世帯や年350万円以下の家庭に対する授業料軽減措置は以下のようになる。
国 大阪府 学校法人負担 合計
生活保護世帯 24万円 31万円 4万円 59万円
年収350万円以下 18 37 4 59
・ 例えば実際に存在するのだが授業料等が90万円という学校の場合、法人負担は対象生徒一人当たり35万円となる計算である。「このようなご家庭の生徒が何名在籍するか」が大きな問題となってくる。
・ 問題は「対象となる生徒数の想定数」である。これが多いと学校法人からの助成額が多く、「経営を直撃する要因」となる。新1年生だけではなくて在校生にも適用されるだけに年収350万円以下の家庭の子弟がどれくらいの割合かは法人経営上、重要な問題なのである。
・ 「4月6日の入学式」まではまだ本校の生徒ではないから何も出来ないが「入学式後には早速ご家庭の経済状況の把握」が我々の仕事となる。そして正式に高校2年生と3年生にも調査を拡げねばならない。それも「事務処理」の間違いがないように適切に行わなければならない。
・ 私はこの制度については「真っ先に賛成と参画の手を挙げた。」それは「今後の私立学校のあり方に大きな変革の兆しを感じた」からである。今でもその気持ちに変化はない。しかしまだ「考え方の理論武装」が完成されているとは言えないのである。クリアしなければならない問題はまだ多い。