2010年3月12日金曜日

3月12日(金)常勤講師がいとおしい


・ 平成21年度本校で勤務して頂いている常勤講師の先生の数は42名である。これは小さな数値ではない。これらの先生方は「リップサービス」ではなくて、皆さん優秀で「本校のために頑張って」頂いていることは間違いない。私は「感謝」している。
・ 専任教諭には時々「不埒千万」「不届き至極」みたいな教員が散見されるが常勤講師の先生方はこういうことの目立つタイプが居ないのは「自らを厳しく律して」居るからであろう。それだけに私は内心では常勤講師の先生が「いとおしい」のである。
・ この3年間私は「採用人事権を筆頭副校長に委ね」全てをお任せしてきた。勿論面接については他の管理職も同席する「複眼面接」としているが基本的には副校長の判断が主導することになる。
・ 企業でもどこでも「人事」については「誰かれ」がやれる、やるものではない。しっかりとした「人事課、採用人事課」などの人事のプロが行うことによって大きな間違いは起こらないのである。
・ これが誰でも「口利き」出来るようになるととんでもない失敗が起きる。昨年、大問題となった大分県教員採用汚職事件などは典型的例である。人事は「清廉潔白」「公正公平」な人が行うことによって、そして一定期間同じ人が継続し、採用の視点がぶれないようにすることで「公平さが保たれる」というのが私の考えである。「情実人事が学校を滅ぼす」。
・ 外部から私に教員採用で「口利き」が無かったわけではない。しかしトップが恣意的に採用人事を決めたらそこから組織は腐敗していく。第一、満65歳まで働いてくれる専任教諭が「そこそこ」の人材であったらその組織は「悲しい」ものになる。夢がないではないか。
・ 採用する以上は「浪速丸のクルー」として学校と「喜怒哀楽」を共にし、この学校と共に「成長し続ける」人材が欲しいのは当然である。「輝く教師」となってくれるような「幅の広い人間性豊かな」人材になってくれそうな「ポテンシャルの高い忍耐と努力の人」を探し採用したいと考えるのは企業とて学校とて役所とて同じことだろう。
・ 見事にこの3年間副校長は対応してくれた。しかし3年間「大変だった」と思う。「良いな、是非欲しい」と思われた先生には「他校に逃げられたり」してその苦労を分かっているだけに副校長をねぎらいたいのである。「元気のある浪速」は副校長先生が採用した常勤講師の先生の頑張りに大きく由来する。しかしお一人お一人に差があることは厳然たる事実でもある。
・ しかし私は判断したのである。「3年が丁度良い頃合」と考えた。基本的に副校長は優しいお人柄であり、自分の採用した講師の先生が専任として採用されることを期待して居る筈だし、「人間の情」もあるお方だけにこれ以上「この過酷で神経質な業務」から解放させてあげたいと考えたのである。
・ 「平成22年4月からは次席副校長を人事センター」として当て嵌めることを決め、すでに本人には伝えた。この先生はこの3年間中学教頭も兼務して来たから、管理職経験もある。4月からはこの副校長が「常勤講師の人事に関し専管」することになる。新しい目で素晴らしい先生を確保育成して頂きたいと今日の朝会で伝えたのである。
・ ところで改革が始まって以来この足掛け4年間で私は理事長として専任教諭採用の辞令を12人の先生方にお渡しした。今年4月には更に9名もの専任教諭を採用することを内定している。9名の内8名は常勤講師の先生方から1名は現役の府立高校の専任教諭の転身を受け入れたのである。
・ 「私が採用した専任は合計21名」となる。今日(こんにち)4年間で21名もの専任を採用できる私立高校などそう多くはあるまい。「大学新卒の教師の卵の就職」にここまで協力して来たのだから、半分冗談だが、大学連盟から表彰して欲しいくらいである。
・ 今年は前述したように42名の常勤講師の先生から8人の専任教諭が誕生することになった。これは私と副校長がよくよく相談して決定したものである。前にも書いたが「指導力」「教科バランス」「現状能力」「能力のポテンシャル」「健康」「勤務態度」「協調性」等々「総合的に判断」して私が最終決定したものである。
・ この42名の常勤講師の内退職が10名、継続勤務が32名となる。この中には2年目、3年目となる先生もいらっしゃるのである。ここに「今年4月から採用の先生が常勤講師で18名」もの先生が加わり、8人が専任として採用されるから、総計42名もの常勤講師の先生が又新しく誕生し、22年度の「戦力」である。
・ 42名と言うのはやはり多い。どうしてこういう事態になったのかは簡単な話しで「ベテランの先生が退職」されたことと「生徒数の増大」が理由である。この4年間で20名程度の専任教諭が後輩に道を譲って退職して行かれた。今年も3月末で4名のベテランが「早期退職優遇制度」を使って退職される。
・ ベテランの先生の退職は分かったが「若い先生は辞めていないのか?」との質問の答えは3人の専任教諭が退職されていった。一人は養護教諭で「育児と介護のため」、一人は「結婚退職」そして一人は「他の私立高校勤務」である。
・ 幾分ショックだったのは他の私立高校勤務である。この先生は私が常勤講師から専任に採用して2年で退職だから正直驚いたのである。口数は多くは無く、「頑迷固陋」タイプであるが、夜遅くまで頑張り、それだけに「責任感」があって私は評価していた先生であった。
・ 公立希望の常勤講師の先生の退職は全く問題とはしていない。どちらかというと「応援」しているような面がある。どうしても九州の故郷に帰って公立学校の教員になりたいという先生には「浪速で経験を踏んで」、飛び立って行けといっているくらいである。
・ 本校を辞めて他の私立高校に、それも2年程度でバイバイするなら、本校での専任の話など受け入れるべきではないだろう。辞退すべきが社会人の常道だと思うが、恐らく途中での「意識の変化」も若いだけにあったのだと考えられる。
・ 私は「何回も面談し説得」したが結局「翻意」させることが出来なかった。彼を本校に連れてきた、今は本校に居ない、あるベテランを呼び寄せてまで、面談をさせ説得させた。退職理由についてはここでは書けない。私は最終的には「辞表を受理」し、新天地での活躍を「激励」したのである。
・ 本人もそして「他校の専任教諭に手を突っ込み、強く誘った某私立高校の人事担当者」も彼の今後の人生に責任がある。深く自覚して欲しい。しかし考えてみれば他の私立高校が即専任で本校にスカウトをかけて採用するというのは、本校にとって悪くは無い話だと考えるようになったのである。
・「出て行きたい者は行きなさい」ということである。副校長は言うのだ。「理事長、彼に代わる常勤講師は綺羅星のごとく居るし、それほど居て欲しい人材でもないですよ」と。専任に成りたい人は山ほど本校の常勤講師に居ますから全く問題はありませんと言われるのである。