・ 鳩山政権の目玉政策の一つ「高校授業料無償化法案」が昨日の16日に衆議院を通過した。これで4月実施の目途が付いたことになる。しかし「政府も国民も高揚感がない」のはどうしてか。
・ 今朝の各紙は揃って報道しているが「批判的」なトーンで纏められている。産経は「本末転倒」と強力な言い回しで、朝日は抑えながらも「抱える個別問題」を列挙している。「総論は良いが各論では解決しなければならない課題は多いですよ」といったところである。
・ 大阪日日新聞は極めてぴったりした表現「ぬぐえぬ生煮え感」と書いている。その通りである。民主党はとにかく何か一つ「実績」が欲しかった。それが「こども手当て」と「高校授業料無償化」だったのである。
・ もっと正確に言えば高校授業料無償化ではなくて「公立校では授業料を徴収せず」であり、私立校には「就学支援金を支給する」と言ったほうが正しい。しかしこの政策ほど「見た目格好は良いが中身に問題を包含」したものはない。
・ 夏の参院選前にとにかく「マニフェスト選挙」だった先の衆議院選挙から半年、80%の内閣支持率が40%を切る所まで追い詰められた政権は「形振り構わず」突っ走ったというのが正しい。
・ 子ども手当てなど私には未だに「本当にやるの?」と言った感じの政策である。23年度から月額26000円が支給されると何と「国防予算4.7兆円を超える5.3兆円も安定財源」が必要である。そんなお金何処にあるの?一体この政権は「国家という概念」が全く希薄で心配でならない。「外国人に対しての地方参政権の付与や沖縄の米軍基地問題」などもその延長線上にある。
・ 子ども手当てに比べればまだ高校授業料の無償化はまだ救われる。それに大体必要な財源は高々年間4000億円だからである。朝鮮学校に支給するかどうかで後半政府は「迷走」したが、とにもかくにも法案になった。
・ ところで朝鮮学校への支給問題は第三者委員会で検討すると言っているが拉致問題を抱え、ミサイルを日本海に撃ち込んでくるような国の「首領さま」の肖像画が教室にあるような学校法人に貴重な税金を支給するのは「違和感」がどうしても残る。私の正直な気持ちである。夕刊に出ていた「橋下知事の感覚」に私は近い。
・ こういう場合は必ず「子どもには罪は無い」と言って、さも見識ぶって意見表明する向きが居るのだが、今回の施策は子ども手当てと違って学校法人に支給されるものであってその「学校の有り様が問われる」のは当たり前の話だろう。
・ 5日の衆院分科委員会で川端文科相大臣は無償化の効果を説明した時に議場には「失笑」が漏れたという。大臣の説明はこうだった。「高校生に学びを税金で支えるとのメッセージを出すことで学習意欲が向上し公共心が身につく」というものである。「世間知らずも甚だしい」。
・ 民主党の公約「高校授業料の無償化」はどうも「大ヒット」であると前に書いた。それは「学校教育と言うものに新たな概念が生まれる」ような「気配」を生み出しているからである。高等学校教育が無償化と言うことは「義務教育的扱い」となってくるということではないかと私は強調した。
・ 今朝の記事でも文科省の高官は「将来的には高校までを義務教育とするといった説得力のある大方針を大臣は打ち出せなかった」とコメントしているがこれなど「教育の大方針」を示して然る後に「予算付け」を行うという「戦略のなさ」を皮肉ったものである。これは「単なるばら撒き」であると「身内が後ろから鉄砲を撃っている」ようなものである。
・ 私はこのブログでも何回もこの問題について発信してきている。昨年の10月29日は「全国の公立の高校授業料が無償化」と題して意見表明した。この中には「私学の設立者としては大いに保護者の負担軽減に繋がるものであり、歓迎したい。世界では高校授業料は殆どが無償であり、流れである。」とまで書いているのである。
・ ただ私が続けて注意しなければならない視点として書いているのは、日本は現在「高校進学率が97%を超えており」無償化するからと言ってこれ以上進学率が上がるとは考えられない。ここはポイントである。
・ すなわち政策効果は民主党のマニフェスト「生活が第一」を受けた「生活支援」であり、生活の質的レベルアップが目的なのである。こうなると一律支給はおかしいと言う議論にもなってくる。
・ この施策で教育効果があるとは考えられない。正直言えば「奨学金拡充」などに向けられるべきで「本当に必要としているご家庭」に傾斜配分で向けられても良いのではないかという意見も強い。
・ 「高校中退の理由」ははっきり言って経済的理由と言うより「学校との適性」や「学ぶ意欲の問題」などが90%を越えているというデータや意見もある。ほぼ100%の生徒が携帯電話を持ち月々10000円の携帯電話代と同額の月々10000円の授業料とどのようの整合性を取るのか。
・ 学校が終われば遊興費のために「アルバイト」に精を出し、4万円や5万円を稼いでいる今日的高校生もいる中で、本当に困っている生徒への支援を拡充してやりたいという学校関係者の意見は結構多い。
・ 又「給食費や授業料未納問題」ではお金があっても払わない「保護者のモラール低下や意識の問題」もあり今後「授業料無償化だから教材費や修学旅行費など払わない」ケースが出てこないか心配している学校関係者もいる。
・ すなわち「お金が無いから高校に行けない」と言うことではなくて高校に行かないのは「他に理由がある」ということになる。更に1月12日のブログには「公立高校が授業料無償化になってさぞ志願者が増えると思いきや」とのタイトルで痛烈に公立の現状を皮肉っているのである。「授業料が無償化だから公立に行くとは限らない」ということが明確に成って来たのである。
・ またくしくも私の予想が当たった。「無料だから一応高校に籍を置いておく」というものである。3月10日の朝日新聞の記事「僕は留年を選んだ」はそれを顕著に示した。高校授業料の無償化を「追い風」として「あえて留年する」と言うのである。
・ あえて留年するために日本史の授業を意識的に欠席し、2単位を落として、「学校とアルバイト先を掛け持ちしながら高校生をやりながらお金を貯める」というのである。民主党や文部科学省はこの記事をどういう思いで受け止めているのであろうか。
・ しかしまあ、法案は通過した。ごちゃごちゃ細かいことは言わないで取り合えず「素直に喜んだらどうだ」と言われるだろうから歓迎の意思は示すが、今後「本丸」に迫って欲しい。今回のことで「私立と公立への公費支出の差が縮まったわけではない」からだ。しかし民主党の議員にはこの理屈が分かっている人が何名いらっしゃるのだろう?
・ 今朝の各紙は揃って報道しているが「批判的」なトーンで纏められている。産経は「本末転倒」と強力な言い回しで、朝日は抑えながらも「抱える個別問題」を列挙している。「総論は良いが各論では解決しなければならない課題は多いですよ」といったところである。
・ 大阪日日新聞は極めてぴったりした表現「ぬぐえぬ生煮え感」と書いている。その通りである。民主党はとにかく何か一つ「実績」が欲しかった。それが「こども手当て」と「高校授業料無償化」だったのである。
・ もっと正確に言えば高校授業料無償化ではなくて「公立校では授業料を徴収せず」であり、私立校には「就学支援金を支給する」と言ったほうが正しい。しかしこの政策ほど「見た目格好は良いが中身に問題を包含」したものはない。
・ 夏の参院選前にとにかく「マニフェスト選挙」だった先の衆議院選挙から半年、80%の内閣支持率が40%を切る所まで追い詰められた政権は「形振り構わず」突っ走ったというのが正しい。
・ 子ども手当てなど私には未だに「本当にやるの?」と言った感じの政策である。23年度から月額26000円が支給されると何と「国防予算4.7兆円を超える5.3兆円も安定財源」が必要である。そんなお金何処にあるの?一体この政権は「国家という概念」が全く希薄で心配でならない。「外国人に対しての地方参政権の付与や沖縄の米軍基地問題」などもその延長線上にある。
・ 子ども手当てに比べればまだ高校授業料の無償化はまだ救われる。それに大体必要な財源は高々年間4000億円だからである。朝鮮学校に支給するかどうかで後半政府は「迷走」したが、とにもかくにも法案になった。
・ ところで朝鮮学校への支給問題は第三者委員会で検討すると言っているが拉致問題を抱え、ミサイルを日本海に撃ち込んでくるような国の「首領さま」の肖像画が教室にあるような学校法人に貴重な税金を支給するのは「違和感」がどうしても残る。私の正直な気持ちである。夕刊に出ていた「橋下知事の感覚」に私は近い。
・ こういう場合は必ず「子どもには罪は無い」と言って、さも見識ぶって意見表明する向きが居るのだが、今回の施策は子ども手当てと違って学校法人に支給されるものであってその「学校の有り様が問われる」のは当たり前の話だろう。
・ 5日の衆院分科委員会で川端文科相大臣は無償化の効果を説明した時に議場には「失笑」が漏れたという。大臣の説明はこうだった。「高校生に学びを税金で支えるとのメッセージを出すことで学習意欲が向上し公共心が身につく」というものである。「世間知らずも甚だしい」。
・ 民主党の公約「高校授業料の無償化」はどうも「大ヒット」であると前に書いた。それは「学校教育と言うものに新たな概念が生まれる」ような「気配」を生み出しているからである。高等学校教育が無償化と言うことは「義務教育的扱い」となってくるということではないかと私は強調した。
・ 今朝の記事でも文科省の高官は「将来的には高校までを義務教育とするといった説得力のある大方針を大臣は打ち出せなかった」とコメントしているがこれなど「教育の大方針」を示して然る後に「予算付け」を行うという「戦略のなさ」を皮肉ったものである。これは「単なるばら撒き」であると「身内が後ろから鉄砲を撃っている」ようなものである。
・ 私はこのブログでも何回もこの問題について発信してきている。昨年の10月29日は「全国の公立の高校授業料が無償化」と題して意見表明した。この中には「私学の設立者としては大いに保護者の負担軽減に繋がるものであり、歓迎したい。世界では高校授業料は殆どが無償であり、流れである。」とまで書いているのである。
・ ただ私が続けて注意しなければならない視点として書いているのは、日本は現在「高校進学率が97%を超えており」無償化するからと言ってこれ以上進学率が上がるとは考えられない。ここはポイントである。
・ すなわち政策効果は民主党のマニフェスト「生活が第一」を受けた「生活支援」であり、生活の質的レベルアップが目的なのである。こうなると一律支給はおかしいと言う議論にもなってくる。
・ この施策で教育効果があるとは考えられない。正直言えば「奨学金拡充」などに向けられるべきで「本当に必要としているご家庭」に傾斜配分で向けられても良いのではないかという意見も強い。
・ 「高校中退の理由」ははっきり言って経済的理由と言うより「学校との適性」や「学ぶ意欲の問題」などが90%を越えているというデータや意見もある。ほぼ100%の生徒が携帯電話を持ち月々10000円の携帯電話代と同額の月々10000円の授業料とどのようの整合性を取るのか。
・ 学校が終われば遊興費のために「アルバイト」に精を出し、4万円や5万円を稼いでいる今日的高校生もいる中で、本当に困っている生徒への支援を拡充してやりたいという学校関係者の意見は結構多い。
・ 又「給食費や授業料未納問題」ではお金があっても払わない「保護者のモラール低下や意識の問題」もあり今後「授業料無償化だから教材費や修学旅行費など払わない」ケースが出てこないか心配している学校関係者もいる。
・ すなわち「お金が無いから高校に行けない」と言うことではなくて高校に行かないのは「他に理由がある」ということになる。更に1月12日のブログには「公立高校が授業料無償化になってさぞ志願者が増えると思いきや」とのタイトルで痛烈に公立の現状を皮肉っているのである。「授業料が無償化だから公立に行くとは限らない」ということが明確に成って来たのである。
・ またくしくも私の予想が当たった。「無料だから一応高校に籍を置いておく」というものである。3月10日の朝日新聞の記事「僕は留年を選んだ」はそれを顕著に示した。高校授業料の無償化を「追い風」として「あえて留年する」と言うのである。
・ あえて留年するために日本史の授業を意識的に欠席し、2単位を落として、「学校とアルバイト先を掛け持ちしながら高校生をやりながらお金を貯める」というのである。民主党や文部科学省はこの記事をどういう思いで受け止めているのであろうか。
・ しかしまあ、法案は通過した。ごちゃごちゃ細かいことは言わないで取り合えず「素直に喜んだらどうだ」と言われるだろうから歓迎の意思は示すが、今後「本丸」に迫って欲しい。今回のことで「私立と公立への公費支出の差が縮まったわけではない」からだ。しかし民主党の議員にはこの理屈が分かっている人が何名いらっしゃるのだろう?