・ 昨日から今朝の朝刊各紙にかけて「橋下知事就任2年のインタビュー記事」が満載である。各社の扱いも大きくて「知事を記事にすれば新聞は売れる」と言う感じである。各社とも論調は「好意的」な扱いであるが中には「実績がない、パーフォーマンスだけ」と批判的な部分も目立った。
・ 記事は大きく分けて二つの内容でまとめられている。一つは「府市再編」である。私は遂に来たかという感じでここ最近の「橋下知事の過激なまでの平松大阪市長批判」を聞いていたが、「本腰」としてこの問題に取り組む決意をしたみたいである。
・ 平松さんを相手にしていては「もう何ともならない」と「腹をくくった」のである。確かにこの二人の今までの一見蜜月は「ワールドトレードセンターの売却」までの「パフォーマンス」で基本的に二人の性格では「馬が合うわけがない」。目指す所も手法も違うのだから元々「無理筋の話」だったのである。
・ 私に言わせれば、たかが「水道事業の統合」さえ出来ずに府市が共同歩調で地方自治の改革など進むわけがない。何が地方分権だ。昔から府と市は「不幸せ(府市あわせ)」と言って行政も立法も肌合いどころか全てが違っていたのである。教育委員会なども「犬猿の仲」という人がいるくらいである。
・ 橋下知事が正面きって「宣戦布告」をした。場合によっては「次の市長選に出ても良い」と洩らし、同じ政治グループの前横浜市長の中田さんを大阪市長に連れてくるまで述べている。この記事を見た平松市長は果たして「心穏やか」にいられるかどうか。面白いことにまだ「沈黙」を続けている。
・ 面白いではないか。次の市長選は平松タイ橋下の一騎打ちで「大阪劇場は盛り上がる」ことは間違いない。好対照であり、「吼える知事とスマイル市長」の構図は全国どこに行ってもない。
・ しかし私は思うのである。一騎打ちなどしないで「橋下さんが大阪市長に平松さんが府知事」になれば良い。そっくり入れ替わったらどうだ。そうすればお互いの能力・感性と問題点の在り場所が分かるだろう。皆さん、これは面白いとは思いませんか。
・ まあ、そんな冗談の話ではなくて知事のインタビューで「私立高校にとって死活の話」が正式に飛び出してきた。「私立高校の助成を拡充」すると言う。この話は前日の2月1日に私学連合保護者会の大会に知事が来られた時にすでに「洩らされて」いたことであった。
・ 私は脚本が出来ており、その本に従って橋下演出主演俳優が動いていると思えてならない。まず私学保護者の大会に3年目に出て「私学嫌いの橋下ではありません」と挨拶の冒頭に述べる。
・ 会場を埋め尽くした5000人の着飾った美しいお母さんを見て「私学団体の政治力の強さと熱いまなざし」を間違いなく感じた知事は「今後の教育施策の到達点」を感じ取ったにちがいないのである。
・ 「実績がない」「パーフォーマンスばかり」との批判を交わすためにも「目に見える改革」をしなければご自身の府知事再選や大阪市長選への転進もないと「勘のよい知事」は瞬時に悟ったのである。
・ その対象が「私立高校授業料無償化の拡大」であった。全国に例のないこの施策は京都府も導入する動きなど全国展開していく可能性がある。何より「教育は国家百年の体系」であるから、これが成功すれば「橋下知事の存在は国家的」になる。
・ 今でも国に大きな影響を及ぼす首長であるから、もしこれで実績でも上げれば間違いなく中央政界の再編すなわち民主党、自民党が「ガラガラポン」で再編された時に「一党の党首」となることは約束されたようなものである。「総理への道」もある。
・ 私立高校授業料無償化はこの22年度から年収350万円以下において無償化する施策である。府と学校法人がそれぞれ「加給型の奨学金」を支給して保護者負担を実質ゼロ、すなわち無償化するものである。
・ 知事の発想はこの制限数値の「350万円を680万円まで拡大」するもので府の試算によれば「約半数の私立髙生がカバーできる」としている。中学3年生に対して「私立、公立好きなほうのどちらかに行きなさい、ただ入学試験はありますよ」ということである。
・ すなわち「お金が無いから今まで私学には行けなかった」という世帯の半数が「行こうと思えば行ける」という一見格好良い概念であるが、困るのは私学経営である。知事は「公立高校をつぶしてもよい」と述べ「志願者の減った公立高校は廃止すれば良い」と「ルール作り」を指示したとある。
・ 「公立高校の廃止は大歓迎」であるが私学経営においては検討すべき項目がある。まず「加給型奨学金が増大し経営を圧迫」する。一方では「授業料の値上げ」は許されないから公費助成の少ない私立高校は死活の問題となる。
・ 今議論されているのは授業料の話で「校舎建設やインフラの整備」など、公立高校は授業料とは別に税金でまかなわれているが私学はすべて「授業料の一部を細々と積み立てて対応」しているのが現状であり、これでは知事の言われる「私立公立の公平な競争」にはならない。
・ 又年収680万円で線引きしたらこれ以上の世帯の生徒には満額授業料の支払いでこの内から低所得、中所得世帯への奨学金に回るわけで「所得移転が学校を舞台にして堂々」と行われることになるから、これは全額授業料を納めてくれる保護者にすれば極めて「不公平な事態」とならないか。
・ 「やるなら所得制限なしの全てが授業料無償化」とすることであって、逆にこうすれば「私立と公立の違いは何?」との議論以前に、「公立対公立」「私立対私立」そして「公立対私立」で「仁義無き付加価値競争」となるだろう。
・ 付加価値に関して言えば「私学は負けない」。幾ら公立が頑張ったところで「公立のトップ校10校」以外には特色を出せる所は少ないのではないか。「私立高校に生徒は溢れ、公立は閑古鳥が泣いている」というのは言い過ぎか?こうなりたいが・・・。
・ 大体一次試験は「公立私立同一試験日」にするのか。「公立の通学区域は撤廃」にするのか。そうしなければ理屈は合わないだろう。私立の場合実態は募集定員以上は取っており、収容人数一杯までは可能としなければ現状の公費助成の格差を是認する限り「潰れる私学」が出てくる。
・ 全てを現在の私学行政すなわち私立高校予算内の配分として扱われると単なる「回し」となるだけで意味は無い。「公立の教育予算と合体」して検討すべき問題である。「私学、公立の教育バウチャー」そのものの議論であり、知事の今回の発想は極めて面白いが、まだ解決すべき難問は多い。
・ しかしこれらは国と地方行政が決めることであって我々には「私立学校法」という法律と行使できる「選挙の一票」しかないのだからこの行使を含めて私学関係者は今後の展開を注意深く「ウォッチ」していかねばならない。しかし「凄い時代」になったものだ。自分で言うのも「おこがましい」が、このタイミングで本校に私が居て良かった。着任が1年遅れていたら大変なことになっていた。
・ 記事は大きく分けて二つの内容でまとめられている。一つは「府市再編」である。私は遂に来たかという感じでここ最近の「橋下知事の過激なまでの平松大阪市長批判」を聞いていたが、「本腰」としてこの問題に取り組む決意をしたみたいである。
・ 平松さんを相手にしていては「もう何ともならない」と「腹をくくった」のである。確かにこの二人の今までの一見蜜月は「ワールドトレードセンターの売却」までの「パフォーマンス」で基本的に二人の性格では「馬が合うわけがない」。目指す所も手法も違うのだから元々「無理筋の話」だったのである。
・ 私に言わせれば、たかが「水道事業の統合」さえ出来ずに府市が共同歩調で地方自治の改革など進むわけがない。何が地方分権だ。昔から府と市は「不幸せ(府市あわせ)」と言って行政も立法も肌合いどころか全てが違っていたのである。教育委員会なども「犬猿の仲」という人がいるくらいである。
・ 橋下知事が正面きって「宣戦布告」をした。場合によっては「次の市長選に出ても良い」と洩らし、同じ政治グループの前横浜市長の中田さんを大阪市長に連れてくるまで述べている。この記事を見た平松市長は果たして「心穏やか」にいられるかどうか。面白いことにまだ「沈黙」を続けている。
・ 面白いではないか。次の市長選は平松タイ橋下の一騎打ちで「大阪劇場は盛り上がる」ことは間違いない。好対照であり、「吼える知事とスマイル市長」の構図は全国どこに行ってもない。
・ しかし私は思うのである。一騎打ちなどしないで「橋下さんが大阪市長に平松さんが府知事」になれば良い。そっくり入れ替わったらどうだ。そうすればお互いの能力・感性と問題点の在り場所が分かるだろう。皆さん、これは面白いとは思いませんか。
・ まあ、そんな冗談の話ではなくて知事のインタビューで「私立高校にとって死活の話」が正式に飛び出してきた。「私立高校の助成を拡充」すると言う。この話は前日の2月1日に私学連合保護者会の大会に知事が来られた時にすでに「洩らされて」いたことであった。
・ 私は脚本が出来ており、その本に従って橋下演出主演俳優が動いていると思えてならない。まず私学保護者の大会に3年目に出て「私学嫌いの橋下ではありません」と挨拶の冒頭に述べる。
・ 会場を埋め尽くした5000人の着飾った美しいお母さんを見て「私学団体の政治力の強さと熱いまなざし」を間違いなく感じた知事は「今後の教育施策の到達点」を感じ取ったにちがいないのである。
・ 「実績がない」「パーフォーマンスばかり」との批判を交わすためにも「目に見える改革」をしなければご自身の府知事再選や大阪市長選への転進もないと「勘のよい知事」は瞬時に悟ったのである。
・ その対象が「私立高校授業料無償化の拡大」であった。全国に例のないこの施策は京都府も導入する動きなど全国展開していく可能性がある。何より「教育は国家百年の体系」であるから、これが成功すれば「橋下知事の存在は国家的」になる。
・ 今でも国に大きな影響を及ぼす首長であるから、もしこれで実績でも上げれば間違いなく中央政界の再編すなわち民主党、自民党が「ガラガラポン」で再編された時に「一党の党首」となることは約束されたようなものである。「総理への道」もある。
・ 私立高校授業料無償化はこの22年度から年収350万円以下において無償化する施策である。府と学校法人がそれぞれ「加給型の奨学金」を支給して保護者負担を実質ゼロ、すなわち無償化するものである。
・ 知事の発想はこの制限数値の「350万円を680万円まで拡大」するもので府の試算によれば「約半数の私立髙生がカバーできる」としている。中学3年生に対して「私立、公立好きなほうのどちらかに行きなさい、ただ入学試験はありますよ」ということである。
・ すなわち「お金が無いから今まで私学には行けなかった」という世帯の半数が「行こうと思えば行ける」という一見格好良い概念であるが、困るのは私学経営である。知事は「公立高校をつぶしてもよい」と述べ「志願者の減った公立高校は廃止すれば良い」と「ルール作り」を指示したとある。
・ 「公立高校の廃止は大歓迎」であるが私学経営においては検討すべき項目がある。まず「加給型奨学金が増大し経営を圧迫」する。一方では「授業料の値上げ」は許されないから公費助成の少ない私立高校は死活の問題となる。
・ 今議論されているのは授業料の話で「校舎建設やインフラの整備」など、公立高校は授業料とは別に税金でまかなわれているが私学はすべて「授業料の一部を細々と積み立てて対応」しているのが現状であり、これでは知事の言われる「私立公立の公平な競争」にはならない。
・ 又年収680万円で線引きしたらこれ以上の世帯の生徒には満額授業料の支払いでこの内から低所得、中所得世帯への奨学金に回るわけで「所得移転が学校を舞台にして堂々」と行われることになるから、これは全額授業料を納めてくれる保護者にすれば極めて「不公平な事態」とならないか。
・ 「やるなら所得制限なしの全てが授業料無償化」とすることであって、逆にこうすれば「私立と公立の違いは何?」との議論以前に、「公立対公立」「私立対私立」そして「公立対私立」で「仁義無き付加価値競争」となるだろう。
・ 付加価値に関して言えば「私学は負けない」。幾ら公立が頑張ったところで「公立のトップ校10校」以外には特色を出せる所は少ないのではないか。「私立高校に生徒は溢れ、公立は閑古鳥が泣いている」というのは言い過ぎか?こうなりたいが・・・。
・ 大体一次試験は「公立私立同一試験日」にするのか。「公立の通学区域は撤廃」にするのか。そうしなければ理屈は合わないだろう。私立の場合実態は募集定員以上は取っており、収容人数一杯までは可能としなければ現状の公費助成の格差を是認する限り「潰れる私学」が出てくる。
・ 全てを現在の私学行政すなわち私立高校予算内の配分として扱われると単なる「回し」となるだけで意味は無い。「公立の教育予算と合体」して検討すべき問題である。「私学、公立の教育バウチャー」そのものの議論であり、知事の今回の発想は極めて面白いが、まだ解決すべき難問は多い。
・ しかしこれらは国と地方行政が決めることであって我々には「私立学校法」という法律と行使できる「選挙の一票」しかないのだからこの行使を含めて私学関係者は今後の展開を注意深く「ウォッチ」していかねばならない。しかし「凄い時代」になったものだ。自分で言うのも「おこがましい」が、このタイミングで本校に私が居て良かった。着任が1年遅れていたら大変なことになっていた。