2010年2月10日水曜日

2月10日(水)高校入試当日
















・ 早い受験生は7時30分には校内に来て自分の会場を確認していた。「早く行って自分の席を見ておきなさい」と中学校から指導を受けていたに違いない。「生徒の押し寄せる波」は7時55分頃が「ピーク」で正門前の道路は左右から同じ制服の生徒が並んで正門に入って行く様は「壮観」である。
・ まさに「中学生の洪水」みたいに正門に吸い込まれていく感じである。門の左右には保護者や恐らく「塾関係者」が激励で立っておられるのである。私はこの光景を見るのが大好きで「機嫌」が一挙に良くなる。しかし2600名近い生徒というのは「相当な迫力」です。
・ 8時10分に全員が集まり、私から短い挨拶と教務部長からの注意事項があった。その場所は「新館一階のピロティ」であり、そこが今日の「入試本部」である。今年初めてこの部屋を使用した。広さが丁度良いのだ。周囲にはCPUがずらりと並んでいる。
・ そして試験問題が「大型金庫」から取り出され運ばれてくる。入試広報と教務部の人間はその数を見て「感無量」だと言う。一時期は700部くらいの時もあったという。今日は2600部で5教科分だから相当な「ボリューム」となる。
・ 何時も感心するのは本校の全教職員は「しっかりとした服装」で「厳粛な受験」を形で表して呉れている。これは中々立派なことです。本校は元々「おしゃれ」な「センスの良い」先生方が多いが特に今日は素晴らしいと感じた。特に体育の一人の先生は何時もは「ジャージー姿」しか見慣れていないので「スーツ姿」などを見ると別人みたいである。
・ 8時45分きっかりと最初の科目である国語が始まった。試験開始前に「試答」と言う作業があり2人の教員がもう一度問題用紙と解答用紙の不備をチェックするのだ。若し何か発見すれば全受験生に試験前に説明して適切な対応を取ることになる。
・ 全く初めてだと言うが欠席者がゼロで副校長は「このようなことは初めてです」といささか興奮していた。事前に様様な理由で「特別に配慮を有する受験生」が知らされている場合にはしっかりとした対応が必要である。
・ 「新型インフルエンザ」を心配し、会場入り口に消毒液を用意したが、マスクをしている生徒は数える程で昨年末のあの新型騒動はどこへ行ったのかという感じであった。運よく「杞憂」に終わって大変よかった。
・ 壮観な光景は試験が終わって監督の先生が問題と解答用紙を引き上げてきた時だ。「ワッ」と入試本部に人が増えるのである。そこで問題用紙を本部役員が受け取り解答用紙は所定の位置において再度ここで枚数などを確認する。
・ ここが間違ったり、順序が入れ替わったりすると大変なことになるから教務部センターで慎重に事を運んでいく。そして次の試験監督のクルーが試験問題を持って会場に出向く。この間15分で済ませなければならないから「手際の良さ」が求められる。
・ 試験開始や注意事項などすべては「校内放送」が手順を生徒には伝える。このように受験の日は「校内放送係」の先生が重要な役割を果たしてくれる。「シナリオ」もしっかりと出来ており今日は最初英語科の女性教員が放送を担当していた。「聞き取り易いお声」であった。その後は2名の国語科の先生にバトンタッチしていた。
・ 昼食は「お弁当の支給」である。アルバイトの高校生と教職員では当然、中身が少し違うらしいが全員に仕出しだ。落ち着く暇もないので恐らくかき込むという感じではないか。
・ 昼休み受験生は「学院神社」の前など散歩していた。合格後の夢を膨らませているのであろう。私は執務室から時々入試本部に顔を出す。教務と管理職が解答用紙を厳重に管理して今度は受験番号と本人の氏名に加えて採点番号みたいな新しい番号を当て嵌めて一切受験番号と採点番号とが一致しないような作業をする。これで絶対誰の解答用紙か全く分からなくなる。
・ このようにして2時55分全く混乱なく試験は終了した。私は正門で受験生を見ながら道路に受験生が飛び出さないように受験生を見送るのである。「アッ、校長先生だ?」とたびたび受験生に言われた。そして挨拶を受けるのである。「感心した」。
・ 「入試説明会」で登場した私の顔を覚えてくれているのである。偉そうに言うのではないが「校長たる者、こうでなければならない」。その学校の「校長は誰か?」そのことが重要なのである。校長室に引っ込んで「顔の見えない校長」で済む時代は去った。校長は「鍋蓋のつまみではない。」
・ 下校は7班に分けて少しづつ正門から出していく。本校は便利な場所で南海我孫子前駅、JR我孫子駅、地下鉄御堂筋線の我孫子と三つの駅があるがそこに教員を待機させ、「事故のないように」交通整理だ。
・ こういうところは「浪速の良いところ」である。鼻が高い。試験が終わったのが14時50分、明日の「面接試験」の説明をして「分散下校」させたが我孫子駅にいる教員から「駅が大混雑」と連絡が入り、教頭が飛んでいった。
・ 終わったからと言ってすぐ帰れる訳ではなくて長椅子を取り出して普通の教室に教員の手で戻すのだ。「現状復帰」でその後明日の面接会場の準備となる。アルバイトの在校生も大変よく頑張ってくれていたが「あの弁当では量が足りない」と言っていた。事務室の成長の止まったおじいさんやおばあさんみたいな人が考える量では少ないのだと思う。
・ このようにして頑張ってくれている教員や生徒を見ると私は「優しく」なる。16時10分教務部長が報告に来て呉れた。「見事な入試作業でした」と慰労したのである。そして16時30分から「採点作業」が始まった。今日は20時で休止とした。明日が本番である。
・ 夕刊は当然のようにして「私立高 京阪神入試スタート」と見出しだ。大阪は私立高校92校、京都37校、兵庫41校で「総計132800人」が受験をした。このうち2600人が本校に来てくれた。大阪は3.44倍で平成3年以降で新記録の数値である。
・ 堺市の元中学校校長先生で現在本校の入試広報室顧問をお願いしている先生は正門から帰る生徒の顔を見て「良い生徒ばかり」と言われていた。すぐ分かるのであろう。そういえばやんちゃな格好をした男子生徒やスカート丈の短い女子生徒は一人も見かけなかった。私は送り出しながら心の中で「浪速に戻っておいでね」とつぶやいたのである。
・ 夜6時半、手伝ってくれた在校生132名に慰労と感謝の言葉を述べて「サプライズ」として「アルバイト料を33%上積み」するとアナウンスしたら「大歓声につぐ大歓声」であった。ここまで良い作業をしてくれて今までの「同じ手当てでは可哀想」と思ったのである。でも事務室は追加の132枚の千円札を用意するのに大変だったみたいである。