・ ブログに書くことは山ほどあるが、出す「タイミング」が重要である。最も誰に相談してというものではないから自分で判断するしかない。判断するきっかけは当然「世相」な「季節」なども大きな要素である。季節と言っても春夏秋冬と言うのではなくて入学式のシーズンとかボーナスの時期とかということである。
・ 新聞記事も記者の取材や、編集部が社会の動きを見ながら記事にしているからそれも大きな参考資料となる。ところが各社でそれぞれ「編集方針が異なる」から社会的事件などでは一致しても一般的な記事となると「てんでばらばら」で何か意識してお互いが避けているようにも私には見える。
・ ようやく「退職金の季節」となってきた。この季節まで私は待っていたのである。日経新聞の昨年8月22日には素晴らしい記事があった。「退職金これからもあるの?」というタイトルで副題には「その分、給料を増やして欲しいな」と見出しが付いている。
・ そして今年の1月11日には同じ日経の「インタビュー領空侵犯」欄において「退職金をなくせ」「若い世代の給与手厚く」という記事があった。私は「ウン」とうなずいて「退職金問題をブログに書く」ことにしたのである。先の新聞記事から6ヶ月温めていたことになる。
・ 1月11日のオピニオン者は東大名誉教授の蓮實重彦先生である。東大総長も務められたことのある極めて有名な文学者で「表象文化論」をご専門にされ日本文学や映画評論などでも著作が多い先生である。この先生が退職金問題を切って捨てるようにご意見を延べられている。
・ 先生は「もはや日本は健全な社会ではない」と言われる。今の「日本の危機は高齢世代と若い世代での貧富の格差が大きくなっている」。金融資産は高齢世代に偏っており、溜め込まれ、中々消費に繋がらない。
・ 一方若い世代は就職後しばらくは「生活が出来るかどうかという低賃金で働き」、結婚も出来ない。働き盛りは「住宅ローンの返済」に追われ、定年になって退職金を貰ってようやく余裕が出るという状況だと物事を整理されている。
・ そして蓮實先生は「退職金を止めて、その分で若い層の給与を手厚くすべき」と言われるのである。「退職金を夢みて働くのではなくて、夢は若い時から実現できるように給与体系に変えるのです。企業も後で退職金や企業年金として給料を払おうとするから日本航空のように身動きが取れなくなる」と言われるのである。この部分は大変よく分かる。
・ 退職金を減らせば老後に生活できなくなる人があふれないかと言う疑問には「公的な年金をもう少し増やせばよい。」今までのように少子高齢化なのだから年金を減らすような今の動きでは若者は納得しない。「若い層が年金を支えるための保険料が心配なく支払える給料を払えようにするのだ」と。
・ 極めて論旨明快で納得できる話だが簡単ではない。しかしこの分野にメスを入れないと21世紀の日本は持たないと先生は断言されるのである。10代、20代、30代の若者が明るさを見出せるような社会の雰囲気が必要で、政治はそのためにもある程度の「経済成長戦略が必要」と言われ「キーは技術力と文化力」だといわれるのである。
・ 私はこれらの内容を読んで全く同じ思いを感じる。既に63歳になり昔であれば引退の歳ではあるが、経緯があって今の仕事をしている。しかし「何時も若い世代のこと」を考えている。
・ 従ってそのような私が今後やれることは一つでも二つでも「若い世代のためになるような施策を本校で制度化する」ことである。雇用が流動化し、正社員の比率も低いとされるU-29(29歳以下)世代について「本校は本校なりに何かをしてやりたい」と考えているのである。
・ 日本の労働市場の特徴は終身雇用や年功序列と聞いても今やピンと来ない時代になっているのではないか。まして「30年先、35年先の退職金などあてに出来るのか」という声もあるだろう。
・ 私は昨年米国と日本で起こった二つの事件について考えさせられた。一つは自動者王国米国の象徴「ゼネラルモータースの倒産」であり日本では日本の旗ともいうべき就職人気ナンバーワン「日本航空の崩壊」である。一昔前なら信じられない事件である。しかし現実の事だった。
・ この両者とも「企業年金」が引き金を引いている。90年代バブル崩壊後に確定給付型の企業年金は運用難に陥り、その後の制度の変更で企業の積み立て不足が表面化して今や新しく運用リスクを個人が背負う「確定拠出年金制度」が主流になってきている。
・ 要は今の制度は「高度経済成長、終身雇用時代の遺跡」、更にいえば「墓場」みたいなもので経済の成長もない、非正規雇用者が多く、派遣労働者などの問題から考えれば今の退職金年金制度は「通用しなくなってきている」ことは間違いない。
・ 「パナソニックは退職金の前払い制度を導入」した時は大きな話題になったが一つの考えであることは間違いない。昨年の新入社員のうち役40%の社員が退職金前払いを選んだと言う。
・ 特に本校の場合「専任教諭と常勤講師という二つの雇用形態」があり、それぞれの退職金と共済年金制度をどのように「仕分けるのか」私は再度検討しなおすこととした。1年契約の常勤講師に退職金というのは馴染まない制度であり、まずこれは本年度契約の先生から廃止とすることは決めている。
・ 退職金はない代わりに「1年契約単位の常勤講師の先生方の支援の意味も含めて処遇アップを真剣に検討」をしたい。そのためにはしっかりした「外部専門機関」に入って貰うことが合理的であり納得性がある。
・ このため私は再度「選択定年制と人材評価システム」を検討してくれた「日本総研」の研究員をメンバーを入れてまず「退職金制度の見直しとアラカルトの整備、専任教諭の給与昇給カーブの見直し、(若い世代へ手厚く配慮)」を進めることとした。果たしてどういうことになるのか、慌てず急がず、じっくりと「制度設計」を進めて行きたい。「本日の職員会議でしっかりと方向性を教職員に説明した」のである。
・ 新聞記事も記者の取材や、編集部が社会の動きを見ながら記事にしているからそれも大きな参考資料となる。ところが各社でそれぞれ「編集方針が異なる」から社会的事件などでは一致しても一般的な記事となると「てんでばらばら」で何か意識してお互いが避けているようにも私には見える。
・ ようやく「退職金の季節」となってきた。この季節まで私は待っていたのである。日経新聞の昨年8月22日には素晴らしい記事があった。「退職金これからもあるの?」というタイトルで副題には「その分、給料を増やして欲しいな」と見出しが付いている。
・ そして今年の1月11日には同じ日経の「インタビュー領空侵犯」欄において「退職金をなくせ」「若い世代の給与手厚く」という記事があった。私は「ウン」とうなずいて「退職金問題をブログに書く」ことにしたのである。先の新聞記事から6ヶ月温めていたことになる。
・ 1月11日のオピニオン者は東大名誉教授の蓮實重彦先生である。東大総長も務められたことのある極めて有名な文学者で「表象文化論」をご専門にされ日本文学や映画評論などでも著作が多い先生である。この先生が退職金問題を切って捨てるようにご意見を延べられている。
・ 先生は「もはや日本は健全な社会ではない」と言われる。今の「日本の危機は高齢世代と若い世代での貧富の格差が大きくなっている」。金融資産は高齢世代に偏っており、溜め込まれ、中々消費に繋がらない。
・ 一方若い世代は就職後しばらくは「生活が出来るかどうかという低賃金で働き」、結婚も出来ない。働き盛りは「住宅ローンの返済」に追われ、定年になって退職金を貰ってようやく余裕が出るという状況だと物事を整理されている。
・ そして蓮實先生は「退職金を止めて、その分で若い層の給与を手厚くすべき」と言われるのである。「退職金を夢みて働くのではなくて、夢は若い時から実現できるように給与体系に変えるのです。企業も後で退職金や企業年金として給料を払おうとするから日本航空のように身動きが取れなくなる」と言われるのである。この部分は大変よく分かる。
・ 退職金を減らせば老後に生活できなくなる人があふれないかと言う疑問には「公的な年金をもう少し増やせばよい。」今までのように少子高齢化なのだから年金を減らすような今の動きでは若者は納得しない。「若い層が年金を支えるための保険料が心配なく支払える給料を払えようにするのだ」と。
・ 極めて論旨明快で納得できる話だが簡単ではない。しかしこの分野にメスを入れないと21世紀の日本は持たないと先生は断言されるのである。10代、20代、30代の若者が明るさを見出せるような社会の雰囲気が必要で、政治はそのためにもある程度の「経済成長戦略が必要」と言われ「キーは技術力と文化力」だといわれるのである。
・ 私はこれらの内容を読んで全く同じ思いを感じる。既に63歳になり昔であれば引退の歳ではあるが、経緯があって今の仕事をしている。しかし「何時も若い世代のこと」を考えている。
・ 従ってそのような私が今後やれることは一つでも二つでも「若い世代のためになるような施策を本校で制度化する」ことである。雇用が流動化し、正社員の比率も低いとされるU-29(29歳以下)世代について「本校は本校なりに何かをしてやりたい」と考えているのである。
・ 日本の労働市場の特徴は終身雇用や年功序列と聞いても今やピンと来ない時代になっているのではないか。まして「30年先、35年先の退職金などあてに出来るのか」という声もあるだろう。
・ 私は昨年米国と日本で起こった二つの事件について考えさせられた。一つは自動者王国米国の象徴「ゼネラルモータースの倒産」であり日本では日本の旗ともいうべき就職人気ナンバーワン「日本航空の崩壊」である。一昔前なら信じられない事件である。しかし現実の事だった。
・ この両者とも「企業年金」が引き金を引いている。90年代バブル崩壊後に確定給付型の企業年金は運用難に陥り、その後の制度の変更で企業の積み立て不足が表面化して今や新しく運用リスクを個人が背負う「確定拠出年金制度」が主流になってきている。
・ 要は今の制度は「高度経済成長、終身雇用時代の遺跡」、更にいえば「墓場」みたいなもので経済の成長もない、非正規雇用者が多く、派遣労働者などの問題から考えれば今の退職金年金制度は「通用しなくなってきている」ことは間違いない。
・ 「パナソニックは退職金の前払い制度を導入」した時は大きな話題になったが一つの考えであることは間違いない。昨年の新入社員のうち役40%の社員が退職金前払いを選んだと言う。
・ 特に本校の場合「専任教諭と常勤講師という二つの雇用形態」があり、それぞれの退職金と共済年金制度をどのように「仕分けるのか」私は再度検討しなおすこととした。1年契約の常勤講師に退職金というのは馴染まない制度であり、まずこれは本年度契約の先生から廃止とすることは決めている。
・ 退職金はない代わりに「1年契約単位の常勤講師の先生方の支援の意味も含めて処遇アップを真剣に検討」をしたい。そのためにはしっかりした「外部専門機関」に入って貰うことが合理的であり納得性がある。
・ このため私は再度「選択定年制と人材評価システム」を検討してくれた「日本総研」の研究員をメンバーを入れてまず「退職金制度の見直しとアラカルトの整備、専任教諭の給与昇給カーブの見直し、(若い世代へ手厚く配慮)」を進めることとした。果たしてどういうことになるのか、慌てず急がず、じっくりと「制度設計」を進めて行きたい。「本日の職員会議でしっかりと方向性を教職員に説明した」のである。