2008年7月4日金曜日

7月4日(金)今日はボーナス支給日

・ 本日は「賞与支給日」である。「ボーナス」という言い方が社会的な言い方だが組織によっては色々な言い方がある。公務員は「期末手当」というらしいが、本校も長い間この表現となっていた。
・ しかし私はこれを「賞与・一時金」という表現に改めた。明細書もそのように変えた。通称「ボーナス」である。今後「人材評価育成システム」が本番化し、処遇への反映や「業績反映」などが入ってくるとこれは「賞与」部分に相当する。
・ 「一時金」は「年功給」に相当するもので、「生活基盤」となっているものである。分かり易く言えば給与の一部であり、「組合交渉の対象」となる。賞与はまったくならない。これは「交渉ごと」ではないとされている。
・ 賞与と一時金の割合については既にあらかた定めてはいるが若年層とベテラン層ではその比率割合は異なってくる。ベテランになればなるほど能力給相当部分が大きくなるのは止むを得ない。「年取っても仕事が出来ない人に高い賞与は出せない」と言う考えだ。「平成23年から適用」となる。
・ 若い人は生活基盤がまだ出来ていなく、子供の教育費などもかかるから年功給部分の比率が高くなるという寸法だが、これも少し古い考え方で、最近は若い人ほど「能力給割合を増やして」というらしい。
・ 今朝の産経新聞は大阪府内の「中小企業の夏季ボーナス」を大阪市信用金庫が「支給状況」として報道している。それによれば「出せた企業は65.6%」で前年比から2.9%低下したとあるから「景気の悪さ」を裏返している。「35%の中小企業はボーナスもない」のだ。悲しい話だ。勿論自営業にはボーナスなどない。
・ 支給額は平均で「26万2823円」というから「ウーン」と唸る数値である。これが現実の姿だ。市信金が市内の取引先企業1177社を対象にアンケートを実施し有効回答が92%というから信頼できる数値だろう。
・ 業種別にみると卸売業を除いて全てが昨年夏対比で減少しており、平均支給額が最も少ないのは原油高に直撃されている運輸業の24万5048円だ。企業に対して「業績から判断して上限額に対して今回はどれくらいの支給水準か」を尋ねると「ほぼ上限が63%、上限を超えていると回答したのが5%」というから、経営側から言えばかなり無理をした支給になっていると思える。最も何時もそのように言うであろうが。
・ 一方、少し古いが先月6月24日の読売新聞は「ボーナス満足ですか」の見出しでアンケート結果を記事にしている。読売のネットサービスの会員4298人と言うからまあ実態は推察できるだろう。支給額に対して「働きより少ない」と感じている人の割合は「8割」に上っている。「私の働きでこの額は少ない。もっと出せ」と言っているのだ。
・ 「理想のボーナス額」は「100万円以上150万円以下と回答したのが19%」と最も高かったとある。次に70万から100万が18%、50万から70万が16%、30万から50万が16%で30万以下は19%である。150万円以上200万は途端に少なく7%になりそれ以上は2%程度である。
・ 専業主婦に対して「理想は?」との答えは「30万円未満」と回答があったと言うから「主婦は控えめ」である。主な使い道はまず「貯蓄」「ローンの返済」「生活費の補充」で上位を占めているが次に旅行レジャー、子どもの教育費と続く。
・ この日、朝日新聞も囲みでボーナスについての記事がある。今夏の平均手取り額は昨年より26000円少ない「75万3千円」だという数値を出している。主婦はその使い途を「貯蓄」と答えたのが、こちらは読売の記事にある21%よりは高く、55%の数値だ。半分以上の主婦は「貯蓄」に回すのだ。
・ 大阪府の公務員は一足早く30日に支給された。一般行政職9468人で「平均年齢が49.1歳の支給額平均が837302円」というから前述の「中小企業の支給額に対して3.41倍の大きさ」だ。
・ 「公立教員の支給額」は行政職より4%程度調整額で高いから単純に計算すると「870794円となる」。そこでこの額が本校の教員(事務職員を除く)と対比した場合どうなっているかだが、微妙な問題だから具体的な数値は明らかにしないが「まだまだ十分高い」とだけ言っておこう。ラスパイレス指数で直ぐ分かる。
・ 今回の支給で特に配慮した点は「常勤講師への支給」だ。昨年就業規則を改定し賞与一時金については「勤務月数」を反映させることにした。即ち1月から6月までの勤務に対して賞与一時金を7月に、7月から12月までを12月に支給となる。
・ これによると4月1日雇い開始の常勤講師の先生については4月からの3か月分しか支給できないが、来年3月31日に辞めた場合は「1月から3月までの3ヶ月間をどうする」という問題もある。
・ これは支給日当日に在籍と言う条件だから問題ないのだが「頑張っている常勤講師の先生に報いる」ことも大切と考え事務長に指示して100%支給するようした。「喜んで貰えるだろう」。最もこれは「勤務状況」による。
・ 家計を守っている「主婦のへそくり」が増えているという。分かるような気がする。「消費が美徳」の時代は遠い昔の話になろう。ガソリンや食料品がどんどん値上がりしていく。家計を守る主婦の責任は重い。
・ 「収入の範囲内で生活する」という当たり前のことがようやく家庭にも入ってくる。無理なローンや度重なる外食、車の短期間での買い替えなどは「無理な話」となってこよう。米国はサブプライムローンで大きな打撃を受けた。日本以上に格差の国である。要は「キャッシュフロー内での家庭きり盛り」が必要ということである。手元にあるお金の範囲内で生活するという時代が来た。
・ 「大きなお世話だ。好きにする。私は資産家だ。」と反論する向きはそれでも良いが、平均的な教職員は「時代の潮目」を読んで「生活の質の転換」を図って欲しいと思う。まだまだ教職にある人間の処遇は高い。今がチャンスだ。中小企業に働く人々の3.5倍、日本の勤労者平均よりも十数%高い支給だ。勿論それだけの蓄積があるからだが、「油断は大敵」である。「生活のスタイル」を変えていかねばならないだろう。
・ 恐らく世界は「オイル依存の経済体制を終焉」させ、新たな燃料開発になり、まず自動車が全面的に変わっていくのではないか。数百万もするような車は売れなくなる。低コスト時代がくる筈だ。遺伝子組み換え食品、保有する家も持ち家の考え方から変わってくるだろう。日本の消費税は5年以内に大幅に上がる。浪速の教職員に「用意を怠るな」と言いたい。
・ 決して他校に比べて恥ずかしい処遇とはしない、決して公立の教員に比べて負けているような処遇にはしない。しかしこれからは「給料が右肩上がりで上がる時代」はもう決して来ないと言うことを理解しなければならないということを言いたいのだ。
・ 2月以来長期療養している教員を好物のうなぎ弁当の特上とボーナスを持参して病院に見舞った。頑張ってリハビリを行い精悍でさわやかな顔つきになっていた。「愛すべき人柄」で一日も早い復帰を祈念している。あれほどのヘビースモーカーと酒飲みだったがもう一切欲しくないという。「頑張れ、K先生。」