2008年7月11日金曜日

7月11日(金)その1:カナダ出発

語学研修出発
・ 2年生E組の生徒32名がカナダカルガリーへ向け今日関西国際空港から飛び立った。「3週間の語学研修」である。今年で3回目であり、一応これで終了とした。「英語集約コース」については体制を立て直して新たに出発させる積りだ。
・ 3年間やって一応の結論を出したのである。生徒数が期待ほど伸びなかったのが主因である。今年卒業したのが30名、今の3年生が24名、今の2年生が32名で目標の40名に届かなかった。今回も32名のうち26名が女生徒で男子は極端に少ない。                          
・ それと英語中心でカリキュラムが余りにも偏っている。これでは他の教科が大きく犠牲になっており、バランスのとれた高校教育が出来ないことと、外部教育機関と連繋するのは良い考え方だが「丸投げ」に近く「土曜日の校外学習の安全等責任問題」もあると考えたからである。大体教員の免許も持たない講師が会話を教えてどうなるの?浪速は駅前のNOVAではありませんと言ってやった。
・ 「英語教育」の必要性で議論する積りはない。私はこの年になっても些か「英語が使える」のであるが、それは高校時代にしっかりと基礎を教えてくれたからだと思っている。今でも高校の英語の先生に感謝している。良い先生だったな。「会話なんか必要に迫られたら直ぐ出来るようになる。」「大切なことは文法だ。」と良く言われたものだ。高校生の段階で「英語がぺらぺら喋れる必要はない。」それよりもしっかりと文法、構文などを時間をかけて教えて欲しいというのが私の本音だ。
・ 駅前のNOVAは破綻したが、内部の実態が明らかになるにつれて外部英会話練習所というものが如何に学校とは全く異なることが広く明らかになってきた。別に高校生の段階でNOVAやその他外部の機関というか、企業に頼む必要はない。学校でやれば良い。生徒は土曜日になれば天王寺に朝から行けるから「嬉しい」のだろうが、それではいけない。「本校の英語の教師は数倍優れている」と思っている。
・ 「小学校に英語教育」を取り入れるような動きとなっているが、個人的には反対だ。英語なんかよりも「国語」だろう。日本語、国語を学んで始めて外国語だと思うよ。日本語、日本の文学も知らず、英語が分かる筈はない。喋るだけなら、子どもでも喋れる。外国の異文化を理解することはまず母国の文化を理解することが必要だ。様々に考え、英語集約コースは3年で廃止し、今年の1年生からⅡ類ということで文系コースを設定した。
・ 大体高校1年生でゴチゴチに進路を決めるべきではない。高校2年次に進級するときに進路を判断すればよい。今考えているのは「Ⅱ類の中に2年次で英語特化クラスを作る」ことである。そのクラスは「外大か外国語学部に進学する意思」を有している生徒だ。勿論「大学と連繋した上」である。
・ そうなればこのクラスはカナダに「ホームステイ」させ現地の学校で学ばせることも意義あるし可能だ。その代わりこのクラスは「海外修学旅行」には行かない。来年から本校では初めてオーストラリアに海外修学旅行となるがそれに置き換わるものだ。
・ 今一部の私立高校で海外留学などのカリキュラムで生徒募集をしているところは苦戦しているという。「お金がかかって保護者は大変」だというのだ。したがってその辺のところを考え、高校2年次に判断すれば良いと考えた。外部との連繋の費用も馬鹿にならない。折角学校には立派な英語の教員がいるのだから、わざわざ駅前のNOVAに行く必要はあるまいというのが理由だ。
・ しかし「異文化体験」と言う意味では多くの実りがあるだろう。無事に行って帰ってきて欲しい。15時、関空にて結団式、付き添い教員はビギニングは3名とし1名は1週間で戻ってくる。2名で32名の面倒を観て貰う。最後の5日間は将来の現地調査と3年間のお礼で私自ら現地に乗り込む。
・ 果たして本校の生徒が他人の家庭に泊まって掃除、洗濯、食事の支度、後片付け、現地家族とのコミニュケーションなどトラブルなくやってくれるのか不安が募るがまあうまくやってくれるだろう。そういう失敗をしに行くようなものだから、それは問題ない。しかし迷惑をかけてはならない。昨年は1名が家族の人と合わないと言ってステイ先を変えたことがあった。
・ この前学校での最後の説明会で私は英語で言ってやった。「When in Rome, do as the Romans do 」、「意味は?」と聞くも生徒は応えられない。「郷に入れば郷に従え」だろうと言っても、その日本語の意味も深くは分からないみたいだ。大丈夫かな。
・ しかし便利な世の中で現地のステイ先の決定や学校はすべてシステムとして出来上がっている。現地の学校は“Bow Valley College” というスクールであるというがどのような学校なのか私には想像がつかない。
・ 体育科のK先生を連れて関空に赴き「結団式で激励」した。この先生を朝呼んで「行きますか」と聞くと「行きたい」というから連れていくことにした。担当でもないのに生徒一人ひとりに「手紙を書いて」激励するような先生だ。
・ すべての保護者が来ておられ、暫しの別れを惜しんでいる。中にはたった3週間というのに涙を浮かべて送っている夫婦もいた。生徒も「お母さん、お母さん」というばかりで一向に「お父さん」の声は聞かない。
・ 丁度この飛行機には宝塚西高校の生徒40名も乗り合わせるということで、今から15時間のフライトが始まる。同行のK先生というのだが生徒は「良い顔」をしていたな。私は無事の帰還を祈ると挨拶した。こういうのを見ると「機会を作ってやるのも学校の仕事だ」とも思うのである。