2008年7月29日火曜日

現地7月28日(月)カレッジ訪問

・ 一日目の始動は「授業参観」である。「Bow Valley College」 は Calgary のダウンタウン中心部にある大学で投宿しているホテルからは歩いて10分程度のところにあり、至便この上ない。ここに生徒はホームステイ先の家から通う。付き添いの教員2名もホームステイだ。
・ 大学の中で受け入れてくれている部門は「インターナショナル エデュケーション」部門で国際的な短期留学生を受け入れて「語学特訓」をする部門である。通常は8週間コース、あるいは4週間短期というのが一般的だということであるが「浪速向けに特別に4週間コース」を開発して貰っている。
・ 長ければ長いほど、それは良いのだろうが、日本の高等学校教育ではこれが限界である。昨日のディナーの時に色々とお話を直接聞いたが、やはり現地の責任者と直接お顔を見ながら議論できるのは効果がある。微妙な問題は直接対話が必要である。
・ 幸いブロークンでも英語がしゃべれるので私の場合、通訳は不要だから「いったりきたりの議論」が高まる。昨夜も両脇の本校2名の教員は時折私には日本語で説明するが、それ以外は飲んだり食べたりだから大いに助かったはずだ。これがもし完全通訳とでもなれば落ち着いて物など口には運べまい。
・ 大学の受け入れは1年を通じて何時でも良いが冬季は寒いしやはり良い気候の時がベストだと。ただホテルや寮宿泊ではなく、ホームステイ方式は当然のことながら時期が限定されるとのことだ。
・ 3月や12月は絶対に無理でステイ先も家族で行事などがあり、ベストは8月、その次は7月と言われていた。本当は9月がベストらしい。ホームステイの話は明日に譲ろう。ステイ先を訪問してこの目でどのようなものか確認する。
・ 本校のこのプログラムの良い点は「語学学習の専門機関と連携」している点と「ホームステイ」だ。だからこそ「異文化体験」になる。ホテルなどに泊まってでは効果は限られるものだ。ちなみに法律で市内の大学は寮を有することは禁じられているそうだ。この辺が「合理的」ではないか。これも地方振興策の一つだと思う。
・ 飛行機でも良く寝て、到着後いくらかベッドに横になったから、目が冴えて来て「眠れなくなってしまった」。「眠り狂四郎」と言われる私にしては珍しいことだ。体の調子も良さそうだ。腰の痛みも「五十鈴川の禊」から以降幾分和らいでいる。「ご神徳」を頂いているのかもしれない。
・ 今回の請負業者はまず旅行会社と学校、それにホームステイの3部門に分かれており統括する部門はないが、特に大学とホームステイ担当とは近い関係であろう。それぞれと話を進める本校の教員も大変だった思うが、「経験によるノウハウが蓄積」されているから大きな問題とはなっていない。
・ まず旅行会社は最大手のJTBでこちらのバンフに支店もあるから気が強い。旅行費用であるが生徒32名と教員2名で一切合財で「一人当たり略16万円」である。原油高で燃料サーチャージが航空代金の1/3も掛かっており、これが頭の痛いところだ。片道8万円でカルガリーまで来られるのは個人的には高くはないと感じているが・・・。とにかく「16万円の費用をかけてカナダで学ぶ意味と効果の具合」を「直接確かめに来たのが今回の渡加の目的だ。」しっかりと観察する。
・ 朝食を済ませ、8時30分にT教諭とロビーで待ち合わせる。靴を履くのに困った。普通は「靴べら」が部屋にあるのだが見当たらない。フロントに行って貰おうとするのだが「靴べらの英単語」が出て来ない。ボディ・ランゲッジで通したが「shoe horn」と分かった。靴笛とはなー。
・ 大学は小さいながらもしっかりとしたもので「公的資金」の入っている「パブリックスクール」である。現在隣の裁判所のあったビルを払い下げてもらって現在の校舎ビルと繋いで規模を拡大する工事が進んでいる。従って本部は近くの借りビルに入っており、そこにまず大学幹部に挨拶に出向く。
・ アンディ・シコースという副学長と昨夜会食をしたショーン・メイリー取締役にお会いした。この副学長は役所から出向して来ている人物で,この面からもこのカレッジが公立学校というのが分かる。学長は出張不在で丁重にも私宛の手紙とプレゼントが用意されていた。
・ 大学と言っても多くのコースがあり、例えば「看護士養成学校」とか「会計部門」とか言ってみれば「専門学校」の機能や「職業訓練学校」の性格なども有しており、「外国人向け語学コース」はメニューの一部である。即ちカルガリーのカレッジがわざわざ本校のために教室を開いてくれているのではなくて、「ビジネス」なのである。
・ 「 私は安心した」。「駅前のNOVA」ではなかったのである。これなら「信頼に足る学校」で今後とも「お付き合い」が出来る。大切な生徒を預けるからにはどのような学校か気になっていたが、今回の訪問で「安心」した。
・ この学校との関係について良く知っている本校の人材も少なくなってきた。随分昔は英語科が自ら「海外語学研修」を遂行していたという。立派なことだ。本校の「英語集約コース」についてはこの2年生で一旦打ち切ったが「語学研修の重要さ」を切ったわけではない。早期に再開したいが、その時にノウハウを知る教員は大切である。
・ 入学最初から規定するのではなくて1年生終了時に2年生の夏のカナダ語学研修を募集し、「意識の高いレベルで実施する」方向が良いと考える。それで2類の一クラスを英語強化型にするのだ。カリキュラムは他と変えない。ただ英語が好きで「希望者を選抜して編成」するのが良いと考えている。勿論修学旅行に置き換えるものである。
・ 来年度の入学生から再開したらどうだろうか。思案中である。または今回大学側と少し議論したが「高校交流プログラム」も頭の中にある。現地の高校と連携し、受け入れてもらう代わりに浪速も現地高校生を受け入れるのだ。勿論「ホームステイ」付きでなければ効果は薄くなる。色々と思いは巡る。