全国模試
・ 代々木ゼミナール主催の第1回全国高1模試の成績が上がってきた。6月に行われたものである。通常。「代ゼミ模試」と言われているものでどうも進学校には信頼と実績があるから「人気の外部模試」であると言える。
・ 全国の高校生が受けるから校内の試験、即ち出題範囲が分かっているような定期考査ではないから「実力がすぐ分かる」。即ち学校内の席次などではなくて全国の席次となるし、偏差値がすぐ分かるから志望する大学への難易度など一発で分かる。
・ 昨年、私が来るまでは「組織だって受験」するという状況にはなかったが、早速それを学校として取り組むように改めた。全国、特に高1や高2においては「進学校の定番メニュー」みたいなものである。代ゼミは恐らく受験者数が最も多いのではないか。
・ 高校3年生になってくると受験校によって予備校が変わってくる。河合塾や駿台予備学校などが有力に登場してくる。それはそれで意味があり、特に河合塾の相対的な力が学校には評判が良いみたいだ。
・ 前の学校での経験から3年生には「河合塾」と連繋を深めるように進路指導部長に指示したところ、「誰も知らないから紹介してください」と言われてびっくりしたことがあった。部長が悪いのではない。そういう学校だったということだ。昔の伝で本校に初めて河合塾の先生を私が呼んだ。爾来保護者説明などでも来校頂いている。
・ 「外部模試の受験者数」を見ることでその「学校のエネルギー」が分かるというものだ。前の公立学校においても、最初に導入したのがこの「代ゼミ外部模試」だ。教員の中には「いたずらに競争心を煽る」とか何とか言って、導入に反対するような一部グループに属する教員がいたりして校長は苦労する。
・ その高校でも民間人校長の言うことには最初、何かと文句を言う状態であったが、このときには一人の教員が立ち上がって校長のいう外部模試について、ボツボツ本校も考えねばならない時期かも知れない。ただ校長方針だからと言って一方的に決められては堪らない。「職員会議で賛否をとって欲しい」と発言していたな。「アホらしい」。
・ 内心こちらは「しめしめ」と喜んだものだ。生徒のためには何でもやると覚悟は決めていた。本校の教員は今言えるのだが結果的に人間的に良識的な者が多く、組織だって反対するものはいなかったが、何しろ休みが多く、コマ数が少ないところに一般の授業のコマを使って外部模試を希望者だけ対象にしているような有様で本当に困ったものだった。
・ 授業のコマ数を使って外部模試などやろうものなら公立ではまず「校長は懲戒処分」となる。早速進路指導部の体制を一新して形を急ぎ作っていったのであるが、ここにきて今ようやくできつつあると言うところだ。
・ 北陽高校は関大と一緒になる前は受験者も少なく、平均偏差値も高い方ではなかったが、今回の結果をみるとなんと受験者が10倍に増えている。それは進路や学年主任の「腕」だろうと思う。「新たな学校として再出発」するためにまず全校生徒に「外部模試」を義務付けたのだと思う。「素晴らしい」ことだ。このようにして学校は変わっていく。
・ さて本校生徒であるがなかなか健闘している。理数科とⅠ類での受験であったが偏差値は高い。嬉しいのは3教科コースで成績優秀者表彰があるのだが、実に全国28000人の受験者の中で本校の生徒が「5名もトップクラス表彰」に入っていることだ。素直に嬉しい。3年後が楽しみである。
・ 1年生から科コースを全面的に見直し、特にSSとⅠ類については入学前に条件として「校内講習参加」「土曜日の実力アップ講座の受講」等をある程度の「強制力」を持たせて導入してきているところであるが、「苦労は必ず実に結びつく」ものだ。
・ 理数科長とⅠ類長は同一人物に兼務して貰っているが「とにかく頼りにしている人物」である。この先生とこれも頼りがいのある進路指導部長がタイアップして改革を進めてくれれば「花が咲く」筈だ。
・ 前の学校でも結局外部模試への参加が「センター試験受験者数の増大」に結びつき、今でも忘れられないのだが「3年生はクラス単位で火が付くくらい燃えている」と報告を受けたときの喜びは忘れられない。その学校は以来進学実績は「うなぎのぼり」となっていった。「復活」したのである。「本校でも必ずそうなる」。
・ しかしそれにしても関大北陽の変わりようは凄い。「大学と連繋するということはこのように生徒が変わってくるものか」と感嘆せざるをえないのだ。生徒保護者の動きは早い。表現は悪いかも知れないが「株価」みたいなものである。「買い」と判断すれば株価は直ぐに上がる。当然逆もある。「売り」と判断されたら直ぐに株価は下がる。
・ 今、「浪速は買い」である。「バリュー感のある学校として評価は上がっている」が、実態として実力を上げていかねば一挙に暴落しかねない。教員の不祥事の防止、財務体質の強化、しっかりと「教える」ことが必要だ。自主性とか個性尊重とか関係ない。「教えて教えて教えなければならない」。「詰め込んで詰め込んで詰め込まねばならない」。そのようにして初めて生徒の方から「動きが出てくる」ものだ。
・ 理数科SS,Ⅰ類は基本的に「夏休み」はお盆を挟んで少ししかない。8月上旬には「特訓合宿」を企画した。「サマートップインテンシブセミナー」だ。意味するところは「夏季上位層特別強化セミナー」である。
・ 朝は6時から夜は23時まで「ふらふら」になるまで「教え、確認試験をし、教え、確認し」徹底的に「学年100番までの生徒」を集め、「やり切れ」と今日、類長と進路部長を呼んで厳命した。物見遊山は許さない。「英国数を徹底的に教えよ」と指示した。
・ その代わり担当教師には「兼職兼業を許す」として「格別の指導料」を支払うつもりだ。受益者負担であるが法人も支援してやりたい。初めての企画であるから何としても成功させたい。中日には河合塾の校長先生をお呼びして「進路講演会」を入れている。
・ 場所は琵琶湖湖畔高島というところにある立派な宿泊機能付きセミナーハウスである。冬にも計画したい。このようにして3年たてば少しは実績も上がってくるだろう。そうしていたら教務部長と進路指導部長が行事の変更で入って来たのだが、「校内実力試験」のやり方を見直すと言う。
・ 今までは科類に関係なく統一問題で試験をしていたがSSトップの生徒と最も遅れている生徒の試験を同じ問題で試験し確認して「どうなるの?何の意味があるの?」と感じて来たらしい。それに3年生に2学期以降になって「校内実力試験」をやって意味あるの?と感じて来たらしい。「感度が良くなってきた。」
・ 教務部長は昨年の熱中症に懲りたから秋季例祭を1限の涼しい内に済ませ、その後は授業せず、浪速祭準備にあててやりたい。その代わり、その日の授業は「2学期の終業式に4コマ授業」してその後終業式としたいと提案してきた。
・ 本校でもはじめて始終業式に授業が入れられる時代になってきた。「ウーン、めっちゃ良い感じ」である。今頃始終業式に式だけで生徒を帰らせているような学校は「目的を有した学校ではあり得ない」。まづその熱意から浪速のエネルギーを感じるのだ。