2009年9月14日月曜日

9月14日(月)関西大学連携浪速中学校体験入学会







・ 12日の土曜日に行われた「浪速中学校の体験入学会」の報告が正式に上がってきた。本校は入試説明会の結果を徹底的に分析する。「参加者の心の奥底を推察」しながら次回への参考にするのである。私が着任してからこのスタイルとしている。
・ 言ってみれば小売業が「お客様対応」をするのに似ている。我々の学校は「私立」であり、保護者に見放されたら「ハイ、それまで」となる。今年4月には極端に大きく入学者数が減少した学校が連日報道されていたのは記憶に新しい。
・ 本校は今まで一本調子で上がってきたから、来年もそうなると誰も言えない。不安は消え去ることは無いが、気にしてばかりいても仕方が無いため、私は何時も入試広報室のメンバーには「後で後悔しないよう」に「出来ることは徹底してやるべし!」と言っているのだ。
・ 体験入学に何名の小学校の生徒が参加してくれたかは「企業秘密」だからここでは書かないが、昨年度対比で「大幅に伸びた」とだけ記しておこうと思う。特に1昨日は「体験授業」であり、ここを見ることで今日的小学生の関心・興味と本気度がある程度分かるのだ。
・ 以前書いたようにまずパソコン、理科、数学が群を抜いて高い。これは我々の想定をはるかに超えている。最も少ないのが国語で美術、家庭科となる。英語も思ったほど集まっていない。この結果についての論考は別途に譲りたい。
・ 子ども達が教室で授業を受けている間に保護者の方は「学校説明会」である。保護者にアンケートを書いてもらってそれを分析する。数が多いからまとめるのも大変だったと思うが、この「まとめの一行一行に保護者の心情」が出ているのである。
・ 今回のアンケートからも「私への期待」は相当な数に上っており、自分の責任を痛感している。「面倒を見る学校」「多聞尚学館」「関大連携」「全国学力調査」を10分間でお話したのだが、当然時間は足りない。それでも私は「必死」になって私の思いをお伝えした。その気持ちはお伝えすることが出来たことは明らかにアンケート結果に出ている。
・ それに今回多かったお声は「在校生の態度の良さ」への賞賛であった。それと説明会が「大変分かりやすかった」という比率が極めて多かった。素晴らしいことである。教員が示す「えらそうにしない学校」「「誠意の学校」が保護者に伝わっているのだ。私は大変嬉しい。
・ 今年の説明会は22年度から始まる「関西大学連携浪速中学校」の説明会であることが最大の特徴である。当然「保護者の関心」はそこにあると思っていたが、結果は予想通りであった。今回の参加者の多さも関大連携が効いているのは間違いない。
関大連携に関する保護者のお声の代表的なもの
* 大変よくわかる説明でした。ありがとうございます。入り口から男子生徒の方が案内してくださり好印象でした。質疑応答で、関大コースに入ったら必ず関大に入学できると思っておいでの親御さんの多さに驚きました。努力の結果、関大に行けるという御校の方針に同感です。お話を聞いていて、嬉しくなりました。
* 私も含め、参加者の皆さんも関大コースに非常に興味を持って来られたのだなと感じました。まだまだ不透明な部分もあり迷ってしまうのが正直なところです。ただ、興味深いので志望校候補にさせていただきます。
* 関大連携の行方に大いに期待します。全体を通し、包み隠さない誠実な対応、校長先生の熱弁、朝の視写、多聞尚学館での週末スペシャルと体験学習
* 6年一貫教育に関心が持てました。
* 関大コースに入っても完全に保証がないシステムをとり、生徒の中弛みをしないよう工夫している。校外学習を多く取り入れている。
* 校長先生のお話が熱心であったと思いました。面倒見もよいと感じました。関大コースについての説明がお話を聞いてよく解りました。関大コースに入学できて、関大へ行けたらよいと希望しております。案内の生徒さんの感じがとてもよく安心しました。
* 7月に来た時より詳しくコースの内容がわかり、安心しました。今回は、少々校長先生の発言もトーンダウンしているのが気になりましたが・・・。関大コースは未知なコースですね。
* 2クラスの関大コースについて、卒業時どれくらいの人数が関大レベルの偏差値に達していて、入学できるのか少し(かなり)不安に思いました。
* 私も含め、参加者の皆さんも関大コースに非常に興味を持って来られたのだなと感じました。まだまだ不透明な部分もあり迷ってしまうのが正直なところです。ただ、興味深いので志望校候補にさせていただきます。

・ 以上のような「保護者のお気持ち」は大変良く分かる。大略良くご理解されているのではないか。今までにない「お話の内容」であり、我々が考え想定していたことと基本的に同じである。今回の「関大コースの仕組み」については内部で相当に研究し考えた結果である。
・ 「柔軟性」をもたせる代わりに「授業料は全く他のコースと同じ」に据え置いた。ここがまず第一のポイントである。次に生徒の中には途中になって「東京の大学に行きたい」「アメリカの大学に行きたい」と思う生徒もあって当然と考えた。進路先などなど6年間で何があるか分からない。
・ そして又6年間本校で過ごす過程で「関大に進学できるという朱印状を手にした生徒が本当に関大が期待する人材として100%適合できるだろうか」、様々なことを考えたのである。関西大学は「関大第一中学、関大北陽中学、関大高槻中学」それに「関大連携浪速中学」とゆくゆくは4校が大きな意味でグループ校と言える。そのような「関係性」の中で「浪中」は存在する。
・ 「浪速中学の関西大学コース」は当然「優先権はある」があくまで「本人の努力」と徹底した「学校側の指導」で最終的に決まるもので、それも「学習・教育の結果」であって最初に目的となってはならないと我々は考えた。「中高一貫」で鍛え、「高校2年で最終的進路確定をさせる方針」である。
・ 中学高校6年間を本校で学び、友とふれあい、しなやかでたくましい人間性に溢れ、ふさわしい学力を有する生徒を育て、そういう生徒を「関西大学に送ることが我々の責任」であると思っている。関西大学コースへの入学の目安となる「偏差値」も他校のように高く設定していないのは「我々は偏差値を10くらい上げられる」と考えているからである。
・ 一旦関大コースの入ったものの努力しないで停滞したままで仮に関大に進学できたとしてそれが何の役に立つのであろうかとも考えたのである。そういう意味で関大コースは日本で初めて「柔軟性のある転科転コースもあるフィルター付き」としたのである。
・ その代わり「学校授業」「講習」「多聞尚学館の週末スペシャル」の組み合わせで「徹底的にしごく」。これについて来られない生徒は関大は言うに及ばず他の偏差値の高い大学には行けないと思う。
・ 学力が遅れているのに「部活動もしたい」では限られた時間内で偏差値を上げることは相当しんどい。その場合は部活動もやめざるを得ないと思う。学校はアドバイスはするが最後に決めるのは生徒自身である。あれもしたい、これもしたいでは何も手に出来ない。「覚悟が要る」のである。
・ 言ってみれば「自分は関大に行きたいので歯を食いしばって頑張ると言う宣言」をした生徒が入るコースであり、ただで「関大通行手形」を手にしたということではないのである。そのために「自由度を高めた」のである。私は子どものためにもこういう考え方が良いと確信している。
・ 今回も相変わらず「ホームページ」によって学校を研究し本日の参加を決めた保護者の比率が圧倒的に高かった。そういう保護者にこの「校長日記」を通じて私の考えをお伝えしておきたいと思ったのである。
・ まだ数ヶ月時間はある。保護者におかれてはじっくりと多くの私立中学を研究し、「覚悟」を決めて欲しいと思う。もし本校を選択してくれたら「学校は徹底的に面倒をみる」つもりである。「本人プラス学校の総合力」を高めて「その後に関西大学がある」のではないか。一旦浪速中学に入ったら「ところてん式に関大に行ける」という学校ではないことをご理解して頂きたいと思うのである。