・ 連休中に正式なレターが「応札」して頂いたゼネコン各社さんには届いている筈である。これに先立ち連休前に結果の通知をと思ってファックスでお知らせした。連休の後よりこのようなご通知は早めの方が「礼儀にかなう」と考えたのである。
・ 心苦しかったが「仕方がない」。こういう方法を選択した以上最後は「1社しか残らない」のがビジネスであるから。手順を踏んで進めて来た「新武道館の設計施工の会社が仮決定」した。今後正式な契約に向けて詳細な取り決めが進められることになろう。
・ しかし「コンペ」と言うものは「厳しい」ものである。「審査に当たった12名の管理職を含む教職員の意見」は最終意思決定者である私と理事会表評議員代表の理事長職務代理2名の意見・見方を別として今回は「意見が集中・集約」されていた。
・ 「結果がすべて」だからプロセスを幾ら書いても「詮無い」のであるがこれも「説明責任」と思って少しだけ記すことにする。当然公式結果連絡のレターには「ある程度の事」を記しており、それで十分だと思っているが、個人的な意見を留めてみたい。
・ 結果は「圧勝」というようなもので一社さんに決まった。今度の衆院選の民主党の勝利みたいな「地すべり的圧勝」に近い。まず12名の審査員が100点満点で審査した結果から言うと以下のようになる。
・ 総計で1200点であるが今回決定した会社は実に950点の取得率である。2位が815点であるから圧倒的な差である。3位は700点台ではなくて660点まで下がるから形としては「上位の2社が飛び抜けていた」ことになる。
・ 次に私が見たのは12名の審査員が6社の順位をつけた比較である。1位を1点とし6位を6点としてその総計数値が最も低いところはどこかと言う見方である。驚くことに1位になったところは13点ということで11名が1位、1名だけが2位に推したということである。「断トツ」と言って良い。
・ 2番目の会社さんは26点であるから実に倍の開きとなっている。「総得点方式の順位と順位得点方式の順位」を見ると上位4社までは固定で動いていない。このようにして上位1位と2位に絞って設計コンペの審査が行われたのである。
・ 次に「見積もり金額」の査定であったがこれにはいくらか苦労した。まず各社さんが提案された「生の見積もり金額比較」である。しかしこれはそれぞれ仕様というか範囲が異なっておりそのまま評価するわけには行かない。
・ 我々がした作業は「仕分け」であった。共通仮設工事、建築工事は各社揃っているが「インフラ設備工事」が範囲に入っているところとそうでないところがあったのでそれを整理した。
・ 次に「外溝工事」「防球ネット工事」「植栽工事」「アスベスト撤去工事」「引込負担」「仮設用地・資材置場」等々比較を進めていったのである。諸経費、設計料などは当然各社さんは揃っているがそれ以外は範囲内、範囲外となっておりそれらを観なければ「後で必要」となっても困るからである。
・ 特に注意深く検討したのが「見積もり延べ床面積」と「実質施工床面積」の差であり「弓道場の矢取道」を入れている会社と入れていない会社に明確に分かれていたのである。これについては議論を呼んだのである。「入れるのが適切かどうか」である。
・ 以上のようにして詳細検討を進めた結果「坪当たり金額」で言えば設計部門で1位を取ったところが大きな差異では無かったがそれでも「最安値」であったのである。提示された見積もり金額が見た目最安値の会社はこのように比較すると6社の中では最安値とはならず中間に位置することとなった。
・ 以上のようなプロセスを経て理事長の私と理事評議員代表である理事長職務代理の二人で「最終的に発注先を決めた」のである。本校と長いお付き合いのある会社さんとか色々関係深い会社さんはあったが、以上のようにこの「アドバンテージ」を活かせるような差異ではなかったのである。差異が大き過ぎたのである。
・ 連休前の結果通知については誠意を込めて書いたつもりであるがこういう結果になった「仕儀」をご理解頂きたいと思う。又何回も言っているようにこのプロジェクトは今回の単独案件であり「本丸」である「新校舎建設」にいささかの影響も与えるものではない。
・ しかし良くヒヤリングしてみると今回勝ち得た会社は何回も学校に来てしつこいくらい「情報」を集めていたらしい。この会社がプレゼンテーションした資料にはまず「浄明正直」という神社神道の学校としての「校訓」がかかれ新武道館の目的を明快に記述するところから始まっている。
・ その他、「浪速改革の南のシンボル」と詠っている。これは恐らく正門と塀が「浪速改革のシンボルゲート」という私のブログに触発されたものだろう。それと審査員を印象付けたのは「緊急車両待機場所」を設計に反映させている。
・ かなり学校と言うものを研究している。武道館の空手、剣道、などはとにかく怪我が多いのでそれに「緊急時の対応」を考えているのである。それと私をうならせたのは「大正ロマンを感じさせる概観」と言うことで本校の設立時代と現在の正門の雰囲気をこの部分でイメージ合わせをしているのである。
・ 特に設計では「中2階方式」を採用し「見学スペース」が吹き抜け部分で取られており、我々を泣かせるように「浪速に進学させよう」とか「「きっと浪速で武道をやりたいと思ってくれるでしょう」とかここまで書くかという感じであった。
・ 空手道場の壁一面は強化ガラスの鏡をはめ込み、「姿見」となっているなどこの会社の設計者は「分かっているのだ」と思った。女生徒が授業でダンスを踊る時もこの鏡は喜ばれるであろう。
・ 弓道場は本格的であり過ぎるくらいで私は少し贅沢だと思っているが、理事長職務代理は大学時代に弓道をしただけにその「完成された姿」に感心されていたのである。尚且つ和室が二部屋連続でこれは「修養室」となりうる。「雅楽部、将来の茶道部、それに行儀作法教室となる多目的和室」である。
・ どうも間仕切りをして大きな部屋になるということに設計の視点をおいた設計は専門家に歓迎されていない結果であった。うるさいし指導にならないというのである。確かに私が調査すると騒音レベルは尋常ではなかった。「体育館は二つも要らない」と言うのである。
・ それと大きな特徴は「現在の校舎・体育館と新武道館へ至る生徒の動線」を考え抜き、体育館からの「歩廊と部活動の部室の将来コンセプト」まで図面化している会社の評価は高かった。
・ その他「外断熱方式」を採用しており、エコにも工夫がなされこういうところが審査に当たった教職員の評価を得たのではないか。ただ敢えていささかの不満を言えば「外観が大変良く出来ている」のだが「力強さに欠ける」と私は観ている。これは少し修正を加える必要があろう。ここは「武道館」なのである。
・ 今回応じて頂いた各社さんには大変ご面倒をお掛けして申し訳なかったと思うがこれに懲りず今後とも宜しくご厚誼とご指導をお願い致したいと思う。これから先は公金の入っている物件では余程のことが無い限り「随意発注」は有り得ないし、はっきり言って「金額」などは次の問題で第一に来る話ではない。このような物件で大きな差などある訳がないのである。
・ 「対象物件についての食い付き」と「対象物件の徹底した研究」そして「ともに仕事をする相手かどうか」という信頼感」みたいなものが今後は「決め手」になってくるのではないだろうか。「12月理事会で正式決定の運び」となるが決まったメーカーさんと「良い仕事」をしていきたい。面白い物件になる。武道場の集約建物の例は世間には多くはないだろう。
・ 心苦しかったが「仕方がない」。こういう方法を選択した以上最後は「1社しか残らない」のがビジネスであるから。手順を踏んで進めて来た「新武道館の設計施工の会社が仮決定」した。今後正式な契約に向けて詳細な取り決めが進められることになろう。
・ しかし「コンペ」と言うものは「厳しい」ものである。「審査に当たった12名の管理職を含む教職員の意見」は最終意思決定者である私と理事会表評議員代表の理事長職務代理2名の意見・見方を別として今回は「意見が集中・集約」されていた。
・ 「結果がすべて」だからプロセスを幾ら書いても「詮無い」のであるがこれも「説明責任」と思って少しだけ記すことにする。当然公式結果連絡のレターには「ある程度の事」を記しており、それで十分だと思っているが、個人的な意見を留めてみたい。
・ 結果は「圧勝」というようなもので一社さんに決まった。今度の衆院選の民主党の勝利みたいな「地すべり的圧勝」に近い。まず12名の審査員が100点満点で審査した結果から言うと以下のようになる。
・ 総計で1200点であるが今回決定した会社は実に950点の取得率である。2位が815点であるから圧倒的な差である。3位は700点台ではなくて660点まで下がるから形としては「上位の2社が飛び抜けていた」ことになる。
・ 次に私が見たのは12名の審査員が6社の順位をつけた比較である。1位を1点とし6位を6点としてその総計数値が最も低いところはどこかと言う見方である。驚くことに1位になったところは13点ということで11名が1位、1名だけが2位に推したということである。「断トツ」と言って良い。
・ 2番目の会社さんは26点であるから実に倍の開きとなっている。「総得点方式の順位と順位得点方式の順位」を見ると上位4社までは固定で動いていない。このようにして上位1位と2位に絞って設計コンペの審査が行われたのである。
・ 次に「見積もり金額」の査定であったがこれにはいくらか苦労した。まず各社さんが提案された「生の見積もり金額比較」である。しかしこれはそれぞれ仕様というか範囲が異なっておりそのまま評価するわけには行かない。
・ 我々がした作業は「仕分け」であった。共通仮設工事、建築工事は各社揃っているが「インフラ設備工事」が範囲に入っているところとそうでないところがあったのでそれを整理した。
・ 次に「外溝工事」「防球ネット工事」「植栽工事」「アスベスト撤去工事」「引込負担」「仮設用地・資材置場」等々比較を進めていったのである。諸経費、設計料などは当然各社さんは揃っているがそれ以外は範囲内、範囲外となっておりそれらを観なければ「後で必要」となっても困るからである。
・ 特に注意深く検討したのが「見積もり延べ床面積」と「実質施工床面積」の差であり「弓道場の矢取道」を入れている会社と入れていない会社に明確に分かれていたのである。これについては議論を呼んだのである。「入れるのが適切かどうか」である。
・ 以上のようにして詳細検討を進めた結果「坪当たり金額」で言えば設計部門で1位を取ったところが大きな差異では無かったがそれでも「最安値」であったのである。提示された見積もり金額が見た目最安値の会社はこのように比較すると6社の中では最安値とはならず中間に位置することとなった。
・ 以上のようなプロセスを経て理事長の私と理事評議員代表である理事長職務代理の二人で「最終的に発注先を決めた」のである。本校と長いお付き合いのある会社さんとか色々関係深い会社さんはあったが、以上のようにこの「アドバンテージ」を活かせるような差異ではなかったのである。差異が大き過ぎたのである。
・ 連休前の結果通知については誠意を込めて書いたつもりであるがこういう結果になった「仕儀」をご理解頂きたいと思う。又何回も言っているようにこのプロジェクトは今回の単独案件であり「本丸」である「新校舎建設」にいささかの影響も与えるものではない。
・ しかし良くヒヤリングしてみると今回勝ち得た会社は何回も学校に来てしつこいくらい「情報」を集めていたらしい。この会社がプレゼンテーションした資料にはまず「浄明正直」という神社神道の学校としての「校訓」がかかれ新武道館の目的を明快に記述するところから始まっている。
・ その他、「浪速改革の南のシンボル」と詠っている。これは恐らく正門と塀が「浪速改革のシンボルゲート」という私のブログに触発されたものだろう。それと審査員を印象付けたのは「緊急車両待機場所」を設計に反映させている。
・ かなり学校と言うものを研究している。武道館の空手、剣道、などはとにかく怪我が多いのでそれに「緊急時の対応」を考えているのである。それと私をうならせたのは「大正ロマンを感じさせる概観」と言うことで本校の設立時代と現在の正門の雰囲気をこの部分でイメージ合わせをしているのである。
・ 特に設計では「中2階方式」を採用し「見学スペース」が吹き抜け部分で取られており、我々を泣かせるように「浪速に進学させよう」とか「「きっと浪速で武道をやりたいと思ってくれるでしょう」とかここまで書くかという感じであった。
・ 空手道場の壁一面は強化ガラスの鏡をはめ込み、「姿見」となっているなどこの会社の設計者は「分かっているのだ」と思った。女生徒が授業でダンスを踊る時もこの鏡は喜ばれるであろう。
・ 弓道場は本格的であり過ぎるくらいで私は少し贅沢だと思っているが、理事長職務代理は大学時代に弓道をしただけにその「完成された姿」に感心されていたのである。尚且つ和室が二部屋連続でこれは「修養室」となりうる。「雅楽部、将来の茶道部、それに行儀作法教室となる多目的和室」である。
・ どうも間仕切りをして大きな部屋になるということに設計の視点をおいた設計は専門家に歓迎されていない結果であった。うるさいし指導にならないというのである。確かに私が調査すると騒音レベルは尋常ではなかった。「体育館は二つも要らない」と言うのである。
・ それと大きな特徴は「現在の校舎・体育館と新武道館へ至る生徒の動線」を考え抜き、体育館からの「歩廊と部活動の部室の将来コンセプト」まで図面化している会社の評価は高かった。
・ その他「外断熱方式」を採用しており、エコにも工夫がなされこういうところが審査に当たった教職員の評価を得たのではないか。ただ敢えていささかの不満を言えば「外観が大変良く出来ている」のだが「力強さに欠ける」と私は観ている。これは少し修正を加える必要があろう。ここは「武道館」なのである。
・ 今回応じて頂いた各社さんには大変ご面倒をお掛けして申し訳なかったと思うがこれに懲りず今後とも宜しくご厚誼とご指導をお願い致したいと思う。これから先は公金の入っている物件では余程のことが無い限り「随意発注」は有り得ないし、はっきり言って「金額」などは次の問題で第一に来る話ではない。このような物件で大きな差などある訳がないのである。
・ 「対象物件についての食い付き」と「対象物件の徹底した研究」そして「ともに仕事をする相手かどうか」という信頼感」みたいなものが今後は「決め手」になってくるのではないだろうか。「12月理事会で正式決定の運び」となるが決まったメーカーさんと「良い仕事」をしていきたい。面白い物件になる。武道場の集約建物の例は世間には多くはないだろう。