2007年8月31日金曜日

8月31日(金)2学期始業式、浪速改革シンボルゲート完成

1. 遂に「浪速改革のシンボルゲート」が完成しました。1月理事長就任、4月校長兼務、8ヶ月でここまで来ることが出来たと思えば「感無量」です。着任前後の孤独な不安な日々を思い出せば感慨一入のものがあります。ご支援頂いた神社庁、保護者・PTA、協力会社、そして教職員始め皆様に感謝申し上げます。「本当に有り難うございました。」寄付金浄財は2408万円となりました。大いに助かりました。ご寄付頂いたお方の「お名前は銅板に刻み未来永劫顕彰して残していきます。」
    ・保護者有志  ・PTA、教育後援会   ・関係企業協力会社  
    ・大阪府神社庁 ・管理職     ・教職員   ・同窓会    
    ・理事長、名誉理事長、理事長職務代理  
現在ご寄付頂いたお一人お一人に礼状をしたためています。
2.本日31日、2学期始業式に併せて竣工修祓式を行い全校でお祝い致しました。記念品は「正門の形」が中に彩られた洋タオルとし全生徒に配りました。併せて長年の懸案であった体育館の天井改修、家庭科調理実習室、中庭人工芝敷設、女子手洗い増設がこの夏休みに完成しました。これらが来年の生徒募集にも些かでも貢献してくれればと思っております。家庭科調理実習室は本当に立派なものが完成しましたよ。家庭科のF先生の喜ぶお顔を見て「やって良かった」と思いました。
3. これらの業務は事務長先生を中心として事務所の職員が対応してくれたもので、大きな良い仕事をしてくれました。中でも設備担当の男性職員K主査の頑張りが背景にあります。夏休み期間中に完成してくれた都市建築設計、熊谷組,他工事にあたってくれた関係会社に感謝致します。しかしまだまだ施設拡充は続きます。北館のクーラー、テニスコート周り、新館塗装、やらねばならないことが多い。このお金を今から工面しなければなりませんが大丈夫です。
3.「過去は問わず」、今後ともやりくりをしながら「生徒の為」に理事長として「形あるもの」として残していってやりたいと考えています。いずれ私は関東に帰ることになるので、退職後は最早この門を見る機会もなくなるでしょう。後世この門と私が書いた表札の文字に込めた「浪速への強い思い」を日々確認しながら、最後の日まで一日一日を大切にして「責任を果たしていきたいと改めて決意」しています。
4.それにしても立派すぎて少し気恥ずかしい感じがします。恐らく大阪府全高等学校で門だけはどこにも負けないものができたと思います。「でも、門だけでわなー・・・。中身もなー・・・。」と誰かに言われているような気がします。この「広き門」は生徒募集に文字通り広き門になって欲しいと思います。そのためには中身が大切です。そして「浪速に入るには狭き門」と言われるようにならねばなりません。「教職員は分かってくれています。」今日は8月最終日、今年は暑い夏でした。過ぎし8ヶ月の「我が挑戦」を想いながら、今夜は一人「自分自身に勝てた勝利の美酒」を味わいました。心地よい疲労感があります。これにて本件一件落着。

2007年8月30日木曜日

8月30日(木)高校新コースと塾長様説明会

高校コースの再編と第2回目「塾長様対象学校説明会」
1.高校コースの再編
・ 80有余年男子校を誇ってきた本校であるが、ここ10年の実績を見れば少子化の中で生徒募集に苦労してきたことはすぐ分かる。少子化への対応遅れと、一部の耳目を引くべく設定した募集科コースとその中身が、期待したレベルに到達せず、そのギャップが厳しい状況を呼び込んだことは本校の教員すべてが認識していた事実である。
・ このことは別に本校のみではなく多くの私学の共通する事態で、昨今の「大学合格水増し事件」の背景はすべて少子化の中での「生徒募集へのあせり」にあったと近隣の某私学の退任した前校長は日経ビジネス8月号に「敗軍の将、兵を語る」として見事なくらい「合格実績の誘惑に負けた」と自己反省の文を寄せている。
・ 着任してすべての教員と面談したが誰もが本校経営の問題点を同様に指摘したのには驚いた。「高校コースをどうするか」これが最大の命題であった。19年度はすでに決定していたのでどうしようもなかったが、「20年度以降をどのようにするのか?」これは本校にとって最大かつ最重要なテーマであった。
* まず分かり易い形に、生徒にとって楽しい学校、分かりやすい授業を!「授業第一
* 生徒にとっても柔軟な選択が可能に、進度に合わせてやる配慮を、「習熟度別
* 唯一残っていた総合コースの男子制限をどうするか「完全共学校へ
* 1年次は全生徒に共通な課程を、2年次から文理を分ける「文理選択の自由度
* 理数科をどうするのか?超難関理数学部への進路保障受け皿「SSコースの設置
* 国公立、難関私大とのすみわけと課程「国公立シフト
* しかし一方一クラスあたりの生徒数にはある程度の設定が必要 
* 「結果として文武両立の学校、有数の進学校化と幅広い進路選択校化への進化
とにかく本課題については「万機公論」にて慎重にとり進め、最後は理事長の責任で決した。このようにして、7月初旬結論を出し諸準備に入った。
・ 20年度 理数科はSS(スーパーサイエンス)コースだけとし、普通科はⅠ類、Ⅱ類Ⅲ類とし全コースとも習熟度別展開とし1年次は共通課程で2年生から文理分けとコースの入れ替えが可能とするように変更した。「自信作である。今回は自信がある。」
・ あわせて現在の総合コース(新Ⅲ類に相当)は共学とした。これで「本校は完全な男女共学校」になる。
・ 公立の学区再編2年目の来年はより激しくなるであろう私学間競争の中で本校の取りえるポジションは悲観する必要はない。油断は出来ないが間違いなく「良い学校(グッドスクール)」を目指し、着実にその道を歩んでいるとの自負から多くの中学生に選択していただけると確信している。望むべきは「エクセレントスクール」ではなくて「グッドスクール」で良いのだ。「来たれ、中学生、浪高で学べ!」
2.9月19日(水)
・ 堺グランドホテル「浪高学校説明会」10時30分スタート

2007年8月29日水曜日

8月29日(水)校長留め書き

1.センター英語リスニング対策講座の開設
 ・ センター試験にリスニングが入って3年が経つ。また新聞報道によれば文科省は高校英語教育の学習指導要領を変えようとしている。小学校で英語教育がなされ始めていることには賛否両論があるが、いずれにしても学校教育で英語教育が今変わろうとしていることは間違いない。
 ・ 本校では今夏からある民間教育機関とタイアップして「リスニング訓練」を開始した。積み重ねたノウハウを有する民間機関が校内において出題形式、問題パターンごとの解法や対策を実際の問題を通じて授業するのだ。一度に力がつくわけではないが「生徒にその気になってもらう」意識付けも重要である。
 ・ すべてを教員がしなくても良い。力のあるところにアウトソーシングする考えもある。初めての試みゆえ、今回の費用は法人会計から捻出した。効果があれば来年以降は「教育後援会」から費用援助してもらう考えである。
2.硬式野球部練習風景の視察
 ・1,2年生の練習風景を見る。3年生が引退し、ここに来てようやくまとまりと活力が感じられる。狭いグラウンドで100名近い球児たちの動き回るさまは見ていて気持ちが良い。
3.天皇皇后両陛下のお写真
 ・長居陸上で奉迎申し上げたときのお写真が出来てきたが、「素晴らしい出来上がり」で、昨日の理事会メンバーも「欲しい。」と希望者が多く対応することにした。
4.制服メーカーとの打ち合わせ
 ・高校、中学の制服見直しについてメーカー、販売店の方々と副校長、担当主事含めてサンプルを見ながら検討を進めた。案が大分詰まってきたがもう少し検討を継続する。
 ・ 基本的に来年入学してくる新1年生対象ではあるが、在校生からのアンケート調査が大変に助かっている。課題は「靴」である。当然成長著しい中学とある程度固まってくる高校生の靴は選択の基準が異なる。
 ・ しかし学校用品を扱う様々な事業母体の商流、マーケット規模、受注に至るプロセスなど考えさせられる。「制服業者」「靴業者」「運動着、用品業者」「かばん業者」「教科書取り扱い業者」「アルバム作成業者」「修学旅行扱い業者」「学校案内等作成業者」「食堂給食取り扱い業者」等々そのマーケット規模は大きいし固定化されているのが実態だ。「祖父の時代からのお取引で・・・。」という業者さんは多い。少子化の中でこれらの業者の方々も競争が激しいのではないかと思う。
 ・ 前から私は「残されている巨大な、“閉ざされたマーケット”が学校」と論文などに書いているが「その通り」だという感慨は消えない。担当する教職員にはこれらの業者との「お付き合いの仕方」について厳しく言っている。本校では過去一切、不祥事などないが時に新聞紙上を他校がにぎわせている。

2007年8月28日火曜日

8月28日(火)業務メモ

1.指定校推薦内定通知第1弾
・大阪の某私学に2名の指定校推薦が校内手続きで正式に内定。校長にあがる。本日保護者帯同で「内定通知」を校長から与える。これでこの2名の生徒は100%その大学に決まることになる。「約束は決して違えられない。」
・ 一人はサッカー部、一人は硬式野球部、本人も親御さんも「嬉しそう」であった。私からは大学は通過点に過ぎず、「社会での実力勝負」、大学に内定したからといって、安心油断してはならない。卒業までが勝負、「学習」に頑張るように激励。
・こういう形は初めてであり、前任の公立ではない経験である。校長として本人の希望とは言え、「高校が大学を推薦決定する」責任を僕は強く感じる。
2.9月22日、23日「浪速祭」の準備が今後本格化
 ・自治会担当の2名の教諭と事務所主査、副校長を交えて「模擬店」の扱いについて協議。とにかく模擬店の出店希望が多いというのだ。食中毒、火の取り扱い、汚れなど問題があるが、お祭りを盛り上げるために「幾つかの条件を入れて前向きに対応するよう」結論を出した。
 ・ また別のバザー担当教諭から「保護者あて物品寄贈依頼」のPTA文章を確認、品物が少ないらしい。(どこかで経験したなー。)
 ・ 実は本年4月校長就任時、PTA会長に「無理はせずに自然体で」をお願いした。どうもPTA役員がお金を出し合い、品物を買ってそれらを出品していたらしい。「売り上げ競争」にいささかなってきている事態を懸念してのことである。
3.外部指導者の取り扱い
 ・部活動始動で外部の指導者にお願いしているケースがある。たとえば野球部の監督とかブラスバンド部とかだ。それにトレーナーとか色々形態がある。これらのシステムを正式に決定する必要を常々感じていた。
・ 一斉調査が完了した。これによると現在7名の指導者が本校に入られている。圧倒的に多いのはOBであるが、勤務条件,指導料など明確にしておかねばならない。
・ 校長がまったく知らない人物が校内に入り、本校の生徒を指導する場面があってはならない。あくまで校長の責任による外部指導者の招聘でなければならない。
4.理事会 15時
 ・「理事全員による一斉参拝」、「正門塀、家庭科実習室他内覧会」、その後「理事会」、先の6月26日以来で、今回は全員出席となった。
・ 学校の勢いを受けて、今回は前向きなテーマ「新人事制度」「学校のIT武装化」がメイン議題である。詳細は別途広報情報委員会から開示されるであろう。

2007年8月27日月曜日

8月27日(月)業務メモ

1. 伊勢修養学舎女子の部打ち合わせ
・7月伊勢修養学舎で女生徒を指導して頂いた女性神職の先生お二方をお招きし、先の反省会というか今後どうあるべきか、時間をかけて議論した。良い議論が出来たと思う。学校側の参加者は教頭と神道科の主任教諭である。
・20年度から現総合コースも共学にすることから名実ともに共学校になる。一度に女性徒が増えるとは思えないが、徐々に女性徒比率がアップすることは間違いない。男子は五十鈴川の「」が大きな目玉であるが、これに相当するくらいインパクトのある行事内容を検討しようとしている。着物の着付けをして写真をとって終わりということではどうしようもない。女性徒向けの新しい企画を今後つめていくことにした。
・時間が経つにつれ、女性神職の先生方からも前向きなご意見を多く頂いた。嬉しいことであった。学院神社の大掃除、学院神社の拝詞作成、浪速生活の綱領作成、奉唱と矢継ぎ早に改革を進めているが、これらは新しい校長の下でなされており、神道系大学を卒業し、本校の神道科のベテラン教諭でもこのような発想は出てこないというか、出してこなかったのか、つぶされたのか、一度決めた行事は進化していかないのだ。かかるほど「内部からの改革は難しい」のである。その理由はすべて「独特の教員文化に根ざしており」、これはいずれ明らかにしたい。ここを変えなければ学校は進化しない。小泉元首相は「自民党をぶっ壊す」といって確かに壊した。私は壊すとはいわないが「再構築」することを恐れない。すべては入学してくれる生徒のためである。
2.門塀工事関連
  ・「本校の沿革と学院神社」の案内用銘版が完成し門柱横の塀に設置した。立派です。必ず前を通られる人々のお目に止まるであろうことは間違いない。
3.明日の理事会の準備、二人のプレゼンターはパワーポイントを使うという。理事会でITを使った説明は遅ればせながら、これが初めてである。なお広報情報委員会のメンバーを冒頭の部分、参加を許可した。教員に公開する目的からである。
4.13時30分大阪日日新聞取材  「雅楽部
本校の誇る部活動のうちの一つ、「雅楽部」の取材申し込みあり。練習風景と神社前での奉納演奏がある。Y教諭が顧問先生であり、すべてお任せすることにした。何でも校長がしゃしゃり出ないほうが良い。何時頃記事として掲載されるのか、楽しみであり、その日が待ち遠しい。

2007年8月25日土曜日

8月25日(土)業務留め書き

1.長居世界陸上「天皇陛下奉迎
・ 生徒、PTA,保護者代表あわせ主催側集計で300余名の大集団にて、16時30分、長居公園近くで両陛下をお迎えする。本校の学院神社ご祭神の主体は「天照大御神」であり、又本校の校章は「三種の神器」の一つ「八咫鏡」をデザインしたものである。又生徒が胸につけるエンブレムには「天叢雲剣」「勾玉」もデザインされているくらい、とにかく本校は「天皇家」と精神的結びつきは強いのである。日本文化の中軸、神社神道の精神を建学の礎におく学校を誇りとして、両陛下を心からの歓迎の気持ちを込めて長居にお迎えした。
・ 日の丸の小旗が触れる中、歓声のうちに「天皇皇后両陛下の御用車が目の前をゆっくりとご通過される。両陛下は身を乗り出すようにしてお手を振って頂いた。」ある女性教員は「鳥肌がたった。感激した。」といいある保護者は「涙が出た。」と言われる。何時の日か、陛下が「本校に行幸啓頂けないかなー。」と夢みたいなことを思ったりして。
2.指定校推薦
・私学の夏は短いと先のブログに書いたが、もう3年生は9月の声を聞くとすぐ受験シーズンが始まる。9月7日には校内希望者締め切りがなされ、推薦作業に入る。15日には最終決定の運びとなるのが大まかなスケジュールだ。
・本日進路指導部長とミーティングを行い、最終調整を行った。少子化の中で今年は今話題を投げかけている関関同立,産近甲龍など関西、首都圏、地方など指定校を頂いている大学の数も大幅に増えた。これらは今までの本校の進路指導部の成果の一つであるが、ただ増えれば良いというものではなく、生徒の学力、個性、そして大学で完走させるなど担任、進路の責任は重い。
・前任校では一回「数年にわたって貴校が推薦した生徒の学力が相対的に低く、問題である。」と統計データを突きつけられ、大慌てでその大学に走った経験がある。最もこの大学は人気の難関大学ではあったが、本校では「良い生徒さんを送って頂きました。」と感謝されるような生徒を推薦していきたい。進路指導部長にはこの旨、きつく指示をしたところである。
3.入試問題作成作業始まる
・私学と公立と違う点は多くあるが、「入試問題作成」はその代表的な一つである。公立は特別に選抜された教員が全府立学校共通の問題作成をし、共通問題で前後期の選抜試験をする。その作成、取り扱いなどは最大の機密であり、慎重かつ細心の注意でとり進めている。これはすごい。私学の選抜試験問題は学校単位に独自で作成する。本校でも中学、高校と作成委員を決定し、本日キックオフがなされた。
・全員を前にいくつかの留意すべき点、注意事項を述べた。教師の腕の見せ所である。一言で言えば「緊張感」を持って当たれということだ。

2007年8月24日金曜日

8月24日(金)業務メモ

1.嬉しい出来事、ニュース
・ ある保護者から「掛け軸」をプレゼントされる。本校中学2年の生徒の保護者が大安吉日の昨日、その母君(生徒からみれば祖母)からのプレゼントとして校長室にご持参されたものは、立派な「学院神社拝詞の書」とそれを「神式軸装」に仕立てたものである。泉州の有名な書家で和の文化交流なども諸外国と積極的にされているお方との事で、学校が新たに学院神社の拝詞を定めたことと、その全文をホームページから把握され、「見事な正門が完成するお祝い」として、「優美な楷書体と万葉仮名」で書かれたものだ。嬉しい限りで、こういう時には校長冥利を感じる。早速28日の理事会と始業式で披露し、大切に校長室に掲げることにした。有り難うございました
・ その保護者曰く、「浪速は大変良い学校で子どもも喜んで通学している。国公立志望であり、今後とも学力を含めてしっかりお願い致します。」と、話は弾む。「分かりました。お任せください。」と私は応えた。副校長と担任に早速チェックを入れる。
・ タイミング良く、高校1年生対象2007年度進研模試、英数国7月記述式試験の結果が出る。対前年度成績は大幅に良好。教員からは今年の1年生は(も)期待が持てると聞いていたが、このような第三者外部模試で学力評価が数値で具体的に表れると嬉しい。しかしまだまだ上がいる。今後とも頑張って生徒の学力を引き上げて行きたい。これらを見れば「教師の教え方」が一発で分かる。今回の「英語の先生」、良く頑張ってくれている。この先生は良いなー。発音も素晴らしいと聞いた。一度教室に行ってみよう。
2.落胆
・ 順調に進んできた正門工事も最後の「床張り」で気が落ち込む。色がぼやけてはっきりしないのだ。最後には私が決定したのだが「気に入らない。」このままでは画竜点睛を欠くことになる。昨夜夕刻出来上がったが門柱との色彩バランスが悪く、これでは元気がでない。不機嫌な、悶々とする夜を過ごす。今朝、工事会社他関係者を呼び「全面やり直し」を指示する。毎日通う門柱の土間、このまま放置することは出来ないと決断した。理事会内覧、完成式はこのままで行い、後日手直しということにした。
幸い設計者も工事ゼネコン側も同じように感じていてくれていたのか、指摘には全面的に同意してくれた。機嫌が少し直る。
3.訪問
・お隣さんである「K高等学校」の校長先生を表敬訪問。過日訪問してくれたことへの返礼である。全然異なる性格の学校であるが、予定をオーバーして話が弾む。面白い。特に「日本人教師論」はブログには書けないが抱腹の内容であった。

2007年8月23日木曜日

8月23日(木)女性教諭を求む

女性教員を求む
・ 本校には専任教員が60名弱いるがそのうち女性専任教員は養護教諭を含めても5名にしか過ぎない。これではあまりにも少なすぎるのである。大体教員100名規模の学校であるから、公立並みの女性専任教諭比率を目標とすれば、まず第一段階、20%としても20人は必要である。
20年度からは総合コースも共学にするのでますます女性徒は増えてくる。別に男性教員で構わないでないかという議論もあるが、女生徒の相談相手や教育にやはり女性専任教員の存在は有力な部分もあろう。とにかく5名では少ない。今数千万円以上を投じて立派な家庭科実習室等を作っており、受け入れインフラは十分に整備中である。
・ 設備はお金を使えば何時でも出来るが教師の手配となるとそうは簡単にはいかない。決して偏見ではないが、自分の経験ではどうも女性教員は男性教員に比べて、ジェンダーの問題ではなくて、個性差・個人差がとても大きいと見えてならない。良い悪いを言及しているのではなくて、振幅が大きいと見えている。要は男性以上に女性教員の採用には気を使うということだ。
・ まず家庭科の専任教諭が必要である。そして体育にも女性教諭がすぐにでも必要だ。大体、保護者からは体育の時間は「いつもテニスばっかりですね?!」などと皮肉を言われている。体操、ダンス、ハンドボールとか、実施して欲しいと言われるのだ。分かりますよね、この気持ち。
生徒生活指導でも女性教員は必要だ。スカートの長さや、化粧、髪染めなど微妙な指導の対応もある。経験は有してきたといえどもまだ共学にして3年目であり、数も1500人中250名程度であり、これが半分半分となったら「一体どうなるのか?」想像もつかないと一部の男性教員の顔に書いている。
・ 大体男性教員自体が自分の子どもの教育でさえ、「息子に比べ娘は難しい」と言っているのだから世話はない。浪速30年のベテラン教師も女生徒との指導には気を遣うと言っている。言葉使い、間合いの取り方等、とにかく難しいと言うが、経験が無いだけの話だと思っている。校長から見れば男子も女子もまったく差がないし、どちらも大切である。“頑張れ、男子教員!来年以降、女性徒がドット増えるよ。”
・ 知り合いの女子高の理事長や校長にお願いして、何時でも「良い女性教員をご紹介ください」とお願いしているが話はまだない。大学の新卒にも募集をかけている。公立が大量採用の時代になっており、私学は11月以降の公立が決着してからの事か?
・ 年齢、教科は問わず、清潔感に溢れ、颯爽として、生徒生活指導がまず出来、もちろん教科指導に優れ、他の教諭と協調性があり、全人格的にバランスが取れ、家庭と仕事先即ち私と公のメリハリを持ち、健康で何より「教師という仕事が大好き」という方がおられればどうか本校で「専任教諭」として働いてみませんか。もっともこの要求条件は男性教諭にも当てはまりますが・・・。組合からも常勤講師を減らして専任化するよう要望を受けている。私は良い教員の確保と育成、公平な評価こそ唯一絶対の校長の仕事だと確信しています。

2007年8月22日水曜日

8月22日(水)制服問題

制服の一部改良
1.4月校長就任後女生徒から制服に関する多くの声が直接私のところに届いている。2年、3年生はもう諦めているのだろうが1年生は中学、高校とも不満があるみたいで、7月21日からの伊勢修養学舎では女生徒からは直接具体的に要望を受けたり、中学1年の女生徒代表からは校長室にて直談判を受けたりしている。
2.ズボンやスカート、ジャケットの全体バランスやデザインは格好よく、色彩も言うことはないと言うのだが、細部でどうも不満があるらしい。「さてこれは困った」というのが正直な感想である。現在の制服を決めてからちょうど3年になるらしい。そろそろ微修正する時期かもしれない。しかし生徒全員が賛成する案などある訳が無いし、ちょっと筋を違えば混乱するし「しこり」を残すことになりかねない。
3. 女生徒の要望を集約すれば
・ カーデガンの値段が高い。ベストとカーデガンに洗濯後「毛玉」が出来る。
・ ブラウスが赤と水色でどうも透けて見える。
・ ユニクロを採用して欲しい。安いし色も多くあるというものだ。
・ 中学の女生徒は白のスニーカーとしているが「ださくて恥ずかしい。高校と同じく黒の革靴にして欲しい。」
4.ところが保護者は育ち盛りであり、余裕のあるスニーカーが良いと言うから事は複雑になる。親と子どもの意見は異なる。男生徒に限って言えば特に意見が盛り上がっているというわけでもないが、夏のポロシャツからカッターシャツか開襟シャツにして欲しい、通気性が悪くて暑くて堪らんと言うわけだ。高校の靴についてはこれ又様々な意見がある。革靴は履き辛い、黒のスニーカーは無いのか?と言ったあんばいである。確かに靴の後ろをつぶしてスリッパみたいに履いている生徒も見かける。格好悪いと思うけど「若者にありがちな「ちょっと崩した格好」が良いと思っているのだ。」アホやと思うけど本校でもいるわなー。
5.結論は主担管理職を決め、担当分掌は生徒生活指導部、自治会を巻き込んで意見を集約するように指示した。ただし校長方針として女生徒のブレザー(ジャケット)には小さなエンブレムを来年から付けるということと、ボタンホール周りにある七色の刺繍は廃止とした。女生徒が恥ずかしいというのだ。分かるような気がする。
6.併せて取り扱い業者を従来の3社から学校近くの1社に絞り、生徒へのスピーディなサービス対応をお願いした。何か布地代が高騰しており来年以降同一価格がしんどいということだが、「なんとか少しでも安くして欲しい」とお願いしている最中である。

2007年8月21日火曜日

8月21日正門更新工事進捗

門塀更新工事
・ 出勤時に見る門塀が日々変貌する様は今や私の楽しみである。工事は極めて順調。特に正門は徐々に完成形に近づきつつあり、その「威容」がはっきりと確認出来る。威容としか表現するしかないように存在感を示しつつあるが、ちょっと大き過ぎないか?表札も設置されたが、何か小さく見える。拙筆を覚悟で、それでも一生懸命に下書きを書いている時には字が大き過ぎると思ったものだが、ここまで門柱が太いと表札の字が小さく見えて仕方がない。塀の色彩バランスも自信がないが、もう仕方がない。28日に理事会で内覧会、31日の2学期の始業式で完成修祓式、この日、生徒には記念品を配る手筈となっている。
・ 前任校では同じように4月着任で、盆明け8月20日には3年生の教室にクーラー設置を完了した。生徒・保護者には感謝されたし、組合にもこの点は評価された。費用は同窓会の支援であったが、今回も8月末には「浪速改革のシンボル的設備」がご関係の皆様のご支援で完成する。まったく同じような道を辿っている。木村改革の一つの手法と意識しているわけではないが、得意とする「早業」を誇りたい。たった一人で誰も知らず、赴任してたった半年ですよ。理解し、協力してくれた教職員の成果でもある。生徒も教職員も9月以降胸を張ってこの門をくぐってくれるだろうと思うと正直嬉しい。改めてご援助頂いた保護者、PTA、神社庁、お取引き会社等に御礼申し上げたい。
・ 設備担当がご寄付頂いた方々のお名前を銘板に刻むべく「前書き文」を作れと来室。以下の文章とした。
「平成19年1月、学校法人大阪国学院理事長として着任、同年4月には浪速中学校・高等学校の校長を兼務した。大正年間に創立され、幾多の人材を世に送り出して来たこの伝統ある名門校を未来永劫にわたって存続発展させるために「不易と流行」を根底に据え、ダイナミックにかつスピーディに「浪速改革」を進めた。「新しい風」は間違いなく起こり、新浪速丸は着実に安定航海に入った。改革・革新の範囲は教育課程は言うに及ばず、教職員の意識改革を含め、聖域無く全ての分野に及ぶ学校改革の目的はここで働く「教職員と本校を選択してくれた生徒の為」である。ここに「浪速改革のシンボルゲート」として正門・塀を大正年間創立当初のイメージに合わせて全面更新し、改革の着手と船出を確認し、今後とも弛まぬ進化の努力を誓う。これらは本校に関係する多くの皆様の浄財を得て完成されたものであり、ここにお名前を刻み、心から感謝申し上げたい。」

2007年8月20日月曜日

8月20日(月)さあ、仕事!

3年生授業開始
・ 一般的に社会の人々は「今日的学校の夏休みについての実態」をご存知なかろう。該当する通学生徒児童がいる家庭ではいざ知らず、それでもほとんどの家庭の、特に父親は格段興味でもなければ記憶にも残るまい。言いたいことはもはや「夏休み」というのは我々の世代が経験した時代とは遠くかけ離れた実態になっているということである。
・ いつの時代から「夏休みという制度」が日本の学校で始まったのかまだ調べていないが、戦後すぐのことであろう。高温多湿の日本では特に必要であったのかも知れない。私の夏休みの経験は終業式の翌日妹と二人だけで列車に乗せられ、四国高松の母の実家に追いやられたことである。2学期の始業式ぎりぎりまで田舎において野山に遊び、年に一度会う旅先の友との楽しみや叔父叔母に映画に連れて行って貰ったなど今でも懐かしい思い出であるが、どうも今日的生徒にはこのような経験はあまり無いみたいだ。
・ 私立学校は随分前から、公立でも数年前から教室はエアコンが完備され、「蒸し暑くて授業など出来ない・・・」という環境にはもはやない。真夏でも授業をやろうと思えば可能なのである。もうひとつ大きな状況の変化がある。公立が土曜日の休みを段階的に導入し平成14年から完全週5日制になった。又大学入試センターが1月中旬にあるし、この「センターの重み」がますます大学受験において増していることもあり、この時期の3年生の授業負担の軽減の為、数年前から音を立てて私学では進学校を標榜するところより又公立学校でも授業日数の確保の観点から「夏休みの短縮」がなされ始めた。
・ 今や私立、公立を問わず、7月21日から8月31日までの期間、夏休みとしているところはないのではないか。本校でもようやく本年度から他校並みにお盆明けから授業を開始することにした。生徒から「何か一言あるかな?」と思っていたが校長の耳には届いていない。逆に他の高校に進学した中学時代の友人に「お前のところはずっと休みでエエナー」と言われたというのは良く聞いていたが、これらの生徒ももうこのようなことを言われなくて済む。
・ 本校は7月一杯特別講習や成績不振者の補講などやり8月1日から5日間の夏季学習合宿を入れており、加えて8月20日から授業となるので夏休みといってもお盆を挟んだほんのわずかの期間しかないのである。
・ 加えて運動部はこの夏季を狙って合宿、遠征練習試合など入れているので逆に生徒にとっては夏休みの方が忙しいし、中には「アルバイト」で「夏休みは稼ぎ時」と思っている者もいるから実体はもはや「昔の夏休み」というのは存在しないと考えるほうが自然である。「夏休みという言葉はもはや実態としては死語」に近い。「夏忙し」と言ったほうが良いかも知れない。
・ 思い切って夏休みを無くし、お盆前後の10日間くらいを「夏季休業日」として位置付けるのも一案である。又1学期を欧米なみに9月からスタートすると完全に夏休みは性格が変わったものになってくるだろう。とにかく浪高も本日から学校は始まり、夏休みは終わった。

2007年8月4日土曜日

8月4日(土)保護者からのお声

保護者からのお声
1.4月の校長就任以来、正式のPTA機関を通じたものではなく、保護者個人から校長へ届く「お声」が数件あった。自分としてはこれらの声を重要視している。余程の事と考え、率直なお声を大切に思い、前向きに対応してきた。今後ともこの考えは変わらない。
2. お声の方法は色々あり、まず正規にアポイントを取って「校長面談」とする形であるが、これはまったく問題ない。保護者の不安、不満がかゆいところまで理解できるし、校長の方針や学校の事情をご説明すれば、保護者も安心してお帰りになってくれている。問題は電話とお手紙であり、堂々と名乗っていただく場合と「匿名」のケースだ。名乗って頂くのはこれまたまったく問題ないが、匿名は少し困っているのが正直な感想である。
3.大体名乗っておられる保護者のお話は論理的であり指摘が具体的である。先般も某クラスで担当教諭による行き過ぎと思える生徒指導上の問題発言があり、些か物議を醸し、間髪入れず、校長は対応したのであるが、「学校長はこの事態を知っているか?」と電話で問い合わせてきたものである。堂々と名乗り、的確に問題点を指摘し、校長が「存じており対応している。」と一言言っただけでこのお方は「ああ、それなら良いです。」と話が変わっていった。校長の話を聞いてこの保護者は納得して頂いたし、逆に校長に「学校改革」の感謝と激励の言葉を頂いたくらいだ。問題は匿名のお声である。
4.今抱えているのは某特定クラスというか某特定教科担当者のクラス秩序維持に疑念があるという匿名の手紙が私を悩ませている。授業中騒々しい生徒、教室を押さえられない先生は排除しろ、出来なければ訴えるというかなり過激な内容であった。我々の対応と保護者の要求レベルがタイミング良く調節できないので未だに尾を引いている。内容から言って匿名にする必然性は全く無いと思うがやはり、一保護者の立場では一歩引かれるのであろう。
5.校長として問題ある教員は放置しないし、厳しく指導はする。学校教育法28条は「校長は校務を運営し教職員を監督する」という、この有名な条項を自分は誰よりも十二分に遂行している積もりである。そのために校長の目や耳は常に大きく開いている積りだ。内容によっては学則、就業規則にのっとり処分もするが、匿名の通報で大切な一人の教員をそう軽々に処分など出来ない。又学校は日々動いており変化しているということも理解して頂きたい。何時のことか、未だに懸念されている事態は続いているのか、得た情報はその保護者の子供さんだけに特有のものか、幅広く多くの生徒にかかわるものか、検証しなければならない項目は多くある。「あのクラスだろう」「あの先生の事だろう」と想定しながら対応している積もりであるが、今度は校長の声がその保護者には届かないのだ
6.けっして匿名を否定はしていない。それだけに校長の悩みは課題を引きずることになる。このブログをこの匿名の当事者が読んでくれればと思うが・・・・。

2007年8月3日金曜日

8月3日(金)夏季学習合宿

サマースクール イン キョウト
1.8月1日 京都本能寺会館ホテル 特進文科、英語集約コース 1,2年生100名、午前中一こまの講義を入れている。交通至便。4泊5日。
  8月2日 京都然林房国際観光旅館 理数科 1,2,3年生 300名 遠方過ぎる。午前中はつぶれ講習スタートは13時過ぎから。要は貴重な半日が移動の為につぶれているのだ。4泊5日。
2. いずれも開校式に出席し校長として生徒に心構えや大学事情について説明する。学習意欲は少なからずある生徒集団につき、私の話はよく聞いてくれた。
3. なぜこの暑い京都をつかって「夏季学習合宿」かというと、リーゾナブルな値段でまとまった生徒集団を宿泊させ勉強部屋などが整備されているところは「修学旅行受け入れの多い京都の旅館」という事になるらしい。
4.両方のコースとも各教室を回り、短い時間であったが雰囲気を感じ取ることができた。今回の出張は来年度に備えたものである。20年度からは募集コースを大きくⅠ類、Ⅱ類、Ⅲ類とすることもあり、サマー合宿のやり方も安くない保護者負担を考え、効果あらしめる為にどうあるべきかが問われている 考えている。
5.ある保護者から頂いたお手紙には合宿中の夜の「自習」について厳しいご意見を頂いている。「自習は家でもできます。どうして先生が教えてくれないのですか」というものだ。
6.確かに北山鷹ケ峯にある然林房では京都府立西J高校の生徒210名が同じような学習合宿を行っていたが、教諭による講習は夜も続いている。21時10分まで講義でその後課題学習と称して22時30分まで拘束、22時30分就寝準備、23時就寝)、又本校が大阪の今夏府大会の硬式野球で敗れたK高校の特進コースも同じように然林房を使って合宿を行っており、20時までは講義が入っている。これが「合宿」というものであろう。これらに対して本校は夕食後は講義など無くて「生徒の自習」である。それに他校は基礎の英国数を徹底的に教え込んでおり、本校のように社会とか理科とかは対象にしていない。何か本校は学校の延長みたいな感じで、従って引率教員も総勢18人極めて多い。去年までは自由休暇であったから、教員を集めるのに苦労したと教頭は言う。今年から夏休みは教員の勤務日であることを徹底したから、学校に居るよりは合宿にでも行くかと考えた訳ではないと思うが、教員の数は多すぎないか?生徒全員が対象だからこのようなスタイルになるのだろうか?3年生もクラス単位で講習をしていたが、「もはやそうではあるまい。3年生には別のスタイルがあって良い」と自分は思う。1,2年生と3年生は違うだろう。
7. 河合とか駿河台とか有力予備校のトップ講師を招聘するのも一案である。教員も生徒も一生懸命頑張ってくれてはいるが「仲良く皆で足並みを揃えて」が特別な行事「夏季宿泊合宿」の形であろうか?前述した2校は「課題研究」と称して「不得意分野の攻略法」なるものを組み入れていた。本校はどうも工夫が足りない。他校のように教員も少数精鋭で行い、その代わり謝礼は思い切って増やしてやるべきではないのか?本日の朝会で副校長には来年度以降見直すようにテーマを与えた。どうも全般に考えが甘いのではないか?本校の弱点と捉えている。一応何でもやるのであるがその検証が、詰め弱い。ここが改善されれば素晴らしい教師集団になることは間違いない。素質は極めて良いのだから。