2007年12月26日水曜日

12月26日(水)本年最後の管理職朝会

1.本年最後の管理職朝会
・ この1年、良く頑張ってくれた「管理職の皆さんに感謝の言葉」を述べる。「チーム木村のメンバー4名」は、良く理事長・校長を補佐し「大変良い仕事をしてくれました。」心から感謝しています。「有難う、この勢いで来年も頑張ろう。」
・ 「管理職の頑張る姿勢」が教職員に伝播する。「組織のために仕事をするのが管理職の仕事」だ。今年1年、仕事の進め方について理事長から管理職に相当厳しく指導する場面は多かったが「管理職の仕事は結果が全て」だ。「一生懸命やりましただけでは通用しない。」間違いなく「良い方向」に向かいつつある。来年の高校入試に全教室をつかっても教室が足りなくて体育館もという話が出るくらいになったのは「浪速の組織力が上がった」ということだ。
・ 理事長・校長と教職員の間に立ち「繋ぐ役目」もある。「組織はやはり管理職にある」というのは間違いなかろう。今年1年を見れば簡単に分かる。浪速はそれを1年で完膚なきまでに証明して見せたではないか。
・ 来年から「人材育成・評価システムが試行」に入る。「人材を育てるのがもう一つの管理職の仕事」だ。仕事の半分を占める。管理職は一般教員ではない。管理職とは職員、職場、職務を管理して「成果を上げる」職務に当たる人のことを言う。「管理職は名誉職ではない」のだ。
2.総務担当(理事長秘書業務)I主事に感謝
・ 自分の担当業務もある中で「スケジューリング」をしてくれたIさんに感謝。おかげでスムースな仕事が出来ました。理事長・校長兼務ですから色々と突発の仕事が入ったりして大変だったと思うが「粘り強い」ご性格で見事にこなしてくれました。
・ しかしI主事は朝が早い。本当に早い。6時45分には席についておられる。私が7時15分から20分だが、その時には席について仕事をされている。理由を聞いても「もう癖です。」としか返って来ない。頑張りやさんだ。
3.額装」を壁掛け
 ・昨日頂いた「浪速生活綱領の書と額装」をどこにかけるか一晩考え、理事長室や特別会議室ではなくて、「生徒の目にも留まる理事長室を出た廊下の白壁」に掲げることにした。
・ 校務員さんが二人がかりで苦労して1時間もかかった。それほど大きくて重たい。かけて眺めてみるとますます「字が冴えて」見える。本当に有り難いものを頂いた。
・ 寄贈していただいたお方のお名前はもはや公人に近いと考えてここで明かそう。「前田芳陽先生、清墨書院会長で泉大津市にお住まいと教室」がある。本校に通学している中学生の祖母に当たり、神社神道系の学校へのご理解が極めて深く、学校の応援者のお一人だ。年明け8日の新春拝賀始業式にご招待申し上げた。
4.部屋の大掃除と片付け
 ・1年の資料整理をする。「資料が乱舞した1年」であったからあちこちに資料だらけだ。パソコンで資料を作って、作って作りまくった1年だったから、時系列的に資料を整理するのが大変だった。一日単位で資料の字句が変わっていくこともあるから、同じようなものがいくつもある。
・ 事務長や事務長補佐が作った資料も多い。「まあこんなに資料を作らせて」くらいに内心思っているのではないか。
・ 入試広報の資料も多い。でも全てが初めてみる資料で「面白かった。」統計データの議論がなされ大変良かった。しかし自然科学の世界と違って幾ら統計データを見ても「最後は受験生と保護者の気分で決まる」のだからとにかく「読みが難しい」のだ。
5.校長メッセージとブログ
 ・本日アップする分で本年は終わり。「ブログ校長日記」は幾分無責任な、まさに覚え書き、留め書き程度のものであるが、「理事長・校長メッセージ」はそうもいかない。公約とかマニフェストとか、論考とか結構、力を入れて書いているものだ。
・ ところがアクセス数は圧倒的に「校長日記」が多く、「比叡山」「細木数子論」、最近では「安土城、是非に及ばず」などの反響が多いが、すべて教育と離れたものだ。もっと教育に関するものに関心を持って欲しいと思っているが・・・。
・ 本日年末の挨拶に来られた某旅行会社の支店長は大手新聞などの教育に関する記事に私が鋭く論評しているのが面白いと言ってくれた。「ああ、読んでくれているのだ。」と思った。
・ 特に理事長・校長公式メッセージは「教育論」を語っており、お時間があれば是非お目を通して頂ければ有り難い。本日、本年最後の教育改革実践論その五「校長の職務命令と校長メッセージ」をアップしている。
    論考その1:「教育改革という言葉」
    論考その2:「学校内規と校長の責務」
    論考その3:「学校現場の歌・旗問題」
    論考その4:「公立学校から私立学校へ」
    論考その5:「校長の職務命令と校長メッセージ」 本日アップ
・「シリーズとして論考」しており、今後もまとめて行きたい。これを読めば今日の教育現場の実態が、浅学菲才の視点ではあるが、「読んでいただく方にお分かりいただけるように」、一生懸命まとめているつもりだ。世の一般の人々が「学校と言うものの実像理解」のためになればと思い書いている。勿論「独断と偏見」だという意見もあろう。それはそれで良いのであって、その意見の違いから真摯な議論が生まれる。論考その1においても強調しているが、「学校の塀の外から見るだけでは教育問題の本質には近づけない」と考える。「学校の中に入り、教育の現場で実践中の一人の人間」が、努力して著述しているものをお読みくだされば誠に有り難いと存じます。
6.年末ご挨拶
・それでは、本年、6月1日から始まった理事長・校長「木村智彦の言葉」をお読みいただいた皆様へ、「本年のご理解とご支援に感謝申し上げ、来年も皆様にとって良いお年でありますことを本校“学院神社”にお祈り申し上げ、年末のご挨拶と致します。」

2007年12月25日火曜日

12月25日(火)業務留め書き

.「冬期講習」始まる
・ 高校も中学も学校授業は終わったが、学校は今日から28日まで「講習」だ。生徒も頑張るが、教員も頑張ってくれている。「有難う、先生方」。
・ 講習のないところは「クラブ合宿」で、担当する教員も忙しそうだ。スポーツの盛んな学校ゆえ、教員も休む間もないが、これまたご苦労様だ。サッカーなどは1月3日に「初蹴り」とか言ってOBを含めて200~300人も学校に来るそうだ。保護者が差し入れで「豚汁」を作るから「新築なった家庭科調理室を貸せ」ときた。勿論だとも。
2.「新校歌」完成間じか
・ 念願だった新校歌が出来つつある。「第一校歌」「第二校歌」と二つのタイプを用意している。一つは重厚な従来からある典型的なスタイルのもので「藤本義一先生作詞」の素晴らしいものだ。
・ もう一つはこれまた本校OBの西浦達雄氏が作詞作曲した「今日的」なものだ。世の中のいわゆるアーチストといわれるような人が好む感じだ。場所と機会を考えて選択すれば良いし、両方使っても良い。
・ 初見せは3月1日の「卒業式」である。今から楽しみだ。「男女共学にして最初に出す卒業生」である。大いに盛り上げて行きたい。
3.負傷中の先生 入る
 ・学校の運動指導中に誤って生徒と衝突し肋骨を骨折した体育科の先生がわざわざ年末の挨拶に入る。驚いた。家で寝とけば良いのに「学校が大好きな先生」だからこのようにして来る。この先生は37年間一日も休んだことのない「鉄人みたいな先生」で寝ることは苦痛だというが、胸をバンドでぐるぐるに固定され痛そうにしゃべるのを見ていると、こちらまで痛くなってくる。家に追い返した。
4.保護者 入る
・ 先に「学院神社拝詞の書と表装の贈呈」があったが、今回もまた、「浪速生活の綱領」を書にして今度は「額装」にしてプレゼントして頂いた。大きさも最大の額で縁は「古代朱」で「浪速カラー」を選択してくれている。先のは万葉かなでしたが今度は行書体の漢字が躍動する立派なものです。本当に感謝致します。「未来永劫大切にして校内の壁を飾る」ことになります。
5.保護者からお電話
6.入試広報室 
・ 年も押し迫ったが、まだ忙しく情報が飛びかっている。大変だ。本当によくやってくれている。29日まで電話があるそうだ。
7. 府庁生活文化部私学課へ年末ご挨拶

2007年12月24日月曜日

12月24日(月)「是非に及ばず」

1.「是非に及ばず
・「是非に及ばず」この言葉に惹かれています。「自分の人生観」と言ってもよいくらいです。何時も頭にあります。この言葉は信長が1582年6月2日未明、京は本能寺にて明智光秀の謀反にあい、49歳を一期として自刃した時に発したものと謂われています。「是非に及ばず」、私はこの言葉に「信長の生き様と覚悟」みたいなものが、凝縮されているような気がするのです。
・ 頼朝に始まった武家政治も鎌倉、室町と続き、制度疲労の中で、遂に100年に及ぶ戦国乱世の時代は遂に尾張の地に生まれた、この一代の革命家によって「天下布武」の号令のもと、まさに終結しようとしたその矢先、「天下統一の最終章で倒れた信長」が発したこの言葉が「是非に及ばず」でこの言葉にどうしようもなく私は惹かれます。
・ 革新、革命、改革の過程では様々なことがあります。あって当然で、だから改革なのだと思います。100人が100人賛成とか、すべての人が理解しているとか、そういう前提で物事を見ると間違いますね。組織の中で従うすべての構成員や周辺からただ傍観しているものの中には「改革そのものの意義を理解できない」「全体最適と部分最適の違いが分からない」「まず個人の利害得失を優先して考える」「組織目的よりも個人勘定と感情が第一」「個人を責め、状況を責めない」輩は信長の時代も今の時代も同じようにいますよ。信長はまったくそのようなことは無視して進めたから「近世日本に一歩進めることが出来た」のだと思いますよ。時の常識人には「叡山焼き討ち」は神をも恐れぬ所業であったと思いますが、信長には別の意識があったのでしょうね。信長には従来の価値観とか慣わしとかまったく関係なかった。
・ 美濃の浪々中の身から織田政権幕閣の中で筆頭にまで引き上げてきた、光秀の軍勢をを本能寺に見た信長は「是非に及ばず」と散っていったのです。単に「潔い」ということだけではこの言葉は説明できません。光秀ともあろうものが結局「この程度の男であったかという嘲笑?」、加えて私は「俺はやるだけやった、後は光秀、秀吉、勝家、お前ら、出来るなら好きにやってみろ。」という気持ちもあったかも知れない。
・ 平成18年3月23日、私自身も「是非に及ばず」と考え、戦っていた(改革)戦線から身を引きました。幾分無念さはありましたが、結局、静かに何も語らず、「是非に及ばず」と自分なりに結論つけたのです。
私が信長が無性に好きなのは既存価値観を破壊し、新たな秩序を極めてスピーディに構築していく革命家だからのみではなくて、この一見、「さわやかさ」が残る「是非に及ばず」の言葉があるからです。
2.信長の館
 ・ 年内最後の休日、特段やることもなく、思い立って「安土城跡」を訪ねることにしました。8時30分発の新快速で近江八幡まで行き、車を飛ばします。9時30分には到着。運転手さんのアドバイスでまず「信長の館」を見て「県立安土城考古博物館」に脚を運びます。その後ぶらぶら歩いて「安土城址」に向かいました。
本能寺の変より3年前の1576年1月に、びわ湖畔安土山200メートルに我が国で最初の天守閣を有した5層7階の平山城の「安土城」は完成しました。詳しく記述することは不要なくらい有名なこの城は、キリスト宣教師が「ヨーロッパにもその例をみない壮大なもの」とまで称され、世界最初の木造高層建築(46M)で、その5階に宇宙空間を表す8角形、金箔はりで、それを模した「信長の館」で我々はそのイメージを十分実感できます。
・ しかしこの建物は築3年で灰燼に帰しました。本能寺の変後わずか12日で完全に消失しました。「天下統一の拠点」としてびわ湖畔に建設した豪壮華麗な天主や本丸御殿を山頂に頂き、秀吉や利家の屋敷が山腹から山ふもとにかけて林立する安土山の姿を見た人々は「新しい時代の到来」を思い知ったと思いますが、完成まもなく消えました。
・ たった3年で炎の中で消えていく、メラメラ燃えさかる天主を見た、同じ町の人々はどのように感じたでしょうか。誰が火をつけたか、諸説あるみたいですが私は「信長の意」がそこにあったような気がしてなりません。全くの私だけの新説ですが、「是非に及ばず」と時代から消えた信長はその象徴たる「安土城とともに消える」運命としたのかもしれないと思っています。
3.安土城跡
 ・焼け落ちた安土城は400年、茂る樹木や厚く堆積した土砂の中に埋もれ、樹間に垣間見る石垣や石段にその面影を見るしかなく、誰も顧みることはなかったみたいですが、「安土城址」の古い石柱の横には「大正15年内務省特別史跡」と彫ってありましたから、国はようやく大正末期になってようやく手を入れ始めたのだと思います。私は名所旧跡を訪ねると必ずその石碑の年代をチェックする癖がついています。
 ・さすがに滋賀県と安土町はまずいと思ったのか、財政的余裕が出来たのか、平成元年から発掘調査と史跡整備事業を20年計画で進めており、整備されつつあります。しかし本当に「石垣と石段しかない旧跡」ですね。本当に何もないのです。しかしそこが私は気に入っています。変な「ままごと的建物やからくりみたいな建物」は一切作らないほうが良い。「石垣と石段だけで十分」です。
 ・大手道に沿う秀吉や利家などの屋敷址も石垣と門の礎石が残っているだけです。専門家には戦国時代の侍屋敷の構成をしる大変興味ある対象らしいですが、私はそんなことよりも、あー、ここで秀吉が寧々に「オッカー、飯だぎゃ」と言ったのかと想像しながら、にんまりするのです。
 ・遠藤周作がその小説「男の一生」で安土城の城壁に関して「その残った石垣の焼けた址」の表現に作家らしい素晴らしい文章を残していますが、私も本丸近くの黒ずみ、苔むした、まさに焼けた後が判る巨石に手を添え、なでながら、この石も400年前に炎に洗われたのかと思えば、「不思議な情感」が湧いて参りました。
 ・遂に5層7階の幻の天主址に立ちました。ふもとから40分間ですよ。感激です。琵琶湖が眼前にひらけ、遠くの対岸が見え、比叡山が望めます。400年前織田信長はこの地にたって同じように遠く京を眺めたのは間違いありません。私は今「信長と同じ位置で同じ場所で琵琶湖を見ているのです。」「標高200メートルの山頂から更に最上階の部屋から琵琶湖越し見る京方面を見て信長は何を思い、考えをめぐらせたのでしょうか。
4.安土城下
 ・交通の要衝、安土の町に天主を構え、家臣団を呼び集め、大いに賑わったであろう安土の市街地はどのようなものなのかを感じるために城跡からJR安土駅まで歩きました。昔の信長の始めた「楽市楽座」の址など、当然のことながら、どこにもなく、かすかに、信長が土地を与え、カトリックの神学校「セミナリオ」の石碑がありました。この場所から城のある山はよく見えます。説明書きに信長はよくマントを着てセミナリオに来たと書いてありました。外国人に開放する、この信長の解放性は素晴らしいと思いませんか。鉄砲を作り、鉄の船を作り、外国語大学を作り、千利休をして茶道を高めるなど400年前ですよ。すごい。
 ・彦根に城普請してから、彦根城が中心となり、「安土城は廃城」となりました。石なども一部は彦根に移されたといいます。その後平成まで誰も振り向くことのなかった安土の町なのでしょう。道路は狭く、何か活気も感じられない状況でした。叡山焼き討ちの影響を受けた坂本の町と同じく安土城炎上でこの安土の町も時代に取り残されていったのでしょうか。「悲しい運命」を感じます。
5.お土産は例によって地酒、本醸造「信長の夢」とにごり酒「安土城 信長」の2本を買い、帰路に。15時過ぎ天王寺に到着。恐らくもう行く機会はないと思いますが「今回、行って良かった」と思っています。「是非に及ばず」。安土の城跡を見てますます信長が好きになりました。

2007年12月23日日曜日

12月23日(日)あれから1年

 「あれから1年、ちょうどあれから1年である。」私にとってまさに忘れられない1年だった。しかし考えてみると何時も同じようなことを言っている。何時もそのように思うのだから仕方がないのだが、必ず次に与えられた「別の機会」が私にそのように思わせるくらい、私の人生は何時も山あり谷ありの「波瀾万丈」「波乱万丈」だ。一つの舞台が終われば又荷物をまとめて次の巡業地へと出発する「旅回り一人一座の座長」ではないかと思うこともある。脚本、主演、監督すべてをこなす「一人芝居」だ。昔は「住金の小沢一郎」といわれ、人は「改革が歩く」と言い、「豪腕民間人校長」とあることないこと言われ、とにかく様々に言われて来たが「浪速舞台の1年間のロングラン公演」は後世の評価を待つしかない。今の自分を規定した昨年の「丁度、今」を記録に残しておかねばならない。
1.昨年12月22日
・ 平成18年11月中旬くらいから具体的な話となってきた「浪速行き」は本格的に意を決しなければならない時期が来ていた。本当は19年4月からの着任でもと考えていたが、「周囲の事情」がそれを許さなくなっていた。話し合いの相手は「M理事長職務代理」だけであり、窓口は一本にしておかないと「外野の声」が入ったりしてややこしくなる。打ち合わせの場所は何時も「大阪天満宮の宮司応接室」であった。「極秘裏」に話は進んでいたのである。
・ そして昨年の12月22日、丁度1年前の昨22日の夕方17時過ぎ、私は心斎橋筋船場近くの喫茶店で一本の電話を待っていた。予定より遅れたがM理事長職代理から連絡があり、「先ほど理事会で先生の理事長招聘と来年4月からの校長就任が機関決定されましたが、お受け頂けますか?」という内容である。一旦電話は切られ、再度電話で「今から神社庁会館に来て頂きたい。」というもので、居並ぶ理事に初めて顔を見せご挨拶をした。喫茶店から神社庁までは歩いて10分、寒い日であったことを覚えている。
・ 理事会は11名の全理事のうち、実質的なオーナー的ポジションである大阪府神社庁庁長であるT理事を除いて「全員が退任」、総てを「木村新理事長に今後を委ねる」というもので、そこに今回の理事会の強い意志を感じられ、身の引き締まる思いがしたものだ。この時の「使命感と責任感」は今に続く。
・ 遡ること4日前12月18日、私は大阪府の有名な大手学校法人の、これまた日本政治界では有名な理事長の執務室にアポを取って据わっていた。「私みたいな浅学菲才の身にお声をかけていただいていた折角のお話ですが、他に義理あってお断りせざるを得なくなり、本日はお詫びに参りました。」ここでどのような会話がなされたかはまだ明らかには出来ない。言ってみれば「就職内定」を戴いていたにも関わらず、それを断りに来たのだ。
・ 理事長室を辞した後、その脚で直ぐタクシーを拾い大阪府庁に向かった。「友人関係、個人としての立場」から、間に立って「有力私学の校長職」を繋いでくれた恩人とも言えるお方である。私が到着する前に、先ほどの理事長から既に電話があったみたいで事情は察していただいており、「心苦しい面談」であったが、このお方も理事長も「気持ちよく申し出を受け止めてくれ、激励」をしていただいた。これで「退路を断った」「もはや先に進むしかない」と11月中旬から続くクライマックスシリーズは12月22日の、この日山場を迎えることになったのである。
2.昨年12月23日の今日
 ・この日、昨日の理事長就任を受けて、夕方17時大阪天満宮宮司室で「初めて校長先生とお会いした」。同席は他に理事長職務代理との3人であった。校長先生はどのようなお方か全く存じ上げていなかったが、「正式にご挨拶」した。大阪天満宮宮司から4人で今から「初顔合わせの食事」でも、というお話であったが、気分はそういう感じではなかった。
・ 結局、私と校長先生と二人が「そこらで一杯飲みましょうか」ということになり、二人は御堂筋線で天王寺に向かい一軒の居酒屋に入ることになる。話は弾み、看板で最後のオーダーを取りに来る22時過ぎまで飲んでいたことになる。でも校長先生の心中は察して余りあると思ったが、自分としてはどうしようもないことであった。「組織は非情が当たり前」で、「組織の意思で決定された」ことなのである。校長理事を含む全理事が「経営責任」を取ったと私は受け止めている。
・ 「校長先生のご対応はご立派」であった。この席で二人の間で何が語られたかはもうどうでも良いことである。墓場まで持っていかねばならないことは「男の人生」には、ままあることだ。ただ校長先生が何回も「新理事長(予定者)に会わせてくれ」と理事会に頼んだということは聞いてはいたが、結局叶わず、正式に理事長に就任したからということで、この日初めてお会いすることになったのである。
・ 私にとっては3時間程度の初めての出会いであったが、この校長先生は「改革マインド」は有していると見抜いた。一つの意見をお持ちの教育者である。これさえあれば残り3ヶ月は上手くやっていけると自信を持ったのである。改革マインドがあろうがなかろうが「抵抗勢力は総てを蹴散らせて進まなければならない」ことは「浪速行きを決意したときから覚悟」していたが、この校長先生との会談で、比較的気が楽に進めることができると安心したものだ。仮に「校長グループ」というものがあり、これらが組合分会と組んだりして新理事長に対抗してきたら「ややこしいな」と一抹の不安もあったのである。
・ いずれにしても3月31日までは理事長と現校長との二人三脚で行かねばならない。面白い話がある。飲みながら校長先生に「早速教職員に理事長就任挨拶」したいので、その場を作って欲しいと頼んでみたが「先生、もう終業式も終わって、部活動の先生以外、誰も学校に来ませんよ」と。「そんな、仕事納めは何時ですか?最後の職員会議は何時ですか、普通は28日頃までは仕事でしょう」と問うも、終業式の後は「基本的に教職員は休みで今度全員が揃うのは始業式です」と。「えー、そんな」と私。この話を聞いて、瞬間「噂とおり緩い学校だな。」と思いましたね。
・ 従って「着任日が結局年明けの1月9日」になったのです。しかし、まさか管理職に対して1月9日に一般の教職員と同時に「挨拶を交わす」ような不恰好な真似は出来ないので、「管理職には1月6日学校に来る」ように「初めて理事長として指示」し、この日学校で全管理職に初めてお会いしました。このときの様子は良く覚えていますが書くのは省略します。大体理事長・校長の就任が決まったわけですから、直ぐに全員打ち揃って「就任挨拶を受ける」という常識など学校にはないのです。もっともそのお蔭で着任日までじっくりと勉強出来ましたがね。
・ 後日、聞いたことですが当然「誰が理事長・校長兼務で来るのか」は全浪速教職員の最大の関心事で、校長交代もすでに噂として流れていたというのです。秘密を保持するというのはものすごく難しいことなのですね。でも「誰が来るか」は誰も予想できなかったみたいです。12月22日の理事会のあと、校長先生は喫茶店で待ち構える管理職に電話しておそらく「あの木村だ。」と言われたと後日おっしゃっていました。
・ これで一挙に私の名前が飛び回ることになる。しかし私は当然この事態を想定しており、事前に事務長先生を呼び出し、「木村の理事長就任あいさつ文と論文」を封筒に入れて休み明け24日に全教職員の机の上に配布するよう頼んでいました。噂で聞くよりも学校に着たら机の上に私の挨拶状があるという段取りです。
・ 就任挨拶が年内に出来ないなら文書でするしか方法がなかったのです。その時配布した「あいさつ文」は以下のものです。今読み返してみても当時の「緊張感と使命感」が伝わってきて感無量になりますね。このようにして1年前の12月22日と23日は過ぎていったのです。「あれから1年」丁度1年経ちました。今日は平成19年12月23日です。

                             平成18年12月23日
教職員の皆様
就 任 ご 挨 拶
                              学校法人 大阪国学院
                               理事長 木村 智彦
拝啓

心せわしい年の暮れ、浪速中学校高等学校の教職員の皆様にはますます御健勝のこととお喜び申し上げます。

さて平成18年12月22日の(学)大阪国学院理事会において理事長に推挙され同日就任いたしました木村智彦と申します。また明年4月1日からは中学校高等学校長の兼務も併せて委嘱されています。どうか宜しくお願い致します。
大阪の別称「浪速」を冠に戴くこの伝統校に勤務できることを大変名誉と考えており、理事長として責任の重大さに身の引き締まる思いであります。私学を取り巻く厳しい環境の中、頑張っておられる先生方と一緒に仕事ができることを大変楽しみに致しております。浅学菲才の身ではありますが、全身全霊で本学院本校発展の為に努力する所存であり、どうかご協力をお願い申し上げます。

学校は年末を迎え公私ともにお忙しいと思い、まず本文にて就任のご挨拶をさせて頂きます。着任は明年1月6日ということになっており、教職員の皆様には1月9日に直接ご挨拶できるようお願い致しております。その席では資料を使いながら本法人の現状について理事長として少し述べさせて頂きます。何分にも急なお話であり、十分に理解できていないところがあるかも知れませんが、その部分はご容赦くださるようお願い申し上げます。
 
皆様方にとりまして来年もまた良いお年であることを祈念申し上げ、取り急ぎ就任のご挨拶とさせて頂きます。
敬具
追伸:
  尚同封のものは私の経歴などをご理解頂くためのほんの一部分ではありますが、プライベートに用意した資料であります。部数の関係から専任教員の先生方だけに限っておりますが、もし年末年始、お休みの時に、お時間でもあればお目を通して頂ければ有難く、お願い申し上げます。

2007年12月22日土曜日

12月22日(土)終業式

1.終業式
 ・ 朝から雨で結局体育館での終業式は「大当たり」、今までは雨が降った場合、各教室に生徒は散らばり、「顔の見えない状態」で校長はマイクに向かってしゃべっていたが、この方が何倍も良い。
 ・ 神社の代わりに舞台中央に国旗を掲げ、これを介してお参りすることを「遥拝」するとM教諭は説明していたが生徒には難しいかったかもしれない。しかし全校生徒が閉じられた空間の体育館で「拍手」を打つ音は、それが「こだま」して良いものだ。トライして良かった。しかし課題も多そうだ。
 ・ 「体育館で行う初めての終業式」であったが、見事なくらい段取りが良かった。少し集合に時間がかかったが入口が一つにつき徐々に入れないと混雑し、又靴などもビニールに入れる時間を考えるとこのようなものか。慣れれば時間も縮まる。
 ・ 「校長式辞」ではフロア床に座ってもらったが、それでもまだスペースがある。後4クラスはいけると観察していた教頭は言う。いずれにしても担当のM教諭、S教諭の事前設計が良かった。「これで雨が降ろうが風が吹こうが何時でも体育館で全校生徒を集められることが分かった。」やってみないと分からないものだ。どうして今までこのような発想を誰も持たなかったのだろう。本当に不思議だ。誰も本気で学校や生徒のことを考えていたのか、という声も聞こえる。
 ・1500名は入らないという者も居たが、それ見ろ、十分入ったではないか。熱中症の事件以来、私は「体育館の活用」を何時も考えていた。例えば2月の寒風の中で外で生徒を立たせたまま、朝礼などすることが本当に良い事なのか、考えていたのである。
 ・ 生徒には「校長の思い」を伝えた。静かに聴いていてくれた。その後ホームルームがあり三々五々生徒は自宅に向かっているが、この雨の中部活動着に着替えて練習をし始める者もいる。「生徒はどの顔も良い顔だ。休みに入って本当に嬉しいのだろうな。」
2.本年最後の職員会議
 ・ 全教職員に「慰労とお礼」の言葉だ。それ以外に言うことはない。本当に本年1年の成果はすべてこれらの教職員の理解と協力の賜物であり、結局、利を得たものは先生方と私は述べた。
 ・ 来年も全員が一致協力して頑張って行こう、久しぶりの休みである。この年末年始ゆっくりと英気を養って欲しいとも述べた。
・ 人事発表  来年1月1日付けで英語科T常勤講師を専任教諭として採用
3.成績会議
 ・ 職員会議後成績会議を持ち来年度の「転科転コースと中学校からの高校進学科・コース分け」について担当の1学年主任と中学教頭から説明があり全員で確認した。
・ このように本校では1年生から2年生になる2学期末にそれまでの成績を判定し、生徒の希望を優先させながら「2年次のクラス分け」を決めていく。
4.各学年別保護者懇談
 ・ 成績が今一つ遅れている生徒の保護者に来てもらって懇談会だ。私立の面倒見の良さの例か。
 ・ 校長も特別に3組の生徒の保護者と懇談会だ。成績表を片手にじっくりと生徒と保護者にお話をする。初めての経験である。
5.学院神社お参り
 ・ これで「本年の公式行事はすべて終了」。「本年のお礼と来年の学校の益々の隆盛、全校生徒、教職員の健康、安全を祈願」し、学校を後にする。
・公式メッセージをアップしたと担当から。

2007年12月21日金曜日

12月21日(金)業務留め書き

1.明日の終業式の場所変更
・ 朝の管理職朝会で翌日に控えた終業式の場所をどうするか議論になった。年明け8日の「新春拝賀始業式」をどこで行うか、雨天の場合、来客もあることだし、一度明日の「終業式を体育館」にて実施し様子を見るかとなった。
・ 今までの行事はすべて「学院神社前の中庭」であったが、(4月まではグラウンド使用)全校生徒となると、集合に要する時間、非常時の通路、等々確認する必要もあり明日は「試行」となった。午後の運営委員会でオーソライズし段取りを確認。
2.大阪府私学課から耐震補強工事の問い合わせ
・ 「学校施設の耐震補強」については国からは高機能化国庫補助金、府からは教育振興補助金の」名目で既存設備の耐震補強工事のみが対象とされていたが、今般「施設の建て替え」においても補助対象として考えていることが検討されているらしい。
・ その関係で府から各私立学校に調査、問い合わせが来た。フォローの風が吹き始めてきたかな。
3.本日の新聞朝刊各紙の教育関係から
 ・本日の新聞各紙は扱いはそれほど大きくはないが、「教育費の公私間の差異」について報じている。20日文部科学省は「子どもの学習費調査」を発表した。
・ 「面白いくらい意味のないデータの発表」で私立の教育費が公立にくらべてどうだなどと報じているが我々の立場は国庫負担を増やして貰って「私学助成金を増額」していただき、「公私間の差を縮めて頂きたい」と思うばかりだ。
・ 幼稚園を除き私立に通わせている保護者には所得の高い層が多く、年収1200万円以上が何%とか報じているが、本当にそうかなという感じだ。私学の保護者はそのような家庭ばかりではない。
4.14時 校務運営委員会
 ・本年1年を総括し運営委員会のメンバーの先生に心から「感謝の言葉」を申し上げた。
  ベテランで経験を積み、これらの先生がいなかったら今、高校入試で外部に椅子を借りなければならないくらいの受験生殺到の「人気の浪速」にはなっていないだろう。
 ・「浪速改革の成功」はまだ分からないが、もし後世検証されるなら間違いなく平成19年の校務運営委員会のメンバーの力も大きいと私は評価する。「有難う、運営委員の先生方、来年も元気で頑張っていこう」。
 ・特待生制度の仕組み一部見直し討議
 ・過日の女生徒向け講演会の総括が生指部長からなされる。
5.明日は終業式、今年の公式行事は終了する。雨が降っても降らなくとも良い。明日は体育館で終業式をやってみる。「新しいことは面白い。」「何が起きるか、分からないことが面白い。」
6.不確実性の時代
 ・機嫌よく帰宅するとポストに「某教員からのお届け品預かり票」が入っている。時候柄「お歳暮の類」だろう。夏のお中元の時も1件あった。洋服を脱ぐ前、ネクタイを外さないままですぐ、宅配業者に「受け取り辞退」を電話した。恐らく声が大きかったと思う。ブログに書くか書かないか悩んだが書くことにした。
 ・あれほど「このようなことはするな。学校の教職員間、保護者から、旅行業者から、アルバム製作業者から、制服業者から教科書副教材業者から等等一切の利害関係ある関係筋からの贈答は厳禁すると着任以来言明してきても、これだ。全く情けない。
 ・理事長、校長を「なめているのか!」と言いたい。同じ組織内で給料の少ないものが高い人間に贈答などする必要など全くない。もはやそういう時代ではない。恐らく悪気はなく、お世話になっているという気持ちからで、品物も常識的なものだろうから(今回は何か知らないが)、「そんなに目くじら立てなくとも」と思っているとしたら、大間違いだ。
 ・こういうのを「極めて民度が低い」という。恥ずかしくないか。上司が部下を飲食にオープンに誘い、労をねぎらう、激励する、先輩が後輩を飲みに誘い、少ない小遣いの中から「奢って上げて」先輩風を吹かす、というのがぎりぎりの「美しい日本文化」だ。病気、火事のお見舞いのお返し、新築祝いのお返し、年に2回結婚の仲人に季節のご挨拶に出向く、それ位まででないのか。最近では「お見舞いも辞退」と変わりつつある。組織内で何の関係もないのに「品物を部下から上司に贈る意味はどこにあるのか?」「無駄なお金は使うな。家族のためにこそ使え」
 ・指導や配慮に対しての返礼の気持ちは「仕事で返せ」といいたい。贈った人に言う。「気持ちは受け取った。有難う。しかし受け取れない。二度とこのようなことはしてはいけないよ。」本当に世話になった、面倒をかけた、ご馳走になったと思っているなら、何時か私がこの世にGood Byしたと人の噂で聞いた時に「ちょっと高級な線香を一束で良いから関東の家に送って、安物では駄目だぞ。」それで良いから。「えー!?何か寅さんぽっくて、気障だって。」

2007年12月20日木曜日

12月20日(木)師走、先生走る

  何か慌しい。先生方が走り回っている感じだ。これぞ「師走」か。
1.神道科M教諭 入る
・ 年明け8日の「新春拝賀始業式」の詳細時程打ち合わせ
・ 生徒に配る「絵馬」と校長からの「お年玉」についての配布の段取り調整
2.センター試験対策直前特別対策講座
・ 最終調整 12月29日から31日まで 1月4日から1月6日まで特別講習
・ 有り難いことです。ぎりぎりまで講習をしてくれる「先生方に頭が下がります」。
3.ホームページ担当 呼び込む
 ・一部不具合の部分について手直し依頼
4.11時 某大手進学塾 鶴橋
 ・ 入試広報室長、副室長と共に出かける。総勢35名の各教室の先生方の前で「浪速は変わる。浪速で変える。」をお話させて頂いた。
・ 資料は校長ブログ「5日の特待生」、「6日の中学校入試説明会」、「18日の受験シーズン到来」、「19日その1の浪速中学校は燃えている」「19日その2の浪速中学校国語指導」だ。これほど「格好のプレゼンテーション資料」はない。正直に包み隠さず、思いはお伝え出来たと思う。
・中学校の先生方、「もう塾に「視写」のこと、言っちゃいましたからね。」やらないと「詐欺」になりますよ。
・ 通いなれた道沿いにある昔使ったことのあるレストランで昼食を済ませ学校へ戻る。
5.アメフト顧問 入る
 ・お正月3日NHK生中継で「ライスボール(アメフト日本選手権)」が行われるがこの試合に2名の本校卒業生が出ると言う。「浪高の名前が全国に流れる」と報告に来てくれた。
・ 平成12年卒業の飯田貴裕選手、浪高から龍谷、そこでもキャプテン、松下電工に進み、MVPなど全日本の選手。もう一人は平成16年卒業、中山直紀選手、関学商学部4年生、先ほど日本大学を破り、全日本学生チャンピオンの主力センター。両方とも今や全国的スターだ。
・ 報告に来るアメリカンフットボール部顧問O先生の「それは嬉しそうな顔」、こちらまで顔が緩む。教師、指導者冥利に尽きるのだろう。「私が教えました。」と。立派な先生だね。
6.特文コース長 入る
 ・ある課題を抱えている女生徒の件で今後の方針を確認
 ・11月に実施した「漢字検定」の結果が出る。総勢160名の生徒が受験し、各級別に合格者が出る。年2回のベースで実施の予定。
7.兵庫県の某大学大学院から速達便
 ・来年1月、「大学院での教育講義」依頼を受ける。
8.理事長室の資料置き棚の調査に「コクヨ」 入る
 ・集会室からの借り物で1年過ごしたがボツボツ返却しなければならない。その下調べに入室。寸法など取る。資料の整理が悪く、本当に困る。元々は几帳面な方だと思うが年を取るといい加減になってくる。
9.  某職員呼び込む
10. 某教諭呼び込む
11. 某教諭呼び込む
12. 進路指導部長 入る
 ・昨日、指導した「終業式に発行する浪速通信第5号」の見出しについて修正案を持参してきた。当たり前だろう。「ごちゃごちゃ書いている割にはピントが外れ、パンチが無いのだ。」
・ 今回のポイントは何と言っても「浪速!!初めて卒業させる女生徒の進学実績・・・突き抜けるくらい好調の様相」で行けと。「本当にセンスが無いのだから。」
13.緊急ミーティング
 ・副校長、担当教頭、情報・広報委員長と緊急ミーティング
14.入試広報室長 入れ替わり立ち代り 入る
15.テレビ取材撮影の申し込み
 ・フジテレビ「めざましテレビ」の「ガク・ナビ」コーナーに取り上げたいと要請来る。
 ・ 副校長に取材の狙いなど良く調べるように指示、「お笑い番組」なら「お断り」だ。                        

2007年12月19日水曜日

12月19日(水)その2:中学校国語指導

1.浪速中学校国語の新しい指導方針「視写」
・ 本校中学校生徒の国語力は先の全国調査でも、あるいは校内定期テストや外部模試の結果でも表れているのだが、漢字や語句などの基礎的・基本的な知識の習得、定着には一定の成績が出ている。しかし「活用する力即ち思考力、判断力、表現力」などについては全国の中学生と同じ傾向で今ひとつ課題があると考えている。根本は「読解力の不足」である。
・ この力をどのようにつけるか、中学校の国語科は議論を重ねたらしい。その結果が今日の報告だ。結論は「視写」をするという。最初に「視写」と聞かされたとき、「それは何?」と問い返した。「書き写し」のことを言うらしい。「知らなかったなー。」「恥ずかしいなー。」元々はN教諭から出てきた話らしい。
火木土の「朝学習(8:10から8:30の20分間)」に新聞朝刊の1面コラムを用いて原稿用紙のマスを使ってそのマスからはみ出さないように丁寧な字を書き続けるという方法らしい。これにより「良文」に触れ、「集中力」も養えるという。
・ 検討段階では「読書の時間」も話題になったというが単なる読書では目的が不明確になるし、「書くことこそ頭に入る」と結論が出たという。大賛成だ。最初は20分くらいでは書き切れないかもしれないが、これも「訓練」である。昔の人は「四書五経」「儒教」を書写して身につけたではないか。中学は人数も少ないし、「浪速寺子屋」で行け。そう思う。「寺子屋」だ。書きながら今思いついた。「寺子屋」だ。
・ 「素晴らしい話である。」中学校は立派だ。嬉しい。自分も早速「視写」を調べてみた。なんと「文科省の指導集:教師のためのワンポイントアドバイス集」に「視写」はある。視写の効果として集中力、字が上手くなる、文章表現の技法が身につく、表記のルールを覚える,暗誦や記憶に役立つと良いことばかりだ。
・ 更に加えて一日10分で根気、計画性、整理整頓、持続力、自己省察力と側面効果もあるらしい。国語科の教師は本当に良いことに気づいてくれた。
2.「聴写
 ・ところがだ。日本には立派な教師がいるねー。上には上がいるものだ。「視写」をやったベテラン教諭が「聴写」を勧めているのだ。視写は速い子と遅い子の個人差が大きすぎ、また指導しても機械的に書き写しがちになるという。
聴写は文字の保持能力が期待されるという。じっと集中して聴き、脳裡に残した音声を正確に文字で再現する、実に気骨の折れる脳細胞を総動員する作業だといい、中学生の場合、40字から60文字を一気に読み上げて文字化する訓練は素晴らしい効果があるという。
・ 勿論聞き取れない子もいるしさっき読んだばかりなのに頭の中が真っ白な子もいるが訓練で間違いなく力が付くという。
3.浪速中学校方式の開発へ
 ・他件で入ってきた、中学校N教諭に先ほど私がにわか勉強したばかりの「聴写」のことを鼻を膨らませて話したところ「ああ、聞き写し」ですかと簡単に言い放ちました。知っていたのです。考えてみれば、国語の先生ですから当たり前ですよね。「視写でも聴写でも良いから新しいことにトライして欲しい」。ここから又見えてくるものがある。
・ 折角ここまで中学校の意識レベルが上がっているのだ。何とか「国語教育の手法開発」を期待したい。「浪速中学校国語教育の成果」とか、「浪速寺子屋方式の奇跡」とか「本や雑誌」くらいに載せれるようになって欲しいね。出来るはずです。

12月19日(水)その1:中学校が燃えている

1.今、浪速中学校が燃えている!
・ ここ最近、「浪速中学校教員グループ」が燃えている。管理職からも報告を受けているが、自分自身の皮膚感覚で分かる。今浪速中学校が「ビッグバーンで燃えて」いるのは間違いない。今後更に更に燃えて欲しいと念願している。ただ燃え尽きないようには注意して欲しいがね・・・。
・ 正直言って、着任した本年1月当初は「非常に懸念ある状態」であった。「中学校と高等学校グループが完全に遮断」された状態で、お互いが理解しあうというには、ほど遠い状態であった。「教員面談」をしても雰囲気が全然違う。別に問題があったと言う積りはないのだが当時は、中学校に特定グループに属する教員が多かったり、又「ぶつぶつ、ぶつぶつ」口を開けば文句というか批判が先行する教員がいたり、朝、突如職員室に喫茶コーナーが出来たりする「特定の仲良しグループ」が歴然と存在したり、中学校全体が「嫌な梁山泊」の様相を示していたと私は受け留めた。
・ 元々「中学校基本問題」は大きく私の頭を悩ませており、熟慮に熟慮を重ね、「中学校に関する経営方針を確定」した後だけに「中学校をまず何とかしなければならない」。それも急がねばならない。4月を過ぎれば更に1年待たねばならない。4月校長を兼務することは分かっていたから、「まず人から」と半ば強引に人事施策を進めた。そのようにして完全に「中高の壁」を取り除いて行った。
・ まず管理職には柔軟な発想が出来、「調整派」の人材を当て嵌めた。こういう場面では「豪腕直球派」は必要ない。ねちねちの下手投げが良い。「又管理職は高校からですか?」などと批判している声があることは耳にしていたが、それなら問い返したいと思ったものだ。「じゃあ、中学の人材で年令、経験、人物等総合的に判断して適任者はいますか?」ということだ。居ない事は分かっていてそのような事をいうのだ。
・ まずベテランの教諭を「中学特別調整業務」として任命し、「辛い仕事を割り当てた。」もともと仕事の出来る男だ。枠外に置くのではなくて、校務運営委員会のメンバーとして学校意思決定の枠組みに参加させた。非常に大きな成果を上げてくれており、校長としては「感謝」している。
・ 次に26歳と本校で最も若い数学の常勤講師を自分の目で3ヶ月間じっくりと観察し、途中止めようと思うこともあったが、指導の過程で「これなら行けるだろう」と最終判断して「専任教諭」に正式採用した。最も来年3月までは「試用期間」だが,今立派にやってくれている。30年後の管理職候補の一人だ。もっとも誰でも候補には成れるが。若い時はとにかく勉強をすることだ。
・ 次に高校から国語の教諭を新1年生の担任に当て嵌めた。有名な進学校での勤務実績と教科指導力を期待してのことだ。高校2年生の担任でもあったし、内心は不満もあったと思うが、前向きに受けとめてくれた。「目玉人事」と考えている。今考えている「浪速版中高一貫教育」の立役者に成って欲しい。当初は高校流でやり、物議をかもすこともあったが、私はじっと見守った。
・ 更に期中であるが、10月の時点で英語の常勤講師を「専任教諭」に引き上げた。優秀であったが、常勤講師の身分で新1年生の担任というのは、この年「担任は基本的に正教諭から」と方針を決めていただけに、何時も「気になって」いたのである。期待に応えて見事な仕事ぶりだ。正教諭に昇格したと同時に「身も固めた」。「給料の増加に驚いた」というのが最近の口癖だ。正直な先生で好感が持てる。
・ 2年生の担任は一クラスだけでここには中学校教頭を3年間経験したベテラン教諭で、その前は高校教諭一筋の人を当て嵌めた。この先生は入試事務の経験があり、中学校受験や塾関係に造詣が深い。「優しい先生」だ。管理職経験もあり、一味違う教諭を期待している。
・ これらの担任を取り囲むように時にカミソリ的な冴えを示す中堅の「中学教務部長」、大阪アメフト界での「」でもあり、鷹揚にして迫らない感じの、中堅の「生指担当教諭」と絶妙なバランスと人材配置の中学にした。
・その結果が「今、燃えている」のだと思えば嬉しい。もう一度強調しておきたい。「個人最適を押さえ、全体最適に立たねばならない。」教員が「閉じこもりや、引きこもり」になってはならない。まず「文句を言う前に自分が組織にどれだけ貢献しているか考えよ。」「意見とわがままは違う」ことを認識せよ。「あれは好き、これは嫌いなどの個人的好みは組織には関係ない
2.バリュー感のある浪速中学校
 ・ 校長も中学校の入試説明会には全部出席し「校長の言葉」で学校を語った。これらは「じわじわと保護者や中学校に浸透」していき、クラス数は増えるかも知れないところまで来ている。
・ 中学校のこのような「燃えるメラメラ感は必ず外部に伝わっていくもの」だ。このブログでも書いてきたが今、浪速は「買われている。」若干株価は今までの付けで低く抑えられては来ているが、間違いなく「上昇株」として買われているのだ。「値上がり間違いなし」と思う。
・ 中学校入試説明会におけるあの保護者の参加者数の増大、教育雑誌が「関西私立中学界の注目校」、全国版の雑誌が「バリュー感のある学校」と書いてくれているではないか。すべて入試広報室と中学校教師団の大きな成果だ。「高く評価する。」しかし油断してはならない。
・ 浪速中学校の生徒を表現は悪いが浪速ミサイルの頭につける「核弾頭」として育てよ。さすれば一挙に浪速中学校は「難関中学」に格付けされる。今私は大手塾を回って情報を入手し、お願いし、新たな作戦を考えている。明日も鶴橋にある大手塾で全職員の前で「PRとお願い」だ。
3.新しいことをせよ
 ・ 中学校の先生方と会食しても面白い。「和気藹々」としているのだ。これだけで「チームワーク」が出来ているのが分かる。皆、前向きな発想を持てるのが良い。
「形は一応出来た。後は中身の充実だ」。何時も教員には「新しいことをせよ」と口やかましく言っている。「やり方を変えてみよ」さすれば「見えないものが見えてくる」。しかし教員にはこれが時に分からない。勿論全てではないが。
・ 例えばクラブ指導をしている教員は逆に「新しいことや、変わったことが好きだ。」それは恐らく従来と同じ手法やフォーメイションでは敵に読まれて負けるから、常に新しい作戦を考える癖が付いているのか。Y教諭、I教諭、M教諭、K教諭などは筆頭だ。進路のN教諭も一応は少人数高額費用クラブの顧問だから、新しいことが好きだ。次々と新しい企画をしてくれている。
・ 新がり屋で言えば情報のO教諭、これは当然で古いことなどやっていたら誰も情報など見向きもしなくなる。英語のT教諭もその部類に入るな。前述したK教諭はアイデアマンで本日も自ら企画し、府警鉄道警察隊の女性警官5名に来て貰い、女生徒に「電車内での痴漢撃退法」を講義して貰った。女生徒には大好評だったそうだ。この先生は「こうしたらどうでしょう」と具体案を持ってくることだ。これだけでも素晴らしい。「どうしましょうか」は頂けない。
・ さて中学の話に戻そう。先の全国小中学力調査で本校のレベルは把握できた。問題は今後どうするかである。「何を仕掛けるのか」ここが極めて重要だ。宿題を出していたが、本日その答えを教務部長が報告に来てくれた。特に問題となる国語の読解力向上のために何をするかである。この「仕掛け」という言葉を忘れてはならない。
                        ブログ12月19日その2に続く

2007年12月18日火曜日

12月18日(火)受験シーズン到来

 本格的入試及び受験シーズンが到来しつつある。学校では2学期の期末考査が終了し、成績会議などが行われる。成績不振者は保護者も呼び出しだ。3年生は年が明ければ本格的受験ムードになる。今はその前哨戦、相撲で言えば仕切りの時間である。受験生にとっては大変だが「みんなこの道を通ってきた。頑張るしかないよ。可哀想だが仕方がない。
1.受験シーズン到来
・ 期末試験が終わった。でも3年生にはさほど嬉しくはなさそうだ。遂に本校でも3年生の臨戦態勢がしかれる。25日からはセンター対応の徹底した最後の講習がベテラン教諭の手でなされる。あと1ヶ月でセンター、一般入試となる。ようやく3年生の顔つきが変わってきた。「遅いッちゅうねん。」
・ 私が住んでいる場所は天王寺駅近くで予備校も多く、時に生徒に出くわす。ほとんどの生徒が校長に気づいて「びっくりした顔」をする。この前などは後を付いて来てパンを買っているところを見られたりした。「先生、何してんね?」「見て分からんか?パン買ってるやん!」「フーン、校長先生もパン買うんや」「当たり前やろ。」
・ この前は前に勤務した学校の生徒二人に出くわす。通り過ぎた後、わざわざ戻ってきて「校長先生やないですか」「おー、こないなところで何してんのや」「1浪でECC予備校に通ってます。」「どこ狙ってんねん?」「関学です」「頑張れや!」「はい、今先生、浪速高校ですよね」よく知ってるなー。どこで知るんだろう。
・進路指導部長と3年生のO担任 入る。進路指導について報告・相談を受ける。特文も理数科に負けるな、と激を飛ばす。
2.12月15日の中学校最後の入試説明会の保護者アンケート結果 報告を受ける。
 ①「浪速中学校をどこで知りましたか」の問いに対して 40%が学校ホームページから、次に塾からが32%、知人からが14%、後は小さいのが並んで驚くことに新聞折込チラシからは何と“0%”である。全く前回の高校入試説明会の分析結果と同じ傾向。
 ② 「特記事項」を書いて貰ったうちで、主だった「感想」は以下のようなもの:(入試広報室まとめをそのまま記載)
・  子どもたちが楽しそうでした。
・ 最終の説明会でしたが、親子共々浪速中学校に共感しました。ぜひ、この学校で我が子を預かって頂けたらと思います。
・ 文武両道を大切になさる校風に憧れ貴校に入学させたいと思いお話を聞かせていただいております。校長先生の教育への熱意、生徒たちへの思いやりに感動しました。学校に入学できれば、素晴らしい6年間の学生生活を送れると大きな期待のできるお話でした。
・ 木村校長先生の挨拶の中での全国テストに関するお話。屋久島への体験学習旅行。食前食後の全員でのお言葉。
・ 木村校長の学校改革のお話が印象に残りました。本日はありがとうございました。
・ よろしくお願いします。受験を決めたのは今年の3月のことでした。怠けや学力の伸び悩み等ございましたが、何とか今日まで頑張って参りました。入試では本領発揮できますよう家族で協力しながら頑張りたいと思っています。合格いたしました暁にはそれまでの努力を忘れず感謝をもって学校生活を送れるよう、そして1年後には弟も実力をつけられるよう最善を尽くしたいです。
・ 学校の雰囲気がスライドでよくわかった。
・ 校長先生の講話に感銘を受け立派な教育に魅せられ、長男をこのような学校に通わせたいと思います。
・ スライドや校長先生の説明を聞き、ぜひ入学させたいと思いました。
・ 駸々堂テストもプレテストも一度も受けずに入試を迎えます。本人は浪速中学校の生徒になることをとっても望んでいますが、本当に心配でなりません。御校の行事に参加できることと、御校で勉強できることを祈るばかりです。
・ 受験者本人の父親の弟が浪速高校の出身者であるが、通学上の理由で2回のプレテストを受けていないのが心配。
・ 本年度の入試もかなり厳しいとは思いますが、体調を整え頑張りたいと思います。ありがとうございました。いろいろな行事があって楽しそうな学校だと思いました。
・ 貴校の教育方針には大きく感銘を受けました。娘をお任せするのが楽しみです。
・ ご丁寧な説明をありがとうございました。生徒さんの楽しげな学校生活がわかりました。
・ 7:50には生徒が登校しているということに驚きました。
・ 浪速中学のことが分かりました。浪速中学校に行ってみたくなりました。
・ 校長先生のお話で「基礎学力をつけて生きる力のベースにする」というところが印象に残りました。
・ 木村校長の改革の意思の強さが、話を拝聴して感じました。
3.公立校1万棟耐震化へと
 ・遂に政府が本腰を入れ始めてきた。「生活安心プロジェクト」の関係閣僚会議を開き、緊急対策を決め、今騒がれている食品の不正表示を監視する「Gメン」の新設や、公立小中学校約1万棟を5年間で改修することなどが08年の予算に盛り込まれる予定と17日の朝日が報じている。
・ 耐震化は「震度6強で倒壊・崩壊の危険性が高い」と診断されたすべての校舎・施設を対象としている。南海沖地震の可能性がある大阪南部に位置する本校も耐震強度の問題は経営として十分に頭の中にあり、そのうちこの問題への対応を明確にしなければなるまい。「私立学校だから誰も助けてはくれない。自らの力でやるしかないのだ。」

2007年12月17日月曜日

12月17日(月)常勤・非常勤講師・・その2

1.組合の立場
・ 当然労働組合の立場からは正規非正規、専任教員と常勤講師との格差についてその是正のための「労使交渉」を要求するのは当然であると受け止めている。もし本校においても改めて正式な文書での回答を求められたら、理事長として下記のような文言になるかなと思っている。
・仮定の話として   専任教諭と常勤講師との処遇差について(案
  標記の件につき下記回答申し上げますので宜しくご理解頂きますようお願い致します
                  記
① 組合の言われる専任教諭と常勤講師間の処遇格差につきましては主張される意味は理解できますが現時点ではご要望に沿える状況にはありません。この問題は広く社会全般の問題のひとつであり、国政レベルでも正規社員と非正規社員即ちパート労働者等との格差など大きな議論があり、NHKでも「ワーキングプア」問題として特集を組んだりしています。教育現場でも実態は正規教員、常勤講師、非常勤講師、嘱託勤務他色々とあるところであり、本校のみの固有の事態ではなく他の私立学校や、公立学校でも抱える課題の一つであると認識しています。
② 組合は良くSame Work, Same Payと言われますが、この 議論には大筋では理解できても留意しなければならない点があると考えます。即ち Same Work、Same Contents、Same Pay なら議論に乗れます。形は同じ仕事でも現実には中身や結果は異なるということです。ここを外して同じ仕事だから同じ処遇をという訳にはいかないと考えています。同じ中身ならまだしも形が同じだからという議論には乗りかねます。
③ 処遇分配の財源は同じであり、パイを膨らますことができれば成り立つ議論かも知れませんが、少子化の中では厳しい経営実態があり、現在の本校の体力ではパイの増大は不可能であり、やるならば現在の本校の専任教諭と常勤講師との人件費財源をプールしてそれを適切に分割することは可能でしょうが、その提案は専任教諭に受け入れられないと想像します。もし可能なら経営側としては検討する用意があります。
④ 元来専任教諭は言ってみれば「同じ船に乗る運命共同体的な結びつきが基盤」であり、もちろん「転身などは自由」ですが、原則、「終身雇用として労働契約」を結んでいると考えることも出来、「職業選択の自由度」は常勤講師ほど大きくはありません。それに常勤講師の方々も様々な形態があり、必ずしも専任化を望んではいないケースもあるし経験、能力に差があると考えております。
⑤ 申し上げたいことは厳然と専任教諭と常勤講師にはそのミッション、形、有様、将来など大きな違いがあるということです。そういう意味で同じ仕事をしているから同じ賃金をという訳には現時点ではいかないという考えにご理解を頂きたいと思います。常勤講師の時はじっくりと本校を観察頂き、自分の生涯の職場と判断する為の時間だという考えもあります。本校のカラーに合致しないままで専任化するとお互いに良い結果を生みだしません。経営側も常勤講師の方々の専門性、指導力、経験などじっくり見定める時間も必要だと考えています。
⑥ ここの議論で気をつけなければならないことは両者にまたがる「不公平感」が現場にあってはならないことです。専任教諭は完全な年功序列賃金体系であり、ベテランになればなるほどそれだけの仕事内容が期待されており、その見返りとしての年功賃金です。例えば常勤講師に担任を任せ、自分は担任から逃げてばかりいて、学校行事への参加意識が低く、持ち時間も少なく、服務規律も疑問があるような専任教諭がもしいるとすれば、常勤講師の先生方にとっては賃金格差もあり、不満が出てきて当然だと考えます。
⑦ 常勤講師の先生方は輝くような専任教諭の働き振りを見て「私もあのような教師になりたい」とお考えになると思います。専任教諭は常勤講師の模範たるべきを求められて当然だと考えます。常勤講師は大学卒業後の若い教師が多く、経験不足もある場合があり、そこを指導し支援するのが専任教諭だと考えています。その能力、経験、ロイヤリティなどの相当分が専任教諭に与えている処遇差だと考えることもできます。この点を考えれば即Same Work, Same Pay ということにはならないと考えます。
⑧ 今後教職員の処遇形態には様々な議論があろうと思いますが、「人材育成、能力評価、処遇反映システム」の検討もその一つだと考えています。公立学校ではすでに4年先行し、本年から具体的に処遇に反映されるようになりました。昇給、一時金に大きな差異が出てくることが現実のものになってきています。教員社会における Same Work, Same Pay の原則が完全に崩れました。
⑨ このように今ようやく学校社会でも年功序列賃金の体系が変わりつつあります。一般社会では当たり前のことです。分配のパイを個々人のアウトプットで配分する時代は今や世界共通のことです。学校社会もそれに近づいてきました。「コンテンツ」で配分する時代の到来です。そうなれば様々な形で常勤講師の先生方の頑張りに対する処遇反映がなされると考えます。
⑩ それまでの間は本校では「理事長特別賞与」として頑張る専任教諭や常勤講師には一時金で報いていくのも一つの考えです。もちろんそれは校長の恣意的な評価ではなくて「クラス経営能力」「分掌対応力」「教科指導力」「部活動指導力」「服務規律」「生徒生活指導力」等々を公正に判断して目覚しい実績をあげた教諭、常勤講師、時には非常勤講師にも実施しなければならないことは当然です。
⑪ いずれにいたしましてもこの課題につきましては誠意を持って今後とも対応してまいりたいと考えています。

  以上 経営側が現時点で考えている点を申し述べました。今後とも引き続いて議論していきたく、宜しくご理解とご協力をお願い致します。                            
                                    以上

12月17日(月)常勤・非常勤講師・・その1

1.教員増のニュースから
・ 12月7日のブログ「教員増」ですでにこの問題については言及しているのだが、15日の日経新聞は小さい記事であるが、「教員増を一部容認へ、 財務省:社会人・OBの採用も」とある。このOBに注目する必要がある。
・ 文科省が自民党の文教族の後押しで要求していた教員増7000人に対して抵抗していた財務省は約1000人程度の増員は認めるが、残りの6000人については社会人やOBを「非常勤」として採用する案を検討していると言うのだ。財務省は頭が良い集団で、中々上手い点をついたものだ。要は正規採用を絞ることで負担を軽減する狙いである。
2.非正規教員とは
・ 微妙な問題で何が「正規」で何が「非正規」なのか、明確に定義されたものがあるのかどうか知らないけれども、ここでは正規に採用された教員を「正規教員」、言い換えれば「専任教員」とし、これに対し、「常勤講師」、「非常勤講師」を非正規教員としておこう。
・ 言い方を変えれば正規職員とはその学校の定年一杯まで働くことを前提とした「週40時間拘束のフルタイム勤務」で「就業規則」の規制を受ける職業であるが、常勤講師とは基本的にフルタイム勤務で「デューティ」は正規職員と同じであるが、「1年契約の雇用契約」が基本となっているものである。非常勤講師も基本的には「雇用契約」であるがフルタイム勤務ではなくて「週間何時間の授業時間を受け持つかの時間契約」である。即ち授業のある時だけ来て授業が終われば帰れば良いのである。
・ 上記の記事でいけば文科省は専任教員を7000名要求したが、これに対して財布を握る財務省は専任1000名で他は常勤か、非常勤で賄おうというものだ。その人材を社会人や団塊世代教員の大量退職者を非常勤として雇おうというもので、死ぬまで教壇に立ちたいと考えている教員には、労働負荷も軽いし、歓迎すべき、嬉しいニュースではないか。
3.慎重になる採用業務
 ・ 公立学校、私立学校、勿論年令によって異なるが一般的に言えば専任教員、常勤講師、非常勤講師で「処遇に差」がある。良い、悪いとの議論ではなくて厳然とした給与の差があることは事実である。だから財務省はここに目をつけたのであろう。
・ この点を「教員社会の格差」と呼ぶ向きもあるが、これは仕組みであり、専任教員、常勤講師、非常勤講師と三つの選択を用意しているのであり、採用する側が一義的に決めているのではない。家庭の都合で拘束の多い専任や常勤講師は困るという人もいるのである。
・ 公私を問わず、専任教員を一人正規職員として採用することは社会的に極めて重要なことであり、「生涯の大半部分を占める定年までの30年から40年の雇用継続はその組織体にとってもご本人の人生にとっても極めて大切な一大事」であり、採用には慎重とならざるをえないことは世のあらゆる部分で共通する事項である。従って民間企業でも公務員でも採用作業には手間隙を惜しまない。即ち「良質な人材を確保」するために必死なのである。
・ 昨日NHKテレビでは最終回であったが「風林火山」の信玄は「人は石垣、人は城」と言ったというが、私立学校でも「学校にとって教員は石垣、教員は城」である。特に本校のように教員数が120名程度の比較的規模が小さい学校では尚更一人の教員に期待するというか「一人の教員の影響度合いが大きく」一人の専任教員の採用には慎重が上にも慎重となるのである。
・ 「お宅で働きたいので宜しくお願いします」「ああ、そうですか。それでは明日から宜しく願いします。」と言って簡単に65才まで雇用を継続するわけには行かないのである。この先生は本当に「本校の運命共同体」として共にやっていけるお人だろうか、当然見る目は厳しくなるのである。これは当たり前の話で特段学校現場だけの話ではない。
4.微妙な常勤講師という立場
 ・しかし厳然と上記職位の格差に関わる問題として学校社会独特の「常勤講師」という職位は極めて微妙であり、時に複雑な空気が職員室に流れることがある。専任教諭とまったく同じ仕事をし、時にはそれ以上に頑張っているのに、「待遇面で差があり」、何時になったら「専任教諭に引き上げて貰えるのか」不安定な身分の中で過ごす気持ちは十分に理解できる。
・ 基本的には「雇用者は正規職員に引き上げる努力」を行い、常勤講師の先生は「専任教諭として採用してもらえるべく努力」をするというのが、今日における模範的な解答であろう。しかし悩ましい問題であることは間違いない。
・ しかし私は本年度、すでに10月の時点で期中であるが一人の優秀な常勤講師を専任教諭に採用したし、来年にかけて鋭意検討中だ。少なくとも後数名は専任教諭を作りたいと考えている。常勤、非常勤の採用権限は副校長に権限委譲するが専任教諭採用は校長の専権事項としている。「誠意を持って今後とも対応」してまいりたい。

2007年12月15日土曜日

12月15日(土)中学校入試説明会

1.最後の中学校入試説明会
・ 肌寒い、本格的な冬らしい気候の中、「多くの保護者」に来て頂いた。通算5回目の行事だ。来校された保護者の数は昨年の倍という。「高校のそれと違って雰囲気は完全に異なる」。公立中学校を避けてわざわざ私立中学を選択しようとする理由は各ご家庭でそれぞれであろうが校長の話に聞き入るスタイルは真剣そのものである。
・ 中学、高校と又時期によって微妙にお話することは異なるが「面倒をみさせてもらう」「面倒見の良さが本校の特徴」と校長は声を高くする。「誠意の浪速」を前面に出して本日もお話をした。これだけは自信を持って言える。
・ 年が明けたら、すぐ「1月19日に第一次試験」が一斉に始まる。各学校で言い方は様々だがこれが「一次A選抜試験」、そして翌日の「1月20日に一次B選抜試験」となる。Bを翌日にしているのは、二つの学校の試験を受けてみたいと言う生徒の為と一次Aの自己採点で「ウーン」と感じた生徒が2番手の学校への手がかりを掴むための機会の提供である。
・勿論一次Aで募集定員一杯になれば言うことはないのだが、現実には学校によってはそうも行かないことがあり、受験生は第一志望、第二志望と色々と「自分の実力を考え受験先を考える」。本命は一旦決めて、勝負とばかり超難関にトライすることもあれば、なくなく二時志望先に変えることもあろう。
・ そして本校の場合、しばらく空いて「1月25日に二次選抜」がある。二次以降は各学校でタイミングは様々であり中には実施しないところもあるし、更に三次、四次と機会の多いところもある。風評では少子化の中で各私立中学校、「生徒の確保に躍起」のところがあると聞くが「浪速中学は浪速らしい採用」を粛々と進めるだけだ。
・ 最近中学校受験生の「保護者からお手紙」を頂いた。教育熱心なある府民のお方からである。差し支えない部分を記載してみる。
今年の夏に学校を訪問させて頂きました時にとてもご親切に案内して下さいましたK先生(これは私が修正)、その帰り娘は“K先生のような優しい先生がいる浪速に行きたい。」と申しました。とても誠実にあたたかいお気持ちで迎えて頂きましたK先生・・・・。」子供や保護者はちゃんと見ているのだと思いました。この先生は前にも卒業した生徒の保護者が他件で校長に会いに来られたとき「K先生、どうされていますか。息子が本当にお世話になりました。」と懐かしそうに話しておられた。間違いなく生徒や保護者には誠実な教師であり、この「誠実というのがポイント」だ。私もこの点は高く評価している。こういう話を聞くことが出来るのは校長冥利に尽きる。本当に嬉しい。「誠意の浪速」本校のキーワードだ。
・ これで本年の入試業務が終わったかというとそうではない。まだ入試広報室は「データのインプット」が続いており、正直他校の情報などを確認し、最終方針を固める必要がある。本日夕刻、入試広報室と校長は打ち合せを持って方向を確認した。
・ 特に私からは全員を集め、データインプットに当たってはくれぐれも「社会保険庁みたいなこと」になってはならないと強く注意を喚起した。彼らもそれは分かっているが、このタイミングで「指導を入れるのが管理者の仕事」である。問題が発生した後「後悔」しても始まらないからである。こういうのは結構多い。

2007年12月14日金曜日

12月14日(金)赤穂浪士討ち入りの日

1.「赤穂浪士、討ち入りの日」である。学校の方はとても静かな日で、校長はどこにも討ち入りする用事などなく、終日部屋に。今日で校内考査も終わり。生徒もどこか良い顔をしている。ほっとしているのであろう。
2.遂に「啓光学園」が大工大グループに入ることになった。大阪工大摂南グループが「常翔学園」となるに合わせて「常翔啓光学園」と改称するそうだ。言ってみれば常翔学園の系列校に入り、2009年4月に男女共学化を予定しているという。(12月5日の大阪日日)
3.しかしこの提携は面白い。二つの学校法人を残したまま「一体運営」するというが、実態は啓光学園側の理事会の過半数は大阪工大グループに抑えられるというから実質的には提携というより「吸収合併」と考えたほうが分かり易いのではないか。大工大摂南大学の理事長は両法人が併存する形を選択した理由を「啓光の50年の歴史を尊重した」と説明している。
4.啓光の生徒数はピーク時の1997年に1200人、現在が「半減」というから「苦しかった」ことは間違いなさそうだ。「辛い話だなー。」と思う。両者とも高校ラグビーの強豪で知られているが、強いもの同士で合併してどう成るのかなー、こちらのほうが気になる。朝青龍と白鵬が一緒になるようなもので、想像できない。
5. 一方これまた70年の伝統を誇る「大阪福島女子高」は来年4月「好文学園女子高校」として名前を改めると発表した。こちらは「民間出身校長」を入れて、校名変更を機に生まれ変わろうと必死の様相だ。制服も変え、校舎も新築し、従来からのデザイン美術コースや漫画アニメーションコースに加え遂に河合塾と連繋して進学コースを作るそうだ。徹底的に「女子高に拘っている」。ここが良い。そのうち女子高であることが「差別化」になると読んでいるならその戦略は「山本勘助」並みだ。
6. 要はこの校長、「媚びるのは止めて学校の本流に戻そう」というのか。そうならば素晴らしい。「好文」とは「学力が大切」と言う意味だ。それにしてもこの校長先生、面識はないが、考えや、やろうとしていることが私に似ている。民間企業出身者の軸と言うのは同じようなものだなと思う。この学校は「弓道」が強い。指導者は浪速高校の卒業生であると聞く。本校も弓道が強い。好文学園に「エール」を送ろう。
7.先ほどは北の「北陽」が「関大北陽高校」になり関西大学グループ入りした。そして啓光が大工大グループ入りする。今大阪の私学は大きく分けて5つのタイプがある。一つは大学のグループ入りすることで生き残ろうとするタイプ、二つ目は共学にして生き残ろうと言うタイプ、三つ目は名前を変えて生き残ろうと努力しているタイプ、「4つ目は名前を変えず、中身で勝負と努力しているタイプ」、五つ目は何も考えず、何もしないで嵐の過ぎ去るのを待つタイプか。
8. 「浪速」は四つ目のタイプだ。「まず名前は変えない。」「浪速高校の名前は素晴らしい。」ちょっと前、関東の人だったと思うが、“なにわ”と読めずに「“ろうそく高校ですか?」と聞かれたことがあったが、それでも私は浪速が良い。
9.多くの高校が名前を変えてきた。大阪学芸、大阪夕陽丘、開明、関西大倉、星翔、清明、阪南、飛翔館、履正舎、しかし改名が成功に結びつくのかどうかはまだ分からない。改名の決断には相当の勇気が要ったことであろう。経営者の苦衷が分かるような気がする。「ドカッ」と据わって改名など一顧だにしない高校は素晴らしい。「浪速は改名せずに「ドーン」と構えておられる学校にするぞー!」
9.何?!「大学との連繋はどうするのか?」だって?そんなこと簡単に言えないよ。ま「考えてはいるがねー。」

2007年12月13日木曜日

12月13日(木)理事会

1.理事会
・ 本年5回目の「理事会」が学校にて行われました。先立ち「評議員会」も併行して実施。テーマは平成19年11月に正式に認可された学校法人大阪国学院「寄附行為の確認」、及び「新経営計画の内容の再確認」と評議員会への報告です。
・ あわせて「中間決算の報告」と「来年度行事、学則、教育課程の審議」である。議論は活発で極めて中身のある評議員会、理事会であったと言えます。一連の浪速改革についてご支援、ご指導を頂いた理事や評議員各位には感謝の気持ちで一杯です。元大学教授や高校の先生方、私学の理事長などが入ると議論が発展し活性化しますね。
・ 冒頭の理事長概況説明が終わった後、「大きな拍手を頂き恐縮」しましたが、1年を振り返り感無量なものがあります。私は「すべて教職員の理解と協力のおかげ」であり、「学校の形は出来た、今後は中身の充実」と強調しました。「改革の疲れ」も避けなければならず「熟成の期間」が必要と思い、来年度スタートまでは入試業務に集中し、「静かなる時」を考える旨も申しました。
・ 最後に「名誉理事長がご挨拶」で次のように言われました。「私は2年前くらいからもう浪速は駄目かな、理事長職務代理と整理の話まで非公式会話でしていましたが、1年も経たずにこのような劇的な転換を図れるなんて、一体これはどういうことか、このようなことが世の中にあるのか、今でもこの現実を前にしたとき、信じられない、言葉がないくらい、感銘というか、そのように思うのであります。神社界の人間ですから、私は神々、神社界、浪高の諸先輩が木村さんと言うお方を、まさにここしかない一瞬に神風が吹いて、連れてきていただいたと感謝しているのでございます。丁度1年、良くぞここまでと思えば、理事長・校長に感謝の言葉がありません。どうか先生には長生きをして頂いて何時までも宜しくお願い致したいと思います。・・・。」
・ 会議終了後、理事長室で「先生、長生きとはどういう意味ですか?」と分かった上で聞きましたら「死ぬまでやって欲しい。そして次の体制をちゃんとするのが先生のお仕事です。」と言われました。有り難いお言葉です。
・ 思えば昨年12月18日内定し、12月22日の理事会で私の招聘が決定し、慌しく年末年始を過ごし、年明け1月9日に着任でした。あれから1年です。本当に早い1年でした。我ながら「生涯忘れられない1年」になるかも知れませんが、まあ今後のことは自然体で。名誉理事長、理事長職務代理のお二人が忘年慰労会をしてくれるそうです。
・ 本校独自の「絵馬」のデザインを見ていただきました。笑いもあり、好評でした。
2.施設充実特別支援協賛者・団体等の顕彰銘版完成
 ・遂に正門横に銅版を掲げました。未来永劫、これによって顕彰されます。多くの保護者、団体、神社界、教職員、皆の力で完成した正門塀、家庭科教室、中庭人工芝、体育館、女子トイレの充実にご支援を頂いた方々のお名前を銅版にエッチングして刻みました。
・ 正門入って右側の壁に取り付けられています。後世又誰かがこの門をやり直すまでこの銅版は残ります。改めて「ご支援に感謝致します。」
3.校医変更
 ・長い間お世話様になった学校医の先生にご勇退頂き、交替してもらうことになりました。42歳という新進気鋭の若いドクターが来年から本校の校医です。住吉医師会のご紹介であり、大いに期待しています。本校生徒、教職員の健康診断をお願いすることになります。前先生、本当に40年以上もの長い間、有難うございました。心から感謝申し上げます。

2007年12月12日水曜日

12月12日(水)塾訪問

1.塾訪問第2弾 梅田
・ ここも中学校受験では超有名な進学塾で全国区である。今日は入試広報室長、副室長と訪問。代表、実質的な責任者、ご担当のご3人がお相手してくれた。破格の待遇である。極めて好意的で話が発展的に弾んだ。「来て良かった」。
・ 今までこの塾の発行する冊子の進学実績には「浪速中学校」などは記載されていなかったが、ようやく名前が登場した。しかし数は言えないくらい少ない。実務責任者は私のことを良く知ってくれており、「支援は惜しまない。今度学校を訪問するので2時間くらい空けて欲しい。」とまで言われた。
・ 特に、浪速の広報室メンバーの塾訪問を高く評価して頂いており、又理事長自ら事あるごとに「トップ広報」が極めて効を奏し、「人気うなぎのぼり」とまで言って頂いた。有り難いことだ。
・ 気分良く、阪急3番街でランチ、カキフライ2個とハンバーグの入った定食、機嫌が良かったので特別にスープにサラダも付けた。私はナイフとフォークを使ったが二人は箸で洋食を食べていた。味も悪くはなかった。気分が良いと味も良いのか。お一人1380円今日は奮発した。
2.某新聞社から取材依頼
 ・留守中、某大手新聞社から取材依頼があったそうだが、「取材は当面受けない。1年も経たないのに特段お話しすることは無い。」と事務長を通じてお断りした。
3.皇學館大學の教授先生 3名訪問
 ・本校には皇學館大學卒業生が4名勤務している。卒業生ネットワークつくりの一環の訪問だが「学生募集」も目的にある。丁重にご挨拶した。様々な意見を申し上げた。応援を惜しまない。
 ・今度「神宮評議員」に委嘱されましたと申し上げたら驚いておられたな。
4.大手塾の教育相談
 ・かねてより存じ上げている大手塾の先生がお二人資料を持って来て校長室に。「すごい数ですよ」と言われるので嬉しくなり特別にコーヒーをお入れした。確かにすごい数だ。同席した広報室のメンバーが驚くくらいだから。理事長室でコーヒーが出るのは滅多に無いことである。
 ・高校も中学も「希望者は過去新記録!」浪速人気の証明、今日だけで4校目の私立高校訪問と言うことだが塾の先生方も大変だ。この先生、私のブログを見て頂いているとかで「先のブログで堺のケシ餅を食べたいと書かれておられたので、今日は持って来ました」と。恐縮する。
4.広報手段別効果の分析
 ・過日の第3回高校入試説明会で一連の説明会を終えた。計3回のアンケート結果を分析し「あなたは何で浪速高校のことを知りましたか?」の問いに対する分析結果がまとまった。このデータは面白い。
1位:学校のホームページから・・・これがダントツのトップ、今日的家庭像が見えてくる。ネット時代である。浪速のホームページは面白い、良く更新されている等々。
2位:中学校、塾等で配られる無料のパンフ等・・・やはり大切です。来年も工夫の要あり、多く作って配りまくることが必要。今年はもう無くなったらしい。見込み違い。ここまで部数が出るとは想像していなかったと広報室。
3位:学校のポスターを見て・・・今年はパンチあるポスターが効を奏したか、要は目に付くポスターを!。「浪速が変わる、浪速で変える」これは良かった。
4位:塾主催の入試説明会・・・やはり重要でこまめな対応が重要、塾の顔を潰さないことが必要。塾のお蔭で私立学校はあると考えよ。
5位:塾等が発行する私立学校案内等の冊子やプリント・・・とにかく本校の名前と良いことを書いていただかなければね。そのためにはやはり「実績」。
6位:塾のポスター 7位:知人 等々と続く。
・ 面白いのは「新聞広告を見て」のアンケート結果は最低レベル即ち誰も新聞など、お母さんや子供は見ていないということ。ポスターについても大阪府各神社に配布して貼ってもらっているのだが、これを観て「来た」と言う人はなんと4名だけ。新聞紙上広告はなるほどと思う。そういえば「勝ち組の学校と言われるところはあまり載っていない。厳しいところが必死に新聞紙上を飾るのか?」これには正直驚いた。新聞広告は自己満足?誰も見ていない。見ているのは広告を出した方だけ?広報活動は極めて重要であり、来年度にかけて更に詳細分析し、新たな視点で見直すことも重要である旨、広報担当教頭に指示した。

2007年12月11日火曜日

12月11日(火)業務留め書き

1.2学期期末テスト 昨日から始まる
・ 朝学校に行けないので副校長に、試験が始まる前校内放送で全校生徒に「不正行為」について注意するよう依頼。
2.10時、大手塾の代表者と面談
・ 中学受験の超大手、日本全国をカバーしている大手塾のN研の関西代表と大阪天満宮でお会いする。実は本校名誉理事長大阪天満宮の宮司とこの代表とはお若い頃東京は明治神宮勤務時代からの本当に親しいお知り合いであり、宮司にお願いしてお時間を頂いたもの。縁はどこに繋がっているかも分からない。
・ 代表から資料を頂く。「進学レーダー」という中学受験の全国的資料に「浪速中学校」が初めて登場。これも代表のご配慮のお蔭。そのまま冒頭を紹介:
関西地区注目校 浪速 
  躍進の期待高まる共学校 全国でも珍しい神道系、 独特なデザインの正門をくぐると何とそこには神社が・・・・。“  有り難いです。
・ 立派な見識高い、塾の経営者でしたね。大変勉強になりました。浪速中学校の将来にとって大変有意義な会談でした。今後更にご指導を頂くことで本日は終了。
3.学校へ急ぐ
 ・ 外は雨。色々と仕事が立て込んでおり、学校へ急ぐ。到着12時。
テニスコート増強工事会社の社長他が入る。「正式発注、契約書を交わす」工事は2月、3月、「新入生は人工芝を敷き詰めた素晴らしい第2グラウンドで運動や色々できるぞー。」
 ・13日の理事会準備 事務長、事務長補佐。事務長補佐を東京の私学振興共済財団に出張させることを決定。その資料打ち合わせ。
 ・授業料滞納者への対応策 毎日チェックしている感じだ。特に高校3年生は残りの期間がないだけに、担任、事務と協力して保護者対応に当たるよう指示。
 ・河合塾による教員向け講演会「大学入試分析」
   仕事が立て込んでおり、副校長、進路指導部長に仕切りを依頼。なかなか良かったらしい。こういうこともようやく浪速で行われるようになってきた。今までの進路指導部はこのような試験期間中、何をしていたのだろう。
 ・理事会資料の作成
4.夕刊記事
 ・ちょっと心配する記事が。以前にもブログで触れたが「地域格差の是正のための税金措置」で政府福田首相と東京都石原知事が会談し合意を見たというのだ。今もNHKテレビで放送している。都知事は「泣く子と地頭と政府には勝てない」と上手く言っていました。西の大阪は今回も蚊帳の外です。朝日は「大阪府最悪の移譲」として府税収への影響が50億円以上と。
・ これは財政再建途中にある府にとって辛い話で「教育費」に影響が出ないか心配する。私学助成費が削減でもされようものなら「経営計画は一から練り直さなければならない。」東京が受け入れたら、いくら神奈川、愛知、大阪が反対してももう駄目だろう。まして大阪府は太田知事の退任が決まり、これから選挙というのだから、もうどうしようもない。「結局、府の補助金が削減されてもやっていける体制を作るだけしか方法はない。先生方、頑張っていこう」
5.伊勢神宮から封書
 ・伊勢神宮崇敬会の豊田正一郎会長と伊勢神宮の鷹司尚武大宮司より「神宮評議員」委嘱の依頼文と委嘱状、バッジ他が着。任期は3年とある。
 ・大阪天満宮の宮司、大阪府神社庁庁長が伊勢神宮に推挙したものと判明。「徳望が篤く、学識経験の有る者で神宮の運営を扶け、重要事案について協議にあづかる。」とある。私には荷が重いがやるきゃないな。しかし大変な役職が・・・。

2007年12月10日月曜日

12月10日(月)その二:私の細木数子論

1.「胆識
 ・「胆識」、この言葉は通常の国語辞典にはない。「安岡正篤先生の造語」である。若いときに読んだ先生の書物でこの言葉の意味を知り、爾来、事あるごとにかみ締めてきた。住友金属工業勤務時代、職位が上がるに連れて、管理職、リーダーたるものの心得として大切な言葉だと思って常に頭にあった。平成14年請われて「学校界」に身を投じ、企業サラリーマンから「校長職」に転身してからは、この言葉ほど「校長の資質」に必要な言葉はないと今でも痛感している。
・ 胆は「たん、きも」、「肝っ玉、度胸、勇気」一方「こころ、まごころ」の意味もある。熟語も多く、「臥薪嘗胆、胆力、大胆、胆勇、豪胆、落胆」というのもある。「肝胆合い照らす」という使い方もあり、「魂胆が分からない」とも使う。胆識とは「高い見識を持ち、ことにあたっては太っ腹、勇気、こころを持って決断することの出来る資質」を言うと私なりに理解している。
・ 何故長々とこの言葉の意味を書くかと言うと後述する「細木数子論」と関係してくるからである。
2.事務室との忘年慰労会
 ・12月7日(金)事務室のメンバーとの忘年会が心斎橋にて行われた。男性教師が圧倒的に多い教師集団との忘年会に比べ、相対的に女性が多く、華やいだ雰囲気になるのだが、今回は特別参加で府内の有力な神社宮司であり、本校理事長職務代理の先生にも参加して貰った。宴は大いに盛り上がったが、中でも大きな話題になったのが「細木数子論」であった。
 ・分かり易く言えば5名全ての女性陣は大体が「細木擁護派」、理事長職務代理は「嫌悪派」と言え、意見が両極端に分かれたのである。私自身はたまに「ちらちら」とテレビで見る程度で最近の様子は見知ってはいたが、印象としては「時に良い事を言っているよなー。しかし、すっげー人だなー。あそこまで言うか!」程度の印象であった。
・ 結論を言えばこの日の宴会が私の「細木数子」への関心をより具体的なものにした。それは兼ねてより、前述した「胆識」の生みの親たる安岡先生と細木数子は先生の晩年、「ただならぬ仲から婚姻関係」となり、先生の没後、遺族との間で壮絶な裁判沙汰があり、その世界で大きな事件となったことは知っていたからである。細木数子が現在のようにテレビに出る前からぼんやりと細木の名前は知っていたのである。
3.溝口敦著作(講談社)“細木数子 魔女の履歴書
 ・早速9日の日曜日、千日前のJUNKUDO書店で本を求めに。買う本は既に決めている。この本は発売当初から大きな騒動になったもので細木が暴力団を使って著者を脅かし、発行差し止めを狙ったとか、結局民事裁判で6億円の名誉毀損訴訟をした“いわくつきの本”。大体こういう本は書棚内には無いもので、直接窓口に言って在庫を調べて貰ったら「ありました。ありました。」税別で本体1300円でした。
 ・それにしても良くぞまあ、こんな本があったものだ。帯には「テレビがひれ伏す稀代の“女やくざ”が歩んだ欲望の戦後史!」と書いてある。私のブログで書けるのはここまで。これ以上発行本の中身を書くとややこしいかも知れないので止めておくが、まあ「すごいわ」。
 ・この本は通常の「人物論」ではない。これでもかこれでもかと細木数子の生き様を悪意としか考えられないような筆致で書き尽くしたもので、ここに書かれたことが事実かどうかは別にして「ここまで書くか、これはないよな。」とも正直に感じる。「書く人の悪意が満ち満ちた本」と言える。此処まで書かれる細木数子とは一体どんな人物か。
4.木村の細木数子論
 ・別に良いではないか。法的に悪ければ司法が何時かは出てくる。別に細木が東京の青線地域の妻妾同居の家で生まれ、極貧生活の中で成長し、広域暴力団の組長の姐さんとして子分の指を詰めさせ、他人のパクリで六星占術の占い師になろうと、島倉千代子を騙して金づるにしようと、細木家の墓が暴力団一家の横にあろうと、テレビに出て「あんた、地獄に墜ちるよ」と言おうと、生き様の問題であって、他人にとやかく言われる筋合いはないのではないか。
 ・溝口敦氏は力戦派のジャーナリストでノンフィクションものでは中々の文章家である。私はかねてからこの人の作品は大好きだ。こまめに自分の脚で取材し躍動する文章は読む人を飽きさせない。「武富士、サラ金の帝王」や「食肉の帝王 同和と暴力で巨富を掴んだ男」、特に「山口組四代目 荒ぶる獅子」は傑作であったのでわざわざ映画まで観に行ったくらいだ。その他「池田大作 権力者の構造」など時代背景の中で権力者や寵児、申し子的な人物を真正面から描くことについては得意な能力をお持ちだ。
 ・元々「週間現代」(‘06年5月~8月)及び「月間現代」に掲載されたものを加筆修正したものが本書であるが、細木も取材に一切応じず、「出版差止め」を裏で画策したと溝口は本書で言っているのだが、「ノーコメント、無視」の姿勢でいれば良いものを「文春」などで反論したり、“組”組織を使って押さえにかかったりするからこのような事態になる。「有名税」と思えば良いのに。
・訴訟に打って出たのは良いが「本書にあることは、事実無根で一切ない」というけれども「無い」ということを証明するのは大変である。無いことを証明するためにある事を青天白日のもとにさらさねばならず、だから大体「“無い”を証明するための時間とお金と個人情報の開示」が面倒くさくなって「止めてしまうのが普通の考え方だ。」私などもそのような局面は過去あったが、そのようなことにお金と労力を使うのは嫌で、それなら今の季節なら友人を連れて“ふぐ”を食いに行った方がましだと思っている。
・私はあの細木数子のバイタリティに圧倒される。中学1年でポン引き商売、これは認めているのだが「売春はしていない」と公開の席でも言っているらしいが、高校生で神田のキャバレー「白い手」でホステスとして働き、「娘茶屋」で掛け持ち、その金で東京駅近くのガード下で建坪3坪ほどの小さな店を買ったという。すごいではないか。女子高校生細木はただひたすら金を貯めたという。
・ 彼女の「女の履歴書」によればそれからが又すごい。すぐ新橋駅近くのビルに「クラブ」を開店し、この店も高値で売却し、今度は19歳の若さで銀座八丁目のクラブの雇われママを始めている。有名な雑誌「酒」のグラビアに銀座のママとして細木が出ているが、「美形である」と言える。1961年昭和36年細木22歳の頃だろう。その後個人高級客相手の「かずさ」を構える。その後超高級住宅地にベビー用品店を開店したり、その後静岡のめがね店を経営する男と結婚したがすぐ東京に舞い戻り、銀座一等地の並木通りにバー「だりあ」をオープンする。まだまだ続くぞ。この水商売の天才は同じく銀座にもう一軒クラブをオープンし、事業の拡大は続く。
・ 女一人、高校もろくに出ていない女が銀座に店を持つまでになるには、余程の才覚と度胸と言うのか、騙しのテクニックというのか、裏稼業の男がいるとか、男出入りが色々あって不思議なことではなかろう。常にこの女の傍には暴力の臭いがぷんぷんとし、事実生涯連れ添ったのは有名な極道組織の親分であり、既に亡くなっているのだがお墓は細木家の隣にある。
・ 時代の退廃性というか堕落というか、そういう中に細木数子は体を張って生きてきた。66歳を過ぎる今日まで「負けてたまるか」「なめたらあかん」「指つめよ」「地獄に墜ちるわよ」「あんた、死ぬよ」「馬鹿か、あんたは」「金が一番」「使えるものは何でも使う」言いたい放題言うが、あの存在感は圧倒的だ。本当言うと日本全国の極道一家の唯一絶対の頂点にたてる貫禄ですよ。なまじの男はそばにも立てないでしょう。
・ 「ズバリ言うわよ!」ではないが、「視聴率の女王」は間違いない。何故このような人気か。細木の出るテレビをみているとこの人は「勝負の場面」が本能的に分かっており、そこで一発「かまし」を入れたり、「断定口調で短く吼える」。これなどとても印象的だ。「嫁のあんたが馬鹿なんだよ。」と啖呵をきり、これを姑は涙で歓迎する。時にはやさしい面も見せる。もっともお金持ちとか有名人には優しくて吉本の駆け出しお笑い芸人などには「無茶苦茶を言う」と土曜日の女性陣は批判していたな。確かにそういうところはある。しかしこれとて当たり前だろう。自分の役に立つか、利用できるかが判断材料だから、ピン芸人など頭から馬鹿にしているのが画面から伝わってくるではないか。
・ 大体間違ったことを言っていない。「親は大切に、お墓は重要、親が馬鹿、あんたらレベルが低い、嫁が馬鹿、愛じゃない金だよ」等々テレビを見る人を震え上がらせるくらいの度迫力で細木語録はいやがうえにも番組を盛り上がる。徳光もタレントも「ハハー」とひれ伏すのだ。料理の腕も手早く旨そうだよね。そこへ持ってきて「占い師」だからすごい。どうも当たらないのが有名らしいが「当たるも八卦、当たらぬも八卦」で良いではないか。一言で言えば「時代が生んだ寵児」です。「裏稼業女太閤記 主演:細木数子」だと思えば良いのです。
・ 惜しむらくは「人間の品性とか品格」とかが全く無い。良いものを着て宝石も叶姉妹やデビ夫人に負けないものを身につけているが「人間の持つ高貴な香り」が感じられないのだ。恐らく体系付けられた教育を受けてきていないことからくる知性と教養がない。一見あるように振る舞い、見る人をして「すごい」と思わせるテクニックはすごいが底が浅いし物事を表面だけ流すようにして、さも自分のものにしている上手さはあるのだが、それから先がない。時々歴史的なことをコメントしているが間違った知識や理解のうえでのことがある。しかしこれを言ってなんになる。
・ 時々見せるあの目つき、振る舞い、間違いなくあれは修羅場を踏んだ「やくざ」の持つ体臭だ。カネの臭いがテレビからも流れてきそうだ。しかしそれでよいではないか。我々が細木数子に何を期待しているのか。まさか「吉永小百合」ではあるまい。人は自分の日常性とかけ離れた事、人、物に心を奪われる。一般の人々の対極にいるのが細木数子だ。そこに彼女の価値がある。
・ 悪徳の女帝、女やくざ、視聴率の女王、六星占術カレンダー売り上げ日本一、ベストセラー作家、イケメン大好き、中でもタッキー、大金持ち、何でも良いではないか。防衛省の天皇、守屋はアホだからあのような形で終わったが、テレビ界、出版界の女王、細木数子は終わらない。似たような野村佐知代みたいなのが居たがぜんぜん物が違う。デビ夫人、叶姉妹、あれはまだ子供だ。何、和田あき子、勝負にならない。
・ てな訳で私は細木数子を静かに見守る。ただ許せないのは歴代総理大臣を指導し、東洋思想家、経世の先達、大阪府立四条畷中学から東京大学、尊敬して止まない安岡正篤先生を酒と、色香で誘惑し結婚誓約書を書かせ、多くの掛け軸や書物などを持ち帰り、未だに最後の安岡の妻とお墓を有しているのが許せない。先生が亡くなられたとき、門人の一人が「巨星墜ち 目ぎつね走る 枯れ野かな」と詠んだというが私なら「巨星墜ち 女やくざの 枯れ尾花」としたいね。

12月10日(月)その一:科長

1.科長
・ 学校には幾多の教員の職分というか職務あるいは職位がある。まず有名なのが「分掌主事」、これは教務主事とか進路指導主事とか生徒指導主事とかで、代表的なものである。次に学年を統括する「学年主任」、花形の職位である。普通科しかないところでは普通科長というのはないが、本校や多くの私学みたいに他の課程やコースがあるところは「科・コース長」というのがある。理数科長とかだ。ところがもう一つ「科長」というのがある。とにかくややこしいのだ。
・ 分掌主事と学年主任、科・コース長との微妙な関係は既にブログにも書いているが地味な職位が「科長」だ。英語科長、国語科長など「教科の取りまとめ役」だ。大体「均等・公平負担主義の文化を優先する学校」では分掌、学年、他の職位を先に決め、残ったところから「順番主義」で持ち回りでその任に就くというのが一般的だ。
・ だから大体科長の出番は余りなく、地味な職位と思われているが「そうではない。重要な職位である。」仕事は副教材や科内の職務分担や「持ち時間の調整」などがある。中でも持ち時間の調整は最も大切な部分で科長の仕事は「いかに持ち時間を均等化するか」に腐心する。「教員と持ち時間」だけで20ページの論文がかけるので本ブログでは書かないが難しい仕事で、専任教員だけならまだしも常勤講師や非常勤講師とのチームとなるとより微妙となり、科長は胃が痛くなるくらい気を使うのだ。
・ 科長はよく「私は権限などなく、調整業務でして」などど言うのだが、トンでもない話で科長であるのだから「科内のこと」に関しては責任を持って決断し、推進すべきである。教員は誇りが高い為、簡単には意見がまとまることは少ないのだが、「何時かは自分の番」と思えば、わがままなことばかりは言ってはおられない。何時かは因果応報だ。大体好き嫌いが判断材料になっているのではないかと疑うばかりの、派閥ではないが「仲良しグループ」というのが存在する。
・ 余りにも科長が力を発揮しないのであれば「校長任命制」にして他の分掌部長との兼務もあり得る。当然多くの仕事をこなすのだから「給料は多くなる。」誰もが処遇が同じだから「みんなしんどいことはいや。何で自分だけ持ち時間が多いの」となる。元来科長は最もその教科で威厳のある経験年数の長い、皆が尊敬するベテラン教員が就任して然るべき職位だが、悲しいことに学校社会ではベテランが必ずしも優秀で尊敬を受けて、指導力も、人間性も管理職からの信頼も厚いというわけではない。
2.今日も忙しい一日であった。
 ・ 入れ替わり、立ち代り人が 入る。
・ 変わったところでは「ECC」のスタッフが入る。NOVAの一件以後「色々な話が入って来るらしい。」「来年度も契約継続」だ。前任の高校以来の知り合いで時々会いに来る。
・13時20分 校務運営委員会  重要な観点を3つ言及した。国税立ち入り調査結果、校内メールの使い方、時間休と自習数、特に「生徒自習は基本的にあってはならない。」と述べる。突発の休みで代行教員の手配がつかない場合、生徒は自習に追いやられるのであるが、「自習のために保護者は授業料は出しているのではない。」と。

2007年12月8日土曜日

12月8日(土)ボーナス支給

1.教室の照明増強
・ 学校にとって「ホームルーム教室は最も大切な場所」である。中でも「教室内の照明」は重要で、適切な照度が無ければ生徒にも先生にも「集中した授業」の観点から大きな迷惑をかける。かねてから「どうも暗い」と言う声があり、一部の教室では対応を取ってきたのだが日の入りが早くなる冬場になるにつれ、「暗い」と言う声が多く届く。蛍光灯の劣化だけではなさそうだ。今までも冬になれば暗かったはずなのに何ゆえ今年になってそのような声が出るのかと聞いたら「今までと違ってすぐ声が届くからだ。」と。
・ 「決めた!」そこまで言われたらせざるを得まい。全ての教室と社会科教室の照度を上げる工事を年内に済ませるべき手配をかけた。「照度で倍増」だ。平均242lxが451lxだ。これで夕方でも明るくなるぞ。先生も生徒も喜んでくれるだろう。お金はかかるがこれは仕方がない。
2.大阪府、大阪市ボーナス支給額の発表
・ 冬季のボーナス支給額が発表されて10日(月)に支給されるという。本校では一足早く5日に済ませた。何時も私は「府、市との比較」をする。府・市の職員は公務員としてのサービス業務であり、中には教育公務員のボーナスも含まれている。私立学校の教職員は言ってみれば「教育営為のサービス」を生業としており、これらを比較することで本校教職員の待遇問題を何時も自らチェックしているのだ。
・ 大阪市一般職(42.5才平均)で93.5万円、大阪府一般行政部門(44.7才)で90.3万円。特に府の管理職、教員、警察官らを含めた全職員への支給総額は前年対比で2.8%の減で854億円(9万200人)という。
・ これに比べ単純比較は出来ないが本校平均年令が48.2才で府の教員、警察官含む計算上の総平均94.6万円に比べ、年令差を考えても「かなり、かなり高い数値となっている」。数値は書かないが本校教員なら各人分かる筈であり、「誇り」を持って頑張ってくれるだろう。最も、「もっと高い私学は他にあるではないか」と突っ込む向きもあろうが、それは当面我慢して欲しい。一度に全てはいかない。
・ 例えば上記の照明増強工事代は350万円かかり、これをしなければ66名の専任教職員で一人当たり5万円は上乗せ出来たかもしれないが「それは出来ない」。付けを後に回すだけの話だ。「この照明工事で我々の給料を稼いでいるとの感覚を持てる人は素晴らしいが、分かるかなー。」
3.第3回高校入試説明会
・ 遂に高校最後の説明会となった。今日で「旅回り一座:木村劇団高校の部の座長挨拶」は一区切りです。何か感無量なものがありました。特別今日は気合が入っていました。例によって入試広報室が公式サイト「理事長・校長メッセージ」に今日お話したことを掲載するでしょう。
・ それにしても今日は多くのお方にお集まり頂いた。「多かったなー」。今までで最も多かった。驚いたことには最後に保護者から「拍手」をいただくことだ。「こんなのあり?」嬉しい限りだ。理事長室の横に学院神社があるのだが、終わって神社にお参りする中学生とその保護者のお姿を拝見する。「合格祈願」であろうか。
.土曜日
・ しかし私学は大変だ。土曜日に休んだことがない。入試広報室の面々の苦労がよく分かった。土曜日は出勤日だからそれは仕方がないのだが、なんやかやと行事や予定があって夕刻まで学校に拘束されるということです。来週も土曜日に行事があります。夕方5時過ぎ学校から我孫子駅に歩いて帰る途中が特別な時間です。「1週間を振り返りながら色々と考えます」。「良い仕事をしたかどうか」です。そして明日は何をしようとかと徐々にモードを切り替えていきます。
・ 日曜日がこれほど有り難いとは今まで思いもしなかったー。とにかく「日曜日が楽しみ」です。リフレッシュ方法はとにかく買い物と外で食べる昼食ですね。「良いネクタイを探す」、これが私のストレス解消法です。「昼食はバイキング料理」が多い。天王寺とミナミのバイキング料理店は大体荒らしています。腹いっぱいお昼に食べます。で夜は家でビールを飲みながらテレビです。至福の時です。夕食はお昼の分がまだお腹にあるので食べません。そうすると翌朝の胃の調子が良いのです。「膨らまして消化する。」。頭も心も勉強もスポーツもそんな気がします。

2007年12月7日金曜日

12月7日(金)教員増

・ 中央における「教員増」の議論がかまびすしくなってきた。構図は「財務省・総務省連合対文科省+官房長官(元文部大臣)+自民党幹事長(元文科省大臣)連合」との戦いだ。政府与党幹部の応援団を抱えた文科省がやや優位に立っている?額賀さんは一時期、防衛省宴席問題で騒がれたりしたから?。今日の新聞は毎日新聞だけで小さな囲み記事だが「文科、財務真っ向対立」とある。
・ 元々は安部前政権の置き土産で「教育再生会議」が「教員の質の向上」と「教員が子供と向き合う時間の増加」を提言したことから始まる。加えて学校現場では「主幹教諭」(東京)、「首席教諭」(大阪府)とか中間管理職を置いたりして時間数を軽減せねばならず、一般教員の補充が必要となるにかこつけて文科省がここぞとばかりに、「公立小中で7000人の教員増と給与の一部で・・・170億円」の増額を来年度予算に盛り込んだことから勃発した。
・ しかし「待てよ」と言いたい。この10年間で児童生徒数は30%以上減少しており、統計による教職員数は8%程度の低減になっている。平成になって子供の数は500万人も減少している。実質、「児童生徒40人当たりの教員数は89年から05年で言えば2.05人から2.70人と32%増えている」のだ。
・ 財務省主計局の係官は「少子化で実質的に教職員や予算は増えたが教育が良くなっているとは思えない」とまで言い切っている。これは面白くて「ここまで言うか」という感じだ。そこにもってきて先の全国小中学力調査の結果だ。又今度のPISAの結果も文科省に追い風になるだろう。「学力向上には教員数の加配が必要」と。大阪府も教育長以下、全国学力ワースト2の発表後中央に教員加配を陳情に出かけるくらいだから。
・ しかしこれには大きな関門があり、「児童生徒の減少に見合う数以上の純減」を定めた「行政改革推進法」が大きな壁になる。始まる前から地方分権三位一体改革は頓挫しかねないだけに財務省も必死だ。
・ 私が言いたいことは以上のような新聞記事解説ではなくて、生徒に向き合い自分の時間を犠牲にして対応してくれる先生を現場が育成する必要があるということだ。仮に一人の先生が能力を10%上げて呉れたら10万人教員を増やしたことになる。「いたずらに絶対数を増やせば良いというものではなかろう。」
・ 誰も彼も一率昇給し、給与に1円も差異が出ないようでは幾ら教員を増やしても同じことだ。素晴らしい教員、成果の上がった教員には思い切って給料を増やさねばならない。頑張る教員を支援することが重要だ。「中には校長より高い給料をとる教員があってもよい。」民間会社や塾などでは今や当たり前の話だ。意味の無い教員加配は税金の無駄使いである。平成になって500万人子供は減って教員はそれほど減ってはいない。何をしていたのかと問われたときに応えは用意しておかねばならない。
・ 昔のことは言いたくないが我々の世代は50人学級が普通でその中で生徒同士触れない、摺り合わせながら伸びて言った。記憶に残る素晴らしい先生方のおかげで今日ある。一クラスあたりの生徒数を減らせよと言い始めたのは何時ごろのことだろうか。減らした方が良い場合とそうではない場合がある。
・ 公立だから簡単に教員数の増をいうが、私学ではとんでもない。「教員一人にざっと年間1000万円の経費がかかる。」真水の1000万円だから授業料で言えば20人分の生徒増のバランスだ。教員一人当たり生徒数が少なければ少ないほど定性的に良いことは当たり前で議論の余地は無い。心配なことは「すぐ教員を増やそうという短絡的な発想」について私は言っている。
・ 本校では「優秀な少数精鋭教師団」で「一人当たりのパイ」を増やそうと言っている。教員社会にワークシェアは馴染まない。出来る教員、創造性のある教員、突破力のある教員が教員集団を引っ張っていく構図があって良い。横並びなんて嘘っぱちだ。「横並びを言ったとたん、組織の力は落ちる。」人によって能力は異なる。20%が組織を引っ張り、60%が確実に実務をこなし、20%はやる気のない、サボりだと考えて組織力を考えた方が良い。学校現場では「あの先生はすごい先生、あの先生はサボリの先生」誰でも知っていることだ。生徒が最もよく見ている。此処に陽を当て、頑張る先生はもっと頑張ってもらい、サボりの先生は反省してもらって「全体の力を底上げし、組織力を上げる」ことが先決だ。教員数を増やすのはその後の話ではないか。

2007年12月6日木曜日

12月6日(木)特待生制度

1.特待生制度
・ 本校ではかなり充実した「特待生制度」を整備している。これは今日における「社会的公器たる学校の責務」の一つと考えているからである。基本的には「入学試験の席次」で当て嵌めるものであるが「1号、2号、3号等」とあり、「入学金・授業料全額免除、府立高校並み授業料、入学金免除等々」他校に負けない以上のものを用意している。予算金額は明らかに出来ないが、「かなりかなり高い数値」とだけ言っておこう。
・ 中学校でも同様な制度があり、校内的には「特待生審査委員会」が厳正なる審査を行って決定している。この委員会には決め事があって、1年ごとに更新審査がなされるということだ。11月から12月にかけて審査し12月の職員会議で最終決定する。年が明けてそれを保護者宛にお知らせするという段取りになっている。
・ 「成績がよく生活規範も立派な生徒はずっと継続」されるが、時に成績が落ちたり、厳しい補導行為があったりすると更新されない。当然のことである。入学時は素晴らしい成績を取ったが、油断して成績が落ち、落ちると悪循環でやる気もなくなるような生徒がいない訳ではない。残念だがこういう生徒に貴重な支援金を回すわけにはいかない。
・ 急遽、家庭環境が苦しくなっても、めげず頑張っている生徒に支援をするようなシステムもあり、「大阪府も特別な支援制度」がある。このような生徒には今後ともより充実させていきたいと考えている。単純に大学受験費用を肩代わりして合格者数を増やすなどは考えないが、「家庭経済困窮で支援を求めてくる生徒に就学の手を差し伸べるのは当然」のことだ。もちろん「奨学金」としてこれは将来支払って頂くことになる。又入学後頑張って成績が上昇したような生徒への充実した配慮も考えていきたい。
・ 野球特待生制度はないし、他のクラブもこのようなものは一切ないがこの就学特待生制度だけは厳しい社会情勢もあり、「同窓会とか理事会とかも積極的に応援」していこうという雰囲気になっている。有り難いことだ。「生徒は頑張れ!」
2.五ツ木書房模擬テスト
 ・ 大阪府でこの名前を聞くと誰もが「身構えるくらい」今日では権威ある「中学受験、高校受験のテスト会、教材開発、セミナー等の教育専門会社である「五ツ木書房」、中でも「五ツ木の偏差値」は今や大阪高校教育界では普遍的なものになってきた。
・ この五ツ木が主催する「模擬テストが12月9日(日)本校で行われる。」前日の8日(土)が本校では「最後の高校入試説明会」であり、この模擬テストで大きな山場を超える。この模試に参加する中学3年生の数で大体来年度志望者が見えてくる。果たして最終的に何名参加してくれるか。会場は勿論「無料でお貸しします」と本気で思っているが、そういうわけにもいかないらしく、五ツ木側から支払われるのだが、とにかく多く参集させていただきたいと念願するばかりである。しかしこればかりは生徒の意思であり、いかんともし難い。
・ この五ツ木の模擬テストは府内主だった私学で一斉に同じ問題でなされるから、その結果分析でどの高校はどの程度の偏差値か簡単になるようになっており、それがゆくゆくは大学進学実績と繋がっていき、「高校のランク」となっていく。
・ 今週月曜日から塾関係者が学校にぞくぞく来られて入試広報との「教育相談」となる。校長室の隣の特別室はしばらくは入試広報に開放だ。今まで外に出歩いていた広報室の面々は今度は本部に「ドーンと構えお客さんをお迎えする立場」になる。そして年明け始業式の8日から局面がコロッと変わって公立中学校の先生が生徒の資料を持って本校に「教育相談」で来られる。これがあくまで本筋で最後の教育相談となる。「良く出来たシステム」ではないか。
・ 新年度になって入試広報室が頑張ってきた中学回り、塾回りも遂に大詰めの時が来た。テレビの「風林火山」ではないが、「川中島の戦い」、風に言えば「浪高大和川の戦い」は遂に決戦の火蓋が開かれようとしている。何としても良い生徒に多く来て貰わねばならない。五ツ木模擬テスト会の浪速高校参加者の数値は果たして?そしてその中身は?そしてそのうち何名が実際に受験をしてくれるか?「面白くなってきた。」「わくわく、ぞくぞくする。」「こういうのは大好きだ。」
・ 恐れ多いことだが、敢えて言うなら入試広報部隊の戦の仕方は、果たして例えれば、「信玄公陣形に似てる?」。入試広報室、最初は「啄木鳥戦法」で塾回り。ひたすら塾を廻って浪速志望者を「コンコンとつついて呼び寄せ」、最後の局面は学校に「ドーン」と構えて待ち、まさに「鶴翼の陣」で鶴が翼を広げ、包み込むようにして志願者をかすめとるための「陣形」を張っているとも言える。今日まで入試広報にはお金も人も車も予算も、本当に鶴が翼を広げるくらい資源集中してきたのだから、結果を期待したいしかし「私学は面白い」。入試のシステムはよく出来ている。

12月5日(水)PISAの結果発表

1.国際学習到達度調査(PISA)結果の発表
・ またまた本日各紙の1面を大きく飾る。言ってみれば防衛省汚職やインド洋給油派遣問題などよりも「国家的大事件」であり、そのような意味で各紙1面での取り扱い、尚且つ後面に解析記事が大きく付け加えられている。経済協力開発機構(OECD)が4日国際学力テスト、「学習到達度調査」PISAの調査結果を公表した。
・ 日本の高校生6000人による結果であるが他国に比べ、「理科学習への関心・意欲が著しく低く」、「数学的活用力も低下気味」で、前回調査で明確になってきた「読解力」は依然として中位、いわゆる答えを書かず、白紙のままにする「無解答率」も高く、要は「日本の子供の危機的学習状況」が明らかになったということである。理系の生徒は相対的に学習進度と幅が速く広く、ここが駄目ということは全体が厳しいと見られることから、課題を深刻に捉えねばならない。
・ 2000年に始められたこの調査は前回2003年にも大きな話題になったが3年後の2006年(今回発表)は「科学的活用力」を問うたもので、前回と同様な傾向と言うよりも更に低下しつつある。当然予想されたことだと私は思っていたが、やはりますますひどくなっていく感じだ。続けて2位、2位ときたが遂に今回6位に後退。先進諸国に比べて日本の子供はアンケート結果でも科学関連への興味が著しく「ずば抜けて低い」(文科省の幹部の言葉)結果となっている。「進んでいる国の半分強の比率」しかない。
・ 前回の時の記事は手元にあるが、今回の文面は各紙ともさすがに危機感を素直に表現しており、概して評論家先生や大学教授なども神妙に受け止めている感じだ。文部科学大臣も含め、文科省の係官は遂に数学的活用力が低下した原因を「現行学習指導要領で授業時間数を減らして内容を厳選した結果」とコメントしている。「冗談ではないよ。今頃になって何をいうか」と言いたい。「数学的活用力」は00年が1位、03年が6位、今回が10位と順調(?)に低下してきている。
・ 東京都立のある校長は99年に告示された現行の学習指導要領以降、「理科離れが顕著」になったと明確に述べているし、中学校でも同じ傾向である。間違いなく本校でも「数学」と「理科」が課題だ。理数科でも数学に付いていけなくなる生徒、文系に至ってはなおさらである。「数学力をどうつけるか」の著者で有名な慶応大学の教授も「ショックな結果だ」と「原因は授業時間と教える中身を劇的に減らした今の指導要領にある」と論評している。
・ しかしそんなことより、我々が最も気にしなければならないのは「学習意欲が他国よりも著しく低い」点だ。これは深刻だ。前回は出来る子供と遅れている子供の「2極化」が話題になったが今回はそのような論調はない。出来る生徒の比率が下がったのが明確に出てきたからである。出来る、出来ないの差が縮まり全体が下がっているというのは悲劇的ではないか。
生徒の個性尊重とか、子供の自主性を尊重とか、生徒のやる気を待つとか、寝言みたいなことを言う教師と文科省の「ゆとり教育」が日本の子供たちをこのようにしたとも言える。要は知恵と工夫が無いのだ。生徒も全てが携帯電話を持ち、モバーゲーが友達、友人関係に悩み、お笑いが一番と、テレビにかじりつき、職業の夢などには「しらけて」、夜遅くまで起きてはいるが、家庭学習時間はほとんど少なく、これではどうしようもないことだから、教職員と生徒には「浪速からはこのようなことはなくしていこう」と言っている。そのためにはまず「教科指導」だ。勉強が分かれば学校は楽しくなるし、生活規範も良くなるものだ。まず教科だ。これは私の方針だ。
・ 小さい時には造船所で船の進水式が遠足先であり、科学館や万博などに興味を持たせ、建築家になりたい、自動車会社に入って車を作りたい、橋を作りたい、医者になりたい、「理系への夢」が日本の子供たちにはあったと思う。どうしてこのようになったか?今朝のテレビでみのもんたは「大人が悪い、政治家が悪い」と言っていたが?!。
・ 手っ取り早く「お金をいっぱい稼げる仕事」「アルバイトに精を出し」「しんどいことはいややねん」「楽しいことがしたいねん」「数学知ってなんの役に立つの」等々、「製造業や科学技術の世界から離れたところに子供を追いやったら日本は終わり」だ。額に汗し、手を使って物を作る喜びを感じさせてやりたい。大学の工学部で学び鉄鋼会社で物を作る喜びで人生を過ごしてきた私だけに、なおさらそのように思う。
・ だから浪高生には「基礎基本の教科学習が第一優先」と口を酸っぱくして言っている。そのためには正しい日常生活態度が当然求められるし、最後が部活動による身体と精神力の鍛えだ。しかしまずなにより「教科だ。教科だ。教科だ。教科だー!」なんかアニマル浜口みたいになったが、これは「私の信念」だ。

2007年12月4日火曜日

12月4日(火)業務留め書き

1.授業料未納者 ・滞納者
・ それほど多くはないが授業料未納者についてほぼ毎日管理職朝会で打ち合わせてしている。本日最終的事務処理の確認を行う。特に高校3年生分については2学期終業式までに進め終えることを事務部門にお願いした。卒業までに完済して頂かなければならない。
・ 確かにご家庭においては様々な事情で授業料の未納の方が居られるのは事実である。理解を深め、ケースによっては大阪府に要望し授業料減免措置分の補助金手配等を事務室は行って対応してくれている。
・ 厳しい社会経済情勢の中でしっかりと納付金を納めて頂いている保護者と府からの補助金で「私学の経営」は成り立っており、ここが崩れると「受益者負担と公平性」の根本が崩れる。「辛い気持ちはあるが、保護者にはお願いせざるをえない。」それにしても督促状など配達証明で送っても「なしのつぶて」もあり、事務室の担当は苦慮している。辛い仕事もあるのである。
2.10時~12時経営計画打ち合わせ
・ 12月6日の職員集会に提示する「新経営計画」の最終的詰めをコンサルタントの「日本総研」と行う。頭脳明晰で経験豊富な主任コンサルタントは大いに役立った。
・ 契約期間は真夏の暑い盛りの7月1日から12月末までであり、遂に大詰めを迎えた。この6ヶ月間「新人事制度」の構築に議論を深めてきた。内容をブログに明らかには出来ないが、21世紀の浪速の発展に大きく寄与するものと自負している。
3.13時30分 保護者 入る
 ・1年生保護者が校長に会いたいと事前アポを取り、入る。用件は「担任の先生が子供のために非常によくやってくれており、校長に感謝の気持ちをお伝えしたくてやってきました」と。「嬉しい話ですねー。」
4.PTA役員 入る
 ・遠い親戚の保護者とその子供さんをお連れして入る。本校に入学希望だという。賢そうなお子さんで制服が素晴らしい。「三国ヶ丘中学」だとのこと。「試験頑張ってね。」と激励。
5.15時~出張 シェラトン都ホテル(上六)
大阪府神社庁関係者大会
・ 要は大阪府神社界と神社の責任役員ほか関係諸団体の年度総括の会議というか忘年会。
・ 学校法人の代表として出席の義務があり、1年の締めくくりのご挨拶をし、支援の御礼を申し上げる。
・ 催し物があり、「乙女文楽」で演目は「二人三番爽」と「壷坂観音霊験記:沢一内の段」だ。初めて鑑賞したが素晴らしかった。

12月3日(月)業務留め書き

1.全国小中学力調査結果の余波、いまだ収まらず
・ 私が予想したとおり、「大阪府の全国学力テスト国内45番目の結果発表」から1ヶ月、その衝撃的ニュースが与えた余波は一向に収まりそうも無い。11月28日の「朝日」は学力低下の悪循環、「授業研究怠る教師」「子供に熱意なし」との府教委のアンケート分析を明らかにしている。授業中の「私語が多い」「勉強が役に立たないと考えている子供の割合も高い」中でも注目すべき分析は「大阪の教師は授業研究には余り時間をかけていない」としている。
・ 今日の「産経」は更に厳しい。「全国学力テスト、どうして45番目?」「低い学習意欲、際立つ大阪」と。府教委は全国の大都市圏と府のデータの比較作業に着手、受験情報や塾の充実した大都市圏にありながら学力が低迷している原因の究明と本格的対策に乗り出したとある。「大阪の子供は起床、就寝の時刻が遅い傾向にある」とも報告しているが、第一義的に子供の責任にすべきではない。まず教師の問題として捉えるべきだと思う。
・ 本校でも校務運営委員会でこの問題を取り上げ、特に「学力向上対策」について「理念」はよいから「具体策」をとることが重要と強調。特に中学校は「国語対策」を至急取る様指示した。「念仏は良い、具体的実践だ。」組織力のある府教委が本格的に対策をとってきた場合、私学の優位が薄れることへの危機感である。
・ それにしても発表の後、府教委の幹部が文科省に教員加配を陳情に出かけたことを以前のブログで皮肉ったが、ようやく府教委は対応に乗り出した感がする。それにしても府議会の議員は何ゆえ、この恐るべき結果を問題にして発信しないのだろうか。報道が一切ない。ここが不思議だ。
2.本日から臨時の養護教諭の先生 ご着任
・ 私事で休職される先生の代わりに新しい「養護の先生」が本日ご着任。宜しくお願い致します。さわやかそうな立派な先生に来ていただいて良かった。
・ 実は11月終わりから別のもう一人の先生が来ておられたのだが、たった一日出勤しただけで「お断りしてきた」というのだ。驚いた。理由はよく分からないらしいが、「たった一日で辞めた」というより「止めた」に近い。すべてをアレンジしてきた事務長先生がさすがに落ち込んで「何でやろう?」と悩んでいたが、どうもあることでその先生に優しく「注意」をしたのが原因ではないかと、これは単なる憶測しかないのであるが、それ以外に思い当たらないと事務長はいう。
・ 初日「ジーンズ」を穿いて来られ、そのジーンズもかなり「破れていた状態」で事務長はやんわりと「マー、その、ここは一応学校ですから、何と言うか、そのー、ジーンズはですね、些かまずいのでないかと、まあ、ジーンズは良いとしてもその破れたのは如何なものかと」(これは私の推測した事務長の言葉ですが)言ったのではないかな。翌日お電話があって「辞めます,止めます」。事務長先生に、慰めて言った。「仕方ない。理由などどうでも良い。本校で働きたいと思う人だけでやろうと。」
2.ご来客
 ・先般当方から表敬訪問した「進学塾の代表」の先生が答礼に本校を訪問してくれた。今日は副代表もご一緒だ。途中から教頭先生にも入って貰い、色々とお話を発展させた。本校にとって今や最大の課題は「中学校の将来像」であり、多くのヒントを頂いた。
3.校務運営委員会
 ・一芸推薦者の最終決定
 ・冬場になり日照時間が短くなった影響で一部の教室が暗くなっていないか調査し、至急「照明ルックスの増強」がいるところはそのように進めるように決定
 ・年明けセンター対策として「ウィンタースクール」の進め方を一部変えて実施することを確認
 ・中学校国語力向上、高校スクールランチについて若干の議論
4.国公立大学第1号合格
 ・理数科女生徒 府立大の公募推薦合格。 国公立第1号、 これはすごいことです。オール5の出来る生徒だったが、センター試験の前、面接と論文だけで全国で10数名しか取らない公募に本校の女生徒が合格したのだ。校長室に小躍りして報告に来る。「夢は母校、即ち本校の英語の教師になる」ことだという。彼女ならなれる。その時はまだ理事長・校長をしているかもしれない。そういえば英語の教師で卒業生はいない。「採用しよう。」
 ・初めて女生徒卒業生を出す学年、 幸先良い。男子はどうした!頑張れ!

2007年12月2日日曜日

12月2日(日)その2:堺味めぐり

堺商工会議所での私立学校説明会には結局12時30分過ぎまで同席して、会場を後にしました。3人の先生に声をかけてと思いましたが、延々と続いており切れ目がありません。外に待たしている人もあり12時35分会場を出ました。
今日のもう一つの楽しみは「堺名物を楽しむ」ことでした。堺在住の本校事務室勤務の二人の女性職員を誘ってお昼を一緒にすることです。そのうちのお一人が車を運転して迎えに来てくれていました。
.「ちく満(ちくま)」の「あつ盛せいろ蕎麦」
・ この有名な蕎麦やを狙っていました。市内の「宿院という旧市街にある歴史あるお蕎麦やさん」です。ネットでは元禄8年とありますから赤穂浪士の討ち入りよりも7年もまえの綱吉の時代ですね。
・ お店の入り口は背が低くて昔の建物の感じがしていました。分かりにくいです。ビルの谷間に入り口があるという感じです。大体こういう歴史あるところには大御所みたいなお方がおられるのですが「いました、いました。」。杖を持っている白髪の大番頭みたいなご老体がレジを打っており、15分ほど待たされました。1時前でしたが結構人は多かったですね。旅行客みたいな人も目に付きました。
・ 蕎麦は「せいろで蒸したもの」で「あつあつ」のものが出てきます。従って「こし」などはまったくありません。「グチャー」とした感じで、色も白っぽく「これって蕎麦?」と言う感じでした。僕の食感は「そばうどん」のようでした。
・ つけ汁も熱くて結構良い味でしたが、生卵を入れるようになっており(勿論入れなくても良いのですが)、わさびと青ねぎが薬味でした。1斤、2斤と言います。これも面白い言い方です。僕は4斤、お二人は2斤でした。最低でも2斤はいけますよ。
・ 他に何もメニューはなく、ただ蒸篭そばだけです。一度は行ってみれば話しのネタにはなりますね。リピーターになるか、一回だけで「おさらばするか」は、個人によると思いますが、従来のそばに価値観を有してる方はお勧めできません。まったく異なる価値観を売りにしているお蕎麦屋さんですから。そして僕の結論は?これは書けません。
・ ただ職員にはこのように言いました。食べる途中で「1年に一回くらい良いね。」帰るときには「2年に一回くらい良いね。」それにこうも言いました。「東京からお客さんが来たときにはここにお連れしたら驚くだろうなー」と。
.「かん袋」のくるみ餅
・ 今日はもう一軒狙っていました。これも有名な堺名物の代表です。意味や由来はよく分かりませんが「かん袋」といい、一つの屋号(?)。要は「くるみ餅」です。ちく満から近くて、ここも超満員です。ネットでは秀吉とか室町時代とかが出てきますから、ここも相当の年代ものです。
・ どうも我々と同じように考える人は多いと見えて、ちく満で食べて、かん袋でデザートという感じですね。コースです。職員の一人が「アー、あの方さっきちく満でお見かけしましたね。」と言っていましたから。
・ 冬だというのに氷がかかっています。しかしこれが結構いけます。ちく満のそばで踊っている胃の中が「氷くるみ餅」で落ち着いていくのがよく分かりました。
・ 地方発送は出来ません。だからこのように人が次から次と押し寄せます。ちく満もかん袋も「手作り」でお店もどちらかといえば「普通のお店」で別に豪華でもなく、かたくなに昔の味を守っているというところに感動を覚えます。こういうところが大好きです。今後とも頑張って欲しいと思いました。
・ 今日はお二人に付き合ってもらって良いところに行きました。次回の堺は「南宗寺」です。「利休を偲びたい」と思っています。その時には絶対「ケシ餅」です。茶人垂涎の茶菓子「ケシ餅」を是非とも。時間があれば鉄砲鍛冶の伝統を引く「堺打ち刃物」の製作場所を見たいなー。
.堺という街
 ・堺をもっと知りたいと考えています。ちく満で次のような文言が書いてありました。
 「ものの始まり 何でも堺  三味も小唄も みな堺」 堺小唄から
・ 面白いですね。確かに。線香、三味線、鉄砲、自転車、自治都市、布団太鼓、環濠、お茶人、・・・・」堺は大阪と完全に異なる味がある。これが最近少し分かってきたような気がします。
・ なかもず駅で降ろして貰いました。今日は有難う。お二人の事務職員による堺食べ歩き、良い思い出となりました。それにしても彼女たちから聞く先生方の評判は大変参考になりました。知らないことを今日は随分と仕入れました。

12月2日(日)その1:塾主催学校説明会

1.有力単独塾主催の私立高校合同学校説明会の形
・ 前から一度行きたいと考えていたことなのですが、タイミングが合い、塾主催の合同私立高等学校説明会の様子を観に出かけることにしました。場所は「堺市の商工会議所会館」で、朝10時過ぎには天王寺を出ましたが、10時30分前には会場に到着。「本校からは3名の先生」がすでに入っていますから、私が直接説明するということではなくて、単なる様子見というか、私自身の勉強が目的です。
・ 今回の主催塾は大和川を越えた南部地域で大きな勢力を有する、言ってみれば「昇り竜のごとき塾」で午前、午後終日借り切った説明会で、まず1階から3階までを使い本校は2階の「共学校」のところで「やっていました、やっていました。」K先生、M先生、T先生の3人が神妙な雰囲気でやっていましたね。彼らは校長が来ても気付かない様子で、一心不乱に保護者対応をしていましたね。
・ 「本日の一切の仕切りはこのR館ゼミナール」が行い、各校に参加を依頼するというもので、本校からの3名の先生も本年からで、昨年までは2名だったとR館のN館長先生が言われていました。「、先生、頑張りましたね。浪速、人気ですよ。」と言って頂いて、このように外部の方から言われるととても嬉しく感じました。少し人気が出てきてるのかなと思ったりして。
・ 参加されている保護者は各校の説明者の前に設えられた椅子に座ってお待ちでした。2階は主会場で本校から時計の左回りに帝塚山学院泉が丘、学芸、清教、桃山、近付、初芝と「ブース」が並び3階は午前が女子校、午後が男子校となっていました。それだけ女子校、男子校は一日を占有するくらいお越しにならないのかも知れません。これは私の想像です。2階の共学校は終日の拘束ですからそれは数が多いということではないでしょうか。気になるのは「当然各校単位の保護者の数」です。結論的に言えば浪速は負けてはいませんでした。「ホッ」としましたよ
・ おかしいな、もっと学校があるのに、これだけでは少なく、他の高校はどうしたんだろうと不思議に思ってスタッフの方にお聞きしましたら「保護者から要望のない学校には来てもらっていません。」と言うことでした。「恐ろしいことです。」お呼びでないことほど私学では悲しい辛いことはありませんよ。「良かった。」、呼んで貰って。お呼びでない学校は「パンフレット参加(これは私の造語ですが)」です。学校案内のパンフだけが参加するのです。
・ 会場中央に府内ほほすべての私立高校の学校案内のパンフレット置き場があり、参加者は自由に取ってよいことになっていましたが、余り消化されていません。本校のものも最も端の見やすいところにおいてくれていましたが、誰も取って行ってくれないので、最初自分が「配って歩こうか」と思いましたが、先生に恥をかかせてはいけないので止めました。なぜ「パンフレットがはけないのか」その理由がそのうち分かりましたよ。
2.私立高校と塾、保護者との相談会の中身
・ 今日お越しになった保護者はすべてR館の塾生の親で希望の高校との面談で高校側から「○」を貰うためと言うか「安心感を頂く」みたいなもので、保護者は子供の学校の成績、塾での成績等を持参し、それを見ながら希望の学校に「行けそうか、厳しいか」等を確認するためのものでした。パンフレットなど今日の段階では関係ないのですね。  皆さん、もう学校のことは十分知っているのです。
・ 従ってあらかじめ希望の学校への予約が取れており、勝手に他の学校に飛び入り参加は基本的に想定されていないのです。面白いですねー。公立と全く異なります。従って観察していると高校との相談が終わった保護者は「喜びが顔に溢れて」いる方は「○」を貰った方にまず間違いありません。中には小さな子供を連れてきており、会場の外に出るなり「丸をもらったよ。」と子供に言っている親もいましたね。
・ ○なり、△なりX(こういうのか知りませんが)なりの結果を、一階に待ち構えていたこの塾のスタッフが聞き取り、記録して保護者は帰宅につくという寸法です。△なりXなりの場合は進路変更、例えば特進コースから一般コースへとか学校そのものを変えるとか、「思い切って予定通り頑張るか」進路相談になるそうです。従って「高校側の判定○、△、Xなどは慎重」にしなければならず、一旦、○をつけたら南海沖地震でも来て校舎が倒壊でもしない限り「変更は出来ない」のだと想像します。
・ 「15の春を泣かすな」とこのようにして「塾と保護者と私立高校は微妙な問題を信頼関係をベース」に進めているのですね。丸を貰った保護者はこれで「一安心」を得て公立をどこにするか、私学専願にするか併願にするか、年明けに意思を固めていくそうで、まだまだ今日の段階では決まりません。ビバークの場所というか避難のトーチカを決めたとか、そんなところでしょう。しかし今日でとりあえず「最悪か最良か、分からないけれども行くところが決まった安心感」で本日のお母さんは帰りにスーパーで子供の好きな夕食の献立を考えてお買い物をしていくのでしょうね。そのように思いました。
・ 次は年明け早々1月8日に始まるそうですが、「公立中学校との相談会」となります。これは果たしてどのようなものでしょう。興味津々です。耳で聞いて頭で理解しても駄目です。自分の目で確認し肌で感じなければ「その気になりません。」昔からそうです。「自分で味わって初めて自分のものになります。」以前ブログに書きましたが私立学校の先生は一度は「入試広報、入試事務」を体験した方が良い勉強になります。最も適性のない人が対応したら「元の木阿弥になるリスク」がありますが。
・ N館長のご案内で会館内部を巡視しました。そして休憩所としている喫茶コーナーでお茶をご馳走になりました。以前訪問してご挨拶したことのあるN館長先生と親しく色々と教えて頂きました。塾経営者としては「本道を歩く教育者で経営者」という感じです。そういえば本日対応しているスタッフの数は100名を超えており、驚くのは服装も対応も立派と言うことです。黒っぽいあの女性のスーツ、男性の背広は制服だったのかなー。「男性職員も女性職員も教育が行き届いている」のは民間企業出身の私にはすぐ分かります。本校はもっともっとレベルを上げねばなりませんね。
・ 本校の3人の先生、立派でしたね。済めば「起立」して保護者を見送り、「お次の方、どうぞ。お待たせしました。」と3人ともちゃんとやっていました。やっていない学校は結構目につきました。強い学校もウーン弱い(?)学校も、各校頑張って説明対応していましたが、「誠実な対応」は本校の先生が際立っていましたね。立派でした。誠実なことの証明は説明にかける時間です。「圧倒的に長い時間」をかけて対応されていました。普通3人寄れば一人くらい「短くパッパとする人」が居るものですが、3人ともお互い競争しているのかと思うくらい、時間をかけて対応されていました。見ていて「何か世間話でもしているのかな。」と思うくらい頑張っておられました。勿論時間をかけられた保護者は満足そうなお顔でした。これで良いのです。

2007年12月1日土曜日

12月1日(土)師走入り

 「師走入り」である。本年最後の「一斉参拝」、本当に1年があっという間に過ぎていく。
  一句 「台に登り 生徒見る身の 師走かな」
      「大神に  我が子ら祈る  師走かな」
      「神社前  我が声とどけ  師走かな」
      「行く年を 飾れわが子よ  師走かな」
1.12月1日「一斉参拝」
学院神社「拝詞」奉唱
・ 今日の校長講和は昨今の「いじめ問題」に言及。本校からの「いじめ撲滅」を宣言。
2.一芸推薦
・ 本日は一芸推薦の面接試験が行われる。一芸とはスポーツで特別に類まれなる資質と能力を有しており、本校の指導者、即ち運動クラブの顧問の先生の指導を仰ぎたいという中学3年生を推薦入学するシステムであり、この辺が文武両道を掲げる私学らしさとも言える。
・ 特に本校のすごいところはこの推薦のプロセスに十分なる手間隙をかけていることである。当然「特待生制度はない」。従って顧問の先生のフットワークと人的ネットワークがものをいう世界であり、「あの先生を慕って入学したい」というものだ。
・ 昨日書類選考委員会、本日面接試験ということになる。面白いのは一芸推薦でも2月の入試は受けて貰うことになっており、本当に本校のシステムは誠実で本格派だ。この点が立派だ。
3.新春拝賀始業式「舞の奉納
 ・ まず「舞台」であるが格好のものが見つかり発注した。結構高価であったが、今後浪速祭とかで有効に使えると思えば安いものだ。自治会役員の生徒からの要望もあったし、これで喜んでくれるだろう。
・ 遂に舞台の上で「舞を奉納」してくれる「巫女」さんが見つかった。なんと灯台下暗しで、「本校2年生、岸和田の由緒ある神社のお嬢さん」が生徒代表で舞ってくれるという。外部の巫女さんにお願いせざるを得ないかなと思っていただけに本校の生徒となると、これは願ったり叶ったりだ。
・ 報告に来た先生に思わず「何年生?」「2年生です。」「良かった、2年間はいける。」と。2年間で、雅楽部に女生徒を入れ、彼女から舞いを特訓してもらいたいと思うけど・・・。
4.楽器ショップ経営者 入る
・ 本校OBであり、学校の傍で楽器店を営む社長さんが久しぶりに入る。本年3月、ブラスバンド部強化の時にお世話になったお人だ。特別なカレンダーを持参してくれた。「世界の有名な指揮者」の写真が大きく入っている、見るからに立派なもので、この社長いわく、「これらの指揮者に負けないように学校の指揮をとれ」と言う。「そう言われてもなー。いっぱい、いっぱいです。」
・ あわせて「音楽科を作れ」と。「ウーン」。

2007年11月30日金曜日

11月30日(金)私立学校納付金

1.平成20年度大阪府私立学校新入生納付金等新聞報道
・ 今朝の朝刊各紙一斉に報道。府内私立高校94校中22校が値上げで平均744300円、中学校は60校中14校が値上げで平均766900円になるそうだ。いずれも対前年度10000円弱の値上げである。理由は少子化や物価上昇に伴う諸経費コストのアップが理由としているが、気持ちは良く分かる。
・ しかし同じ私学でも極めて大きな差異がある。高いところは120万円というところもあり、低いところは70万円を切っている。本校は新聞に出ているから分かるが納付金は下から数えた方が早い。72万円だ。ただ安ければ良いというものではない。生徒の為に十分なる教育活動が担保される学校コストはかかる。
・しかし私は来年度も値上げはしないことを決めた。これで3年間据え置きである。「ぎりぎりまで経営努力」を行い、どうしようも無くなったら入学生の保護者にお願いをせざるを得ない。
・ 元々私立の納付金は公立に比べて安くはなく、保護者にとっては負担だろうと思えば、まずそれに見合う教育成果を上げ、経費の無駄を省き、「最後の最後が入学金と授業料の値上げ」だ。その意思決定には勇気がいる。
2.私学助成・奨学金に影響か、歳出一段のカットも
・ 目立たない記事であるが大阪府は200億円税収減となるシミュレーションが出たと言う。これは都市と地方の税収格差是正を目的に政府与党で検討が進む地方法人二税(事業税と法人税)の見直しの影響を府が算定した結果である。
・ そのため場合によっては「大幅な歳出削減が必要」で「私学助成とか育英奨学金のカット」とか大幅な行政サービスの低下が出る可能性と報道しているのだが、「冗談ではない。」府の財政が危機的な状況にあるのは分かっているが、私学助成が最初に何故出てくるのと言いたい。今後とも「ウヲッチが必要だ。
・いずれにしても私学助成は厳しい局面にさしかかっていることは間違いない。まず自らがしっかりとした財政基盤を持たなければならない。常に経営努力が不可欠だ。
3.オリックス大引啓次選手 入る
・ 本校卒業生で法政不世出のキャプテンと言われオリックスドラフト一位、1年目からレギュラーの大引選手が住吉警察署一日署長を頼まれ、その帰り学校に立ち寄ってくれた。
・ 何時も思うのだが「良い顔をしている。」単なる男前ではなくて顔の造作は勿論良いのだが「面魂」が良いのだ。それに礼儀正しい。
・ 野球部の総監督K先生と一緒に1時間も校長室で話が弾む。人生の先輩として野球選手の人生論、サッカー選手との比較論、野球選手の結婚論、吉本興業との関係論、長島茂雄論、イチロー論、野球選手と局アナの運命的出会い論、等々話をした。じっくり聞いてくれていた。
・ オリックスのカレンダーを貰う。なんと1年目で正月1月を飾っている。「間違いないホープだ」。オリックスの期待が手に取るように分かる。 しかしさすがに私学だなと思う。プロ野球の有名選手とこうして話ができるなんてついこの前まで考えもしなかった。今度焼肉を食べに連れて行こう。
4.女生徒 入る
 ・ 過日面接予行演習をした3年生の女生徒が歓声を上げて入る。「同志社女子」に合格したとのこと。今日はブログには書いていないが、朝から事務所の対応で色々とあり、余り機嫌は良くなかったが、これで直った。「同女」「京女」「武庫女」は今や難関大だ。良くやった。
・ さあ、後は本番の「奈良女子大」だ。「頑張れ!」共学にして「最初の記念すべき女生徒卒業生」になる。進路の行き先、幸先は良い。

2007年11月29日木曜日

11月29日(木)業務留め書き

1.鶴橋近くの大手有名塾を訪問
・ 昨日夕刻、鶴橋駅、下味原交差点そばの「進学塾の代表」を訪問し、特に「中学受験」について色々とお話を伺った。大変為になった。このように時々外部の有識者のお話を意識して聞くようにしている。「校長室にいれば徐々に外部が見えにくくなるのを戒めている」のだ。
・ それにしてもこの鶴橋駅には4年間良く通った。大体朝は早いほうで6時55分くらいには味原交差点を過ぎ、7時10分には勤務先の学校に着いたものだった。何時も私は3番目、来ている人は外部委託の門衛のお方と校務員さんお一人であった。駅から学校まで、頭の中は「今日はこれとあれ、近いうちにこれを打ち出すか」等々学校改革の思案の道で懐かしい場所であった。しかし久し振りの今日は風景は違って見えた。
・ 今もそれと同じような毎日だ。鶴橋駅が我孫子町駅に変わっただけで、行動と思考は全く一緒だ。少し年を取った分、体力が少し衰えたかと感じるが、まだいける。
2.お花が届く
 ・縁は不思議、昨日2年ぶりに鶴橋に行ったら、今朝、前の学校のPTA役員だったお方から胡蝶蘭のお花が届く。「感謝を込めて」とカードにある。この人のお嬢様は言ってみれば私の教え子で、このたび念願叶って「府の教員採用試験に合格」したという。
・ 色々と昔を思い出すのだが「良い教師になって欲しい。彼女ならなれるだろう。根性がある。」それにしても彼女を卒業させて5年目か、早いものだなー。
3.日経新聞記事  本校関係部分そのまま
 ・ 先だって取材を受けた日経の記事が本日出る。見出しは「特待生はどこへ行く」「高校、副作用を敬遠」「野球校に厳しい目」とあり、私の思いは伝わった記事の内容になっている。
・ 「大阪の伝統校で今夏ベスト4の浪速高は昔から野球特待制度を持たない。住友金属工業出身で大阪府初の民間人校長として教育界に転進した後,同校理事長についた木村智彦はベスト4入りした翌日の新聞記事のスペースを広告費に換算した。」4千万円。「広告効果は確かに大きい」
・ しかし民間出身の目からすると特待生制度を設けてまで強化するほどの効果は認められない。400校弱の高校が導入している現在、「特待生制度で勝っても当たり前。高校の差別化にはならない」という。
・ 「ウチの子と特待生制度のある学校の選手では体つきが違うが、小さい子が大きい子に立ち向かう姿にこそ意味があると思った」と木村。
・ 普通の高校がうける時代になったのだ。
4.来年度採用教員
 ・2次募集していた数学、国語の新規採用教員が全て決定されたとのこと。公立の採用発表後につき応募者は極めて多く、センターの副校長いわく「大変良かった」とのこと。
5.職員会議
 ・「来年度行事が決定」。順調だ。素晴らしい。
6.職員集会
7.理事長・校長公式メッセージ
・公式サイトにアップ。「論考:教育改革という言葉」今後時間を見つけて教育改革・学校改革の論考を普遍的にまとめて随時発信していきたいと考えている。本日は1稿目「教育改革という言葉」だ。

2007年11月27日火曜日

11月28日(水)給与振込みについて

1.給与振込みについて
・ 本校において「給与や賞与一時金の個人口座振込み」が開始されたのは、極めて遅く、平成9年10月と言うから、丁度今から10年前のことだ。社会一般に比べ極めて遅いタイミングである。ここにも世間から乖離した姿を見ることができる。
・ それまでは月度数千万円、期末手当ウン億円を事務職員が金融機関に取りに行き、教職員一人ひとりの「封筒詰め」をしていたと言うから驚く。さすがに一時金の場合は事務室では狭くて出来なくて、大きな会議室で内側から鍵をかけ、作業をしていたという。100数十名への1円単位の封筒詰めは大変だったと担当者は言う。しかし給与、それだけではなくて「手当て」や「PTA会計からの手当て」など3つに分かれ、「一人の教員あたり3つの封筒詰め」だ。これは「今日では有り得ない話」だろう。
・ しかし問題はこれではない。スタート当初現金振込みを主張した人間が16名。それが平成15年まで続き、この年、強い事務室からの「お願い」があったのだろうと思うのだが11月の時点で5名まで減少し、その後3年間、本年4月までこの「5名が現金受給を継続」してきた。私は徹底的にデータを分析するから手元に当初からのお名前リストがあるのだが、ある教科に集中している。組合教員に集中しているということはまったくない。偶然なのか、誰かの影響力があったのか、今後調べていきたい。
・ 1月理事長に就任して事務室に「何か事務処理で困ったことはないか?」と聞いたら、「パッ」と最初に出てきた言葉が「この5名の現金支給で困っている」と言うことであった。昨今の大阪での「引ったくり事件の多発」、あってはならないことだが「封筒入れのミス」等々、それよりも「今や例外作業」に伴う非定常作業の心身に及ぼす影響であって、封筒管理に随分と気を使ったらしい。直ぐに取りに来てくれればまだ良いが、しばらく取りに来ないと金庫に現金を保管し、「やはり気になる。」というのだ。気持ちは良くわかる。銀行や郵便局に現金を受け取りに行き、学校に戻るまで緊張してとても肩が凝ったという。
・ 直ぐ対応した。5名の教員を個別に理事長室に来てもらい、「協力」を要請した。労働基準法は「本人の同意がない限り現金支給」が法的根拠であり、それは分かった上で、昨今の現金扱いに関するトラブル回避の視点で、「理事長が頭を下げて」依頼したのだ。
このときの私への対応態度で「人物像」が見えてきた。
・ 2名は理事長の要請にすぐ応えてくれた。「はー、」と、こちらが拍子抜けするくらいだった。ある人物は、随分前、1万円封筒の中身が少なかった事件があったらしく、事務室不信で凝り固まっていたが、「何とか理解してくれた」。1名は「家族と相談する」と言い、その後「了解してくれた。」家族と何を相談するのか今でもよく分からない。問題は、ある教員で「なんや、かやと言い張り同意しない」。その話し合いの過程で雇用者、給与支払者たる理事長に対して無礼千万の態度があったので、これとは切り離して厳しい対応をとった。おそらくこの教員は私が1月9日着任で1ヶ月も経たない1月の終わり頃、「何も分からないくせに、振込みにしてくれませんか」などと迫る理事長に「一発かましたれ」くらいの感じだったのかもしれない。
・ 結局2月から4月にかけて色々あったが、5名全員同意してくれ、晴れて4月から全員給与振込みとなった。事務室からは大変感謝されたが「今後絶対給与計算に間違いがあってはならない。」ときつく厳命している。
2. 期末手当は年2回に
・ これも今年から変えた。今までは年3回に分割して、期末手当てと称するいわゆる賞与・一時金を支給していた。冬が大きく、次に夏季、3月の年度末は約0.3ヶ分弱程度であるが、これを「年2回の支給」にした。勿論年間ベースは同じだ。これなど今やどの社会でもないのではないか。公務員給与制度の名残だ。
・ これには表立って反対の声はなかった。事務室は大変喜んでくれた。それはそうだろう。支給事務処理が1回減少し、年度末の資金段取りに気を使わなくて済むからだ。教職員も夏場の収入が増え、家族との夏休み資金がある程度確保されるから悪くはないと思ったのであろうか。
・ しかしある人間が私にこのように言う。「現金支給時代、3月末分は家族に内緒のへそくり」だというのだ。だから振込みは酷だというのだが、信じられない。そういう人間は本校には居ないだろう。自分で稼いだお金はそれを支えてくれた家族全員のものだろうと言いたい。又ある人はこのように言った。「振り込め詐欺」にあったら、どうしますか」と。返す言葉がない。
・ これも事務室には厳しく指導した。もっともっと真剣に「間違いなく、合理的な、結果として教員の為になるような仕事をせよ」と。事務室は単なる事務処理屋ではない。「経営のスタッフ」であるべし。事務室全員が事務処理屋になっては、元々誇り高い教員からは一段下に見られると。「一目も二目もおかれる存在たれ」とこの10ヶ月言い続けてきた。
3.個人パソコンで手当ての申請
 ・10月1日に「全員に個人パソコン」を貸与した。これを使い、来年4月からは諸手当は「個人申請主義」で各人から申請してもらう。「IT時代のシンボル」だ。今や府立高校でも当たり前のことがようやく本校でも可能となる。そのシステムを今、名古屋のソフトメーカーに作って貰っている。
 ・ようやく「キャッシュレス時代」が本校でも到来する。言葉にかけば簡単だが此処まで10ヶ月。事務職員も教員も誰も悪気はないのだと思うが結果として全員が現状に疑問を抱かず、「変えようとしない、現状にどっぷりと浸っている」だけの「化石みたいな学校」から今「時代の先端を走る学校」へと変身しつつある。結果として理事長の勝利ではなくて新しい理事長・校長を戴いた教職員の勝利ではないか。私はそう思っている。組織のリーダーが「学校を変える責任」とはそういうものではないか。

2007年11月26日月曜日

11月26日(月)カウンセリングの先生

1.スクールカウンセリング
・ 本校にも素晴らしい先生をお一人お招きしてご指導を頂いている。去年までは週に一回であったが今年から2倍に増やして来て頂いている。主体は他校と同じで「保護者、教員への相談に乗る」と言うスタイルである。
・ 月度に一回レポートを持参頂いて二人で現状を確認している。相談内容の主だったものはやはり「不登校」に関してであり、相談内容の約半分を占める。
・ 保護者と教員の比率は圧倒的に教員が多く、カウンセラーの先生は「本校の先生は真面目で熱心な先生が多い」と評価されておられる。
・ 今日は先生からあることを要望された。「忙しくて契約の時間では対応できません。なんとか契約時間を見直してください」と。これって学校と保護者の関係がうまくいっている側面ではないでしょうか。ご要望を考えねばならないかな。
2.2009年度海外修学旅行先
 ・ 来年度入学してくる生徒の海外修学旅行先と予定を本日仮決定した。「3班に別れオーストラリアのブリスベン、ケアンズ、オークランドに入るルート」だ。時期は5月25日一斉に関空から飛び立つ。
・ 一方国内旅行組は同日出発で北海道だ。
・ まだ生徒の顔も見ていないのに「気の早い話」だと思うがもうこれ以上待てないと、早く航空機を押さえ、ホテルも仮予約しなければと旅行会社がやいのやいの言ってくる。
・ さあ、先生方、2年後は大変だぞ。遂に浪速も海外修学旅行だ。
3.13時30分 拡大校務運営委員会
4.某民間教育機関の先生 入る
 ・ TOEICの専門家
・ 12月、3月の講習会への参加要請
・ 1/2費用援助で2名の英語教師を参加していただくことにする。これからの本校英語教師はTOEICを「最低でも800点」を目指して貰う。高校教師としては750点以上が望ましいとされるが、少し上を目指そう。今や英検ではなくてTOEICだと私は思う。英語の力はそれで分かる。
5.南部地区に勢力のある塾の先生 入る
 ・塾公開の公式サイトに「有力高等学校30校程度の紹介欄」を設けるので「浪速は如何か」というご親切な申し出であり、感謝。
・ 今「浪速高校」評判がうなぎのぼりとのことで、塾関係者からこのようなお話をお聞きするのは嬉しい限りだ。
6.特別顧問 入る
 ・理事長特命事項を担当頂いている特別顧問とは時々短時間ではあるが「お話」する。
 ・今日も懸案の事項について二人で相談だ。私は特別顧問の先生のご意見を尊重している。
7.保健体育部と人権委員会の先生方と会食
 ・「東心斎橋」の有名なちゃんこ料理の「若」、良い味だったな。ここは副部長が下見を奥様とされたらしいが、申し訳ないな。そこまでしなくて良いのに。でも「良い場所」だった。一品も工夫され、大いに盛り上がる。話の基本はそこに居ない人の「噂話」だ。これがもっとも「おいしい」。今日は体育科の新婚間もないI教諭だ。お正月は自分の実家か奥様の愛媛の実家に行くか、意見が分かれた。僕は真実を知っている。

2007年11月24日土曜日

11月24日(土)業務留め書き

1.面談
・ 現在、「大阪市立某中学校の校長先生」をお一人、来年3月末のご定年後の再就職先として、4月から本校に招聘することを内定した。本日初めてお目にかかったが大変立派な教育者である。
・ 兼ねてより、ある知り合いのお方に「紹介して頂く様」お願いしていたのだが、「良いお人を得た」感じだ。これで大阪市の中学校の実情など大所高所からご指導頂けると思えば「入試広報室には心強い援軍」だろう。堺市の元校長先生に加えてこれで大和川を挟んで北と南の「中学校校長経験者の参謀」が揃ったことになる。
2. 第2回中学校入試プレテスト実施
・ 先の10月27日に続く2回目、今日で概ね中学校のクラス数が具体的に読めることになる。
・ 本校は大体2クラスの募集規模であるが、来年度は果たしてどの程度の質量となるか、1,2回のプレテスト結果から判定することになる。この後中学校最後の入試説明会が12月15日にあり、その後「1月19日の一次A,翌日1月20日の一次B、そして最後が1月25日の二次試験」という手順になる。慎重にクラス数を決めていく。
3.テニスコート増強
 ・現在テニスコートは2面しかない。2面では硬式、ソフトテニス、高校、中学、それに「授業と部活動」を考えた時に極めて時間的制限があり、これでは「生徒が可愛そうだ。」
 ・と言うわけでお金はないがなんとか工夫してもう「1面コートを増設」することにした。出来ればテニス使用以外時にはハンドボールコートとして使えるような「多面コート」が良いし、今の時代「人工芝コート」が良いだろう。周辺も「金網塀にして美観」も考えねばならない。
・ 本日最終的に「メーカー施行業者」の選定を終えた。事務長から施行業者に伝えることになる。2月から工事に入り、3月中には完成だ。「生徒の喜ぶ顔」が浮かんでくる。
4.新採用教員面接
 ・責任者の副校長、随時面接がどんどん入っているらしい。過日の「2次募集で数学、国語の教員」募集に関して応募者が殺到しているとのこと。この理由は様々だろうが公立の採用試験の発表が終わった後で、その影響もあるかもしれないとの分析である。
・私の方からは新卒の先生の場合、出来れば「常勤講師か専任教諭」とするように言っているが副校長は慎重だ。新卒の先生が「非常勤講師」というのは人生の船出に如何なものかと思うのだが、ご本人によっては来年公立の試験に再チャレンジするお方もおられ、勉強のため非常勤でと言われるお方もいるらしい。
5.PTA臨時役員会
 ・PTAとして調整しなければならない項目が数点あり、役員会。特に「スクールランチ」について学校側の説明とPTAの協力を求めた。時間をかけて進めることで一致。
・ 和気藹々と良い雰囲気の会合であった。「新春拝賀始業式」へのご参加をお願いした。
・ その他特に話題になったのは「生徒生活規範」の問題であった。特に「いじめ」は本校から撲滅することで一致。又携帯電話を使ったネットいじめの問題なども話題に。

2007年11月22日木曜日

11月22日(木)保護者との距離を縮める

1.保護者への連絡方法
・ 学校から不特定の保護者に対する連絡方法について検討を進めている。何かあれば個別にお電話すれば事足りるのであるが1500名の家庭に連絡するとなると大変である。一般郵便を使うとそれだけで一回12万円もかかるし、はっきり言ってもったいない。非常勤講師10時間分だ。最近も学校で発生した事案について保護者にご報告したい件があったが、果たして届いたであろうか。
・ 安い通信手段はあるのだが、例えば宅配便を使った親書配信などは場合によっては数日かかって5-、60円もかかる。これでは意味が無い。時間はお金だ。従って学校は「生徒にプリントを預ける」という古典的スタイルをとるが、これが問題である。間違いなく保護者に手渡っているかというと、正直なところ約半分くらいとの調査データがある。それ以下かもしれない。
・ 理由は生徒が忘れているというもの、意識的に渡さないというもの、紛失したもの、等々で、大体学校からの郵便物を親に真面目に手渡すなど、昨今の高校生がするなどあり得ないと考えたほうが良い。生徒には申し訳ないが。
・ しかし今後ますます「保護者と学校の連携は重要」でそのタイミングが重要となってくる。「より早く、より確実に保護者に連絡する」、又逆に「保護者からの連絡を貰う」ことを考えることは今日的学校課題である。
・ 着任以来広報活動には重点をおいて進めており、学校公式サイトホームページの充実はその一つである。具体的に言えば「校長公式メッセージ」と「校長日記」「保護者通信(保護者の皆様へ)」である。これらは基本的に優先順位を付ければまず保護者、そして教職員、次に本校に興味・関心をお持ちの一般の方々(基本的には受験生をお持ちの保護者を念頭)である。校長が「ええかっこ」して書いているのではない。書くのは全く苦にならないが、夜遅くなったときはさすがにしんどい。
・ 「保護者通信」はこの欄に立ち入るにはキーコードが要るようにしており、誰にも公開しているものではない機密に属する事項もある。アクセス数で言えばほんの少しの保護者で数値があまり変わらないから恐らく固定化された人だけが御覧になっている。前にもブログに書いたがPTA役員でも「入り方を知らない」人がおられた。しかし考えてみればパソコンをお持ちでない方、あってもその使い方をご存知ない方、その時間さえ取れない方等、様々な事情があり、快刀乱麻の解決策とはならない。
・ 今、「保護者の携帯電話にメールする方法」を本格的に検討し始めた。今の時代、ほとんどの保護者は携帯電話をお持ちで、そこにメール配信する方法だと「情報到着率は飛躍的に高まらないか」。「携帯サイトを公式に有する」ことは一つのアイデアであるが、やはり「学校側から積極的にメール配信」をするほうが確実である。
・ 「本日生徒に重要な連絡事項を書いたプリントを持たせました。必ずお読みください。」で良いのだ。母親が夜「あんた、学校からプリント持って帰ってるやろ。出し。」と言ったら生徒の顔は真っ青だ。「何で知ってるねん?」
・ このシステムを開発することによって逆に保護者から「生徒の欠席連絡」なども容易に整理できる。学校パソコンにデータを入れれば一瞬に情報は整理できる。 校内で何が起き、校内での行事予定、保護者への注意喚起、とにかく「生徒を色々な意味で守る」ために「学校と保護者の距離を如何に縮めるか」、重要なテーマである。
2.防災非難訓練実施
 ・6限目を使って訓練を実施。住吉消防署のご指導を受けて避難訓練と消火器の使い方を5名の代表生徒が実施。先生方によると昨年に比べ避難時間も短く、中々良い態度だったとのこと。
3.来客1名 入る
 ・ 市内の府立高校の校長を最後に現在は関西某大学の入試センターにお勤めの先生がご挨拶に来られた。66才といわれるがお元気そのもので、「まだまだバリバリ働きたい」と。まだ5年位は働くと。「すごいなー」と思う。
・ 前の学校の時も校長室に来られたとのことであるが、私には記憶がなかった。とにかくこのようにして必ず府立の先生はご挨拶に来られるが、何時も思うことは「教育者は結局、教育現場から離れられないのだなー。」ということ。
・ まず退官後は「趣味の世界で生きる」とか「世界旅行にご夫婦で行く」とか「ボランティアに生きがいを持つ」とか余り聞いたことが無い。死ぬまで教育現場だ。これってどういうこと?