2007年11月30日金曜日

11月30日(金)私立学校納付金

1.平成20年度大阪府私立学校新入生納付金等新聞報道
・ 今朝の朝刊各紙一斉に報道。府内私立高校94校中22校が値上げで平均744300円、中学校は60校中14校が値上げで平均766900円になるそうだ。いずれも対前年度10000円弱の値上げである。理由は少子化や物価上昇に伴う諸経費コストのアップが理由としているが、気持ちは良く分かる。
・ しかし同じ私学でも極めて大きな差異がある。高いところは120万円というところもあり、低いところは70万円を切っている。本校は新聞に出ているから分かるが納付金は下から数えた方が早い。72万円だ。ただ安ければ良いというものではない。生徒の為に十分なる教育活動が担保される学校コストはかかる。
・しかし私は来年度も値上げはしないことを決めた。これで3年間据え置きである。「ぎりぎりまで経営努力」を行い、どうしようも無くなったら入学生の保護者にお願いをせざるを得ない。
・ 元々私立の納付金は公立に比べて安くはなく、保護者にとっては負担だろうと思えば、まずそれに見合う教育成果を上げ、経費の無駄を省き、「最後の最後が入学金と授業料の値上げ」だ。その意思決定には勇気がいる。
2.私学助成・奨学金に影響か、歳出一段のカットも
・ 目立たない記事であるが大阪府は200億円税収減となるシミュレーションが出たと言う。これは都市と地方の税収格差是正を目的に政府与党で検討が進む地方法人二税(事業税と法人税)の見直しの影響を府が算定した結果である。
・ そのため場合によっては「大幅な歳出削減が必要」で「私学助成とか育英奨学金のカット」とか大幅な行政サービスの低下が出る可能性と報道しているのだが、「冗談ではない。」府の財政が危機的な状況にあるのは分かっているが、私学助成が最初に何故出てくるのと言いたい。今後とも「ウヲッチが必要だ。
・いずれにしても私学助成は厳しい局面にさしかかっていることは間違いない。まず自らがしっかりとした財政基盤を持たなければならない。常に経営努力が不可欠だ。
3.オリックス大引啓次選手 入る
・ 本校卒業生で法政不世出のキャプテンと言われオリックスドラフト一位、1年目からレギュラーの大引選手が住吉警察署一日署長を頼まれ、その帰り学校に立ち寄ってくれた。
・ 何時も思うのだが「良い顔をしている。」単なる男前ではなくて顔の造作は勿論良いのだが「面魂」が良いのだ。それに礼儀正しい。
・ 野球部の総監督K先生と一緒に1時間も校長室で話が弾む。人生の先輩として野球選手の人生論、サッカー選手との比較論、野球選手の結婚論、吉本興業との関係論、長島茂雄論、イチロー論、野球選手と局アナの運命的出会い論、等々話をした。じっくり聞いてくれていた。
・ オリックスのカレンダーを貰う。なんと1年目で正月1月を飾っている。「間違いないホープだ」。オリックスの期待が手に取るように分かる。 しかしさすがに私学だなと思う。プロ野球の有名選手とこうして話ができるなんてついこの前まで考えもしなかった。今度焼肉を食べに連れて行こう。
4.女生徒 入る
 ・ 過日面接予行演習をした3年生の女生徒が歓声を上げて入る。「同志社女子」に合格したとのこと。今日はブログには書いていないが、朝から事務所の対応で色々とあり、余り機嫌は良くなかったが、これで直った。「同女」「京女」「武庫女」は今や難関大だ。良くやった。
・ さあ、後は本番の「奈良女子大」だ。「頑張れ!」共学にして「最初の記念すべき女生徒卒業生」になる。進路の行き先、幸先は良い。

2007年11月29日木曜日

11月29日(木)業務留め書き

1.鶴橋近くの大手有名塾を訪問
・ 昨日夕刻、鶴橋駅、下味原交差点そばの「進学塾の代表」を訪問し、特に「中学受験」について色々とお話を伺った。大変為になった。このように時々外部の有識者のお話を意識して聞くようにしている。「校長室にいれば徐々に外部が見えにくくなるのを戒めている」のだ。
・ それにしてもこの鶴橋駅には4年間良く通った。大体朝は早いほうで6時55分くらいには味原交差点を過ぎ、7時10分には勤務先の学校に着いたものだった。何時も私は3番目、来ている人は外部委託の門衛のお方と校務員さんお一人であった。駅から学校まで、頭の中は「今日はこれとあれ、近いうちにこれを打ち出すか」等々学校改革の思案の道で懐かしい場所であった。しかし久し振りの今日は風景は違って見えた。
・ 今もそれと同じような毎日だ。鶴橋駅が我孫子町駅に変わっただけで、行動と思考は全く一緒だ。少し年を取った分、体力が少し衰えたかと感じるが、まだいける。
2.お花が届く
 ・縁は不思議、昨日2年ぶりに鶴橋に行ったら、今朝、前の学校のPTA役員だったお方から胡蝶蘭のお花が届く。「感謝を込めて」とカードにある。この人のお嬢様は言ってみれば私の教え子で、このたび念願叶って「府の教員採用試験に合格」したという。
・ 色々と昔を思い出すのだが「良い教師になって欲しい。彼女ならなれるだろう。根性がある。」それにしても彼女を卒業させて5年目か、早いものだなー。
3.日経新聞記事  本校関係部分そのまま
 ・ 先だって取材を受けた日経の記事が本日出る。見出しは「特待生はどこへ行く」「高校、副作用を敬遠」「野球校に厳しい目」とあり、私の思いは伝わった記事の内容になっている。
・ 「大阪の伝統校で今夏ベスト4の浪速高は昔から野球特待制度を持たない。住友金属工業出身で大阪府初の民間人校長として教育界に転進した後,同校理事長についた木村智彦はベスト4入りした翌日の新聞記事のスペースを広告費に換算した。」4千万円。「広告効果は確かに大きい」
・ しかし民間出身の目からすると特待生制度を設けてまで強化するほどの効果は認められない。400校弱の高校が導入している現在、「特待生制度で勝っても当たり前。高校の差別化にはならない」という。
・ 「ウチの子と特待生制度のある学校の選手では体つきが違うが、小さい子が大きい子に立ち向かう姿にこそ意味があると思った」と木村。
・ 普通の高校がうける時代になったのだ。
4.来年度採用教員
 ・2次募集していた数学、国語の新規採用教員が全て決定されたとのこと。公立の採用発表後につき応募者は極めて多く、センターの副校長いわく「大変良かった」とのこと。
5.職員会議
 ・「来年度行事が決定」。順調だ。素晴らしい。
6.職員集会
7.理事長・校長公式メッセージ
・公式サイトにアップ。「論考:教育改革という言葉」今後時間を見つけて教育改革・学校改革の論考を普遍的にまとめて随時発信していきたいと考えている。本日は1稿目「教育改革という言葉」だ。

2007年11月27日火曜日

11月28日(水)給与振込みについて

1.給与振込みについて
・ 本校において「給与や賞与一時金の個人口座振込み」が開始されたのは、極めて遅く、平成9年10月と言うから、丁度今から10年前のことだ。社会一般に比べ極めて遅いタイミングである。ここにも世間から乖離した姿を見ることができる。
・ それまでは月度数千万円、期末手当ウン億円を事務職員が金融機関に取りに行き、教職員一人ひとりの「封筒詰め」をしていたと言うから驚く。さすがに一時金の場合は事務室では狭くて出来なくて、大きな会議室で内側から鍵をかけ、作業をしていたという。100数十名への1円単位の封筒詰めは大変だったと担当者は言う。しかし給与、それだけではなくて「手当て」や「PTA会計からの手当て」など3つに分かれ、「一人の教員あたり3つの封筒詰め」だ。これは「今日では有り得ない話」だろう。
・ しかし問題はこれではない。スタート当初現金振込みを主張した人間が16名。それが平成15年まで続き、この年、強い事務室からの「お願い」があったのだろうと思うのだが11月の時点で5名まで減少し、その後3年間、本年4月までこの「5名が現金受給を継続」してきた。私は徹底的にデータを分析するから手元に当初からのお名前リストがあるのだが、ある教科に集中している。組合教員に集中しているということはまったくない。偶然なのか、誰かの影響力があったのか、今後調べていきたい。
・ 1月理事長に就任して事務室に「何か事務処理で困ったことはないか?」と聞いたら、「パッ」と最初に出てきた言葉が「この5名の現金支給で困っている」と言うことであった。昨今の大阪での「引ったくり事件の多発」、あってはならないことだが「封筒入れのミス」等々、それよりも「今や例外作業」に伴う非定常作業の心身に及ぼす影響であって、封筒管理に随分と気を使ったらしい。直ぐに取りに来てくれればまだ良いが、しばらく取りに来ないと金庫に現金を保管し、「やはり気になる。」というのだ。気持ちは良くわかる。銀行や郵便局に現金を受け取りに行き、学校に戻るまで緊張してとても肩が凝ったという。
・ 直ぐ対応した。5名の教員を個別に理事長室に来てもらい、「協力」を要請した。労働基準法は「本人の同意がない限り現金支給」が法的根拠であり、それは分かった上で、昨今の現金扱いに関するトラブル回避の視点で、「理事長が頭を下げて」依頼したのだ。
このときの私への対応態度で「人物像」が見えてきた。
・ 2名は理事長の要請にすぐ応えてくれた。「はー、」と、こちらが拍子抜けするくらいだった。ある人物は、随分前、1万円封筒の中身が少なかった事件があったらしく、事務室不信で凝り固まっていたが、「何とか理解してくれた」。1名は「家族と相談する」と言い、その後「了解してくれた。」家族と何を相談するのか今でもよく分からない。問題は、ある教員で「なんや、かやと言い張り同意しない」。その話し合いの過程で雇用者、給与支払者たる理事長に対して無礼千万の態度があったので、これとは切り離して厳しい対応をとった。おそらくこの教員は私が1月9日着任で1ヶ月も経たない1月の終わり頃、「何も分からないくせに、振込みにしてくれませんか」などと迫る理事長に「一発かましたれ」くらいの感じだったのかもしれない。
・ 結局2月から4月にかけて色々あったが、5名全員同意してくれ、晴れて4月から全員給与振込みとなった。事務室からは大変感謝されたが「今後絶対給与計算に間違いがあってはならない。」ときつく厳命している。
2. 期末手当は年2回に
・ これも今年から変えた。今までは年3回に分割して、期末手当てと称するいわゆる賞与・一時金を支給していた。冬が大きく、次に夏季、3月の年度末は約0.3ヶ分弱程度であるが、これを「年2回の支給」にした。勿論年間ベースは同じだ。これなど今やどの社会でもないのではないか。公務員給与制度の名残だ。
・ これには表立って反対の声はなかった。事務室は大変喜んでくれた。それはそうだろう。支給事務処理が1回減少し、年度末の資金段取りに気を使わなくて済むからだ。教職員も夏場の収入が増え、家族との夏休み資金がある程度確保されるから悪くはないと思ったのであろうか。
・ しかしある人間が私にこのように言う。「現金支給時代、3月末分は家族に内緒のへそくり」だというのだ。だから振込みは酷だというのだが、信じられない。そういう人間は本校には居ないだろう。自分で稼いだお金はそれを支えてくれた家族全員のものだろうと言いたい。又ある人はこのように言った。「振り込め詐欺」にあったら、どうしますか」と。返す言葉がない。
・ これも事務室には厳しく指導した。もっともっと真剣に「間違いなく、合理的な、結果として教員の為になるような仕事をせよ」と。事務室は単なる事務処理屋ではない。「経営のスタッフ」であるべし。事務室全員が事務処理屋になっては、元々誇り高い教員からは一段下に見られると。「一目も二目もおかれる存在たれ」とこの10ヶ月言い続けてきた。
3.個人パソコンで手当ての申請
 ・10月1日に「全員に個人パソコン」を貸与した。これを使い、来年4月からは諸手当は「個人申請主義」で各人から申請してもらう。「IT時代のシンボル」だ。今や府立高校でも当たり前のことがようやく本校でも可能となる。そのシステムを今、名古屋のソフトメーカーに作って貰っている。
 ・ようやく「キャッシュレス時代」が本校でも到来する。言葉にかけば簡単だが此処まで10ヶ月。事務職員も教員も誰も悪気はないのだと思うが結果として全員が現状に疑問を抱かず、「変えようとしない、現状にどっぷりと浸っている」だけの「化石みたいな学校」から今「時代の先端を走る学校」へと変身しつつある。結果として理事長の勝利ではなくて新しい理事長・校長を戴いた教職員の勝利ではないか。私はそう思っている。組織のリーダーが「学校を変える責任」とはそういうものではないか。

2007年11月26日月曜日

11月26日(月)カウンセリングの先生

1.スクールカウンセリング
・ 本校にも素晴らしい先生をお一人お招きしてご指導を頂いている。去年までは週に一回であったが今年から2倍に増やして来て頂いている。主体は他校と同じで「保護者、教員への相談に乗る」と言うスタイルである。
・ 月度に一回レポートを持参頂いて二人で現状を確認している。相談内容の主だったものはやはり「不登校」に関してであり、相談内容の約半分を占める。
・ 保護者と教員の比率は圧倒的に教員が多く、カウンセラーの先生は「本校の先生は真面目で熱心な先生が多い」と評価されておられる。
・ 今日は先生からあることを要望された。「忙しくて契約の時間では対応できません。なんとか契約時間を見直してください」と。これって学校と保護者の関係がうまくいっている側面ではないでしょうか。ご要望を考えねばならないかな。
2.2009年度海外修学旅行先
 ・ 来年度入学してくる生徒の海外修学旅行先と予定を本日仮決定した。「3班に別れオーストラリアのブリスベン、ケアンズ、オークランドに入るルート」だ。時期は5月25日一斉に関空から飛び立つ。
・ 一方国内旅行組は同日出発で北海道だ。
・ まだ生徒の顔も見ていないのに「気の早い話」だと思うがもうこれ以上待てないと、早く航空機を押さえ、ホテルも仮予約しなければと旅行会社がやいのやいの言ってくる。
・ さあ、先生方、2年後は大変だぞ。遂に浪速も海外修学旅行だ。
3.13時30分 拡大校務運営委員会
4.某民間教育機関の先生 入る
 ・ TOEICの専門家
・ 12月、3月の講習会への参加要請
・ 1/2費用援助で2名の英語教師を参加していただくことにする。これからの本校英語教師はTOEICを「最低でも800点」を目指して貰う。高校教師としては750点以上が望ましいとされるが、少し上を目指そう。今や英検ではなくてTOEICだと私は思う。英語の力はそれで分かる。
5.南部地区に勢力のある塾の先生 入る
 ・塾公開の公式サイトに「有力高等学校30校程度の紹介欄」を設けるので「浪速は如何か」というご親切な申し出であり、感謝。
・ 今「浪速高校」評判がうなぎのぼりとのことで、塾関係者からこのようなお話をお聞きするのは嬉しい限りだ。
6.特別顧問 入る
 ・理事長特命事項を担当頂いている特別顧問とは時々短時間ではあるが「お話」する。
 ・今日も懸案の事項について二人で相談だ。私は特別顧問の先生のご意見を尊重している。
7.保健体育部と人権委員会の先生方と会食
 ・「東心斎橋」の有名なちゃんこ料理の「若」、良い味だったな。ここは副部長が下見を奥様とされたらしいが、申し訳ないな。そこまでしなくて良いのに。でも「良い場所」だった。一品も工夫され、大いに盛り上がる。話の基本はそこに居ない人の「噂話」だ。これがもっとも「おいしい」。今日は体育科の新婚間もないI教諭だ。お正月は自分の実家か奥様の愛媛の実家に行くか、意見が分かれた。僕は真実を知っている。

2007年11月24日土曜日

11月24日(土)業務留め書き

1.面談
・ 現在、「大阪市立某中学校の校長先生」をお一人、来年3月末のご定年後の再就職先として、4月から本校に招聘することを内定した。本日初めてお目にかかったが大変立派な教育者である。
・ 兼ねてより、ある知り合いのお方に「紹介して頂く様」お願いしていたのだが、「良いお人を得た」感じだ。これで大阪市の中学校の実情など大所高所からご指導頂けると思えば「入試広報室には心強い援軍」だろう。堺市の元校長先生に加えてこれで大和川を挟んで北と南の「中学校校長経験者の参謀」が揃ったことになる。
2. 第2回中学校入試プレテスト実施
・ 先の10月27日に続く2回目、今日で概ね中学校のクラス数が具体的に読めることになる。
・ 本校は大体2クラスの募集規模であるが、来年度は果たしてどの程度の質量となるか、1,2回のプレテスト結果から判定することになる。この後中学校最後の入試説明会が12月15日にあり、その後「1月19日の一次A,翌日1月20日の一次B、そして最後が1月25日の二次試験」という手順になる。慎重にクラス数を決めていく。
3.テニスコート増強
 ・現在テニスコートは2面しかない。2面では硬式、ソフトテニス、高校、中学、それに「授業と部活動」を考えた時に極めて時間的制限があり、これでは「生徒が可愛そうだ。」
 ・と言うわけでお金はないがなんとか工夫してもう「1面コートを増設」することにした。出来ればテニス使用以外時にはハンドボールコートとして使えるような「多面コート」が良いし、今の時代「人工芝コート」が良いだろう。周辺も「金網塀にして美観」も考えねばならない。
・ 本日最終的に「メーカー施行業者」の選定を終えた。事務長から施行業者に伝えることになる。2月から工事に入り、3月中には完成だ。「生徒の喜ぶ顔」が浮かんでくる。
4.新採用教員面接
 ・責任者の副校長、随時面接がどんどん入っているらしい。過日の「2次募集で数学、国語の教員」募集に関して応募者が殺到しているとのこと。この理由は様々だろうが公立の採用試験の発表が終わった後で、その影響もあるかもしれないとの分析である。
・私の方からは新卒の先生の場合、出来れば「常勤講師か専任教諭」とするように言っているが副校長は慎重だ。新卒の先生が「非常勤講師」というのは人生の船出に如何なものかと思うのだが、ご本人によっては来年公立の試験に再チャレンジするお方もおられ、勉強のため非常勤でと言われるお方もいるらしい。
5.PTA臨時役員会
 ・PTAとして調整しなければならない項目が数点あり、役員会。特に「スクールランチ」について学校側の説明とPTAの協力を求めた。時間をかけて進めることで一致。
・ 和気藹々と良い雰囲気の会合であった。「新春拝賀始業式」へのご参加をお願いした。
・ その他特に話題になったのは「生徒生活規範」の問題であった。特に「いじめ」は本校から撲滅することで一致。又携帯電話を使ったネットいじめの問題なども話題に。

2007年11月22日木曜日

11月22日(木)保護者との距離を縮める

1.保護者への連絡方法
・ 学校から不特定の保護者に対する連絡方法について検討を進めている。何かあれば個別にお電話すれば事足りるのであるが1500名の家庭に連絡するとなると大変である。一般郵便を使うとそれだけで一回12万円もかかるし、はっきり言ってもったいない。非常勤講師10時間分だ。最近も学校で発生した事案について保護者にご報告したい件があったが、果たして届いたであろうか。
・ 安い通信手段はあるのだが、例えば宅配便を使った親書配信などは場合によっては数日かかって5-、60円もかかる。これでは意味が無い。時間はお金だ。従って学校は「生徒にプリントを預ける」という古典的スタイルをとるが、これが問題である。間違いなく保護者に手渡っているかというと、正直なところ約半分くらいとの調査データがある。それ以下かもしれない。
・ 理由は生徒が忘れているというもの、意識的に渡さないというもの、紛失したもの、等々で、大体学校からの郵便物を親に真面目に手渡すなど、昨今の高校生がするなどあり得ないと考えたほうが良い。生徒には申し訳ないが。
・ しかし今後ますます「保護者と学校の連携は重要」でそのタイミングが重要となってくる。「より早く、より確実に保護者に連絡する」、又逆に「保護者からの連絡を貰う」ことを考えることは今日的学校課題である。
・ 着任以来広報活動には重点をおいて進めており、学校公式サイトホームページの充実はその一つである。具体的に言えば「校長公式メッセージ」と「校長日記」「保護者通信(保護者の皆様へ)」である。これらは基本的に優先順位を付ければまず保護者、そして教職員、次に本校に興味・関心をお持ちの一般の方々(基本的には受験生をお持ちの保護者を念頭)である。校長が「ええかっこ」して書いているのではない。書くのは全く苦にならないが、夜遅くなったときはさすがにしんどい。
・ 「保護者通信」はこの欄に立ち入るにはキーコードが要るようにしており、誰にも公開しているものではない機密に属する事項もある。アクセス数で言えばほんの少しの保護者で数値があまり変わらないから恐らく固定化された人だけが御覧になっている。前にもブログに書いたがPTA役員でも「入り方を知らない」人がおられた。しかし考えてみればパソコンをお持ちでない方、あってもその使い方をご存知ない方、その時間さえ取れない方等、様々な事情があり、快刀乱麻の解決策とはならない。
・ 今、「保護者の携帯電話にメールする方法」を本格的に検討し始めた。今の時代、ほとんどの保護者は携帯電話をお持ちで、そこにメール配信する方法だと「情報到着率は飛躍的に高まらないか」。「携帯サイトを公式に有する」ことは一つのアイデアであるが、やはり「学校側から積極的にメール配信」をするほうが確実である。
・ 「本日生徒に重要な連絡事項を書いたプリントを持たせました。必ずお読みください。」で良いのだ。母親が夜「あんた、学校からプリント持って帰ってるやろ。出し。」と言ったら生徒の顔は真っ青だ。「何で知ってるねん?」
・ このシステムを開発することによって逆に保護者から「生徒の欠席連絡」なども容易に整理できる。学校パソコンにデータを入れれば一瞬に情報は整理できる。 校内で何が起き、校内での行事予定、保護者への注意喚起、とにかく「生徒を色々な意味で守る」ために「学校と保護者の距離を如何に縮めるか」、重要なテーマである。
2.防災非難訓練実施
 ・6限目を使って訓練を実施。住吉消防署のご指導を受けて避難訓練と消火器の使い方を5名の代表生徒が実施。先生方によると昨年に比べ避難時間も短く、中々良い態度だったとのこと。
3.来客1名 入る
 ・ 市内の府立高校の校長を最後に現在は関西某大学の入試センターにお勤めの先生がご挨拶に来られた。66才といわれるがお元気そのもので、「まだまだバリバリ働きたい」と。まだ5年位は働くと。「すごいなー」と思う。
・ 前の学校の時も校長室に来られたとのことであるが、私には記憶がなかった。とにかくこのようにして必ず府立の先生はご挨拶に来られるが、何時も思うことは「教育者は結局、教育現場から離れられないのだなー。」ということ。
・ まず退官後は「趣味の世界で生きる」とか「世界旅行にご夫婦で行く」とか「ボランティアに生きがいを持つ」とか余り聞いたことが無い。死ぬまで教育現場だ。これってどういうこと?

11月21日(水)学年主任と科・コース長

学年主任と科コース長
1.「普通科だけの学校」ではまったく議論の余地無く「学年主任」の存在感は極めて高い。「花形の職位」と言ってよい。学年をまとめ、各担任と協力し、成績処理や進級、卒業、修学旅行等々とにかく極めて重要な職位である。これは疑いようもない。
2.学年主任を経験するということは他の分掌の主事同等、もしくはそれ以上にその「教員のキャリアを飾る。」ところがだ。浪速に来てどうも感じが違う。学年主任の存在感と言うか、学校全体の意思決定における役割がいささか、前任校と趣が異なっているのだ。分かり易く言えばどうも遠慮がちに見えるのだ。着任後しばらくの間、事あるごとにこの種の発言をし、自分としては「学年主任」を盛り立てて来た積りである。
3.何を言いたいかというと普通科以外の「科・コース」がある学校ではそれらの「科、コース長の存在と影響力」が必然的な現象として被さってくるということに気づいたのである。早い段階で気づいたが、しばらく静観して、夏から秋の学校行事をすべてこの目で観察してきた。
4.科、コース長の存在を薄めていけば、「何故、科コースを作ったのか」を問われかねない。科・コース長は自分の預かる理数科や特進文科、総合コース、英語集約コースをそれぞれの科・コースの目的を考え、「やるべきことをしっかりとやっておられる」一方学年主任は「学年の特徴を出し、揃って学校行事を行い豊かな高校生活を過ごさせてやりたいと考え行動している」。ところが実態は遠足も学習合宿も科・コース単位で「学年主任のやりにくさ」は容易に理解できる。どうしたら良いのか?
5. 要は「学年主任と科コース長が連繋よくコンビネーションプレー」すれば「生徒のためになる」と考え来年度に向けて役割分担をもう一度整理し、見直すことを副校長先生と議論をしている。特に20年度からは理数科SSコース、普通科Ⅰ類,Ⅱ類、Ⅲ類と大幅に募集要項を変えており、あと2年は移行期間もあり、ますます学年主任と「科長・類長」のコンビは大切である。私が信頼する校務運営の責任者である副校長は案を有しているらしいが、どうも気になってならない。
6.20年度からは現在の総合コースは名前も「普通科Ⅲ類と変えて共学に移行」する大きな節目の年度だし、この学年は2年次に行う「修学旅行が国内旅行と海外旅行の2コース制」とした。今のところオーストラリアを考えており、その準備に「学年主任」は大変だ。新年度に入ったらすぐ具体的な検討に入らねばならない。一方理数科長や、類長はしっかりと「進学実績」を高めて貰わねばならない。
7. 副校長原案はまだ存じないが20年度から、大きく変更すべき点で今私の頭にあるもので言えば:成績会議と成績集約は科・類長に戻し、その代わり「生徒生活指導」については全面的に「学年主任に権限」を与える。この部分は極めて重要で今まで科、コース長に遠慮していたとするなら、大きな問題である。「生徒の生活指導は理数科と普通科で差はあるまい」。科・コース長はともすれば自分の科やコースを可愛がる余り、生徒指導の面で温度差が出るとするならば良くないし、「教員間の温度差」が出ることは決して生徒の為にならない。従って全面的に学年主任指揮下の担任団を統括する学年主任が生徒生活指導に関わる全ての権限を持てば良い。
8.「生徒生活指導部長」は学年主任と連繋し、「あの類は、あのクラスは良くない」と厳しく対応すれば良い。言われた科長や類長は時に学年主任は謙虚に耳を傾け、指導を受ける形が良い。言い換えれば科長、類長のともすれば視野狭窄に陥る弊害を学年主任が学年全体を俯瞰し温度差なく平均して比較指導することが全体のためになるとの考えである。
9.確かに今まで補導会議や校長申し渡し式には科、コース長と学年主任両方の出席を義務つけていたが、どちらが「生指に責任を第一義的に有しているのか」。忙しい毎日だ。出席義務は学年主任だけとしたら良い。科・類長は「縦軸」即ちそれぞれの科、類の1年生から3年生まで面倒を見て、学年主任は「横軸」即ちその学年の面倒を見るという訳だ。
10.分かり易く言えば「学力」は科、類長が、「生活規範」は学年主任が主として担当すると考えたらよい。勿論両名とも校務運営委員会のメンバーで重要閣僚である。学年主任は担任を外れるのが本校のやり方らしいが、これには反対である。担任を持ち、ホームルームを実施することから「今日的生徒の実情」を肌で感じることが出来る。教師が担任から離れたら私の感覚で言えば「教師でなくなる」。(「教師と担任」は別途のブログで。)公立でも学年主任は担任を持っている。ただ「持ち時間減は配慮」しなければならないだろう。

2007年11月20日火曜日

11月20日(火)永年勤続表彰

1.10時 新聞記者取材受け
・ かねてよりの約束で東京の「日本経済新聞社」の記者が来校。
・ 12時までたっぷり2時間(校内案内含む)、コメントを求められたが、果たして私の真意が的確に伝わったであろうか。今回も若くて元気な記者だった。それにしてもどの社も第一線の記者は若いなー。新聞社の人材配置と記者育成はどのようなものなんだろう。
2.30周年勤続教職員をお祝いする私的な会合
・ ご案内頂いていた12月6日に予定されている上記私的会合について今日が出席or欠席の通知締め切りなっており、どういう会合か、些かにわか勉強。
・ 元々「永年勤続表彰」は本年5月に10年、20年、30年と対象者には「理事長からの感謝状とご慰労金」をお渡しし、5月11日には天王寺の中華料理店で常勤講師以上の先生方をご招待し、「歓送迎会」とあわせて「永年勤続者の慰労会食」はすんでいると当方は認識している
・ あれから半年以上も経って「へー、今頃?」というのが正直な感想。どうもその理由は「大阪府私学優秀教員表彰」が11月初旬にあり、本校にその該当者がおれば合同で「私的なグループで内輪のお祝い」をするというものだった。もう長い歴史があるらしい。本校はここ数年毎年1名太田知事から表彰を受けており、本年も立派な先生がお一人表彰される栄誉にある。
・ ところがだ。聞いてみると案外「ややこしい」らしい。言ってみれば「付き合いの広い人気のある教員」と、どちらかと言えば「わが道を行くタイプの教員」で出席人数に差があるというのだ。それで幹事曰く「とにかく気を使う私的な会合」という。「えー、気を使わないから私的な会合というのではないのか!」幹事は昨年お祝いを受けた教員が今年の当番に当たるという。ここでちょっと考えた。私などのときは誰も出てくれないだろうな思う。これは間違いない。
・ 時に幹事は人数を揃えるために走り回ったことがあるという。この話を聞いて私は「笑ってしまった。」分かり易く言えば、あの先生なら出るが、この先生なら欠席という人があって、とても少ないときは「翌年持ち越し」というケースもあったらしい。会計予算でもあるまいし。ずっと欠席していた教員が自分が表彰されるとなると出席というのが「気にいらない」という先生もおられるらしい。又幹事はするが、自分は出ないと言う人もいたりして「まことにもって面白い」話だ。この辺が「浪速教員社会の人間くさい」ところだ。悪くはない。
私的な会合と言ってるわりには中身は私的でない。「何をごちゃごちゃやってるのかな」という感じ。幹事を持ちまわりにすること自体、もはや私的な会合ではない。出ようと出まいと良いではないか。この部分に関しては「些か民度が低い」なと。公立も優良教員表彰制度があり、私は毎年候補者を挙げて府教委に強く申請し、表彰者を取ってきたが(?)「職員会議で披露し皆でぱちぱちと拍手」で一件落着だった。これで良い筈だと思うがなー?
・ 私的と言うのは元来2ないし3人レベルの「お友達レベル」の話だろう。誰にも言わず密かにやれば良い話だ。それを堂々と学校の公的パソコンで文章を作り、公費で買ったコピー用紙を使って全教職員に案内状を配布することは「私的」とは言いません。(細かいことを言っているのではなくて原理原則の話)公立学校では有り得ない話で、問題となる話です。
・ 今年の幹事は今日現在、20数名の出席予定であり、お声は弾んでいたが、肝心の30年お祝いを受けるお方は該当者3人の内、お一人という。幹事は4名であるが、出席は2名らしい。という訳で私は他の予定もあり、「欠席」ということに。本校の先生方のお気の優しさがベースにあり、決して悪いことではないが、「うーん」という感じ。止めても良いのだが「校長が私的な会合を止めろというわけにもいかず・・・。」
3.同窓会長 お入りになる
 ・先の同窓会80周年記念式典以来、お目にかかる。「一仕事やり遂げた充足感」をお顔に見た。中学入学希望者がいて入試案内資料を取りに来られたとのこと。豪放磊落で尊敬できるお方だ。私より一回り上、「お元気だな」。最近体力の衰えを感じるだけにうらやましい。
4.理数科女生徒面接予行で入る
 ・本命は国立狙いで某難関私学の公募推薦をチャレンジする生徒が校長面接試験を希望。「へー」と唸るくらい「良く出来た生徒」だった。面接終了後、立ち話。「進路は柔軟に考え、教職の単位も大学では取っておくように」アドバイス。
・ 終わった後、過日面接予行訓練を施した、ある一人の女生徒が歓声を上げて校長に握手を求めてくる。というより握ってくれたのだ。「合格通知」が来たと言って、破顔一笑ではなくて破顔多笑だ。「良かったね。」サラリーマンでは味わえない瞬間だな。

2007年11月19日月曜日

11月19日(月)業務留め書き

1.雅楽用太鼓入手
・ 遂に「太鼓」を入手。戴いたのである。浪速が探していると聞かれて「住吉大社のT権宮司(No.2)」が個人のものを寄贈していただいたのだ。間に「阿倍野神社のN宮司」が奔走してこのようなことになった。嬉しい限りで、これで一応すべての楽器が揃ったことになる。
・ お二人の先生には心から御礼申し上げ、大切に使わせて頂きます。一応塗装等行い来月の「新年拝賀始業式」にて使い初めだ。雅楽部頑張れ。今度宮内庁雅楽部から指導者が来阪されるとき2名を指導会に参加させるつもりである。
2.中日 「朝礼
・ 前にも記述したが本校には「生徒朝礼」がある。大体中日15日前後だが今月は先週が保護者懇談会だったので今日にしたもの。まず部活動や外部活動の表彰を行い、次に「校長講和」となる。少し肌寒いが夏の暑さに比べればまだ大丈夫だ。
・ 場所については私が着任する前はグラウンドであったが、広すぎるし校長や生徒生活指導部長の話が周辺に筒抜けだから、場所を「中庭」にした。周囲を校舎に囲まれているから外に声も漏れにくいと考えた。雨が降ったら生徒は教室内で声だけ校長の話を聞く段取りで実施しているが、いずれ「体育館」に場所を移すことも検討しなければならないかと思っている。異動の時間の無駄を省くために中庭にしているのだが、やはり生徒の顔を見ながら話をした方がより効果的と思っている。
・ 今日は「生徒生活指導上の課題」を生徒諸君にある程度詳しく話をして、理解を訴えた。「結果には必ず責任が伴う」ことも話した。理解してくれたと思う。
2.高校入試説明会のデータ分析と方針確認
 ・朝会の後、管理職と入試広報室副室長をいれて「中学のクラス数、高校のクラス数をシミュレーション」した。しかし共学4年目、公立通学区域の再編後2年目、中学校共学2年目、「読みにくい」と入試広報部員は言う。
 ・「11月24日の中学校プレテストと12月8日の第3回高校入試説明会」について「今後の方針」を確認。最後までベストを尽くせ、後であれもしておけば良かったと「後悔だけはするな」と激励。「広報予算がもうない」という。「大丈夫、心配するな」と。
3.来年度の「教室の数」検討
 ・来春の入学者数に応じて、その変動に応じた教室数を検討しておくのは重要な視点である。空き教室が十分あればなんと言うことはないが「ぎりぎりであれば問題となる。」生徒数が少なければ問題はないが、嬉しい悲鳴で逆に増えた場合は「教室の確保」が急となる。
・私学の入試システムが学校側の一方的な裁量でクラス数を決められないことは前にブログでも記載しているが、生徒のためには「教室がプレハブ教室であることは絶対に好ましくない。」従って3月23日公立後期の合格発表日から入学式までの2週間で教室の整備をしなければならない。元々あった教室を元に戻せば良いだけの話だが、そういうところにも私学の切なさがある。しかし「そうなってくれれば良いがなー」。そういう苦労は全く厭わない。
4.13時00分  某保護者面談
5.13時30分  校務運営委員会
 ・運営委員の先生方は「さすが」である。分かりは早いし行動もすばやい。立派である。しかし大切なことはここでの「意思決定」を「如何に早く一般の先生方に伝え行動するか」ということ。校長から重ねてお願いした。

2007年11月17日土曜日

11月17日(土)第2回高校入試説明会

1.昨日の夕食慰労会
・ 珍しく朝から「頭が痛い」、心配事があるのではなくて、単なる「頭痛」だ。今日は午後から大切な入試説明会があるのに困った。バッファリンを倍、服用しても直らない。昨夜は前祝として入試広報室,広報情報委員会の先生方を慰労すべくご招待したのであるが、場所はナンバにある、初めて行くお店。2階への小さなエレベーター一つが出入り口で、非常口などもない何か薄暗い不気味な感じのお店。飲み放題、食べ放題というが、完全に飲み干してグラスを空にしなければ次のものが注文できないし、料理も冷凍をエレックして出している。料理の部位によっては冷たいところがあるし、ピザのトマトソースにいたっては、色がレンガ色に変わっている。「船場吉兆」ではないが賞味期限は大丈夫だろうな。
・ 元々天王寺阿倍野界隈がホームベースであるが、偶には「場所を変えよう」と判断し、ある先生に手配をお願いしたのが失敗だった。二度と行くべきところではない。飲んだお酒に何か混ざっているような感じでそれが頭を痛めているのだと勝手に想像している。聞けば探した先生も初めてで今朝はさすがに落ち込んでいた。皆元気で出勤してくるか心配だったが、これは杞憂に終わった。
2. 第2回高校入試説明会
・ 前回の10月20日に続く2回目、大きな山場となる日である。「前回を上回る参加者」を得た。嬉しい限りだ。一挙に頭痛が消えた。何人お集まり頂いたかは「企業秘密」であり明らかには出来ないが、今日の特徴は女生徒の姿が目立ったことだ。 今日も一生懸命校長として「お話」をした。パンチはあったと思う。「正直に率直に思いを伝える。これが私のプレゼンテーション」である。
・中学3年生と保護者が揃っているところでのお話は結構難しいのである。生徒の関心事と保護者のそれは微妙に違う。「勉強のことを余りやる、やる!」というと「生徒は少し引く」し、甘いことばかりだと保護者の期待を裏切る。従って今日はまず「部活動の楽しさ」から話に入っていった。何か今日は話していて「大阪市長選の候補者」みたいに思えてきた。「浪速です、浪速です。宜しく宜しくお願いします」って訳だ。
・ 次回は12月8日(土)が最終回となる。そして年明け1月8日の始業式から「教育相談会」となり府下一斉に公立中学校サイドとの個別相談の運びとなる。私学の「入試システムは面白い。」しかしこんなことを言えるのはある程度の手ごたえがあったからで、参加者が少なかったりしたら、こんな悠長なことは言ってられないだろうな。顔色が青ざめるか。
・ 今回はこういうケースもあった。ある男性の保護者はご子息を連れて「剣道部に体験練習に来ました。」と。聞けば本校の剣道部の顧問のY教諭の体験指導を中学校時代の剣道指導者に薦められたとのこと。確かに本校の指導者は国体全大阪剣道チームの監督を委嘱されるくらい卓越した指導者であり、「なるほど」と頷いた次第。このように部活動顧問を慕って入学希望してくる生徒も多く、まさに「文武両道の学校」だ。このような先生は「我が誇り」である。
・ 又本日も、見たようなお顔だな、誰かなと思ったらなんとPTA役員の保護者が真ん前に据わって私の話を聞いている。何か変な感じだ。今回は妹の番で「母親は是非とも浪速に入れたい」というもの。終わった後校長室にそのお子さんを連れて挨拶に来られた。「賢そうな子」だった。「頑張ってね」と激励。私学は兄が浪速なら妹や弟も浪速と言うケースが多い。勿論、祖父、父、本人と「三代にわたる浪速っ子」というのも多いのである。
・ 来週月曜日に詳細分析して「来年度の高校クラス数を想定」する。それから「最終的教員配置」の検討だ。私学は次から次と段取りが決まっている。
3.16時半学校を退出、夜は会合があり、梅田へ向かう。些か疲労感を覚える。

2007年11月16日金曜日

11月16日(金)いじめ問題

今朝の朝刊各紙「いじめ12万5千件」
・ 先の「全国小中学力調査結果の発表」についで今朝は「いじめ問題」と「防衛省問題」がトップ面を飾る。防衛省事件は関係ないが、「いじめ」については思うところがある。昨年対比で一気に「6.2倍」に増え、「12万5千件が確認」されたという。最も定義や調査方法を変えた影響がもろに出ているのだが、これはこれでより「現実に近づいたデータ」と評価するか、「このようなデータ意味はない」というのか判断は難しいところだ。
都道府県単位の分析など意味はない。認知件数が前年の125倍になり、千人当たりの件数でも50件を超えた全国一の熊本県など迷惑至極だろう。しかし県教育長のコメントは素晴らしい。「これが実態。実態を反映した数字の方が教員が現実を直視できる。多かったからと言って何ら恥じることはない。」普通言えない言葉だ。2位が福井の36.2件、3位が岐阜の30.1件と続く。大阪府は先の全国学力調査では全国ワースト2、どん尻から2番目であったがこちらは4.3件で全国○位で面目?「本当なの?」という気持ちは片隅にある。
・ 案の定本日の夕刊には渡海文科相が会見で「調査方法の改善」を検討していると明らかにしているが「当たり前だろう」と言いたい。「いじめがないと答えた学校が実に45%もあるなど、お笑い種」でここに学校単位で単にアンケートを取っただけか、聞き取りをしっかりしたかが表れているのだ。分かっておかねばならないのは「学校と言うところは隠すことが習性」であるということである。塀の中で起きていることを自らが積極的には開示しない。「如何に隠すか」がまず頭に浮かぶところだ。
・ 実はこれらの発表には伏線があって、本年2月文科省初等中等教育局長から通知文が全国の首長や教育長に出ており、一昨年のいじめ自殺の痛ましい事件を受け、いじめ問題への対応を改めて「行政指導」したことと、又改正教育基本法が教育目標の一つとして「命を尊ぶ」ことがあり、文科省として批判を恐れて、すばやい行動になったということではないか。
・ 加えていじめの定義を、「一方的に」を削除、「継続的に」を削除、「学校が事実を確認している」を削除、要するに「本人がいじめられたと感じたら、それはいじめと認定」と定義を変えたものである。文科省も変わってきたと私は実感している。
・ 「本校のいじめ実態はどうか」に対しては「本校ではいじめなどありません」という気はない。言える事は「いじめられる子供は最後まで守り抜く」と「いじめる子供に対しては毅然とした対応と粘り強い指導により、いじめは絶対許されない行為であり、卑怯で恥ずべき行為」だと徹底して教えていることだ。それは厳しく対応している。何ゆえ高校生にもなっていじめがあり、いじめられることがあるのか?
・ 記事を読み込む必要がある。統計データでは小学校が6万件、中学校が5万件で高校が1.2万件であるから、大人になるにつれ減少はしてきているのだが、高校でこの数値はまだ高い。義務教育段階での指導が問われるべきだと思う。要は幼稚化しているのだ。成長していないのだ。私はそれを「高校生の幼稚化」と考えている。
・ それよりも高校段階では携帯電話を使った「ネットいじめ」が大きな問題でお互い顔が見えないだけに陰湿ではびこるようないじめが大きな問題となっている。昔のように腕白坊主が顔を見ながら苛めというかいたぶると言うか「カラツ」としたものから完全に性質が変化してきている。私はここを大変心配している。ネットいじめなどこれは社会の病理だ。
 ・「弱いものいじめは絶対許さない。」大体私学を選択してくれているのは様々な理由があってのことだ。公立を避けて本校を選択してくれた保護者からすれば、「私学で我が子がいじめられていると思えばやるせなく、腹立たしく、わが子を守るのは自分しかいない」とテンションが上がり、学校に目線が行くのは当たり前だ。浪高では「いじめを壊滅する覚悟」でやれと生指部長には言っている。

2007年11月15日木曜日

11月15日(木)校務分掌

校務分掌
1.本校には校務分掌として7つの部門がある。「教務部」、「進路指導部」、「生徒生活指導部」「人権委員会」「保健体育部」「図書研修部」「助成委員会」とあるが現在、助成委員会については活動休止中である。理由は別途。
2.上記以外に「係り、任務」というのがあり、「入試広報室」「広報情報委員会」「PTA担当」「セクハラ委員会」「中高一貫特別調整」「職員会議議長団」「体育館,修養室」等がある。驚くことに「校務運営委員会」も単なる係り、任務である。これについては別ブログで言及しなければならない。校務運営委員会が単なる係り、任務ではあるまい。私は「校内意思決定のための最も重要な委員会」であると位置づけている。
3. 分掌も係りも「当て嵌め人数」は長い間の慣例を踏襲して人数を割り当てていたが、4月校長兼務の時に一部改めた。例えば入試事務室を「入試広報室」とし初めての人員増強や外部からの契約社員を投入したり、「広報情報委員会」を新たに組織してPTA機関紙担当と併合して機能強化を図ったりである。「浪速通信」はここから誕生した。「保健体育部」も従来は保健部で「心・技・体」というのに体育を司る名称がなかったりで、驚くのは「議長団」というもので何か戦後間もない労働組合のイメージで「エー!?なんなの、これ」という感じがしたのを今でも覚えている。
4.分掌の中で大部隊は「生指」であり、常勤講師の先生も入れて25名、次が教務部で23名、本校でもやはり「学校運営の両輪が教務と生指」であることが分かる。しかし教務が何ゆえこのように多く必要なのかまだ理解できていない。「頭の良い先生の少数精鋭で良い筈なんだがなー」。別途解析しなければならない。次に進路が14名、今後更にマンパワーの増強が必要となってくるかもしれない。又来年度から中学校で「運動会」を始めるので、保健体育部は来年以降は、少し人数も増強しなければならないかと思っている。
5. このように分掌と言うのは時の「学校課題」にあわせて「増強したり、削減したり」するのが元来の「あるべき姿」であり、10年一切変わっていませんというのは、私からすれば「あり得ない話」なのだが、中央省庁と一緒で時に「省あって国なし」と同じで「分掌あって学校なし」という妙な場面が出てくるのだ。特に公立ではその傾向が強かった。一人でも減らして他の分掌に回そうとすれば大反対の声が上がる。「皆の労働負荷を均等に、均等に」という考えが背景にあるのだが「世の中に均等な負荷などある筈がない」。教員はここが分かっていない。給料に差がないからこういう現象が起きる。
6.本校はさすがに私学であり、「今すぐ対応しなければならなとする基本的なビヘイビア」が身に付いており、余り分掌の数の変化に文句は出ない。これは立派だ。
7. 現在最も忙しいのが「生徒生活指導部」であり、特に本校は「生指の浪速」を標榜するくらい一生懸命頑張ってくれている様子だが、「生徒の結果に対して頑張るのではなくて結果が出ないように頑張る」、こちらにも力を投入して欲しいと思っている。(この意味分かってるでしょう!)「共学にして3年目、多くのやらねばならない課題」はある。従って本年は知恵を出して生指を強化した。特に見ていて良いと感じるのは、当然と言えば当然だが学年主任、科コース長、と担任が連繋してくれていることだ。そこに生指が絡む。
8.でも生指部長に言わせればまだまだ「教員間の温度差」があり、この是正が急務だと嘆くが、どだいこれは難しい面があり、「個々の先生の個性」で出し方が異なってくるのは当然だ。しかし「言うべき時に言わない」のでは生徒指導はできない。「あの先生は何もいわへんで」「あの先生は厳しい」という評判があっては生徒の思う壺である。見てみぬ振りをしたらそれでおしまいだ。そういう人は早く変わったほうが良い。いずれにしても「生指は全教職員で対応する考え」が大切である。
9.「教科指導は出来ますというのは当たり前」で、そのことで国家資格を得ているのであり、教科指導が心もとないというのでは教師の資格はない。当たり前でしょう。問題は「クラス経営が出来るか」と言うもの、言い換えれば「生徒生活指導」が出来るかが教師の腕の差ではないか。一こま50分の授業を成立する腕がなかったら教師ではない。自分の授業で「騒がしい生徒を黙らせる」「生活規範が徐々に良くなる」「遅刻が減少する」等々はまさに「教師の腕の見せ所」ではないか。
10.それに「若いうちは様々な分掌を経験したほうが良い」。「教務一筋」というのも悪くはないが、それでは寂しいのではないか。ある程度のベテランになって専門分掌を固定し、副主任や主任(主事)となっていくのが理想的だ。そして管理職だ。大阪府で言えば、「教務育ち(ばたけ」「生指育ち(ばたけ)」と言う言葉があるくらい分掌の育ちが固定化されたものがあるが今一つと感じる。
11.加えて最近思うのであるが「私学の教員は入試事務の経験があるほうが望ましい」。本校は一法人一学校だから40年間の勤続として様々な分掌が経験できる。一度入試事務を経験すれば「考え方態度が変わる」のではないか。少なくとも中学校や塾関係者の前では「謙虚になり、偉そうにはできなくなる。」社会が理解できるようになる。積極的にチャレンジして欲しい。

2007年11月14日水曜日

11月14日(水)教師の服装

1.教師の服装への校長の監督権
・ 教師の服装や言動についてさまざまな批判が時に新聞記事の片隅を飾ることがある。確かに教師の服装について「ウーンと唸る」ことはままあるのが現実。企業社会から公立高校社会に初めて顔を出した時に、不特定多数の学校で先生と言われる方々の服装を見て「驚いた」ことは一度や二度ではない。さすがに「ジーンズ姿」は居なかったが、男性で言えば「ノーネクタイ」どころか、ゴルフ場の帰りか、自宅近くの川沿いの散歩から直接学校に来たのかと思わんばかりのポロシャツにベスト、セーター姿、ジャンパー、女性教員で言えばカーディガン姿等の先生は結構見かけた。学校は自宅の居間やサロンではあるまい。
・ 果たして教師の服装への「校長の監督権」はどのようなものであるか。答えは案外簡単で「教育活動を遂行する上で支障となる服装や言動が見られる時、また教師としての信用を失墜するような服装を着用したりする場合は監督権が及ぶ」とされている。教育公務員は法的根拠が明確であり、私立学校も「法令」「就業規則」等から規定されていると考えるのが普通だ。
・ 具体的な状態を示すと教師として相応しくない「けばけばした服装や、超ミニスカート、あるいは夏場などの女性教員の薄い上着などが問題」であると「教育法令書物」には書いてある。ただしネクタイについては書かれていない。
・ しかし実際問題として教師の基本的人権が保障されている中で、「教師の表現の自由」との兼ね合いから「どのような服装が相応しいのか」は極めて微妙な問題であり、教育現場での校長の指導は難しい面がある。どこまで良くて、どこからが悪いか、客観的に判断することが困難である。まして「校長の職務命令」を発するなど服装には馴染まない。職務命令は「卒業式の国歌国旗起立問題」だけで良かろう。
・ 結局のところ「教師の自覚が基本」であり、教師が自分自身の問題として慎重に考え、自律的に自主的に決定するものであろう。「教師が教職についてどのような使命感を持ち、どのような教育観をもっているかに深く関わってくる」ものだ。「教師の個人としての生き方の問題」と捉えることもできる。
・ 加えてその「学校の風土というか雰囲気やモラール」も関わってくる。生徒、保護者、地域社会への影響など教職という職業人は今日、些か「教員バッシング」が強くなったと言え、未だに「高い社会の尊敬を受けている職業」である。
2.本校の教員の服装
 ・お世辞ではないが「立派」である。これは前任の校長の指導もあり、また「風土としての浪速の特徴」だと思う。他の私学の状況は全く知らない。大半の先生は教員というか社会人としてどこから見てもおかしくない服装をされている。「勿論例外はあるが」。それどころか概して「おしゃれな先生」が多い。物も良いものを身につけている。 中にはローレックスの時計を2個も持っている先生が居るという。
・ 男子校だったから長い間女性の先生も居らず、男子校時代のイメージを引きずる男性教員が夏前「あの女性教師の透けて見える薄い上着は問題である。なんとかすべし」と校長にクレームをつけに来たことがあったが、せいぜいその程度で、その件は職員会議で「クールビズ移行を機会」に全女性教員にお願いして1件完了した。
・ 問題は「男性教員のネクタイ着用問題」である。前述した男性教師は何時も「隙のない立派な服装」をされておられ、大半の先生が着用されているのだが、どうしても出来ない先生もいる。そういう先生には授業参観や小学生向けのモデル授業時には、わざわざ校長が電話して「ポロシャツは止めて、ネクタイしてね」とお願いするが、ちゃんと受け入れてくれる。
・ その昔本校では今や「語り草」になっている「ネクタイ事件」というのがあったそうだ。ある優秀な非常勤講師の先生がネクタイをしないため、当時の校長が「注意か、お願いか」知らないけれども、言及したら「辞めた!」と言って本校を去ったという。これは大きな事件となり、「あのように優秀な教員をネクタイくらいで辞めさせなくとも」などの声が他の教師から上がったらしい。当時の校長に確認したら(こういうのは好きだから)「辞めさせたのではなくて、辞めて行った」と答えておられた。ところが本日他件で初めてお会いする機会があったのだが、ちゃんとネクタイをされていた。「どうしたんだろう?!」
・ 「私学だから生徒・保護者は生活の糧」でこの点では公立学校と変わらない筈であるが、現実には前述したように些か趣が異なる。入学式,卒業式は当たり前であり、保護者懇談、入試説明会等は学校の明確な意思を示すためにも「それなりの服装は必要」だ。「礼儀、礼節の問題」だ。保護者も学校に来られるときはちゃんと区別して来られている。学校や教師に一目置かれているのだと思う。誰も葬儀や結婚式に普段着では行くまい。更に加えて本校では「ハレの日」が多い。いわゆる「神社神道の学校としてお祭り」があり、一斉参拝なども重要な儀式だ。こういう時も考えねばならない。
2.「装い」のセンス
・ ただこればかりは「指導はできない」。「センスがある、なし」など不遜なことは言えないが、正直なところ「もう少しなんとかならないの」という対象者はおられる。
・ 私が「服装は戦闘服」「服装は個人」「服装は生き方」「服装は意思」などと個人の思いをプライベートの席などで言ったりするものだから、対抗心を燃やしている先生もおられる。これが面白い。こちらも負けじと受けて立つ。
・ 60人の専任教員で「この人は目立っておしゃれで服装に気を使っているな」と思われる人は10名、逆に「何とかならないの?」と思う先生は体育科の先生を除いて男女合わせてX名か?体育科の先生はジャージが仕事着だから仕方がないか? しかし通勤時は違うだろう!
・ 最後に服装は「足元まで入っての服装」だ。実は「靴が重要」で、案外学校の先生は足元に油断がある。ある時理事長室の応接セットで管理職を含む数人の先生方と懇談していたら、位置が低いだけに「くたくたの靴」「汚れた靴」「磨かれていない靴」が目につき、つい口に出したら、慌てて椅子の下に脚を引っ込められた。それ以来何時も靴が光っている。
・ 男の服装はすべて「足元に集約される。」これは若い時、ニューヨーク駐在時にアメリカビジネスマンに教わった教訓だ。「男のおしゃれは靴とネクタイ」。中でも「大地に立つ脚を装う靴」が重要だ。

2007年11月13日火曜日

11月13日(水)慌しい一日

1.公認会計士来校
・ 本校の顧問公認会計士が「中間決算」の監査に来校、パートナーを引き連れて3名 、 始まる前にしばしの雑談、U公認会計士は本年度よりお願いした先生であり、会計士の変更は「本校での私の最初の仕事」であった。
・ 中々お顔も広いが、映画にも関心がおありで、「知り合いの映画監督を紹介するから是非会え」と言われる。ご本人もエキストラで映画に出演されているとか。「ゼロからの風」という田中好子主演の映画で「交通事故で突然奪われた息子の命、母親は軽すぎる刑法と厳しい社会の現実と闘い続け、法律を変えた」とチラシにはある。DVD購入などでご協力しようか。
2.外国人英語教師への「英語版就業規則」を説明
・ 現在二人いる英語ネイティブ教師へ説明。大いに感謝される。
3.中学校保護者「授業参観」と懇談会
・ 50分授業で6限目に授業参観
・ その後保護者懇談、テーマは「携帯モラル」と「高校進学」
・ 1,2年生と3年生は別々の教室で校長挨拶、「校長は高校ばかりに気が入って中学に関心を示さないという声が出る前」に積極的にお話をすることにした。与えられた時間は十分ではなかったが「顔を見せてご安心」頂くことが校長の責務の一つである。「中学生は本当に可愛い。子飼中の子飼、大切な大切な生徒だ。」
4.理数科K教諭 入る
 ・パソコンを持参して入ってくる。「画面を出してこれを見よ」という。中々上手い使いようだ。そういえばこの前も図書研修部長がパソコンを持参して入って報告に来られた。先生方はそのようにして生徒データや校務運営のデータを蓄積されている。
 ・軽いノートブック型だから可能であり、「ノートにしておいて良かった。」と思った。肝心の問題の報告よりもこちらのほうが記憶に残る。あの時、比較的安価なデスクトップにしたらと情報委員長には言ったが、彼の反対でノートにしたもの。一本取られた感じだ。それにしても先生方が個人パソコンを上手く戦力化してくれつつあるのが嬉しい。
5.3年生担任O教諭 入る
 ・国立大学の公募推薦の「面接試験の予行」を校長にして欲しいと生徒からの要望あり。 「OK」19日とした。
6.教務部長 入る
 ・女性徒が寒いと言っているので「暖房を許可したい」と。すぐ「OK」と。
7.某大手新聞社から「取材申し込み
 ・「ウーン」としばし考えたが、独占取材ではなくて「コメントを求める程度」の話と考え、受けることにした。現在は「基本的にマスコミの取材は断っている」が今回は例外だ。 来週、記者が東京から。
8.国税庁査察官マルサ 10時から16時過ぎ
 ・ご熱心に査察、夕刻事務長補佐から本日分の報告を受ける
9.何か慌しい一日・・・
 ・何も動きのない日と今日みたいに電話が鳴り響き、人が頻繁に出入りする日がある。今日は昼食も取れなかった。余計に慌しく感じるのは「来年度教員採用の件」が気になり、頭の片隅でこれが動き回っているからかも知れない。
・それにしても架空のクラス数を決めて教員配置を考えるのも大変だ。現在の入試システムでは私立学校側が一方的に「入学者数を1クラス40人として総クラス数を決められない仕組み」のことを世間の人はご存知あるまい。
・前任校はそのような苦労はまったくなかった。40人一クラスで8クラス分320名を成績順に頭から合格とすれば良かったのだから、簡単な話だ。今私は私学で様々な勉強をしている。私のように「公立のトップ校」を経験したものからすれば、「私学関係者の切ない気持ち」が良くわかる。ますます「いとおしく」なる。「この学校の為に現役最後の力を振り絞って頑張ってやろう」という気になるのだ。

2007年11月12日月曜日

11月12日(月)業務留め書き

1.来年度採用教員予定者第2次試験結果の最終判定会議
・ 管理職全員で最終協議。
・ 1名追加面接の必要を感じ急遽本日午後14時に来校頂く事にした。
・ 応募者の内、採用予定者(合格者)については「配達証明」で午後遅く発送。
・ 残念ながら本日の段階で不合格になられたお方については再度明日「学内打ち合わせ」をして「最終調整」して明日発送する手筈とした。要は我々の手を放す前に再度確認しておきたいという「慎重さ」の為である。
・ ご希望が「専任教諭」「常勤講師」「非常勤講師」「どちらでも良い」とあり来年度のカリキュアム等を考え、総合的に考えているが、限られた情報の中で「判断は難しい」。加えて応募者も本校のみではなくて当然他校にも応募されておられるお方も多く、受験そのものを「他で内定が頂けましたのでご辞退」という先生もおられる。
・ 結局、「数学」「国語」「情報、ただし他教科の免許保持があれば望ましい」と急遽第2次募集に入った。是非沢山の先生に応募して頂きたい。「浪速教育の志」を共にして頂ける先生を「WANTED!」です。
2. 国税庁大阪東税務署特別国税調査官立ち入り査察
・ 事前通告(1ヶ月前)どおり2名の調査官が来校,実に15年ぶりの「マルサ」 今週1週間の予定
・ 10時理事長挨拶  終日別室にて帳票、問い合わせに事務室担当が対応
「何も隠すものはありません。何でもご調査ください。資料はすべて出します。」
3.12時40分 「校務運営委員会
・ 国税調査のため、何時も使用する会議室を明け渡した為、新館2階集会室にて実施
・ 来年度から「分掌主事の持ち時間減」については「緊急事態を脱したとの認識」から「軽減拡大措置」を図り、あわせて「主事手当てを倍額」にする旨表明
・ 元々本校では主事手当てなど支給されておらず、私が校長就任後「それではおかしい」と支給を決めたものであるが、その額は「府立高校に準じる」としており、私学の実態と分掌主事の役割と責務を考え、見直すことにしたもの。それでも恥ずかしい金額であるが今後更に経営の状態を見ながら、押し上げていく積り。
・ これらも「学校経営が順調」に行っている証明であり、余裕が出れば「組織に還元」するのは当たり前である。「教職員個人ではなくて、組織に対してである。ここが重要。」
4.英語科T教諭 断続的に入る
・「就業規則」の「英訳」について
  外国人教師用のために依頼していた英訳作業の調整打ち合わせ
・従来一般的には「外国人教師とのの契約は1年単位の契約書ベース」であり、基本的には派遣会社(例えば現在問題となっているNOVAみたいなところ)との話で済むのであるがやはり同じ学校内で働く訳で彼らにも「知る権利はある」との考えと「知っておいて欲しい」との考えから現在用意しているもの。ちなみに他の私学に問い合わせるも「英語版就業規則」を有している学校はないみたいだ。こういうところも本校は「先進的」ではないか。
5.14時 来年採用予定者の追加面接 
・ ご本人来校 「面談」 若干の個人情報と将来展望についてお聞きする。
6.本日は40分授業6限でその後は「保護者懇談」今週一杯
・ 各学年クラス別に実施「転科コース」「成績」「進路先」等々のお話し合い
・ 保護者が多く夕刻まで学校に来られる。「お仕事帰りのお母さん」も多く見られる。
7. 国税調査官お帰り後事務室の本日の状況について
・今日の報告を事務長、事務長補佐より受ける。

2007年11月10日土曜日

11月10日(土)業務留め書き

1.スクールランチ試食会の報告
・ 昨日実施した「拡大試食会の結果」を図書研修主事が報告に来てくれた。チームメンバーのI教諭がすばやくまとめてくれたものだ。この二人の仕事は速い。生徒は男子30名、女子20名、PTAから代表の保護者、教職員、大掛かりな試食会になった。詳細分析してくれているが、想定通り「良い話ばかりだけではなさそうだ。」
・ 昨日も帰宅時正門で生徒から「ハンバーグが冷たかった」と直接校長に声がかけらており、アンケート結果も「おかずが冷たい」という意見が多い。それにご飯の量、容器の使用感など考えさせられる意見が出ている。想像はしていたが「難しいものだ。そう簡単にはいかないな。」
・ 確かに「東大阪で作って運ぶのだから冷たくはなる。」「電子レンジなら買うよ」「今後どうするか?」しばらく熟成させながら対策を考えていくことで一致した。「食材の偽装問題」が社会的に大きく捉えられており、この面のチェックも必要だ。「拙速は避けよう」しかし「目標に向かって道を探る」、これが結論である。
2.本日は「来年度採用予定者の面接試験
 ・本年殿応募者は総勢120名近くに上り、書類選考で40名の方々が本日、本校にお越し頂き試験官が「直接お顔を拝見しながらお話を伺う」。遠いところでは東京、秋田、岡山、京都と全国からの応募者である。
・ 今日、明日で最終選考を行い「12日午前中に最終決定、午後に合否通知を発送」する手筈となっている。
3.人事育成評価システムについて
 ・ 内部コンサルタント「日本総研」より最終案がもたらされているが、もう少し調整が必要。「教職員用のマニュアル」が必要であり、その打ち合わせを行う。
・ 予定としては「11月29日に職員集会」を行い、「一回目の説明会」の予定である。
・ そしてその後、最終版の「新人事制度」について発表して完了となる。それが何時になるか、今はまだ決められない。余り時間をとることは「情報入手を急いでいる教職員」には辛い話だから、なるべく早めたいと思っているが、「「これだけは拙速は避けたい。教職員の生活がかかっているだけにこちらは慎重、慎重にあらゆる視点から検討している。」
・ 年内最後の理事会を12月13日(木)に開くよう決定した。この理事会でオーソライズして7月9日以来の「新人事制度の説明責任」は終えることになろう。次は教職員全体が一丸となって「大きな目標に向かって」歩むことになる。今この大きな目標は外部に公式には明らかにはできない。しかし「浪速の未来を確固たるものにする、大きな、大きなプロジェクトだ。」
4.センター試験直前対策講座(ウインタースクール)の開設
 ・進路指導部長が頑張ってくれて来年1月19,20日のセンター試験対策として「特別講座」を開設するという。なんと年末年始の12月28日から31日まで、年明け1月4日から6日まで京都本能寺会館にて学習合宿をして徹底的にセンター対策を教え込むと言う。「良いことだ。」「是非やって欲しい。法人としても援助する。」と。果たしてどれだけの生徒が集まってくれるか。

2007年11月9日金曜日

11月9日(金)「チーム木村」

「チーム木村:本校の管理職
1.本年4月に校長を兼務し、「校務運営の新体制がスタート」したが、「今日までの順調な立ち上がり」は一重に理事長・校長を支えてくれた「4人の管理職」のおかげであり、心から感謝している。今、思い出しても切なく、10ヶ月前、たった一人で着任してきて、「周囲に誰一人知り合いは居ない状態」はさすがの私も心細い気がしたものだ。(ということにしておこう)
2.おまけに着任時の部屋は正規の「理事長室」とは異なり、入試事務室が理事長室を「高校入試相談会」に使うと言って占有しており、仮執務室として中学生の入っている遠く離れた新館の2階の「集会室」をあてがわれ、だだっ広い部屋に一人据わったときには「先行きに憂慮」したものだ。失礼極まりない話だ。こういうところにも専横な雰囲気、何も考えない浪速の風土が出ている。今年はちゃんと別のところに設えているのだから、やろうと思えば出来るのにだ。「こんなところで、上手くいくのかな。浪速に来たのは失敗だったかな」等々思ったものだ。(ということにしておこう)
3.加えて最大の懸案は理事長として「人事案件」について早急に結論を出さねばならないことであった。その時の「高校教頭」は前年度から本年度末で退職されることが決まっており、この後任をどうするか、「やいの、やいの」のと校長から催促がくる。加えて「中学教頭」も3年を経過したので「生徒との触れ合いのある平教諭に戻りたい」と言っているらしいと、後刻判明する。
4.前年12月の理事会ですでに決定していたことであるが、4月には「校長兼務」が決まっており、前述した中学、高校の教頭は「新校長の人事」だと言って何も決めていないのは正しい判断だが、着任して間もない理事長、誰一人教職員を知らない校長予定者として私は途方にくれた。(ということにしておこう。)
5.更に追い討ちをかけてきたのは、当然留任してくれるとばかり思っていた「教務関係、常勤、非常勤講師手配」を主に扱っていた校務運営の中心「副校長が突然退職」したいと言ってきたことだ。押し引きがあったが結局慰留(?)は通じなかった。残った管理職は定年を2年を残した校長と事務長だけ、「3人の実務を扱う管理職が目の前から消えていったのだ。」
6.とにかく早く「管理職を3人作らなければならない。」やめる3人の管理職は来年度の校内分掌人事を決めるため、引継ぎのために「早く、早く」とせかすが、決めようにも決められない。当たり前だ。「誰も知らないのだから。」勿論彼等からの「推薦」はあったが、これから先の「浪速改革」を考えれば誰でも良いというわけにも行かず、お仕着せ人事では心許ない。「自分が見て決める」を押し通した。
7.方法は「全員と面談」することにした。この面談を通じて、浪速の教職員のアウトラインを掴めば道は開けるだろう。早速1月10日から1月30日まで全教職員と面談し、感触を掴んでいった。この面談は極めて多くのものを私にもたらしてくれた。学校の現状に対する問題意識、自分の考えを持っているか、どのようなご性格か、出身高校、出身大学は何処か、ご専門は何か、ご家庭状況、等々専任教職員のプロフィールが完全に頭に入った。これらのデータはその後に随分と役立つことになる。
8.こういう時に長い企業経験、世界で幾多の修羅場を潜り抜けてきた経験が役立つ。短い時間だが5分も話をすれば「人物は大体分かる。」その時に掴んだ印象は11月の今になっても大筋のところ、外れていない。「新理事長・校長予定者をどのような態度で迎えたか?事前に渡していた面談用紙の記載状況はどうか?」私の「人を見る目」には自信がある
9.中には新参者に「一発かましたれ!」ごとき経営最高責任者に対し、尊大不遜極まりない態度をとる教員もいたり、面談用紙には自分の名前しか書かない白けた教員もいたり、とにかく「浪速教員百態が面白く興味が尽きなかった。」その時の面談結果ファイルは今でも手元にある。まあ,どの世界でも共通することであるが、「最初の人と人との対面は気をつけたほうが良い。」これは教職員にアドバイスしておきたい。立派だったのは「組合教員」であった。彼らが指摘した問題点は私が有するものと同じで、自分にとって大きな自信と安心に繋がった。彼らは見方は偏ったところがあるが一応考えているのだ。
10.結果を言えばこの面談の中から管理職候補を絞り込んでいった。紆余曲折はあったが、「結果が現在の管理職」だ。「副校長兼高校教頭」は62才、正統派の先発型直球投手で先の熱中症事件の時はテレビ出演や新聞報道で有名になった先生、ご専門は国立大学卒の理科の化学修士。信頼する名実ともに「NO.2」だ。「副校長・中学教頭」は60才、軟投型の打たせて取るタイプ、丁寧で良く考えている、国立大学卒の理科は物理がご専門。管理職でもっともおしゃれでスマート。未だに高校時代と体重が変わらないという。「入試広報担当教頭」は初めて私が創設した職位で最初の当て嵌め、54才、先発でもなければ抑えでもない地味な「中継ぎ」タイプだが、その方面では名のある神道系大学卒業で本格的神職、入試広報にかけてはプロ、データがすべて頭に入っている。そして「事務長先生」、61才、府庁出身でこれも関西のブランド私大の法学部卒であり、本庁の課長をしていた関係で人脈は広い。言ってみれば「フロント」である。以上が「チーム木村のメンバー」、前安部内閣のような「お友達内閣」ではなくて「仕事師内閣」と自負している。何時まで続くか分からないが次の内閣改造まではこのメンバーで行く。
11.「自分の目に狂いはなかった。」4人の管理職は期待にたがわず頑張ってくれている。仕事の能力云々よりもこれは木村流の表現であるのだが、「人間としての品格」が管理職には必要だ。そういう意味からもこの4人は立派である。毎日9時から30分以内で「管理職朝会」を実施し、少なくとも同一世代のこの5人が現在の浪速を動かしている。久方振りに本日は5人で夕食を共にする。しかし気に食わないことが一つある。管理職4名、飲と食が細いことだ。「4人束にかかってきても私のパワーには敵わない」。それは食べないからではないか?

2007年11月8日木曜日

11月8日(木)新春拝賀始業式

新春拝賀始業式の準備と雑感
 本当に時の経つのは早い。本年は特にそのように感じる。今はもう来年のことばかり頭が走っている。1月9日着任だったから明日で2ヶ月を残すだけだ。
1.長い間本校ではその年の「元日」に学院神社に参拝する「拝賀式」というものがあったそうだ。何をするかというと神社前に集まって「新年のお参り」をすると言うもので言ってみれば「初詣」と言える。神社神道の学校だからあって不思議はない行事だ。しかしこれを教務が作成する「教務手帳に記載するのはおかしい。」
2.着任後、この行事の実行状況を調べてみると「およそ学校行事とは言えない状態」を放置しており、気になる点を挙げれば多くある。
・ まず神道科の行事であるにも関わらず、主任教諭がご奉仕できない。また神職による斎行は元日では不可能である。(主任教諭は自分の家が神社で元日は氏子のために学校に出て来られない。)
・ 実家が神社の前校長は出席されていたらしいが、他の管理職、例えば現在の副校長二人などは40年近い勤務で一回も出たことがないという。
・ そのほか、一般の教諭もほとんどが出席したことがないもので、運動クラブの生徒を中心に多くて150から200名くらいの参加人員という。
・ お参りもただ集まって「2拝2拍1拝」をするくらいで、それではいかにも配慮が足りないと考えた。PTAにもお声をかけるから、各家庭では元日のお屠蘇を祝うべき朝の10時頃、家庭の主婦を借り出すなど幾らなんでもおかしいのではないかという気持ちもある。
3.以上のような実態を改善すべく「全面的に見直す」ことにした。現在の私のアイデアは以下の通りである。
  ・ 「学校全体の行事とする。「学校行事とは校長の管理下の元、全教職員と全校生徒が参加して行う形」で行うものであり、この状態に正式に「格上げ」とする。
・ 名前は「新春拝賀始業式」とし3学期の始業式と合わせる。PTA役員にもご出席いただけければ有り難く今後は「正式にご案内」する。
・ 正当な神職をお呼びし、「拝詞」と祝詞を奏上して頂く。合わせて本校「雅楽部の吹奏」と巫女さんの「舞」を奉納し「新春を寿ぐ」。巫女は外部委託と本校女生徒との組み合わせを考える。
・ そのために「組み立て型の簡易の舞台」を設える。これは永久的なものとしてその後も「浪速祭」などで有効に活用する。丁度自治会から浪速祭用の舞台を陳情されていたところだ。しかし間に合うかな?
・ 全生徒と参拝者には本校独自の「絵馬」を差しあげたい。現在デザイン中で「素晴らしいもの」が完成する。これは本校の生徒にとって思い出の「記念品」となる筈だ。
・ このようにして「その年1年の安全と学業成就を祈願」する。
・ これにて新春拝賀始業式(1月)、春季例祭(4月)、伊勢修養学舎(7月)秋季例祭(9月)と「正式な神道科行事」が丁度良い間隔、感覚で入ってくる。
4.以上に対して管理職始め一部の教職員にサウンドしたところ「大賛成」との声を聞き、又「行事検討チームの答申」にも正式に反映されていた。「学校全体の意思」が揃って来たのでその方向で今後2ヶ月弱しか期間がないが「早速準備に入るよう」、本日正式に神道科主任と事務室の担当主査に指示した。「浪速の新たな伝統」がまた始まる。自信を持って進める。
5.もともとこの話は理事長就任後すぐ動き出したのであるが、とにかく「今ある行事を変えようとしたら、必ず外部に“抵抗勢力”がいるもので、あれやこれや時間を要した。」勿論元日にお参りに来ていただく分には反対ではない。自由に来ていただいてお参りして頂ければ良い。門衛は出勤しており門は開いている。とにかく新しいことを始めようとすると「深く考えもせず、口を出す輩」がいるものだ。要は「心地よい現状維持に浸って」おきたいだけの話だ。このような人間が最近の日本には多くなった。特に学校関係者には多い。だから学校は進化しないし、変わっていかない。今私は全エネルギーを使って「浪速を変える」ことに神経を消耗している。「自分なりに徹底的に現状を分析し、情報を仕入れ、関係者の意見を聞き、時間をかけて前に進めている。しかし決めたら一気呵成に全軍を動かす」。これが見えていない連中には「独断専行」と見えるかもしれないが、それは違う。

2007年11月7日水曜日

11月7日(水)法人業務

1.法人会計業務
・ 本校の予算管理は極めてグレード高く実施されている。最も4月以降の話でそれまでは「大福帳」に近いものであったが、特に毎月の「月次決算」管理を行っており、普通はこの程度の会計規模であれば、そこまでしなくてもと言う声があるが、銀行出身の事務長補佐の強い意欲もあり、理事長として踏み切った。
・ 着任前は「学校事務」と「法人事務」が明確に区分されておらず、誰が何の責任で仕事をしているのか不明であったが、まずこれを明確にした。最も人数は少ないから「兼務者」が多く、実態は「皆で対応の形」だが一応すっきりしている。
・ 理事長、事務長、事務長補佐(法人会計担当)の3人で毎朝、理事長室で朝会をしている。その席で会計や財務などの話と学校事務との課題や方針を打ち合わせている。極めて重要なミーティングである。言ってみればこの二人は「学校法人大阪国学院の経営幹部スタッフ」である。
・ 事務長は「学校事務管理」に加えて「対外法人業務」が加わり、理事者、府庁、顧問弁護士、近隣行政機関等との「調整業務」があり、見事に対応してくれている。兼務として法人会計には更にもう一人、大学の経済学部を卒業した極めて優秀な会計専門家がおり、人材は揃っているのが嬉しい。
・ 一言で言えば「うまく回転しており順調」。事務職員には「お金を扱っている」だけに「間違いはあってはならない」ことを繰り返し発言しており、現在までトラブルはない。見事な仕事振りであり「信頼できる」。まず「法令順守」、特に「脱税行為は絶対あってはならない」と厳命しているし、間違っても公金横領、公金の個人的寸借,紛失、業者との癒着などは「重い懲戒処分」と言っている。
・ 当然「理事長の乱脈公私混同などはあってはならない」。2年ほど前大阪府の某私学の理事長が数千万円の交際費や接待費など使い、一部は府教委の幹部への高級料亭接待や高級背広生地の贈答など大きな事件になったが、強く自らを戒めて自覚している。
2.中間決算と10月度月次決算について
・ 「概ね予算どおり推移」している。10月度月次も順調である。このまま行けば年度予算どおりに行くものと考えられる。即ち「経営計画」と連動して月次予算が推移している理想的な状態である。
・ 細かいことを言えば、10月の「水道代」が跳ね上がっており、これは「思い当たる節」があり、一過性のものと考えているのだが、問題は給与人件費のうち「手当て」に関する部分で「見逃せない事実」が確認されつつある。
・ 本校は4月から制度化、実際は6月から適用した「新しい勤務制度」(年間変形労働制)と「諸手当基準の見直し」があるのだが、「クラブ指導手当て」で看過できない状態が固定化されてきた。今詳細に検証している。当初目論見から大きく乖離して府立高校、他の私学との大きな差異、もっと言えば4月前と比較して考えられないような事態になっていないかと法人会計に調査を命じている。もっともこれは法人会計の制度設定側の責任であり教員側の瑕疵ではない。まあ大した問題ではないが。
3.19年度設備投資
 ・ほぼ補正予算通りであるが、些か「ブレーキ」をかけた。それは人件費等が少しアップ気味で推移しているからである。それでも19年度の設備対策費は「対前年度7倍」も投資している。
 ・改革初年度、厳しい財政下、あえて実施した大きな投資は大きな効果を生み出していると自負している。目的は十分達した。

2007年11月6日火曜日

11月6日(火)業務留め書き

1.今朝の大阪日日新聞に小さな記事が出ています。恐らく興味ない人にはまったく目にもつかない記事であろうが、「私学経営者にはとても重要な内容」です。大手5紙は全く記事にしていないので、恐らく大阪府民でこのニュース内容を知る人は極めて少ないと想像されます。この校長日記を読まれているお人で、もしお時間があれば11月7日アップ予定の「理事長校長公式メッセージ:私学経営の辛さ」を是非読んで頂ければありがたいと存じます。恐縮でございます。
2.本日は昨日に比べて比較的余裕のある日であった。でもこういう時は得てして「ややこしい話」に時間が取られる。即断即決の頻度多い面談か「うーん」とうなる複雑な課題か二つのタイプがある。今日は間違いなく後者だ。詳細は別途、記録に留める。
3.さて今日は「招待や接待を受けた後のマナー」について
・朝一番、三々五々に昨日ご招待した先生方が部屋に来られ「昨日は・・・」とお礼を言われる。男性教員はお一人で女性教員は複数でというのが決まりパターンである。どうして女性は何時も複数なんだろうか。勿論来られない人もいる。それはそれで良い。
・ ただこちらが望んでいることではないが「このように翌日、お礼に伺う」のがマナーである。遠い場合は電話で、遠くて急がなければ葉書かお手紙でというのが社会人のマナーである。住金時代の若い頃は上司や先輩に連れられて、よくご馳走になったが、徹底的に「マナーは教えられた。」厳しかったなー。特に厳しい上司との会食は大変だった。「料理を残したら叱られる」のだ。又客先、商社などから接待を受けたときは気を使った。住金が接待されているので僕個人ではないのだ。分かっておかねばならないのは「接待する側より接待される側の方が難しい」ということだ。茶道の世界に「亭主7分に客3分」というのがあるが茶席でも「もてなす側の喜びの方が大きい」ということだ。
・ 「日が改まって酔いが覚めた状態」で「昨日は云々」と礼を述べた方が「美しい。」ただこれだけだ。来ないからといって不利益になるわけはない。する方はそういう気持ちで接待しているのではない。慰労であり、激励であり、会話であり、議論であるだけだ。給料の高い上司が部下を連れて行くのは社会では当たり前のことだ。
・ 先週見た映画「象の背中」で役所広司扮するサラリーマンが社長に連れられて「蕎麦や」で食するシーンは上司と部下の食事中の雰囲気を上手く表現していた。
・ 着任して間もない頃、「来たくて来た訳ではない。声がかかったから断るのも角が立つ。理事長・校長の話だからお付き合いで来た。」と言う教員も居たな。「学校の教員とはこういうものか」と腹が立つより驚いた。公立高校時代には今でも忘れられないのだがこういうケースもあった。組合の教員であったが「2千円、3千円で買収などされない。」と。これにも驚いたなー。2千円クラスで飲食できるところとは一体どういう所だろう。またこのように言われたこともある。「千円は出させてください。」と。論外だ。
・僕の接待は絶対に相手に1円も出させない。そして高級なところには行けないが「恥ずかしくない所」を選んでいる。同じ人は2回目の場所は変える努力をする。もう天王寺は荒らしまわった。そしてお腹一杯に料理を出す。家に帰って「追加の食事をする」などは絶対にして欲しくない。だから「食べろ、食べろ、飲め、飲め」と脅迫する。亡くなった母親の接待を見ていたからだと思う。何時も母から人を招待したら「料理は残るくらい一杯出しなさい」と教えられたのだ。
・2千円や3千円のところには絶対お連れしない。「立ち飲み」や「居酒屋」などには招待はしない。最低でもお一人5千円から8千円はかかる。「大の大人をこの程度のカネで買収などしません」するなら何百万円は出しますよ。5千のうち千円出した人は「今日は割り勘」とでも思っているのでしょうか。恥ずかしいね。
・でも昨日は途中で「タバコは良いよ。吸いなさい。吸って良いよ」と言ったのだが、結局喫煙家は吸わなかったな。これは10月2日のブログ「教師百態:教師と喫煙」の影響だな。そうとすれば申し訳なかった。「ホストが良いと言えば吸っても良いんだよ。」このブログで言っておきます。

2007年11月5日月曜日

11月5日(月)月曜日は忙しい

 「連休の後の月曜日は忙しい」。電話と教職員応対で様々な局面に適切に対応しなければならない。一つ一つ事情が異なる。「学校は生き物」であり、最後は校長の適切な判断が求められている。何もすべて「校長がハンドル」しようと言う気はない。どちらかと言えば「抱え込みは嫌いで,他に振るのが好き」であるが月曜日は致し方ない。
1.本校OB教員複数 入る
・ 昨日の同窓会80周年記念式典への参加のお礼、皆さん、「ほっと一息」の感
・ 準備を含め神経も使ったのであろう。ご苦労様でした。「今後とも頑張れ。」
2. 事務長、設備・施設担当主査 入る 
19年度計画残り分と20年度計画について概略の議論と調整
・ 女子トイレ増設(4階),女子更衣室拡張、女子教職員用更衣室拡張
  教室数拡大(現状回復措置)教室照明増強 食堂間仕切り工事ほか
・ 20年度前半の目玉「テニスコート3面化 可能ならハンドボールコート兼用
3.某先生 入る   12月初旬 結婚する旨の報告
4. 空手部顧問2名 入る
団体形は優勝するも組み手は柏原高校に敗退
・ 「何をしているか!敗戦の原因を考え、次の手を考えるように」強く指示
5.理数科長、副科長 入る  京都遠足の結果報告 「課題あり
6.陸上部顧問 入る
・ 準公式戦の10Kマラソンで本校生徒が優勝、太田知事の表彰状と金メダルを持参
・ 要は正式な学校表彰にならないかというもの。話は簡単、「なる!」と。
7.中学教務主事 入る 先の「全国小中学力調査」の正式分析を持参し説明受ける。
8.養護教諭 入る
・ 個人的家庭事情で来年3月末まで「休職の事前相談」
・ 認めることにした。早急に代替教諭を探すよう副校長、事務長に指示
9.事務長補佐 入る  新経営計画の数値的根拠の検証と議論
10.秘書を通じ1年生保護者から電話  明日10時校長面談希望承諾
11.13時20分 校務運営委員会
12.英語ネイティブ講師 呼び込む 副校長二人、事務長同席
13.英語T教諭 呼び込む 副校長、事務長同席
14.養護教諭 呼び込む 「確認と調整」副校長、事務長同席
15.英語I教諭 呼び込む 
16、中学教務主事 入る 「中学校遠足の写真と遠足報告
17.英語T教諭 入る
18.女子バスケット部員 入る 新品ユニフォーム作成支給のお礼「皆、嬉しそうな顔!」 激励する。
19.国語S教諭 入る  「書写」で生徒が金賞受賞の報告
20.天王寺にて教員との懇親慰労会  今回は生徒指導部の先生16名  大いに盛り上がる

2007年11月4日日曜日

11月4日(日)同窓会80周年記念行事

浪速学園同窓会80周年記念式典と祝賀会
・ 11時からスイスホテル南海で挙行、ご招待いただき出席。同窓会名誉会長だから当然と言えば当然だが。
・ 「浪速学園」とあるのは慣例からの言い回しで随分と昔からであるが現在は学校法人大阪国学院というけれども同窓会はこの言い回しを使っている。特に問題はない。
・ 第1部は式典で司会は東京の「湯島天神」の宮司さんという大物。大改革を行い今や東京でも超がつく人気の神社。「お蔦主税」で有名だ。同窓会長のご挨拶のあと、理事長・校長の祝辞となっていたが、通常の挨拶など述べても意味はないので「学校の最近の事情と今後の方針」について少しお時間を頂いてご説明した。
第2部は藤本義一先生のご講演、演題は「人間発見」ということで先生の生い立ちから今日までの様々な局面とその背後にある人間観察について作家らしい視点で聴くものを飽かさない語り口はさすがであっという間の時間であった。旧制中学最後で新制高校1期生、浪高にとって大変大切な先生だ。今度一席用意し作詞のお礼もしなければならない。
・ そして懇親パーティに入る。ここでも私が「乾杯の音頭」を任される。多くの諸先輩がおられるのに出番が多くて恐縮するが、会長が初めての「顔見世」ということで配慮されたものだろう。
・ 「鏡割り」からビデオレターで赤井英和さんや鶴瓶師匠のトークと言うか挨拶があり、会は大いに盛り上がる。私の席は右が藤本先生、左が財団法人大阪国学院代表の道明寺天満宮宮司で中央のテーブル、入れ替わり立ち代り同窓生からご挨拶をお受けする。
多くの現役教師もご招待頂いており、一人ひとり紹介されていたが、会場が盛り上がりざわついていて分からないので舞台中央に全員揃い代表として副校長がご挨拶するよう手配した。
浪高OBで本校の教員をしているものは10名近くいるが今日はせっせとお手伝いをして場を盛り上げるよう走り回っていた。正直言って浪高卒の教員はなかなか粒が揃っているが、もっともっと頑張らねばならない。もっともっとだ。君らの母校だろうと言いたい。
・ パーティの司会はこれまた卒業生で松竹芸能所属、オフィス谷口家の谷口吉一さんで一生懸命頑張っておられた。藤本先生からお聞きした吉本と松竹の比較論が面白かった。
・ 杵屋のトップで初芝学園の理事長・学園長も来られており、旧知の間柄で話が弾んだ。
・ 会の中締め後湯島天神の宮司と道明寺天満宮の宮司、立教大学の教授と外部でお茶にする。ここでも浪速改革と同窓会の今後などで盛り上がる。帰宅は16時過ぎ。

11月3日(土)文化の日

名跡逍遙の記「比叡山延暦寺」

1.朝思い立って「比叡山延暦寺」を目指すことを決めた。何時もそうだ。大体朝起きて、その日の気分で行動を決定する。今日も喫茶店でモーニングを食しながら自民党と民主党の大連立騒動を報道する新聞を目で追う途中で右脳は徐々に反応し始める。勿論前から何時かは行きたいと頭の引き出しにあるもので、それが動き始めたのだ。延暦寺以外は出て来ない。ちゃんと脳の中では順番は出来ている。
2.8時35分に家を出て湖西線JR坂本延暦寺駅には9時40分頃には着いた。電車を降りてまさに坂本駅の改札口を通るところに知人からメール。バスでケーブル乗り場へと進む。坂本の町全体が延暦寺の町のようであり多くの神社仏閣を抜ければ乗り場だ。大きな神社がある。全国の日吉、日枝神社の総本宮の日吉大社が比叡山の麓である。
3.標高700メートル弱、11分で到着。琵琶湖が眼前に遠く琵琶湖大橋が見える。戦国の時代、延暦寺の学僧もこの風景を見たのであろう。「焼き討ち」で全山火に包まれた阿鼻叫喚の比叡山は遠く琵琶湖周辺の人々にどのように映ったのであろうか。恐ろしい地獄絵であったことだろう。しかし「信長はすごい。こういうことをすることが善悪を超えてすごい男と思う。」 「改革の魔王」「時代の変革者」、僕は言いようもなく「織田信長という男に惹かれる。」
4.「伝教大師最澄が開山」して1200年、不滅の法灯が悠久の時間を刻む、「天台宗の総本山」であるが、とにかく「比叡山延暦寺」という言葉とその響きから、昔からある特別な思いをこの仏教の母山に抱いていた。それは「高野山」との対極においているからであるが、信長に全山「焼き討ち」にされたお山は果たしてどのようなお山であろうか。この一点が僕を叡山に引き付ける。
5. ロープウェイから緩やかな登り道を行けば、「東塔」が見えてくる。少し肌寒いがさわやかな風が心地良い。結構人出は多い。僕は坂本から登ったのであるが、後で知ることになる「京都からのルート」もある。京都ののど仏みたいなところに叡山は位置する。
延暦寺には大きく分けて3つの塔があり、中心となるのがこの東塔だ。他に「西塔」「横川」とある。東塔は16谷三千坊の中心で国宝「根本中堂」がある。
6.根本中堂は比叡山延暦寺の総本堂で回廊を通り中堂に至る。「ご本尊秘仏薬師如来」をまつる宝前に「不滅の法灯」がある。建物の中は朝夕継ぎ足す油の臭いがかすかにする。幽玄な雰囲気が漂う中で時間をかけてお祈りをした。
焼き討ちですべて消された延暦寺であり、何ゆえ不滅の法灯かというと消えた法灯の復活は平泉の立石寺から分灯したとボランティアの人が他のグループの人たちに説明していたのを聞き、なるほどと納得した。信長亡き後秀吉、家康の保護を受け、再建に乗り出した延暦寺は徳川3代家光の時代の寛永年間にほぼ現在の形に復活したという。大きな力はあの「慈眼大師天海僧正」によるもので、徳川将軍の知恵袋といわれた天海は上野寛永寺、そして日光東照宮と徳川一筋の御坊であったが延暦寺には大恩人であることは間違いない。しかし僕はどうも映画などの影響か、この天海という僧侶を好きになれない。
7.根本中堂は平たいくぼ地にあり周辺から見渡せる位置にある。最澄の教えの根本は「個々が思いやりの心を持って一隅を照らす人になる」というもので近くには「一隅を照らす会館」とかがある。最澄が著した「山家学生式」と言われる有名な書物に「照千一隅」という言葉があり、堂で目に入る扁額もこの字が多い。是非これは「生徒には講話の機会に伝えねばならない」。一隅を照らす、良い言葉である。
比叡山延暦寺は僧が言ってみれば勉強する場であり修道場である。従って叡山には修行された高僧が多い。特に鎌倉時代には「法然、栄西、親鸞、道元、日蓮が修行」しその旧跡が保存されている。
8.「文殊楼は文殊菩薩をご本尊」とする建物でなかなか趣がある。江戸時代の建物がそのまま残っており、僕も中に入ってほぼ垂直な階段を登って安置されている所へ向かう。「学問、知恵の仏様」だ。大きな柱を巻いている鉄は大きく錆びて年月を表す。錆びてこれ以上腐食が進まないのは、もうそれで「耐候性」が出ているものである。元「鉄屋」の僕にはすぐ分かる。学生とおぼしき人が絵馬をかけて祈願をしている。神社神道の本校であるが時にこういうところにも「遠足」でくれば良い。
9.時刻は正午、バス乗り場にあるお土産店で中食。何を食するか思案に時間はかからない。何時も「ご当地もの」であり、今日も鶴喜そば店で特製「延暦寺そば」としたがお高い割には味、風情もそれほどではなかった。他に参詣記念「山菜わさび」と「赤鬼まんじゅう」を求めた。当世事情を反映して「国産原料使用」のシールが貼っている。
10.その他大講堂、阿弥陀堂、法華総持院等があり、いずれも荘厳な建物だ。大講堂の中は前述した高僧の大きな肖像画と説明書きが所狭しと飾られており、これなども少し違う感じがしてならない。法然聖人のところでは「比叡山で修行し、京都の吉水に草庵を建て・・・。」とある。僕の知人に浄土宗に極めて近い人がいるのだが、その人は「吉水の言葉」さえ知らなかったことを思い出し、「クスツ」と笑ってしまった。
11.あと一つ気付いた点は大師最澄の生い立ちなどが説明書きとして順番に立てられていたり、又多くの文人がこの地に来ており、又小説の舞台に使われていることなど詳しく説明している。夏目漱石の虞美人草にも出てくるらしい。でもこういうのも痛し痒しで、余り過ぎるのも神秘性を損なわないか。少なくとも高野山にはこのようにすぐ気付くようなものはなかったように思う。
12.「比叡山延暦寺」は「高野山」とは趣が異なる。まずその広さも大きさも比べて高野山の比ではない。小さく狭い。何か偏狭な感じがしてならなかった。それに不思議なことに気付いたが、多くある堂や坊に「焼き討ち」を歴史的に述べている案内板などない。説明書などにも記述されていない。僕など叡山と言えば「最澄」と「焼き討ち」だとすぐ反応するのであるがそれを記述している場所や説明書きなどない。あえて無視しているような感じである。完全に怨念を引きずっているように見えてならない。歴史上、有名な人物のお墓もない。間違いなく信長の焼き討ちの影を今日に引きずっている。ここは若い僧が修行する場所だっただけに琵琶湖を懐に抱き、京都に近く、全山城壁のような比叡山で修行中の僧は藤原道長をして嘆かわせたように叡山の僧兵となり、時の権力、権威に立ち向かっていき、僧を頼みにしていた一般人も巻き込んで人、建物すべてが信長に抹殺された歴史をこの比叡山延暦寺は間違いなく現代にまで引きずっている感じがする。更に言えば湖水に沈んだ坂本城を築いた明智光秀のイメージも重なる。
13.帰りは京都におり京阪出町柳から淀屋橋に出て、16時前には天王寺着。「文化の日」を有効に使った。

2007年11月2日金曜日

11月2日(金)業務留め書き

1. 新聞記事「老人ホームにサツマイモ
・ 今朝の大阪日日新聞に上記のような大きな“見出し”で「浪速中2年生、努力の結晶35キロ、3年ぶりに寄付再開」と詳しく報道してくれている。嬉しい限りだ。早速切り抜いて関係者に配布。
・ このような記事は生徒にも保護者にも勿論学校にも元気を与える。「芋農園は今後とも継続」するし、「老人ホーム慰問も継続」したい。この活動の持つ教育の広さと深さは大きい。
2. 本日は中学、高校1,2年生の「校外学習
・ 早い話、「遠足」である。「中学校は1,2,3年生合同」で貝塚市にある「府立少年自然の家」で「自然体験や生活体験」だという。縦割りの組織にして班編成による作業、先輩、後輩の交流を深め、連帯感も高まると言う。中学3年生が1年生を教える姿は麗しい。「飯盒炊爨でカレーライス」がメニュー、食べたいと思うが、今年は無理だ。
・ 高校は1,2年生で理数科が秋の京都、銀閣寺、御所などを散策し、京都大学や同志社大学にも立ち寄るという。特進文科は面白くて、同じ京都であるが嵐山,嵯峨野周辺で「平家物語」や「源氏物語」の世界に少し浸るというもの。
・ 京都に対抗した訳ではあるまいが、総合コースは奈良で東大寺から若草山山頂,奈良公園のコースだ。最後の男子だけのクラス、思い出の遠足になるだろう。京都も奈良も今の季節、美しいだろうな。
・ 英語集約コースは泉が丘の国際障害者交流センター「ビッグ・アイ」を中心にハーベストの丘に回るという。ビッグ・アイとは中々良い企画だ。それぞれ、中学は副校長が団長、高校は各コース長が引率責任者となる。可哀想に高校3年生は学校で授業、最も受験前で遠足もあるまい。校内は至って静かであった。
3.来年度採用教員の人事要領について副校長からの報告
 ・「教員採用人事センターの副校長」から11月10日の採用面接予定者の報告を受ける。書類選考を経て面接試験対象者は40人に上り、それを両副校長、事務長との3人で時間差を考え、行うと言う。
 ・現在本校でご勤務されている常勤講師の先生方の来年度の採用方針は11月5日に最終決断しその結果を6日に校長に報告、6日午後からご本人に伝達する予定とのこと。「何ゆえそのように早いの?来年3月までまだ時間はあるではないか」と言うも、ご本人の事を考えたら「なるべく早いほうがよく、本校は例年11月には行っている。」とのこと。また非常勤の先生方の来年度人事方針は11月10日の新採面接が完了してから以降のこととなるらしい。
 ・いずれにしても重要なことであり、本校35年勤続のベテラン副校長二人の意向に今回は従うことにした。新米の理事長、校長がとやかく言わないほうが良いと考えたからである。ただし専任教諭の採用は校長マターと念を押している。65歳まで本校で働いて頂く教員の採用は完全に誰がなんと言えども校長の専管決定事項である。勿論教頭や副校長の推薦を前提としているが。
4.13時から「平成19年度大阪府神社庁関係者大会
 ・耳慣れない言葉であるが、要は大阪府神社界を構成している神社庁と関連11の団体の代表数百名が一同に集まり、伊勢神宮よりの大麻暦の頒布始めの奉告祭と神社界に貢献されたお方の表彰などがある。式典の後、懇親パーティ、神社神道の学校であり、校長は「来賓」として大きなりぼんを胸に付けられ、ご挨拶しなければならない。
 ・場所は大阪府神社庁会館、お持ち帰りいただく資料の中には本校の「学校案内」をしっかり入れている。「機会を逃さず、学校のPRと支援依頼は私学の校長の大きな責務」である。

2007年11月1日木曜日

11月1日(木)月初め

 月が変わった。もう11月、カレンダーも最後のページ、あと2ヶ月で今年も終わりか。大きな節目の10月を過ぎ、安穏というか平穏というか、ゆったりとした月替わりであった。「物事が順調に流れていると人間は優しくなれるのか」、教職員と生徒に「いつくしみ」を持ってあと2ヶ月頑張ろうという気になる。勿論小さな問題は毎日起きるが、顔色を変えるような大きな問題はない。「順調」「好調」「安定」、勿論油断は出来ないが、こういう瞬間もなければ「校長職はもたない」。
1.一斉参拝
・ 今日は一日、学院神社の「全校一斉のお参り」である。全校生徒で「学院神社拝詞」を奏上する。「かしこみ、かしこみ、もうさく・・・」など今日の生徒には難しいのではないかという声が大きかったが数ヶ月経ってみると、徐々に声が出てきている。今日は比較的上手く出来たのではないか。もう少し様子をみよう。
・ 生憎、参拝後雨が降り出し、「校長講話」までとして「生徒表彰」は止めて生徒を教室に入れる。
2.高石市のH学園を訪問
・ 久方ぶりに他校訪問。今日は女子高だ。学校車を自ら運転して高石に向かう。ナビは本当に優れもの。まったく土地勘のない堺市を抜けて学園の真ん前に予定通り到着。
・ N校長先生から多くのためになるお話を伺った。「女子高」を守り抜くと。
3.重要来客 11時過ぎ
・ 元大手塾経営者であり、現在は自ら教育研究所を経営されている先生が訪問の日を間違って学校に来られているとH学園に電話。
・ 急遽学校に戻り懇談。貴重な「情報源」であり、今日も考えさせられる情報を多く頂いた。
・ 変わったところでは「秋の園遊会」に招かれて「美智子皇后陛下」からお言葉を戴いたと未だ感動感激が残った口ぶりで詳細説明してくれた。
4.今日も多くの教員が入る