2008年4月28日月曜日

4月28日(月)ドリフト族先生

教員の不祥事
・ この事件は今朝の関東の一部テレビでも報道していた。自宅は読売新聞であるが、扱いは小さいが関東版の新聞記事にもなっている。記事の内容が「面白かった」からだろうと思う。関東にまで報道されるとは大したものだ。私も思わず笑ってしまった。
・ 記事というのは「ドリフト走行の高校教諭を逮捕」というものだ。面白いではないか。これが近くの学校であったように女性の下着を盗んで逃げたとか、スカートの中を盗撮したとかというのなら、別に珍しくもないが「ドリフト族」で逮捕されたというのだからこれは珍しい。
・ 大阪府住之江警察署は高速で車を急転回させる「ドリフト族」を警戒中に「府立高校の26歳の教諭がひっかかったとして現行犯逮捕」したという。本人は「車を横滑りさせるのが楽しく南港でこれまで3回練習した」と供述したという。
・ 気になって大阪の新聞をチェックするも実名入りで記事になっている。産経は実名報道としていない。何故だろう。藤井寺工科高校の教諭で昨年4月に採用された教員という。丁度「1年の試用期間の身」を卒業したばかりだというに。試用期間中であれば間違いなく「お仕舞い」だろう。府教委は「本人から事情を聞き、厳正に対処したい。」と言っているそうだが、恐らく「首にはならないだろう。」
・ 飲酒運転なら間違いなく懲戒解雇だが「道路交通法違反容疑のUターン禁止違反」だけでは前例もなく、又被害者も居ないわけで、府教委は「処分に困るのではないか」。警察も教諭をすぐ釈放している。最もこの教諭、大阪府ではもう偉くはなれないだろうが。
・ それにしても「幼いというか稚拙というか、未熟というか」。しかし実際こういうタイプの先生が増えつつあるのではないか。自分の「好きなことをする」「趣味の世界に浸る」という具合だ。車高を下げた国産スポーツカーを運転していたというから「いささかお宅気味」でもある。
・ 名前がYで26才というから最初はびっくりした。本校にもいるからだ。人違いで良かった。本校の教諭は立派で決してこういうことをしない先生だ。数学の授業は素晴らしく、生徒の人気もよく、サッカー指導にも熱心で言うことはない。
・ しかし趣味の世界に浸って午前1時半というから深夜に「車を走り飛ばして」、翌日何食わぬ顔で生徒に授業するというから「これはもう別の人格」だろう。副校長に言わねばならない。採用面接の時に「ドリフトの趣味はありますか?」とね。
・ 教員の不祥事について「あれこれすぐマスコミは騒ぐ」が、「教員も人間だ」と肩を持つ気はない。社会は教職にある者すべてが「謹厳実直、品行方正」と思っていたりすればそれは間違いだ。それを前提にして学校社会を観察すればよい。
・ 教員の不祥事を正当化する気はない。ただ何かあるたびに「マスコミ、社会は徹底的に教員バッシングに走る」。ここ10年、学校改革、教育改革の流れの中で「教職員の質と不祥事は基本的に深い部分では同じ要因であるとの認識が重要である。」
・ 最も大切なことは学校、生徒に向かう意識と姿勢であろう。そこがしっかりと確立されていたら、「身を律する意識は強くなる」筈だ。「教職という職業をなめた若者」が昼は先生、夜はドリフト族、ボーカリスト、演劇人などと「個人の趣味の世界」に入っていく時代となったなら、それは学校に大きな変化をもたらすだろう。
・ 朝から晩まで「教師そのもの」、「生涯現役教師」「不器用だけど先生そのもの」、そういう先生が私は好きだ。器用で要領よく、口先だけで、鼻持ちならないプライドだけの教師も好きではないが、何時も「趣味を語る先生」も如何かと思う。
・ 生徒を語る先生は尊敬を受けるが趣味を語る先生はどうなんだろうと思ってしまうのだ。地域では結構「何々で有名な先生」が「学校ではさっぱり」と言う例は多い。「相撲取りは土俵で勝負」、「教師は学校、教壇で勝負だろう」。朝青龍は土俵ではなくてグラウンドでサッカーをしたから問題になった。藤井寺の先生はドリフトで問題となった。やはり本業以外だ。

4月28日(月)遠足の女教師の手に触れたがる

遠足
・ 表題の句は山口誓子である。良い句ではないか。対象は小学校高学年か中学校か。高校ではあるまい。ホトトギスには「お祈りをして遠足のお弁当」「遠足の列を引き裂く交差点」。遠足という言葉の響きも良い。
・ 日本の学校、全国でこの時期「遠足」だ。先般もなんばの南海電車のコンコースで床に小さな子供たち座らせ、大人が取り囲むようにしてそのうちの一人がハンドマイクでしゃべっていたが、あれは小学校の遠足の帰りで、先生が恐らく自宅へ帰る注意事項などを説明していたのであろう。いまどき良く見かける光景だ。
・ 重要な学校行事で幼稚園・保育所、小学校では必ず行われる学校行事であり、「学習指導要領」にも特別活動として行うべき学校行事として明記されている。中等教育でも行われており、浪速中学も高校も実施している。
・ 昔は言葉のごとく「徒歩で遠出」するものであったが、現在ではバスや公共交通を利用することが多くなった。遠足の原則は「日帰り」である。目的は「集団行動と公共性を身に付ける」ために行われるというのが主体である。
・ 頻度は春、秋のどちらか1回か両方とも行うかであるが、学年にもよる。前の公立高校では3年生にもなって秋の遠足をしていたが、これは「やめてもらった」。本校でも3年生が秋にやっているというのでこれ又、廃止とした。受験勉強だろう。遠足なんてとんでもない話だ。3年生の後期にもなって、「卒業まで3ヶ月くらいになっている時期に集団行動とか公共心とかでもなかろう」。
・ 一回のところは「春か、秋か」で時に議論が出る。なるべく早い段階で実施し「クラスの団結を高めさせる」という意見もあれば「5月では早すぎてまだばらばらだ」と反論の意見も出る。
・ 教師も実は大変なのである。まず本年度のコースをどこにするか決め、「下見」をすることになる。当日は必ず「遅れてくる生徒」がいたり、ふざけて「ちょっとした怪我をしたり」「交通事故にあわないよう目を配ったり」学校総出で対応することになる。
・ 遠足のハイライトは郊外、校外での「お弁当」だ。私も亡くなった母親が朝早く起きて私の好物を作って持たせてくれた。どこへ行ったかは忘れたが「食べたお弁当だけは覚えている」。まず卵焼きは欠かせない。それにウィインナーだ。切込みを入れて炒めており少し反っているところがよいのだ。それに私の場合は必ず厚手のハムだ。生のハムが、それも白いところのあるロースハムでなければならない。それに主食は大きい「おにぎり」で、のりがぐるりと全体をまいていなければならない。母はりんごを「うさぎチャン」みたいに格好良く切ってはくれなかったが、バナナが入っていた。当時のバナナは今みたいに安くはなかったはずだ。懐かしい。思いだすと目頭ガ熱くなる。
・ それに今みたいに自販機などないから水筒は絶対だ。中学生に水筒って知っているかと聞いたら「それ、何ですか?」と聞いてきた。今はペットボトルの時代だ。確かに軽くて味も良いわなー。
・ ところが教員に聞いてみると「お弁当を持って来ない生徒」もいるらしい。「コンビニで買う」とお金を持ってくるとか、近くのハンバーガーで済ませるとかというのもあるみたいである。世の中は変わってきている。
・ 本校では昨年まで科コースでバラバラの行き先であったが、本年から「学年で統一」された。大変結構だと思う。高校3年生は京都、京大、銀閣寺、哲学の道、南禅寺、この近くの公園で昼食、円山公園、清水寺、矢坂神社のコースだ。「良いコース」だ。
・ 2年生は宇治に行く。平等院、宇治上神社、「源氏物語ミュージアム観覧コース」で3箇所のチェックポイントがあるという。2年生の学年主任が国語の先生だからこのコースはうなずける。今源氏ブームだからここも面白しろそうだ。
・ 2年生は619名の大部隊を引き連れて「奈良」という。奈良公園集合で国宝転害門から黒髪山神社を経てうわなべ古墳から「平城京跡」だ。資料館見学が必須としている。「付き添い教員が23名」だから大変だ。中学校も全学年で神戸のほうに行く。これは「完全にピクニック形式の典型的遠足」だ。どこへ行くか報告は受けたが今思い出せない。なんとか山だったと思う。最近すぐ忘れる。
・ 我々の時代は遠足、林間学校、修学旅行と3部作が揃っていたが今は林間学校はない。大体運動部などは豪華に飛行機を使って宮崎合宿とかしているし、今日、家族で旅行やドライブなども当たり前で「知らないところに行く」という意味合いはない。それよりも「集団で行動し仲間同士で一日青空の下で歩くということの意味はまだある」と考えている。
・ 私がひそかに復活を狙っているものは「強行遠足」、あるいは「強行軍」ともいう。長距離をただ黙々と目的地に向かって歩くことだ。今でも伝統校はこの行事を残している。大阪府でもある。有名なものは「甲府一高の強行遠足」だ。朝5時学校を出て男子は55キロ、女子は7時30分出発で30キロだ。テレビでも放映されていた。80回を数える伝統行事だ。本校でもやりたいなー。
・ 一度体育の教員数人にそれとなく言ってみると「即座に否定」だ。「交通事故が恐ろしい」というのだ。交通事故は田舎道でも起ころうがと思うのだが。本校の遠足は30日である。無事の生還を祈る。

2008年4月27日日曜日

4月27日(日)海外修学旅行

来年度海外修学旅行の概要決定
・ 現在の1年生が2年生になったときに実施する「修学旅行先」は本校「初めて海外」とした。85年の歴史で初めてのことであり、「画期的」なことであることは間違いない。これは完全に私が「校長方針として決断」したものだ。
・ 成長発達過程にある生徒たちに「日本以外の国を体験」させたいと強く感じていたからである。「グローバル」という言葉の響きが陳腐に聞こえるくらい今や国境は溶け始め、もはや同時期に「世界で同じ情報が駆け巡る時代」だ。何時までも「北海道」ではあるまい。あれほど英語を教えながら「英語圏を知らない」というのも考える。
・ 物見遊山ではなくて「外国の地を自分の足で立つ」「国際理解教育」「異文化の体験」だ。将来、大学や社会に出ても海外に行く機会はあるだろうが、「高校生の時に体験することが意味ある」ことと考えている。私の高校生の時の修学旅行は確か東京だったか思うが記憶がもう定かではない。
・ 初めての海外は26歳の時、業務出張でスイスを中心としてヨーロッパだったが、たった一人で外国の地に降り立ち、とても緊張したことを覚えている。今でも記憶が鮮明だ。大変勉強になり、その後の多くの海外経験に礎となったことは間違いない。
・ とは言いながら、「生徒を海外に出すことは当然怖い」という感情」も内心にはある。「無事に行き、帰ってきてくれるか」などと心配する気持ちは日々に大きくなるが「ルビコン河は渡った」。ベストを尽くして「成功させる。」「総責任者の学年主任も信頼にたる人物」で不安はないが、何しろ「619人とい大部隊」だ。今からしっかりと準備しなければならない。
・ 行き先はアメリカにしたかったが、やはり「テロ」に巻き込まれる可能性の高さを考えた。私立のU高校は全員揃ってドイツだ。サンフランシスコ、シアトル、バンクーバー、ロス、ボストン、ニューヨーク等色々と考えたが最終的に「オーストラリア」とした。ハワイは機材が便利と言う声もあったがそれは即座に「却下」した。リゾート地はまずい。
・ とにかく人数が多いから方面は2グループに分け出発だ。「ケアンズ」コースと「ブリスベン」コースで、共に4泊6日、ケアンズは世界自然遺産(最古の熱帯雨林)と自然体験、ブリスベンはタンガルーマ/モートン島周辺のこれまた自然体験だ。
・ 旅行扱い会社はケアンズコースが「JTB」,ブリスベンコースが「近畿日本ツーリスト」とした。5社見積もりで公平に評価し、尚且つ今回は経験の多さと、この2社は現地に支店があることも考慮に入れた。24日、両社の幹部に来てもらい、私から「正式な内定通知」と「成功にむけての協力のお願い」をした。
・ 英語集約コースでカナダでのホームステイ経験はあるのだが、生徒数は30名そこそこで来年の619人とは規模も違い、問題は海外修学旅行経験のある教員が少ない。初めてだから当たり前のことである。従って準備のためには「下見」をしてまず教員自ら「生徒の目線」で動いてみると「見えてくるものがあろう。」これは重要だ。
・ タイミングはこの夏休みしかない。教員も予定があって大変だろうが「公務優先」だ。各類から修学旅行委員をこの8月末に行ってもらうこととし、26日朝一番に全員に集まって貰い、私の考えを伝えた。数は総勢6名とした。少し多いと考えることもできるが、初めてのことだし、「念には念を入れる」ということである。8月17日から出発して貰う。
・ 勿論、飛行機が駄目な生徒もいるし、海外嫌いの生徒もいるだろうから「受け皿」として国内「北海道」も残している。連休明けに希望調査をとる手筈である。それにしても今回の計画には苦労した。
・ 世界的なオイル高を受けて、航空会社は「燃料費の高騰」に悩まされ、次々と効率の悪い路線の縮小と機材(飛行機本体)の小型化に入っている。従って一度に機上できる数は180人前後であり、生徒数が多いと「まとめるのに大変」であったが学年主任は知恵を絞ってまとめてくれた。苦労したろう。
・ 出発地も「関空」主体であるが、なんと1グループは「中部国際空港出発」である。空港までは西名阪をバスで3時間かけていくことになる。どのグループかはまだ決まっていない。来年の出発日は第一便が5月24日、第二便が翌25日となる。従ってグループとしては科類で集約することになろう。
海外修学旅行の歴史
・ 修学旅行の淵源は定かではないがものの本によれば古く「江戸時代の社寺参り」が始まりとされる。明治8年栃木県矢板の小学校が寺山観音に初詣、10年には東京の私学が芝公園の博覧会見学と記録にはある。
・ 戦後の復活は昭和21年、山口県の厚狭高等女学校が松江大社方面、群馬県高崎商業が日光に行ったとある。昭和30年代になるとほぼ全国規模となり修学旅行専用列車である東京発の「ひので号」、大阪発東京行きの「きぼう号」などが有名である。
・ 海外修学旅行は明治末期から大正以降に「満韓(満鮮)旅行」と言われた満州、朝鮮半島方面で主に九州山口県の学校であったらしい。戦後は昭和47年に私立の2校が韓国修学旅行が最初という。
・ 少しデータが古いが2005年度の全国公立高校4082校中、海外修学旅行を実施しているのは410校、私立高校は1321校中441校という。旅行先は圧倒的に「オセアニア地域でオーアストラリア、ニュージーランドで全体の1/4」を占める。
・ 大阪府内で言えば、「公立192校中41校、私立高校94校のうち42.6%の40校が海外修学旅行」である。今はもう少し増えているかもしれない。圧倒的にオーストラリアとニュージーランドだ。
・ 今回成功すれば夢は広がる。カナダもあるし、アメリカ本土も視野に入っている。韓国中国、台湾と言う声は聞かないが結構人気のスポットというが私は「英語圏」にこだわっている。下見教員6人のうち3名はたまたま英語科の教師ですべて女性だ。後の3人は理科、国語、美術の男性教師で『グッドコンビネーション』と考えているが「仲良く行ってきてね」と願うばかりだ。

2008年4月26日土曜日

4月26日(土)体力テスト

身体計測・新体力テスト
・ 昨25日は「身体計測」「体力テスト」の日であった。この体力テストという響きは何か「古典的」に感じる。私立でもしていない学校は結構多い。しかし今、「風向が少し変わりつつあるのではないか。「」児童生徒の体力が落ちつつある現状に危機感を抱いた文部科学省も「食育」の次に何か新しい施策を打ち出してくるかも知れない。
・ 本校は伝統的にこの「体力テストを継続して実施」してきた、この点では「優良な学校」である。昨年着任時には朝9時から「一日かけて、見た目ダラダラ」と実施しており、なんともまどろっこしくて文句を言ったものだ。「止めたらどうだ」と。
・ 大きく3グループに分け、まず午前中が中学生と高1、中間に高2、最後に高3だ。いわゆる「時差登校」だ。最後のグループは午前中家で寝るかテレビでも見ているのだろう。2時頃「ぶらぶら」と学校に来るのを見て「憤激」したものだ。生徒にではない、教員に対してだ。それが「こんなもの今時必要か。止めたらどうだね」となったのだ。
・ 世間では「学力不足」「授業時間増」と騒いでいるのに「工夫はないのか」ということだ。それで今年から午前中40分授業で4限授業をして11時40分から昼食、12時40分から計測開始の計画となった。
・ 「行事検討チーム」が変えてくれたものだが、「嬉しい」。こういう姿勢が良い。とにかく「一度決めたら変えないのが教員の習性」とはよく言ったものだが、今回は校長の思いを受けて変更してくれた。一旦決まれば「準備を抜かりなくやるのも教員の習性」である。こういうところは大変良い。
・ センターの体育科主任と保健体育部長は当方の「何時に終わりそう?」と聞いても「さっぱり読めません」と来る。私も内心時間進捗を気にはしているのだ。夕方5時を過ぎても終わらないとなったら「まずいな」と。2人は「女生徒が増え、男子に比べ余分な時間がかかる」と女子に聞こえたら騒がれそうなことを言うが、私もそう思う。女生徒はとにかく「キャーキャー」騒いで「連れ」で行動するから男子に比べ時間がかかる。
・ 16時10分目標というが果たして?それでも良いではないか。ぎりぎり17時までに終われば良いではないかと申し述べた。準備するほうは測定する場所を倍増くらいに増やしたらしい。練りに練った計画表が出来ている。
・ 身体計測は身長・体重、上体起こし、長座体前屈、握力、50メートル走、反復横飛び、立ち幅跳び、ハンドボール投げと本格的だ。男子1500メートル、女子1000メートルの持久走があるのだがこれは後日体育の授業で実施される。
・ 何時も調査結果は「外部の専門家」に出し全ての生徒のデータが整理される。前術したセンターの2人の教員は「昔に比べて体力の低下は著しい」という。「身長は伸び、体重も増えでいるが体力は落ちている」というのだ。彼らは継続してみているから良く分かっている。
・ さらに最近の子どもは全てに万能というのがいなくなった、少なくなった?確かに私の頃も「野球が上手い子は走るのもサッカーも上手かった」と思う。今はそうでないらしい。サッカーは上手だが野球はしたことがないとか、なんとか。分かるような気がするなー。
・ 1500人を遥かに超える生徒の対応には教員総出で対応しても間に合わないから運動クラブの生徒の手助けで実施する。女子の体力測定は女性教員でないと困るところもあり、常勤講師の女性教員も総がかりだ。
・ 私もグラウンド、体育館、美術教室、社会科教室と測定会場を回って歩いたが場所が狭いとやはり混雑していた。ここはそれぞれ会場を増やさないといけない。これでは駄目だ。教室は空いているのに何故もっともっと測定場所を増やさなかったのかな。昨年に比べて倍増と言うが3倍くらいでも良かった。
・ しかし結局15時50分に全て終わって、2人の教員が報告に来て呉れたが、彼らも「予想以上」だったらしい。結局準備が良いとこうなるのだ。「運動部の生徒の手伝い」が極めて大きな戦力になったという。今度褒めてやらねばならない。
・ 専任の先生はやることが分かっているので問題はないが、新しい常勤の先生は「何をして良いのかまだ、まだ分かっていなくて」、もごもごとした場面が目立ったそうだが、それは仕方がない。
・ それにしても驚くことが一つある。美術と社会の大教室の床の砂の多さだ。生徒がグラウンドで靴につけてきた砂が全て校舎内の階段、廊下で「砂落とし」になっているから階段、廊下の砂の蓄積は尋常ではない。
・ そうしていたら「掃除のパートの方々」が「まだ先生、第2グラウンドの横を舗装してくれたから、これで済んでいるのです」と言われた。去年まではこの日以降学校に来るのが嫌になっていましたと。
・ この話しは前から聞いてはいたが、本日実感した。これで新校舎のときには「二足制」が決まったようなものだ。前に教務の教員と会食したときにもメンバーはそのように言っていたことを思い出した。
・ パソコンやオーディオ機器など目茶目茶になりますよと。新しい教室にはモニター設置も考えているから、時代遅れかも知らないが「二足制」が良いのかもしれない。体力テストで思わぬ発見というか確信を持てたものだ。これも現場に出るからである。出るだけではなくて「観察力」だ。
・ 生徒は良い顔をしていた。やはり授業よりはこのようなことが好きなのだなと思う。しかし「半日授業したからこそ嬉しい」という面もある。今日のような日は私は特別に機嫌が良い。
・ 朝保健体育部長から「総括」の報告を受けたが私の有している感想と大体同じだ。彼は1限目が授業だったらしいが「生徒は疲れている」印象だったという。今回の反省を活かして来年に備えるようお願いした。今回のプロセスは「物事を変えていく」と言う意味で大変良かった事例である。評価する。教科主任と保健体育部長は大変よくやった。立派である。                               

2008年4月25日金曜日

4月25日(金)カフェテラス売り上げ

カフェテラス売り上げ
・ 4月9日にオープンしてから2週間が過ぎた。「生徒の人気は抜群」であるが肝心の「売り上げが伸びない」。生徒数は100名を超えているらしいが、面白がって「来るだけの者」もおり一向に売り上げが伸びないのだ。
・ 確かに雰囲気は明るく、ホテルのラウンジみたいな作りで42インチのプラズマテレビが壁にかかり放映されているからちょっと覗いてみようとなるだろう。それに「自動販売機」を揃えているから結構そこで売れている。今日日の子どもは自販機が好きだ。
・ 事務長と担当の主査が「浮かぬ顔」で部屋に入って来て、業者さんも「当てが外れて困っている」「開店当初はご祝儀で、普通は売り上げが上がるのだが駄目」「同時期に始めた市立の新しい中高一貫校と比べて1/2以下の売り上げです」「これではパートさんの人件費も出ません」と業者さんが言って来たと言うのだ。
・ 「エーッ」とこちらも「困惑」する。そんなに悪いのかというところだ。低いとは聞いていたがそこまでとは知らなかった。早速手を打つ。1年生の学年主任に「規制をかけていた1年生にもカフェテラスの使用を早く解除せよ」と。
・ 結果は25日解禁となった。次に「全教職員に一斉メール」だ。23日9時24分のことだったが、打った文章は以下の通り。
“別途保健体育部長からも依頼が行くかも知れませんが、カフェテラスの売り上げが伸びず、大変な事態になっています。現在ZZZZZ円平均の売り上げで、これでは4名のパート従業員さんの人件費も出ず、材料費など持ち出しになっていると言うことです。もともとの業者さんと契約を打ち切り、後に○○○○会社さんに当方から頼んで入ってもらった経緯もあり、何とか協力する必要があります。特に教職員で昼食にコンビに弁当等を購入し持参している方は何とか校内カフェテラスをご利用頂ければありがたいと存じます。食べる場所は職員室で結構ですし、何時もと言うわけにはいかないと思いますが時にはカフェレタスでというスタイルでも構いません。以上宜しくお願いします。
・ これに対して多くの返信があり、例えば:
“メール拝見いたしました。私は毎日コンビニなどのお弁当でお昼を済ましていますので、微力ではありますが協力させていただきます。せっかくのきれいになったカフェテラスなので、もっと活気あふれる場所になると嬉しいですね。”数学科 XXXX
のようなもので一応の効果はあったが、長続きしなければならない。
・ 言った手前、「私も食さないといけない」と考え、この日から3日間、カツカレー(330円)、健康弁当(380円)、本日は日替わり定食(400円)と3日連続で食べたが「ウーン、こんな値段では、こんなもんだろう」としか言えない。「微妙な表現だ」。
・ 23日15時に今度は業者の担当者を呼んで話をする。「協力を惜しまないが、メニューや味付けなど工夫をして欲しい」「市立の学校と何処が違うのか教えて欲しい」等々のべたが「どうも、きりりとしない印象」を受けた。
・ 最悪、今の業者さんが「撤退」と言うことにでもなれば「次の手は2案」ほど考えている。一つはPTAに「給食委員会」を設けて貰ってそこでやってもらう積りだ。丁度「助成委員会」を廃止して一つ組織が余っている。
・ 材料費、光熱費、人件費は一切学校が持ち、時給800円で10時から14時まで4時間、一人分3200円、4人として12800円のコストで済む。時間のある「保護者が可愛いわが子の昼食を作る」といって、一生懸命にやってくれる保護者はいないかなーと考えたりする。こうすれば業者ではなくて学校経営ということになるが、食堂営業は法的にできるのでろうか。保険所に届けることで可能ではないか。しかし「素人にはなー」と言う気もする。
・ もう一つの考えはショップ99とかファミリーマートとか「コンビニに出店を頼む」ことだ。大学などはこのやり方が最近出てきているという。「しかしなー」。まだ始まって3週間も経っていない。こういうことは忘れてカフェテラス繁盛のために努力するべきだ。
・ 元々売り上げが上がれば「マージンを期待」していたのだが、とんでもない話だ。こちらが大阪府や大阪市みたいに「補助金」を出さねばならなくなる。全教職員と生徒にお願いする。昼食は「まず家からのお弁当」、次に「カフェテラス利用」だ。
・ 決して駅の近くのコンビニで買わないようにと書くと「大問題となる。校長が商売の邪魔をした」と騒がれるのが落ちだ。「候補の一つ」にという表現が限界か。業者さんには私のアイデアを言った。
・ 「おにぎりをメニューに」「たこ焼きも入れても良い。8個300円でどうだ」」「バーガーは生徒に好まれるぞ」等々だ。「電子レンジは何時でも業務用を揃えてあげる」からとにかく工夫して欲しい。ただしアメリカ産牛肉と中国産餃子は駄目だよと述べたのである。私が主導してカフェテラスとケイタリング方式を実施しただけに、「私は必死」なのである。

2008年4月24日木曜日

4月24日(木)武道場

弓道場視察
・ 4月20日「好文学園女子高等学校(旧福島女子高校)」が「弓道場」を新たに建設しそのお披露目があった。新聞報道もされている。本校の弓道部の指導者2人も招待されて昨日その様子をCDに焼いた写真を持参してくれた。じっくりと見させて貰ったが大変立派な道場だ。
・ この学校の校長先生とS教諭指導者は先般本校にも来られご面識があるが、大変立派な経営者であり学校管理者である。「良いお仕事」をされた。「好文21世紀の基盤はこの道場から」と言う。外部にも開放するらしい。素晴らしい考えだ。「槌音がこだまする学校は良い学校」というが「新校舎」を建設し、「校名」も改め、このたびの弓道場だ。
・ 「私も負けてはおられぬ」。昨日じっくりと本校の弓道場を視察した。「大きさ、スペースを実感」するためだ。「ウーン、大分老朽化してきたな」という印象だが、手入れして上手く使ってくれている。それに「巻藁場」もないし、手狭である。
・ 好文は府下トップの強豪校であるが、本校も頑張っている。弓道は何か「精神性」を感じて好きな武道である。何時かは「素晴らしい弓道場を建設」することは前から考えていた。一度連休明けにも好文学園にお邪魔し見学させてもらうこととしようと思う。
武道場の集約化
・ 「新校舎を建設」するとなると問題は「工事期間中の武道の練習場」だ。この間「練習する場所はない」と言えば簡単だが、一生懸命練習している生徒に対してそうはいくまい。何とかしてやらねばならないと考えている。
・ 対象は「柔道」「剣道」「空手」「ボクシング」「弓道」できれば「相撲」の土俵もあれば良いが、相撲部は昔盛んであったらしいが、これは現在のところ部員がいない。「神道と相撲は深い結びつき」があり、なんとか復活させたいが、無理かなー。
・ 現在プールがある場所に「複合建物」として集約できれば大変便利で合理的だ。しかしどうも高さ制限があるかもしれない。授業と部活動だからエレベーターは不要で良いから(最も一つくらいあっても良いが)5階建てくらいの建物が建たないかというのが私のアイデアだ。
・ 「新校舎建設検討チーム」に顔を出してその旨考えを述べたところだ。しかしどうも「弓道場の必要長さ」が問題となりそうで困った。40メートルくらいの建屋長さが要るかもしれない。そうするとグラウンドに飛び出てくる。
・ しかしこれは「野球部」が悲しむことになる。しかし武道場として集約し時に外部の中学生や小学生を招待し模擬練習をさせたり、練習の後、「カレーライス」でも食べて貰ったら「浪速に行きたい」と言って人気が盛り上がらないだろうか。
・ 一方「22年度までの教室数をシミュレーション」すると、大丈夫なのは21年度まででその後は完全に教室が不足する。「教室の増強が必要」だ。この場所は新館を西側にワンスパン伸ばしてやれば4教室増える。
・ 更に前のブログにも書いたが「修養室の教室化」と「ボクシング部室の移動」だ。これらで4教室増えることになる。そうしておいて「新校舎の建設着工」が段取りとしては良いはずだ。「この辺を検討せよ」とチームにはお願いした。
・ 図面を書いたりするので「図面起こしのプロ」が要ると、チーム長が言ってきた。「さもありなん」と理解を示し、S建設のU常務を呼び、チームに参加するよう依頼した。ただし工事とは切り離して考え、「基礎エンジニアリングだけ」と念を押した。ここの全てを発注するわけにはいかないし、まだ「海のもの、山のものか」分からない話で、現在は「海に近い河口」くらいだ。
・ 「新武道館」の名称は「浪速錬成館」「平成浪速練成館」「浪速浄明館」?「合宿可能な和室の大部屋」も必要だろう。保護者が来て炊き出してくれる炊飯場も要るし、シャワーくらいはつけてやらねばと、夢は膨らむ。
・ その代わり,当たり前だ。良い成績を残さないといけない。「浪速100年の体系」のために私は頑張っている。クラブの指導者も責任を持って進めて欲しい。私にできることは練習場を作ることしかないが、中身は指導者の仕事だ。
新入生の運動クラブ入部状況
・ まだ最終確定ではないが新1年生男子生徒の本年度運動部入部希望者の集計をM教諭が持参してくれた。トップから言えば、硬式野球52名、サッカー22名、ラグビー17名、空手16名、アメフト11名、弓道8名、バスケットと水泳が7名、硬式テニス、卓球、陸上競技が6名、剣道が5名と続く。弓道は女生徒9名を含めれば17名だ。剣道部が少ない。もう少し増やさないといけない。それにしても野球人気は凄いなー。
・ 「 空手部は今のところ専用の練習場がない」状態であるが、26才と最も若い専任教諭が指導者でこれから先65才まで練習場がないのも可哀想と思って『新たに作る』ことにしたのだが、どうも最近柏原高校に負けている。考え直さないといけないかなと思っている。
・ ボクシングは3名で少ないがこれは俳優「赤井英和」さんの存在影響もあり、ボクシングジムを無くす訳には行かないと考えている。まだまだ赤井ブランドは本校に必要だ。それにしても何故あのような新館の一等地に設置したのか全く理解できない。側は授業する中学の教室だ。玄関にジムを構えている学校などあるか!難波高島屋一等地の真ん前にジムがあるようなものだ。「あれを決めた奴は誰だ?出て来い!」

2008年4月23日水曜日

4月23日(水)プロフ

学校裏サイト問題とプロフ
・ 今朝の朝日にだけ小さな記事が載っている。水戸市近くの大洗というところの県立高校の女生徒が05年に入学した当初から「携帯からのいじめ」にあい、不登校となり結局退学せざるを得なかったことに対して、書き込んだ女生徒2人に200万円の「損害賠償訴訟」を起こしたというものだ。
・ この記事で注目しなければならない点は「ネットいじめが訴訟の対象」と言うことである。このブログでも書いたが今年3月に発表された文部科学省の調査で全国38000以上の裏サイトがあるとされ内2割は個人を対象にした誹謗中傷であるという。
・ そしたら夕刊で結構大きい記事が飛び込んできた。これは各紙とも報じている。7時のNHKニュースでもトップに報じていた。インターネットの「プロフ(自己紹介サイト)」に悪口を書かれた報復に中学生を「殴り殺そう」として無職17歳が逮捕されたというものだ。
・ プロフなどパソコンで変換できない新語で「プロフィールファイル」の略で、書式は決まっており、自分の趣味や特徴などを公開し、「友達つくり」などに利用されるものらしいが、私も数ヶ月前にその存在を初めて知った。最初は「プロフって何だ?」などと聞くくらいだから「もう、河島英悟の”時代遅れ”を感じる」。私でさえそうなのだから一般の年老いた教職員は「チンプンカンプン」だろう。「プロフって果物?」などと言いかねない。
・ 背景は記事によるとこうだ。中学3年生と少年は直接顔を合わせたのは今回が初めてで「中学生のプロフに悪口や半殺しにしてやる」などと書かれ、住所などを割り出して千葉県流山市の公園で金属バットを使い頭を数回殴って殺害しようとしたもの。中学生は頭の骨を折り意識不明の重態という。
・ この事件のポイントは「顔を見たこともない人間に対してネットの悪口だけで殺意を持って凶行に及んだということ」「中学生がパソコンと携帯に対応したサイトを有していたということ」である。事態は遂に「ここまで至れり」という思いだ。中学生がパソコンと携帯を操作して書き込んだりしているという現実に驚愕する。
・ 本校では昨秋、大きな「ネットいじめ事件」があったがこれは高校生であった。このときは素早く対応して処置を明確にし、その後、生徒指導は徹底したつもりである。そのときの調査では「極めて多くの生徒が個人ホームページやプロフを有している」ことが判明した。
・ ところが本校でも中学校でネットの事件があるような事案が昨日来判明し、今教員が「追いかけて」いるところだ。どうも「成りすましメール」事件みたいだが看過できないので、この件については明確にさせるつもりだ。高校のみならず中学もだから、「ブルータス、お前もか!」というところだ。
・ 裏サイトの存在が明らかになったのはこれまた大阪からであるが2007年4月に大阪府警がある中学校の学校裏サイとの管理者を書類送検したことで学校裏サイとの存在は広く知られるようになってきた。
・ この事件は「名誉毀損的な侮辱的な書き込み」であったため、書き込んだ者のみが処罰され、管理人側には幇助罪が適用されることはなく嫌疑不十分で不起訴処分となっている。この一件で分かるように「学校裏サイトは警察などの機関が動けば個人の特定は不可能ではない」。その場合の条件は警察への「被害届の提出」となる。
・ 学校裏サイトの問題としては「学校側の調査に限界」があることである。携帯を取り上げて中身を調べることは出来ないし、チェーンメールで送った先を調べることには限界がある。「成りすましメール」となって他人の名前をかたり送ったりするとますます分からない。
・ 携帯を2台保有し一つは「隠し携帯」でもなればもう全く駄目だ。又個人パソコンから発信するとIPアドレスでも把握しないと「発信源」は特定できないし、それは現時点では「犯罪捜査の警察以外不可能」である。基本的に「 私は警察を使うことをためらわない。」
・ 早い段階で勝負をつけなければならない。この学校裏サイト問題は本校では存在しないと言う状態に早く持って行きたい。それは「学校の管理レベルと品格」が問われていると強く感じるからだ。
・ それにしても「大変な時代」になってきた。今後ますます世の中は良いか悪いかは別として「変質していく」。今までの問題は生徒個人の学習意欲、喫煙、万引き、カンニングなどの「個人的問題行動が主体」であったから、学校は保護者を呼び出し、ともに「指導を加える」ことで事は済んでいたのだが、ネットいじめになると簡単に解決できないのだ。「学校もアナログからデジタルに視点を移さねばならない」。
・ 「卑猥な映像」を送り付けられたり、「殺す」とか「死ね」「キモイ、ウザイ」などを送りつけられた側の保護者は「一体学校はどうなっているのか」と詰問して来るだろう。学校以外に言うところはないから、分かるような気もするが書き込みは学校の生徒だけではない。逆に疑いのある生徒を学校が追い詰めていくと明確な証拠が取れないだけに「わが子を信じる親」からは人権侵害と保護者から訴えられかねない。
・ 不特定多数で見えない顔、それも他人に成りすましたり、架空の人物を仕立て上げたりすればますます複雑ではっきり言って学校では無理だ。もう「警察のマター」だろう。学校にとってますます難しい複雑な時代になってきた。
・ 事態の深刻さはそれが局地的、部分的ではないとうことだ。「北は北海道から南は沖縄まで、そして小さな町、村まで携帯電話のアンテナがあるところは同じことが同時に起きている」ということだ。私はこの現実に愕然とするのだ。少なくとも本校の生徒だけでも「ネットのいじめ」などは撲滅する気概で頑張っていきますとか今のところこれ以外に言えないのが辛い。「完全にデジタル社会の病理が出て来た」。

2008年4月22日火曜日

4月22日(火)全国学力テスト

全力学力テスト232万人
・ 第2回目の小学6年生と中学3年生を対象にした「全国学力・学習状況調査」(全国学力テスト)が本日行われた。昨年43年振りに復活し、昨年に続いて2回目だ。結果は9月頃になるという。
・ 国公立は2年連続で不参加の犬山市を除く32067校すべてで実施したが、私学は53.5%しか参加しなかったという。数は475校だ。「うち一校が浪速中学校」である。しかし昨年が61.2%であったから私学は大きく参加校を減らした。「何故だろう?」。
・ 私は想像する。いわゆる進学校といわれるところと、言ってみればしんどい私学の差が出たのではないか。私立の進学校は「結果を誇れるし、学校のPRにもなる」が、しんどい私学は参加する意義は見出せない。「私の学校は低学力の生徒が集まる私学です」というわけにもいかないから。
・ 昨年は、結果の「地域間格差」が明確になり、大変なことになった。特に「大阪府」である。「全国ワースト2で府民に大きな衝撃」を与えたものだ。「低学力の大阪」を全国に発信された。橋下知事もびっくり仰天して「教育の大阪」と言ったりして。
・ 「私学の参加率低下の影響」も今後徐々に出てくるのではないか。その学校の保護者が「何ゆえうちの学校は参加しないのですか?」と保護者集会あたりで詰問されたりすれば校長は「ああいうテストは意味ありません。校内の試験で十分子どもの学力は測定できますから」なんて言ったりしてね。本心はもし結果が明らかになった時「そんなに低いのですか」「もっと教えてやってください」などと保護者に要求されたりするのを恐れたわけでもあるまいが。まあ生徒や保護者に衝撃を与えないように考えたのだろう。
・ しかし公立で唯一不参加の犬山市の市長と教育長はどういう人なんだろう。又犬山の市議会議員や市民はこれで良いのだろうか。全国すべての公立が参加しているのに参加しないのはまだ理由が良く分からない。
・ 「昨年の結果に身震いした大阪府教委」はすぐ文科省に教員加配に陳情したり、授業改善の為に教員研修など実施するように計画したが、それもすべて「橋下改革で白紙」に戻った。ある中学校長は「現場の力だけでは限界がある」と今回の結果に「諦め顔」だという。しかし現場の教員が少しくらいは頑張った筈だ。結果に期待しよう。
・ これに対して昨年トップの秋田県は「2年連続の1位は難しいかも知れないが、それなりの自信はある」と堂々というから大したもんだ。大阪と偉い違いだね。
・ 本校は中学教務部長がセンターとなって準備をしてきたが、「ここ数日顔色が冴えないくらい緊張している」。今日テストの途中で私は「試験中の3年生の様子を観察」に行ったが、教務部長は「心配で夜も寝られません」という。当たり前だ。こういうときに「グウグウ」眠れるのは余程の大物か無神経人間だろう。
・ 「教務部長とは常に生徒の学力の伸張と定着に責任」がある。だから「校内考査問題の責任者であり、時間割、授業時数、行事、教科書の選択などすべてに権限」がある。「教師にもの申す」権限は生指部長かそれ以上に大きい。私は教務部長は「学校の法務大臣か内閣の官房長官」と言っている。場合によっては鳩山法務大臣と同じで「死刑の執行」も覚悟しなければならないくらい責任が重い。
・ その教務部長が学習指導要領を逸脱したり、授業時数を減らすことばかり考えたり自習の多さを放置したりすると「学校はおしまいだ」。公立高校の教務部長というのは正直言って「すごい人材だ。」光っている。そうであればこそ大阪府の公立のトップ校は全国一の進学実績を上げている。
・ 浪速中学の教務部長は府立トップ校の出身者である。自分がそのようにして「恩恵を受けてきたことを忘れてはいけない」。今度は生徒に返さねばなるまい。私は今この教員を徹底的に鍛えている。 ポテンシャルは元々あるし、人間的にも良いところがあるのだが、もっともっとシャープでなくてはならない。頑張ってくれるだろう。

2008年4月21日月曜日

4月21日(月)視聴覚教室

視聴覚教室の整備
・ 本校には残念ながら「視聴覚教室」はない。視聴覚教室とは大体200人未満くらいの収容規模で映画やビデオ、オーディオ機器などが整備された「使い勝手の大変良い中規模教室」である。
・ 一方「情報教室」は大変立派なものがある。収容人数は50名である。勿論情報教育用であるが、現在「情報科目」は必修で卒業までに2単位取らねばならないため、大活躍の教室だ。ただし放課後は空いている。
・ もう一つ残念なことは「LL教室」がないことだ。公立には必ずある。LLとは「ランゲージラボラトリィ」と言い、外国語をコンピューターやオーディオ機器などを使って効率的に学ぶ教室を言う。まあ一般教室でカセットを持ち込めば事足りるのであるが。
・ 「新校舎建設」の段階ではすべて一流のものを揃える気だが、それまでになんとかしたいと考え、まず「視聴覚教室」を整備することにした。従来からの「地学教室」は階段教室であるが。日当たりが悪く、些か暗くて人気のない部屋で「使用頻度が低い」ということが分かった。ここに着目したのである。
・ 照明を増やし、大型画面のプラズマテレビモニターを左右2台配置し、インターネット配線も行い、不用物を整理して完全に特別教室として復活させた。50人は収容可能である。音声も質をあげるべくスピーカーも2台設置した。
・ 先に国学院大学栃木高校に出張してきた教諭の強い要望があり、200万円以上の投資であったが設備投資を実行した。今理数科SSとⅠ類の生徒の「河合塾サテライト教育」の場として英語と数学の特別講習会場として活用されている。
・ 情報教室はインターネットサテラインシステムで「代々木ゼミの国語特別講習」が行われている。それに一般の放課後講習があったりするから教室の手配がとにかく大変だ。
・ そうこうしているうちに「中学生の教室」にも「大型プラズマテレビ」が欲しいという声が上がってきた。確かに中学生の授業に一部「映像から入る」というのは有効な手かもしれない。即座に「承認」し手配をかけた。PTAの中学教育後援会に支援をお願いする積りだ。
2.来年度の教室充足見通し
・ようやく校内が落ち着いてきた。ここらでとりあえず「来年の教室充足の見通」を立てておかねばならない。学校の工事は基本的に夏休みと冬休み、春休みを使うしか方法がないのだ。授業の邪魔になるようでは困る。特に「大型の工事は夏休み」を狙うしかない。
・仮定として今年と同じ規模の入学者数でシミュレーションをすると「現在のクラス数から5クラス増える」が、これは工夫で何とかいけそうだ。同窓会と生活指導部の部屋を教室用に回復させて一クラス分。
・人権と面談の部屋で一クラス分、進路指導の部屋で一クラス分、国語科と英語科の準備室で一クラス分、現女子更衣室で一クラス分、これで合計5クラスだ。問題は「明け渡してもらう部屋の新たな行き場」である。
・これを見越して「食堂を改造し、特別教室を4つ設けた」が同窓会、生指の部屋、進路の部屋、英語と国語で兼用の準備室とすると、これで特別部屋四つは埋まる。そうすると女子更衣室の場所がない。従ってこれは現在の家庭科実習室となりの家庭科の部屋を改造して女子更衣室にするしか方法はない。これで何とか収まる筈だ。
・再来年22年度はどうなるかと言えば教室数は最低でも4クラス増が必要で、都合のつく教室はまったくどこにもない。大改造が必要だ。まず新館2階の「修養室」を教室に改造して2クラス分だ。残りの一クラスは中学のカウンセラー室と女子更衣室を教室に復帰させるしかない。中学女子の更衣室は高校と同じ場所を仕切りして確保することで対応できる。カウンセラー室は職員室を改造すると少しスペースが出来る。
・後の残りの一教室はボクシング道場の半分を教室に改造することで確保できる。これは協力してもらわなければならない。ボクシング部は場所を贅沢に使いすぎている。良く頑張っているから、心苦しいが、しばらくの辛抱だ。新校舎のときもジムは作るつもりであるから、理解してくれるだろう。
・以上で余裕は全くない状態であるが、なんとか21年度、22年度はしのぐことが出来る見通しだ。しかし余裕は全くない。シミュレーションによれば23年度までクラス数が増えることになるが、もはや可能性のある場所は「新館1階のピロティ部分を教室に改造する」しか方法はない、しかしこれでも3教室しかできない。ここを改造したら中学の卒業式や保護者集会など格好の場所がなくなることを意味する。これは辛い。
・要は「何時の時点で仮設校舎を作るか」という問題だ。「5年後には新校舎が出来る工程」を考えており、無駄な投資もできない。ぎりぎりの計画もしんどい。ちょっと生徒が増えたら「立ち往生」してしまう。「新校舎建設チームの格好のテーマ」でもある。彼らに検討をお願いしよう。「良い知恵」があるかも知れない。「嬉しい悲鳴」だ。

2008年4月20日日曜日

4月20日(日)その2:常勤講師からのメール

常勤講師からのメール
・ 本日のもう一つのブログで「教師の健康」について述べた。それは4月に採用した某常勤講師の先生が「体調を崩して」、一向に学校に出て来れないからだ。余程悪かったに違いない。
・ 管理職の朝会でも話題で、抜けた授業は振り替えたり、管理職が授業に出たりで大変だったが、この先生の「ポテンシャルの高さ」を買っていた副校長は辛抱強く回復を待っていた。幸いにも先週の金曜日くらいから「回復」し朝から出勤しているらしい。良かった。
・ 要因は色々あるだろう。想像だが「適応障害」あるいは「心因性のもの」、「持病」「疲れ」「ウイルス性」若い先生にはあり得ることだ。それで私は「全常勤講師にメール」を打った。丁度採用後3週間経ち、個人パソコンを渡しており、「頃は良し」と判断したものである。「学校に遅くまで居残って」いると聞いたから、体調を心配してである。
・ 「その文章は以下」のものである。
“ 常勤講師の先生方へ 頑張って頂いており感謝致します。どうか体調に気をつけてください。さて、聞くところによるとどうも常勤講師の先生方の学校におられる時間が長いようです。まだ着任後1ヶ月にもならないから色々と調べたり、調査研究に時間は取られるのは理解できますが、今後長続きさせなければなりません。工夫をしてなるべく早くご自宅にお帰りください。このことをお願い致します。個人の勉強にかかわるものはご自宅でもできる筈であり、やはり初期段階から全力疾走は思わぬ体調変化を起こしかねません。関係する専任の先生方も宜しくアドバイスなどご配慮願います。     
(学)大阪国学院 理事長     浪速中学校・高等学校長          木村 智彦

・ これに対して「メール返信」があった。代表的なものを記載してみよう。文章はそのまま。
* お気遣いありがとうございます。メールにて失礼します。私たちのような常勤にまでお気遣いいただき恐縮です。まだまだ、業務や生徒の対応が遅れ、毎日に奮闘するばかりでベテランの先生方のように帰ることができませんが、これからもがんばりたいと思います。
* 本日慌ただしく(数人の生徒の相談(クラブ指導並びに学業指導)に乗っていたため),返信が遅くなり申し訳ありません。お気遣いありがとうございます。本件かしこまりました。
* お心遣いありがとうございます。仕事の処理能力が遅く、勉強しなければならないことが多いという現状についつい遅くまで残ってしまっておりました。本日からは、効率よく仕事を行い、自宅での仕事とは分けて就業させていただきます。 ありがとうございました。
* 常勤講師の数学科のXXと申します。先日は、お気遣いのメールを下さりまことにありがとうございました。理事長・校長先生のお気遣い・激励の言葉、大変うれしく思います。浪速に赴任してから20日ほど経ち、少しづつですが環境にも慣れ生徒とのコミュニケーションが深まってきていることをうれしく感じています。今後とも浪速の教員として誇りをもち、時間を工夫しながらよりよい授業、よりよい生徒指導を実践し、生徒のために尽くしていきたいと思っております。今回はご配慮ある言葉をいただきありがとうございました。
* 私も遅くまで残っていたうちの一人であり、部活動顧問や放課後講習などで遅くなることが多く、さらに自分の要領の悪さから、その後さまざまな作業を行っていた結果、遅くまで残ってしまいました。先生のおっしゃるように、体調管理だけには気をつけて、遅くなりすぎることのなく、より自分のスキルを高めていけるよう今後一層がんばりたいと思います。
* メール有り難うございます。教師となり二週間が過ぎ、学校の雰囲気にも少しずつではありますが慣れてきました。 初心を忘れず日々切磋琢磨し頑張っていきたいと思いますので、今後とも宜しくお願い致します。
・ 40名近い常勤講師のうち13名の先生から返信があった。「嬉しいし、立派な態度」だと思う。間違いなく理事長・校長の思いを受け止めた人たちだ。理事長・校長の「心証は当然高くなる」が、ただそれだけの話だ。
・ いくらメールで返信したからと言って「専任教諭になれるほど甘いものではない」ことをこの先生方は知っているにも関わらず、返信をしてきた。「最新鋭の個人パソコンを貸与」して貰って、「体を気遣ってくれて、初めて自分に理事長からメール」が来たのだ。普通の感覚だったら「返信」はするわなー。それが「社会的社会人の常識」、「ソーシャルインテリジェンス」というものだろう。
・ が、そういう感覚を有していない先生もいる。それが人間社会の常で、そういう先生の中に「すごい指導力を有した先生」が居たりするものだ。それはそれで良い。大した問題ではない。40人の常勤講師の先生方の「この1年の行動様式とご活躍」が本当に楽しみだ。「体に気をつけて」1年を乗り切って欲しいと念願するばかりだ。

4月20日(日)その1:常勤講師の雇用基準

1.常勤講師の雇用基準
・ 常勤講師、非常勤講師問題は微妙な問題であり、簡単にそして一挙に解決の道があるとも思わないが基本的には「学校のあるべき姿として専任体制が望ましい」ことには疑いがない。
・ 今までのブログにおいてもあらゆる視点から、例えば「非正規雇用社員」との対比で「常勤講師問題を論述」してきたが、最後に明確にしておかないといけない点がある。それは「雇い止め基準」というか「雇い止め判断」となるものだ。
・ 企業社会でも自治体でも今問題となっているのが、この雇い止め基準だ。非正規社員からあるいは非正規職員からすれば、雇用が終了したとき、「なぜ?」と思うのは分かる。
・ しかしこれは「契約が総てを規定」している。「雇用契約書」がすべてであり、学校の場合、すべての学校で「大体1年雇用契約」が標準となっている。プロ野球みたいに「複数年契約」みたいなものがあってもおかしくないと思うが、複数年契約はまだ聞いたことがない。
・ 問題は「契約の更新」である。これは法令の縛りがあるとは理解していないが実際法として「3年を最大」としているのか。別途弁護士に詳細確認してみるつもりだ。公立に準拠していると考えると分かり易い。「公立は最大3年」だ。これ以上の連続した契約は出来ないとされている。従って大阪府の場合、私学も最大3年である。
・ 本校も内規では「3年を最大」としている。本年3月で持って契約更新をしなかった常勤講師は20人以上もおられ、この数が多かったのは丁度3年の限度になっていたからだ。だから見た目多くの常勤講師が入れ替わることになった。
・ ではなぜ「3年以内に専任になれなかったのか?」という命題に対して、その答えは難しい。前の校長先生も現在の契約センターの副校長も「総合的に考えた結果です」として通告したらしいが、「上手い言い方」で「総合的見地」は絶妙な表現である。
・ しかし実態を聞いてみたり、観察すると総合的見地には様々な「影響因子」があるらしい。まず勤務態度が不適切な常勤講師、分かりやすく言えば「遅刻の常習者」だ。このような常勤講師は本校には不要というのは分かる。
・ 後は基本的な常識の問題であろう。「服装」などもその一つだろう。ジャージーで3年間電車通勤した先生がいたらしいが、これは本校の恥だ。給料がとても安くて洋服も買えないのかと思われてしまう。
・ しかし遅刻とか服装などはどうでも良いことでやはり「指導力」だ。「教科指導力、生徒生活指導力の両方」だ。この「二つがないと駄目」だ。若いうちはベテランほど経験を積んでいないが、「ポテンシャルの高さ」を買うのだ。
・ 将来、「この先生は伸びそうだ」と思う常勤講師に着目する。企業でもそうなのです。まだ能力など分かりはしないから「ポテンシャルの高さ」で採用しているのです。判断基準はいろいろあるが「やはり入社試験の学力調査、面接、大学の成績」であるが、一昔前までは「大学名」が大きな影響力を有していた。
・ それはその大学の社員のその後を見れば「臨床の事例」は沢山あるからだ。あの大学からだと「大体どのレベルが用意に想像できる」からだ。しかし学校はそうはいかない。「データが累積されていない」からだ。
・ はっきり言って「博打」みたいな面がある。良いと思って採用しても「何時までもポテンシャルだけで一向に力を出さない先生」とか、結構いたりする。しかし仕方がないことで企業でも公務員でもここは同じことだ。「籤運が悪い」ということになる。
・ 「挨拶」「礼儀」など社会的常識は大人なら当然有しておかないとならないが、教員は専門職だからやはり「指導力」が必要条件になる。勿論その「学校の風土」というか「学校の目指す方向との感覚の違い」という面もある。
・ 結構この視点は強くて「運が悪く採用の面接者に合わないと採用さえされない」。今年副校長は200人以上の志願者と面接したらしいが契約に至らなかった人の中には「惜しい人材」がいたかも知れない。しかしそんなことを今頃言ってみたって仕方のないことだ。
・ 一旦常勤講師に採用されても「3年以内に専任として採用」されるかどうかはより厳しい視点があることはすでに述べた。「思想信条などで採用判断されることはない」だろうが、「時の人事決定者に総合的に評価されない不運」はあるだろう。
・ 「自分は良い、頑張った」と思ってもまず「校長の意見具申」が必要でそれを「理事会がどう判断するか」だ。校長は意見具申だけで人事決定権はない。本校の場合「副校長に意見具申権」がある。最終決定権は理事長と理事会にあるというのが「私立学校法」の規定するところである。
・ 望みがないと自分で判断したら思い切って「3年以内に自ら学校を変えることも重要」だ。又すべての常勤講師が本校の専任を望んでいるかというと必ずしもそうではないのだ。昨年も公立の試験に受かって離れていかれた先生もいるし、今年の常勤講師の先生の中には夏の公立の試験へのチャレンジを考えている先生もいる。それで良い。
・ 公式に常勤講師の先生方にはご説明しなければなるまい。今副校長が「常勤講師雇い止め基準」を作成しており、今までの考えと実践を単に文章にしたものであるが、明確にしておくことが「親切」と考え、「次の職員会議で正式に説明」することになろう。
・ 大切なことを忘れていた。「まず健康だ。」「病弱ではチャンスを逃す」ことになる。とにかく教師は健康だ。特に肺結核はいけない。だから非喫煙者が望ましいが、誤解のないように言うが「タバコを吸おうと吸うまいと、そんなことは関係なーい」。
・ 本校の目指す方向にその力を発揮してくれる先生が喫煙者であろうとも一向に構わない。ただそのうち「校内敷地内禁煙」に移行するのは目に見えており、その時にタバコを吸いに正門の外に出るため、何時も席を外す先生は歓迎されないだろうと思う。
・ 「生徒にタバコを吸うなと言って厳しく指導している先生がぷかぷか」では様にならないだろう。「そういう時代になってきた」ということだ。これは本校のみではなくて大阪府はじめ近隣の高等学校ではもう「敷地内禁煙」は当たり前のことなのである。理屈ではない。

2008年4月19日土曜日

4月19日(土)財団法人大阪国学院

1.財団法人大阪国学院修了式ならびに入学式
・ 今日は朝から直接出張先に向かう。「神社庁」(会館)にある「財団法人大阪国学院」での「神職養成通信制学校の卒業式と午後からは入学式」だ。本校は学校法人大阪国学院で財団法人の方から「分離独立」したものだが、今でも実質は神職養成通信制学校の財団法人大阪国学院が経営母体である。
・ 「財団法人の理事長は大阪府神社庁庁長」で現在その任に当たっておられるのが「大阪天満宮のT宮司」だ。副庁長は座摩神社のW宮司で財団の実行委員長、ご両氏とも本学校法人の理事である。
・ そういう「分家としての親戚」の関係で学校法人の理事長として私は「本家」の卒業式と入学式の両方に出席して祝辞を述べたり、玉串奉納など役目があるのだ。結構緊張するが、淡々とやるしかいない。私を除いてほぼすべての人が神職にある。
・ 2年次の教育で1学年大体50名、1年を修了すれば「直階」という階位を、2年次を修了すれば「権正階」を授与される。権正階からは確か「宮司職」が勤められると聞いたが確かではない。
・ 通信制だから他の生業を持ちながら勉強が可能であり、日本でも通信制の神職養成コースはここ大阪しかない。基本は「國學院大學」か「皇學館大學」で学び資格をとるしかないのだが、この通信制はもう30年余の歴史があり、結構人気のコースである。
・ 実は「本校の現職の教諭が一人学んでおり」本日直階が授けられた。理科のK教諭だ。1年次が修了し「受領総代」で記念品を授与されたくらいだから、「成績優秀」だったのだと思う。大変結構である。最も成績が悪いと理事長にすぐ伝わるから頑張ったのだろう。
・ 彼は人生設計として将来「小さなお宮」をお守りして地域貢献や焼き物などして田舎の地に生きることが夢だと昔聞いた。良いことだと思うが、今は「学校の仕事を優先せよ」と言っている。今は重要な仕事を任せている。
・ 朝9時から始まり、終わったのが15時だから、本当に長丁場だ。全国から参集するから一日ですべて済ますように配慮している。「神社神道の精神」が今見直されつつあり、多くの受講生を集めている。結構女性の姿が目に付くくらい女性神職も増えて来ているらしい。
・ 通信制学校の同窓会みたいな組織もあり、現在会長は「近鉄の代表取締役会長」だ。この方も10年ほど前の卒業生で「神職の資格をお持ちだ」。以前からも存じ上げているのだが、今日は一日中、おそばでお話をすることに。大手企業の立派な経営者であるが神社神道の絶対的な信奉者であり、お話は大変勉強になるし「面白い」のだ。「学校法人の理事長に就任して以来「お付き合いするお方」が全く変わってきた。
2.PTA役員会
 ・ 15時に終わり車に飛び乗って学校へ向かう。今日は「新旧の役員会」がある。本当に「現在の役員の方々にはご支援を頂いた」との思いがあり、「感謝の言葉」を述べたく直接に挨拶をしなければならない。
・ 15時30分過ぎ、到着。新調なったカフェテラス横の会議室に直行。間に合った。「新体制も強力布陣」だ。嬉しいことこの上ない。「ともに生徒の為に頑張って行きたい」とご挨拶をする。
・ 又「高校の教育後援会の体制」も決まり先の卒業式の校長、会長に依頼に対して好調な寄金の集まり状況とのこと。これまた嬉しい話だ。PTA組織と後援会組織とはまったく別組織として役員の兼務もしないことになった。それはそれでよい。
・ 「5月10日のPTA総会」に向けて諸準備が始まる。今年から「図書研修部長のS教諭がPTA担当」なった。お世話好きだし、フットワークが良い先生なので「PTAから評価」されるだろう。
・ 20年度も「新しい視点」でPTA活動を進めなければならない。もっと学年主任や類科コース長との距離を血締めなければならない。管理職はもう良いのだ。大切なことは「担任や主任、類長と保護者の間の距離」だ。
3.高島屋前で本校教諭にばったり
 ・ 学校から自宅に戻り、特段悪いところはないのだが、近くの歯医者に行き、歯石を取ったり、歯のクリーニングをしてもらう。口の中がとても気持ちよくなるので1ヶ月に1回は出かける。その脚で高島屋地下で夕食のお惣菜を求める。今日はサラダと天プラだ。
・ お店から出たところで、なんと本日卒業式、入学式で一緒だったK教諭、神職見習いとばったり遭遇する。連れはこれまた本校の職員で「お友達」である。二人とも本校卒業生の同級生という。少し「入っていたな、顔が赤かった。」どこかで示し合わせて「直階修了のお祝い」でもしたのだろう。 うらやましいくらい仲が良い。「男同士であんなのある?」って感じだ。
常日頃、学校にばかりいるので、今日みたいに少し外に出ると疲れを感じる」。早めの就寝だ。

4月18日(金)その2:65才超え勤労者

企業で働く高齢者200万人
・ 4月18日の日経新聞1面トップに「企業で働く高齢者200万人」の見出しが躍る。昨年度65才以上を対象にした調査で、65才以上の勤労者が4年間で3割も伸びているらしい。大変良いことで、この種の記事からは「元気を貰える」。
・ 背景には勿論「人手不足の企業が経験豊かな高齢者を雇っている」からだ。こういう企業は概して「立派な企業」が多い。団塊世代の大量退職で「技術伝承」などが大きな問題として捉えられたこともある。
・ しかし企業が門戸を広げても「働く意欲」がないと困るわけで、この伸びは「定年後も働き続けたい人が増えているから」と記事にはある。人口が減り始めた日本で経済成長を支える労働力の確保にも繋がり、大変結構なことだ。
・ 若者の就業機会を忘れず「老壮若の、いや高壮若のバランスが大切」だ。07年度全国労働力は総務省の調査によれば5200万人、このうち65才以上は209万人で4年前の比べ32%増えたという。「企業に勤める人の25人に1人は65才以上」だ。
・ ただ高齢者雇用には「待遇が不安定」と言う指摘もある。65歳以上の雇用者のうち、非正規社員は70%を超えているというが、それは「順序の話し」ではないか。母船が沈没したら雇用も何もなくなる。
・ 一旦企業を退職し、「退職金」を貰った上で、更に「公的年金」が受け取れる65才以上でも「働きたい」という人々は「お金の問題ではなかろう」。要は「社会との関わり」「社会への貢献」が主な理由ではないか。立派だ。尊敬する。
・ 日本は総人口に対する65歳以上の比率が05年度で20%になり、先進国で最も高くなった。10人のうち2人の65才以上の方が庭の草取りや地域の老人会館で囲碁将棋で日永過ごす光景とはならず、「外に出る」ことのほうが逆に元気が出るのではないか。
・ 「本校は65才定年」である。昨年度61歳からの「選択定年制」を導入したが人それぞれに人生の選択はあって良いが、まず元気で65才まで働き続けることが大切だ。今私は世の中の動きを見ながら「65才超えの人にも働く機会を与える」ことを考えている。
・ 学校と言う現場で「どのような仕事が65才超えの教員に相応しいか」考えているところだ。今60才未満の教員が後5年以上経ち65才になったときに「働く気があるなら、仕事はあるよ!」と言いたいのだ。勿論「誰彼に声をかけるわけではない」。
・ 問題は「教員のプライド」だ。「門衛など出来るか、バカにするな!」、「校内清掃?!ふざけるな!」となるだろう。「ウヌ、図書館管理なら、考えても良いぞ!」「理科の実験助手、やっても良いかな!」かも知れない。その点事務室の人間は「つぶしがきくし、プライドなど教員ほどないから」から彼らは何でもできる。
・ 可能性が最も高いのが「入試広報室」勤務だ。教員経験を経て、今年お辞めになった先生がいるが何と70歳近くまで頑張って来られた。これなら対面は保てるし、緩急がある。暇な時と忙しい時の区分がはっきりしているから働きやすい。
・ 公的年金を100%貰いながら忙しいときに「助っ人」にくると言う寸法だ。ところがこの仕事は誰でも出来るというわけにはいかないところがあるから難しい。入試広報勤務で逆に志願者を減らしたら大変なことになる。
・ 結局「非常勤講師の身分」で「6時間か8時間くらい持ち、週に3日」くらい出てくるといいうのが最も分かり易いのかなとも思う。後の2日は家庭サービスで1日、ボランティアで1日だ。日曜日は郊外のアウトレットに出かけるッテ?、優雅だなー。
・ もう一つの方法は「本校にとってかけがえのない存在」となることだ。「余人を持って代えがたい存在」になることだ。特別の力量と経験を有し、衆目一致する人材は「間違いなく学校が頼みに行く筈だ。」例えば数学のO先生だ。理数科SSの3年生だけの「数学演習」に来ると言う寸法だ。「可能性」としてはあり得る話だ。英語のK教諭も可能性がある。でもいずれも20年後、31年後の話しだ。私はもう死んでこの世にはいない。
・ そのためには何はさておき、「健康」だ。「清潔」だ。「身だしなみ」だ。まずその頃は「喫煙者には依頼にも行かないだろう」。「非喫煙者」に限られる。見るからに年寄りくさい服装、15年前に作ったとしか見えない洋服、ぼさぼさの頭、傍によると加齢臭で「生徒から臭い」と言われたらそれで「おしまい」だ。返って真っ赤なシャツに蝶ネクタイくらいの派手な方が良い。しかしやはり「気持ちの持ち方」か。「若い者にまだ負けぬという気持ち」さえあれば「通用する。」
・ 「後期高齢者医療負担制度」など訳の分からない制度が出てきたが、人間は働けるうちは働くということが後10年もすれば常態化するのではないか。確かに60才から趣味の世界に生きると言うのも悪くはないが、先行きそのような行為は「些かの罪悪感を伴う」かも知れない。
・ 「そう言う理事長はどうするのかって?」。「ウーン、そこが難しい。」生まれてこのかた、「元気ですね」以外に言われたことのない身で、「元気が病気!」と言い返してきたが、最近年を感じる。急速に弱くなって来た感じがする。そうすると人生の整理のために「学校以外でやらねばならないこともある。」
・ 今61歳だ。最高経営執行者に定年はない。健康次第だ。しかし65才を過ぎても働く人ッテ、尊敬だよなー。すごい。副校長と事務長は私の一つ上だがとても元気だよなー。エンジンをずっと、低回転で回して来た人たちだからエンジンが傷んでいないのだ。私は生まれてからこの方最高出力で走りっぱなしだから、相当ガタが来ている。オーバーホールする暇もなかった。しかしこれが天から与えられた「我が人生」なのだろう。
・ 今日、昨年4月専任教諭に採用され「1年の新任研修」が終わった3人の先生、及びその指導教諭と会食したが、「若い」。うらやましいがこればかりは仕方がない。中で最も若い教諭はこれから本校で40年間の勤務だ。「長いなー」と思う。皆さん健康でとにかく65歳までたどり着け。

4月18日(金)その1:学費滞納

公立高校学費滞納
・ 全国の都道府県立高校で「06年度の授業料・入学金の滞納が総額4億5955万円に上る」。毎日新聞が調査し今朝の1面に記事が載せてある。先の千葉県立八千代西高校で入学金未納の2生徒を入学式に出席させなかったといった事件が話題になり私もブログで意見を書いたりしているが、未納、滞納実態は恐るべきものだ。
・ 調査は47都道府県を対象にし、一部未集計未回答の府県はあるが私の感覚では定義の問題などで「未納なし」と応えている秋田、石川、京都府、愛媛、長崎、熊本、大分、沖縄は、正直「本当かな?」という印象を持つ。一人も滞納者がいない訳がないと思うのは普通の感覚ではないか。
・ 授業料の滞納額は断トツで「大阪府は2億2611万円で全体の49%を超える」。数も2768人であるがこの数値は少ない。実態はもっと多いと考える。大阪府の滞納額は06年度は対前年比1.7倍、信じられない伸びだ。「何があったの?」という感じだ。1年で1.7倍などあり得る?
・ 授業料の「滞納が原因の退学者は全国で429人、うち大阪府は419人とほぼ全て」を占めている。「一体どういうことか」理解に苦しむ。このように観て見ると「大阪は全国とかけ離れた土地柄」に思える。しかし住んでいる私から見れば何処とも変わらない。しかし「Why?」だ。
・ 公立高校勤務時代からこの事態は知っており、未だに大阪のこの数値は理解できないのである。「低所得層が多い、零細企業、中小企業が多いなどと説明されてきたが私には理解できない。」「何かが隠されている」としか思えない。
・ あるいは「徴収業務がなっていない」と考えるかだ。新聞記事には大阪府教委のコメントとして学校に来ていれば「退学にはしない」とあるが、良く分からないコメントだ。要は退学の多さは「学習意欲のない生徒が多い」と言いたいのかな?
・ ある人は「ビトンのバッグを持って、ベンツで乗りつけ、授業料減免の資料を提出に来る保護者がいる」などと言うが、本気になって学費滞納の調査をしたらどうか。真面目に苦しい中で、払って頂いている保護者に申し訳が立たない。
・ 本校は私学である。滞納を放置していたら経営は成り立たない。「滞納者は多いが、私はしっかりと払って頂く努力を事務と教員に指示」している。私が来る前は「滞納の徴収は全て事務の仕事」としていたが、これは間違っており即刻変えた。「担任と事務のコンビネーション」で解決を図ることだ。
・ 「生徒のことを最も分かっている担任」が事務と組んで対応することが解決の近道だ。「家庭訪問などは担任の仕事」だ。ところが教員というのは「こういうことをシタガラナイ」。あれこれ理屈を言う。
・ 「生徒が可哀想で、可哀想で・・・・」という先生もおれば、「教師が憎まれ役になっても・・・・」と言うのがいたりして、あるとき「一喝」した。「君らの給与はどうなるのか、真面目に支払ってくれている保護者にどう説明するのか、他の先生方の授業はすべて無料の授業となるが、それで良いのか」云々だ。
・ それに「新たな奨学金の道はないか方法を探る」、最後は「公立への転校」もあり得る話だ。家庭の経済状態からすれば「授業料の安い公立の方が良いに決まっている。」このようにして喜んで転校して行った例もある。
・ 様々な家庭環境を抱えているから、滞納、未納になるのであり、「確かに生徒には罪はない」。不安を抱かせないように配慮するのも当然の学校の役目だ。特に中学校は気をつけなければならない。義務教育であるからである。
・ 高校生ともなると「幾分、大人に近づき」、このような事態も理解できていたりする例もあり、冷静な対応をする例が多い。昔の例だが「お母さん、だらしなくて駄目、お父さんに言う」と言って即座に解決したこともあった。
・ 今のところ授業料滞納で「退学処分」とした例は本校にはない。担任は生徒が可愛ければ「事務に行って、内のクラスの生徒の授業料納入はどうなっているでしょうか」などと時々問い合わせがあって然るべきだ。もっともなくとも事務室から連絡はいくがね。
・ それよりも問題は未納のまま、学校を形だけ卒業していった場合だ。卒業証書を預かったままで何年もたつと保管するほうも大変だ。それよりも問題は「学校会計基準」にのっとった、「会計処理」である。
・ 未納は年度末にまとめる「決算処理」上は「未納金」処理だ。しかし「入金される見込みはない」。何年もその状態が続くと、会計処理を誤る。未納金は何時かは入金されると期待されているお金だからである。このようなお金を当てにして予算は組めない。
・ 私が着任した時には未納額が数百万円を超えており中には数年越しのものもあった。私はこれを思い切って「損金」として処理し、「会計を身奇麗」にしたのである。辛かったけど仕方がなかった。企業や銀行で言う「不良債権」や「焦げ付き」と同じだ。そのような努力をして20年度卒業生の未納、滞納は一切なくなった。教職員が大変良くやってくれた。

2008年4月17日木曜日

4月17日(木)塾費用を援助

東京都「塾費用、低所得層に融資」
1.親の経済力格差が学力格差
・ 都は昨日、「低所得層を対象」に受験生の学習塾代や大学などの受験料を今秋にも無利子で貸し付ける制度を始めると発表した。「親の経済力で子どもの学習機会に格差が生じるのを防ぐことが狙い」である。返済の免除も検討しているというから「見た目は立派な話し」だ。しかし本当にそうか?
・ 昨年の全国学力テスト、中学3年生の数学基礎問題で塾に通っている生徒の正答率は82%で、通っていない生徒の68%を大きく上回っているように、「塾が学力に大きな影響を有している」のは現実の姿であろう。本校の分析でもその傾向はある。
・ 東京もそうだが、大阪府でも、全国の自治体でも、従来から生活保護世帯の家庭を対象に「就学援助」、即ち「授業料などの減免措置」は講じているが、今回の「塾費用まで面倒見よう」と言うのは初めてで京都府教委は「想定の範囲外」とびっくりのコメントを出している。
2.大阪府のコメント
 ・「こんな大盤振る舞いはとても無理」とため息をついたのが「大阪府」という。1100億円の財政再建案をまとめたばかりの大阪府にはこのような発想さえ出て来ないと思う。
・ 「東の東京、西の大阪」というが、もはや大阪が日本の西の拠点などと思っている人も居ないと思うが、これほど「自治体の行政力に差」が付いているだ。残念だがこれが現実だ。「どうして大阪はこうなったの?」この解析が大阪府から出てこないのがおかしい。
・ 「子どもが笑う大阪を!」と言って当選した橋下知事であるが、子どもが笑うどころか「悲しむ方向ばかりで」、ご本人も苦闘されている。しかし前にも書いたが「ここが正念場」だ。頑張らねばならない。知事の言われるように、ここは一旦「戦線を縮小」し「体制を立て直して再出発」だ。「聖域なしでやられれば良い。」
・ 傍が「存続運動」とか、「市町村長が何と言おう」が「収入の範囲内で支出を考える」のは当然のことで「ゆっくりとやるというのは嘘」だ。「時間をかけるというのはやらない、やれなくなる」ということと同じだ。反対の大合唱にはピン芸人の小島なんとかさんでも呼んできて「そんな事、関係ねー!」とやれば良いのだ。
3.背景には「公立不信」が
 ・ 私は「塾、予備校」を否定しない。彼らは彼らなりにノウハウを蓄積し社会的存在として認知されてきた。当初はハザマ産業と揶揄され、文部省に嫌われ苦労したが、辛抱強く我慢し、実績を積み上げてきたからこそ、今日の地位を勝ち得た。
・ 背景にははやり「公立の頑張り不足」があると思う。今回の東京都の塾費用融資の話も、何故公立の教員は「我々でやります!」と言わないのだろうか。低所得世帯で学習意欲の高い生徒を「学校で教員が塾の代わりをしないのか」、ここがこの記事から感じる私のポイントだ。
・ 「教員は労働者」「時間外業務は無料」などの長い間の労使間協約の悪い部分がここには見える。公立学校はますます地域格差、経済力格差が子どもの学習環境に影響を与えるようになってくる様相だ。
・ だから特に「東京は私学が強力」になってきた。私学、塾、予備校の全盛時代だが「公立の不作為が後押し」したとも考えられる。大阪の公立は私の意見では日本一、頑張っているのではないか。「大阪の公立は強い、ただし公立高校だ。」しかし義務教育は別だろう。
・ 大阪府のように財政難自治体では学級当たりの生徒数は減らされず、先生の数も減らされ、私学助成金も削減され、そうでなくとも全国45番目の低学力水準で、「今後どうなるのだろう」と正直考え込んでしまう。
・ 本校には父親の転勤で東京に移り住む可能性ありという生徒が中学校にいるが、「東京行き」を喜んでいるに違いない。是ではますます「東京の一極集中」だ。
4.教師の兼職兼業を認めよ
 ・ 前からの私の持論であるがもうぼつぼつ「教師の兼職兼業」を認めなければならない。昼間は学校の教師、夜は居酒屋でアルバイトを認めよと言っているのではない。せめて自校の生徒を学校で「夜、土曜日に塾代わりに補修補講する」くらいは認めよと言っているのだ。本校では認めている。
・ このことは「手当を出せ」と言っていることだ。公務員は厳しく兼職兼業が規制されているから杉並の和多中学校のように学校で「夜スペシャル」と称した塾講師が先生の講習が開講されたりする。これも学校の先生がやらないからだ。やらせられないからだ。
・ そこに、時には「塾や予備校の先生を呼ぶ」ことがあっても良いではないか。「公教育の底上げが必要」との総論には皆賛成だが各論となると文部科学省、教育委員会、学校、組合の意見がまとまって終息しない。その結果、結局は現状維持となる。迷惑を受けているのは子どもたちである。
・ 昨日のブログにも書いたが専門家をもっともっと学校現場に入れなければならない。「なんでも教師」の概念を打ち破る必要がある。「教師は万能ではない」のだ。

2008年4月16日水曜日

4月16日(水)大阪私学人権教育研究会

1.大阪私立学校人権教育研究会
・ 2008年度第1回役員会・代表者会議があり大阪府私学会館のある京橋に出張した。私は「義務教育部会の幹事校長の役回り」が順番で回ってきた。役員会ということで本年度全般の形つくりが決定されその確認の会合であったが、「私学の皆さん、熱心に取り組まれているという印象を強く持った」。公立学校時代もそうのように感じたが、とにかく「人権問題は教育を通じて」という基本骨格が大阪府の場合公立も私立も完成されているのである。
・ 「運営規則」によれば昭和53年にスタートしたとあるからもう「30年の歴史」がある。事業内容は各校の人権教育の取り組みの交流、人権教育の研修、人権教育の研究の実践と発表とある。当初は「部落開放同和教育の実践」からスタートしたのだと思うが、今や「人権の定義の範囲」は時代とともに拡大の一歩だ。「すさまじいくらいの広がり」である。
・ 最近では「障害者差別をなくす千葉県条例」が話題になったりしているし、「マスメディア報道と人権侵害」もまだ息づいている問題だ。更に加えて「性・ジェンダー差別問題」「在日韓国朝鮮人人権問題」「スクールセクハラ」「恋人間デートDV」「不登校生徒に対する対応」などは新しい話しではないが、「セクシュアルマイノリティに対する性の多様性を認めると言う運動論」も昨日の研究会で初めて知った。
・ しかしやはり「いじめ」問題、中でも「ネットのいじめ」が大きく取り上げられている感じだ。これは現実の校長職務にある者として非常によく分かる。学校現場での最大の問題だろうと思う。
2.「学校裏サイト」の実態
 ・学校の公式サイトとは別に生徒らが独自に立ち上げた「学校裏サイトの実態」を文科省は15日、発表した。この1月から3月に確認できた裏サイトはなんと38260件に上るという。
 ・私は5年前から「2チャンネル」の書き込み対象の常連客だから、もう慣れていて、なんということはないが、中学・高校生がここまで関与しているとは思わなかった。記事によれば、「特定学校型」「不特定学校型」「「掲示板のスレッド型」「少人数のグループホームページ型」の4分類で圧倒的にスレッド型が87.6%と多いという。
 ・書き込み内容も群馬、静岡、兵庫の3県で2000件を分析した結果、「キモイ」「ウザイ」などの誹謗中傷の言葉が50%、わいせつな言葉が37%、「氏ネ」などの言葉が27%のサイトで見つかったという。又中高生1500人のアンケートから裏サイトの閲覧経験は23.3%で書き込み経験は3.2%だったと言い、閲覧者の70%以上は「暇つぶし」と回答したらしいが、とにかく「大変な世の中になってきた。」
・記事によれば大阪府の中学校の例として「ウザイ、調子のんなよ、師ネ」「ネットでは俺が強いんだぜ」「なめんなよ、カスども、強がってんじゃねーよ」などと連日のように同級生への罵詈雑言が書き込まれているとのこと。
3.学校の対応力
 ・これが実は「難しい」。だから急速にネットいじめがはびこってきたとする専門家は多い。分かるような気がする。大体、「どの生徒が裏サイトを有しているのか」学校では分からない。生徒の携帯電話を取り上げてチェックする訳にはいかないからだ。
 ・昨年本校であった「裏サイトいじめ事件」は生徒の方から「馬脚を現して」、パソコンの達人教諭が「追いかけて」判明したものだ。「携帯のホームページを有しているものは正直に申告しなさい」と言えば本校の生徒は話してくれるが、それも全ての生徒かどうか確認は出来ない。
 ・「教員の知識不足がネットいじめ増加の一因」と言う意見もあるが、「そう言われてもなー。余りにも変化が早すぎる」とゆっくりとした教員には難しい話だ。とにかく対応マニュアルはないし、現在の生徒生活指導部の力量とは違った分野の能力が求められていることは間違いない。
・茶髪やスカート丈の短さ、ずり下げズボン、喧嘩、カンニング、遅刻などは立派に生徒指導が出来ても「ネット滲め」については正直「手の打ちようがない」状態だ。「アナログには強いがデジタルに弱い教員の特性」を良く示している。事案が判明してからの行動とならざるをえない厳しさがある。それに「教育活動は元来アナログの世界」であるべきだと思う。
4.インターネット上の人権侵害とその予防
・しかし手をこまねいてもおれないので、今年から「生指の内規」を拡充し、生徒手帳にも「ネットいじめの防止」を記載した。又入学前指導においても注意を喚起している。加えて1年生には夏の伊勢修養学舎で本校人権推進委員長が作ってくれた「ネットいじめケーススタディ事例」があるので、これを使ったりして取り組む積りだ。
・「生徒に協力者を作る」というのも検討されているが、これはどうなんだろう。要は生徒をスパイにし、チクらせるというものだが、あり得ない話しではないか。しかしそうでもしなければ人権侵害はなくならないではないかといわれたら今、答えはない。
・もう一つは「警察や弁護士」が出てきて損害賠償の対象となるよという抑止力の期待だ。しかし結局学校現場としては「人権教育というよりもっと広い意味での人間教育で回避策を講じる」しか方法はなかろう。
・そういう意味で本校は『神道科の授業』を通じて行って行きたいと考えている。「人間としての徳育教育」だ。英語、数学も大事だが今「駄目なものは駄目」と教えておかないといけない。インターネットいじめは腕力でねじ伏せると言うわけにはいかないから、尚更日常の授業、ホームルーム時間、部活動などを通じて「担任が一言、言う」ことが最も効果的な抑止力になるのかなと思う。
・しかし私が学校界に転じた5年前にはネットいじめなる言葉さえなかった。「人権をキーワード」にして「複雑かつ難しい時代と学校」になってきたものだ。「少し教員が可哀想になってくる」。高等学校では教科を教えるだけで良いと言う時代ははるか昔のことだ。「社会も子どもも変わってきた」。変わらないには教員文化だけだ。変わるのが遅い。私は今教員文化を揺さぶりながら「前向きに変わろう」とプレッシャーをかけ続けているのである。

2008年4月15日火曜日

4月15日(火)入学式出席させず千葉

入学金未納の生徒入学式出席させず 千葉の高校
・昨夕のNHKテレビ、夕刊各紙、そして今朝の朝刊も、それほど大きな扱いではないが2段、あるいは3段の記事で報道している。毎日は今朝の社説にも記載しているから、相当の念の入りようだ。
・千葉県立八千代西高校(生徒数339人)が「入学金を持参しなかった男女の生徒二人を8日の入学式に出席させず別室で待機」させていたことが記事になったものだ。各紙とも今回の学校の措置を「批判的」なものにしている。
・一昔なら「おそらくこのような騒ぎでは済まなかったろう」。「学校バッシング」が凄いことになり、テレビのワイドショー辺りでは何も分かっていないコメンテーター辺りが「こんな校長辞めさせろ!」の大合唱だったかもしれない。
・しかしこの校長、テレビでも新聞でも悪びれず、「授業料滞納が目立ち、入学金の未納は負担の先送りかと判断した。生徒には辛いものだったと思うが県の条例で入学金を納めて貰わないと入学許可できず、式に出て貰っても名を読み上げられない。苦渋の判断だった。」と粛々と説明していた。
・各紙とも似たり寄ったりの表現であるが「校長の苦渋の決断」としているところは同じである。本当にそのとおり、苦渋の判断だったに違いない。「私はこの校長を支持する」。何時もは詰め腹を切らせる教育委員会も今回ばかりは「学校の事前説明は十分で、やむを得ない措置だった」としている。
・何時もの一般的な教育委員会なら「もう少し学校は十分なる事前説明が欲しかった。」「他の方法もあったかも知れない」などと校長の脚を引っ張るコメントを出すのが教育委員会の体質であるのだが「今回の県教委はこれまた立派」であった。
・学校は事前に保護者に対して全額納付が難しい場合は分納も可能で事前に相談して欲しいと十分なる説明を行い、入学資格は入学金納付が県の法律であるとも説明していたのに二人の保護者は納めず、入学式が終わった後で夕方届けられたと言う。「当日夕方持って来れたものが何故事前に持参できなかったのかという指摘」があって当然だ。
・可愛い我が子が義務教育を終えて晴れて高校生になる入学式だ。何はさておいても、「入学金を届け、保護者としての責任を果たして、子どもととともに将来に夢を膨らませる入学式を祝う」というのが親の気持ちではないのかなー。
・大体「合格発表から入学式までは大体2週間」はあり、時間はたっぷりだ。それに敢えて言えばこの学校は公立高校だから、入学金の額も私学に比べて極めて少ない筈だ。各紙にこの視点が全くないのには些か驚いた。「保護者の責任はないの?」と言う声も聞こえる。
・毎日の社説はさすがに社説だけあって「近年の全国の給食費未納問題」や「払えない正当な理由がないのに踏み倒し同然に支払いを拒否する保護者」「学校に無理難題を押し付けるモンスターペアレント」などの記載があるのは救われる気がした。
・ 本校は私学であり、基盤が公立学校ほど強くはない。保護者からの入学金と授業料、それに府からの経常費補助金、いわゆる私学助成金で経営がまかなわれている。入学金や授業料は「命の綱」だ。
・ 本校での今年の入学式は幸い入学金の未納はなく合格者全員に入学許可を出すことが出来た。本校でも理由なき入学金の未納があったら、恐らく私でも「入学式での入学許可」は出していなかっただろうと思う。後日納金が確認されてから、校長室で今回の例のように校長室で入学許可を出したと思う。
・ 問題は千葉の高校が保護者に最後の局面まで連絡をとり、「ぎりぎりまで納付をお願いしたか、どうか」だろう。保護者の中にはろくに資料に目を通さない方もおられる。ここがポイントだが、八千代西高は間違いなく実施していたに違いない。
・ 問題は入学金ではなくて「3カ年間の授業料」だ。分割払い、奨学金制度、特待生制度、府の助成支援など十分に配慮した対応を取っている積りだが、中には「授業料の滞納をし続けている保護者」もおられる。
・ 1人や2人ではない。3学年で数十人規模だ。その額たるや大変なものになる。そのために事務の職員は「通知状」「督促状」「配達証明つき郵便」など事務手続きが膨大なものになっている。最後は担任や事務の「家庭訪問」だ。それでも居留守を使われたりして、保護者にお会いできない時がある。そういう時には「どうしたらよいのか」、正直、途方にくれる。
・ 今年も中学3年生と高校3年生の授業料の未納を10月頃から詳細調査し、準備を始めた。特に「3年生は卒業してしまえば、それで終わり」となるからだ。卒業式の前日までに滞納している授業料を払って貰えないと「卒業式への出席は認める」が「卒業証書はお渡しできません」と文書にしているし、それが内規だ。
・ 教職員の努力が実を結んで今年は全員滞納額を完済して頂き、全く問題はなかった。このような場面は本校だけではなくて、全国の学校に共通する現象ではないか。それを明確に実行しようとすれば「学校批判」にさらされてはたまらないところもある。
・ 本校の1昨年の実例では結局、授業料を払って貰えず、「用意した卒業証書がそのまま」になっているケースもある。本校で3年間学んで「卒業証書を取りに来ないってある?」と言う感じだ。学籍簿には卒業とはなっていない。宙ぶらりんだ。
各教科単位の歓送迎会
・ 今各教科単位で「歓送迎会」が計画されているという。大変良いことだ。学校法人としては連休明けの5月9日にナンバで理事を含めて実施予定。総勢130名を超える大歓送迎会になろう。
・ この11日に某教科が天王寺で実施したという。「大変盛り上がった」という意見と「酷いものだった」という意見が交錯しているので事情を聞いてみた。まず男性の専任教員の欠席が多かったらしい。
・ 席も23人を5つのテーブルに分け、席指定がなかったため、特定のテーブルに専任が集中したりしてまとまりが今ひとつという意見も聞いた。送られる方はお一人の出席で新任に先生は殆ど出席されたそうだ。
・ こういうものはアフターファイブの私事とは言え、「同僚を送り、新しい仲間を迎える一つの儀式」だ。日本でも世界でもある通常の社会の決め事みたいなもので半ば「準公式」なものと考えることも出来る。「社会のお付き合いの一つ」だと思う。昔、自分もそのようにして歓迎されたのでないのか。
・ 出席しなかった3人の先生に理由を聞くと「私用があった」「出張だった」「部活動指導だった」と言う。「出張は夜7時、8時まであったのか?部活動指導とは何で?翌日大会でもあったの?と」。年に一回の会合だ。特にベテランの先生が進んで出席して座を盛り上げ、不安な面持ちの新任の先生方を安んずるのが大人の仕事と言うものだろう。
・ 一人の先生は「間違ってました」一人の先生は「やはり間違ってました」もう一人の先生は「・・・・」。25日、26日とあるらしいが、折角の機会だ。校長として「盛り上がった」と聞くのは嬉しいが「ウーン、微妙」となると気が重くなる。
・ 随分前にも永年勤続表彰者のパーティに関してやはり出席者が少なく、「人による」ということに対して強烈な意見を述べたが、「ある程度、出席のしばりのないかかる歓送迎会なら、もう中止したらどうか」という意見が出ても来るだろう。
・ 前述の教科の某教諭は「来年以降、又出席者が少なくなるかも知れませんね」と述べていたが「寂しい限りだ。」確かに段々と、社会が成熟するに連れてこのようなものが無くなっていくのが傾向だが、「年に一度の会合」だろう。それだけにこういうものは次世代に繋いでいきたいものだ。

2008年4月14日月曜日

4月14日(月)教員間の礼節

1.教職員間の礼節
・ 生徒指導のために朝の立ち番で色々と「教職員間の軋轢」があるらしい。当然軋轢はあって良い。あるのが自然だ。全ての教職員が同じであれば「それは北朝鮮となる」。しかしだ、そこには当然教職員間には「礼節」がなければならない。これにより「組織の秩序」は保たれる。
・「上司に無礼な態度」などはあってはならない。橋下知事を「あなた」呼ばわりした府庁のあの女性職員はあれから大変なことになったらしい。端から見ていて見苦しいのだ。「人間の品性の問題」である。静かに丁寧に攻めれば良い。その方が相手には「パンチ」が効く。
・ プロ野球でもJリーグでも「監督の権限は絶対」だ。中にはここでバントが良いと思う選手がいても監督がスクイズのサインを出せば選手は走らなければならない。その代わり「結果の責任はすべて監督」にある。
・ 指示を守らなかったり、監督の采配に文句を言おうものなら「厳しい処分」が待っている。それは厳しいものだ。罰金刑もあるし、これらは「内規」で規定されている。「ベンチがアホやから野球は出来ない」と言った江本は野球界にいられなくなった。例えば「生指部長が駄目だから生指の仕事は出来ない」と言っているようなものだ。
・ 学校は「勝負の世界ではない」からそこまで色は濃くないが、「学校も一つの組織」だから、校長を筆頭に副校長、教頭、各分掌長、学年主任、類科長と「組織化」を図っている。意見がすべて揃うことは望ましいが、中には多種多様な意見が交錯するのは当たり前だ。
・ だから「責任ある決断をするために“長”と名の付く人々がいる」。最後は「辞表を胸に長が決定する」ものだ。教員は多数決が好きだが、元来多数決で決めるべきものではない。「多数決は責任の所在を不透明にする」。まずこのことを理解しなければならない。
2.教員は十人十色
 ・ 本校には140名近い先生方がいる。これらの教師集団が各分掌、学年団に分かれて教育活動を行っているが、まず教科の違いは当然として、「生い立ち、学歴、職歴、キャリア、経験がそれぞれ異なる」。誰一人顔立ちが似ている人さえいないものだ。
・ そこまでの違いは誰でも言えるが、教員が口に出して言えないものに「個々の意欲と能力の違い」があるのだ。誰もが分かっているはずなのに口に出しては言えないパラメーターである。しかし実はこの部分が問題となるのである。
・ 加えて「性格の違い」もある。「紫式部」的か「清少納言」的か、人さまざまだ。吉永小百合みたいな感じもあれば、上沼恵美子みたいに喋りっぱなしの人もいる。「田中真紀子が吼えても」動けない人はいる。それを頭から「全否定」しても解決にはならない。
・ 「じっくりコース」の人や「激走型」の教員、それぞれである。それに担任などは「生徒の最近の状況」を知っているから「ここでは優しく、今日は少し厳しく」と息遣いを心得ているに違いない。それを「あるべき論」で迫ったら余計に反発を招くだけではないかという意見もある。
・ そんなことを言ったら『やらない人は得で、一生懸命やった人が損をする』という向きもあろうが、そのために「人材評価育成システム」を導入したのだ。見るべき人がしっかりと見ているから「安心」すれば良い。「能力・意欲・努力を評価し処遇に反映する」ということはそういうことなのである。「逃げ得は許さない」。心配しなくて良い。
3.校務運営委員会
 ・ 新1年生は生徒の数が増えたから「伊勢修養学舎」は3班に分けて実施するしかない。「校長講話」があるため、私は7月21日から27日まで間、神宮会館を行ったり来たりしなければならない。今回から近鉄電車ではなくて「バス」を使うことにした。
 ・ 私からは「五十鈴川で裸で禊をする」ことを前もって初めての常勤講師の先生に言っておいた方が良いと念を押した。一昨年か、「裸にはならない」といって、辞めた、or 辞めさせられた先生がいたらしい。
 ・ 「高校生の北海道修学旅行の付き添い」が固まった。総勢428名に付き添い教員は団長を入れて17名で、一人当たり教員25.2名の生徒数だ。丁度良い数値ではないか。
 ・ 尚、同時期に出発する「中学校の修学旅行には校長が同行」することになった。前の学校では結局修学旅行に行けなかったが、初めて実現する。修学旅行とは私が高校生以来の44年ぶりのことで、本当に楽しみだ。中学になったのは「強く誘われたから」で、高校側にはまだ歓迎されていない気がするから、行かないのだ。
 ・ 保健体育部長から「カフェテラスの利用規約」の説明がある。利用する生徒の数がうなぎのぼりだとのことで、席をもう少し増やしたい旨の話しがあった。大変結構なことだ。
・ 図書研修部長から「図書管理」について報告あり、私から「緊急事態は脱したので必要な図書は購入する。ただし管理は適切に」と述べる。公的な図書を1年も自宅においていた先生など無茶苦茶なことが昨年あったし、某教科では紛失し皆で弁償した事件があったからだ。
・ 又図書室管理の常雇い職員先生に校内イントラネットシステムに入って頂く為、個人パソコンを貸与するよう事務長に指示したが、すでに手を打っているみたいで大変結構である。この先生、立派なご経歴をお持ちだ。
4.生徒生活指導と授業・講習
 ・ 例えば理数科の生徒が煙草を吸って「停学処分」を受けたときに、この子は理数科だから授業に出させますとはならないだろう。遅刻も同じことだ。遅刻の多い生徒を放課後指導する場面はあって当然である。「放課後講習より生活指導が優先」されるのは当然だ。
 ・ 本校は「生指と進学の浪速」を標榜している。科コースで温度差などあってはならない。「全ての生徒に公平に生活指導」をかけなければならない。この点で理数科が何か特別なコースと考えるのは間違っている。普通科と違わない。
・ 理数科が他のコースと異なるのは「学習レベルが比較的高く、難関大学に進学希望している生徒」だということで、そういう「条件を公表して募集」をかけて、入学して来て呉れた生徒だ。
5.SSとⅠ類について
・ SSとⅠ類を他の類コースと一緒にして将来の「転科転コースの為」といって授業の進度を遅い方に合わせ、授業の中身も普通のレベルなら「約束違反」になる。これは区分して考えねばならない。生指については普通科も理数科もまったく差はないが、「習熟度別授業は当然」のことだ。「理数科、Ⅰ類はⅡ類、Ⅲ類と全く異なる」。勘違いしてはならない。
・ 理数科SS、普通科Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ類は、言い換えれば「形を変えた習熟度別」だということを理解しなければならない。又「理数科とⅠ類の間に塀を立ててはいけない」。そのために科長類長を一人の先生にお願いしたのだ。理数科のことは、科員で議論した後、最後の局面では「理数科とⅠ類の責任者であるO教諭」が決めれば良い。当然学年主任との調整は必要であるが。
・ 理数科SSとⅠ類については「入学式の後の保護者集会で校長が明確に方針」を述べた。これがすべてである。勝手に判断してやり方を変えることは許さない。「そういう教員は即刻SSとⅠ類から交替」してもらう。本日副校長と理数科長兼Ⅰ類長に厳しく理事長の考えを伝えている。
・ もし、Ⅱ類、Ⅲ類からSSやⅠ類に転科、転コースするケースが1年後にあるとすれば、その生徒には特別補講をして「追いつかせる」ことが教師の役目だ。中高一貫や高校で外部編入させる進学校などは皆そのようにしている。
・ それを考えないで「伸ばせる生徒を伸ばさない」のは犯罪行為だ。そのようなことをしていたら学力など付くわけが無い。「試験の範囲も問題のレベルもⅡ類、Ⅲ類と異なって当然」だ。ただし「SSとⅠ類は同じ」でなければならない。
・ 「 SSとⅠ類は将来再編成」することがありうる。「文転」もあるだろうし、「国公立から難関私大に変える」こともあり得るからだ。同じように進めるように、これも本日「厳命」した。しかし入学式であれほど言ったことが今頃「ふらふらする」のはどういうことか。
・ 前から「本年度からはSSとⅠ類の教師団はしばらく固定する」と言ったのはそのような目的の為である。3年の課程を2年で済ませ、3年生は「演習」で埋めることが「勝つ秘訣」だ。進学校といわれているところはすべてそのようにしている。「呆けたことを言うから腹が立つ」のだ。
・ 言い換えれば「本校には二つの学校がある」と考えよ。一つは「SSとⅠ類の進学重点校」だ。もう一つは「Ⅱ類とⅢ類の文武両道の学校」だ。ごちゃごちゃ言うようだったら、この二つに体制も中身も教員も完全に分離する。放課後講習や実力アップ講座は受益者負担だけではなくて法人からも「応援をする」から「頑張って欲しい」。

2008年4月13日日曜日

4月13日(日)橋下知事頑張れ!

・ 橋下知事が改革対象で、「民営化の方針」を打ち出した「府民牧場」を訪問したと今朝の新聞記事にある。子どもから「なくさないで!」と訴えられた知事は口ごもったという。子どもにこういうことを大人は言わせるべきではない。
・ このマザー牧場は私も一度行ったことはあるが、ただ広くて、企画ものは少なく、一度行けば十分で、「リピーター」にはなれない。もう少し運営に知恵が有ってよい。「ユニバーサルスタジオジャパン」にしようと思えば「民間の知恵」だ。私は民営化に賛成である。
・ 4月11日の夕刊から12日の朝刊は極めて大きく、此処最近全くないような大きさで「大阪府橋下改革プロジェクトチームの最終案」を詳細に報道している。08年度に1100億円再建を反映させるために、7月の臨時議会に提出する本格予算案に反映させるとしている。
・ 各紙はそれぞれに特徴ある見出しである。朝日は「暮らし直撃反発続出」、日経は「「聖域なし、賛否交錯」、読売は「福祉、教育、府民に激痛」などと報じているがどうもまだ、強い批判的論調ではない。
・ マスコミはマスコミなりに「府民の動向」を注意深く探っているのかもしれない。私はやはり「日経新聞」を評価する。極めてニュートラルな抑えた記事の扱いであり、府民に考えさせる記事の構成だと感じる。
・ 朝日は些か批判的に感じる。「文化の行方は・・」「子ども笑えない 職員汗かけない」 「生死にかかわる」とかいささか大げさだ。1面見出しも「人件費400億円削減」と真正面だ。
・ 今回の「改革案のポイントは警察官、教職員を含めた大阪府公務員の人件費削減」がポイントであると記事を読むべきである。これがなされたら他の項目は「反対の声」も消え去るか、間違いなく小さくなる。「果たして知事がこれをやりきるか否か」だ。
・ 地方自治体の財政悪化を背景に各自治体が打ち出す大型の財政削減計画ではまず「人件費」に手を付けるのはいずこも同じである。丁度大阪府の借金を6000億円も上回る5兆6000億円の公債残高を抱える北海道は2年間で1800億円の収支改善を目指し、「全職員給与の10%カットで1000億円を抑制」したとある。大阪府の改革チームは恐らく「北海道を勉強」したに違いない。
・ 隣の兵庫県も08年度から年平均1100億円の収支改善で大幅な人件費削減を実施中だ。大阪府の案では記事にあるように暫定予算期間を除くと年間ベースで450億円から600億円規模で、仮に年間600億円の削減であれば「府の職員の年収は約10%減の703万円」になるという。
・ 問題は10%ではなくて「703万円というレベル」の話だ。これを「安いとみるか高いと見るか」が世論の分かれ目であろう。しかし各紙の記事に府の幹部の意見で「これでは士気が上がらない、良い人材が確保できない」と早速反対論が出てきている。
・ 私は「私学経営者」として私学助成金の影響を受ける身だし、そのような立場ではないから、この改革案に対して「今反対、賛成」とは言わないけれども、橋下知事には頑張って欲しいと思う。しかしそれにしても寂しい限りだ。府の幹部までが「夢も希望も無い」と反対とすぐ切り返すのだから、「やるせないわなー」どういう真意なのと聞いてみたい。
・ ワッハ上方、府立体育館など「無くされるほうが反対なのは当たり前」で賛成などというわけが無い。私学助成金も乳幼児医療もハコモノも35人学級もすべて突き詰めれば「人件費の問題」である。大阪府の職員が自らの人件費で血を流せば他は「知らん振り」というわけには行かない。
・ 今後労働組合、市町村長、各種団体などの反対論が沸騰するか、どのような道を辿るのか、注意深く見ておかねばならない。財界までが「いささか急進的?」的な感じであるとのコメントが出ているが、私の見方は「項目の取捨選択が問題で改革自体は大賛成」なのである。逆に大阪市の平松市長には「もっと真面目にやれ」と財界がお叱りをしたと最近の記事にあったが、これには笑ってしまった。
・ 問題は「府議会与党の自民・公明だ。彼らがどう動くか」が分水嶺だ。府議会与党が反対に回ったら「終わり」だろう。おそらく折衷案、即ち、「緩和策」が打ち出されるのではないか。そして選挙民には「知事の暴走を止めました。しかしここまでは仕方がありません。夕張市にならないためです。」ってところで手打ちとなる。「脚本が見えている」ような気がする。
・ 一つだけ知事に言いたい。「やり方がまずい」「いささか卑怯だ」。弁護士的で裁判官的だ。これではいけない。「案はすべて改革チームの考えです」「大いなる議論を期待します」「最後は私が決めます」というスタイルだ。
・ 長自ら「熱く語らねばならない」「資料を振りかざして府民に直接こうしたい!」と語らねばならない。テレビのバラエティ番組に出て東国原知事と語っている場合ではなかろう。
・ 改革チームは「知事を守ろう」として「これは我々の案です。最後は政治判断で・・」と言っているがそんなことではパワーは出ない。与党も府民人気の高い知事の直接歯向かって「抵抗勢力のレッテル」を張られるのは困るし、今後の大阪府を舞台にしたドラマが「小泉劇場ならぬ橋下劇場」になるのか、今後とも毎日、注視が必要だ。場合によっては抵抗勢力に「刺客を放てばよい」。木村政夫氏はこの際、「議員の数も減らせ」と好いことを言っておられる。
・ 個人的には私学助成金が減らされたら減らされたで「与えられた条件下でベストを尽くす」以外にない。府の公務員が給与減少で頑張るというのなら「浪速は私学助成反対」という気は全く無い。
・ 手立ては「更なる経営の合理化がまず最初」、そして最後は授業料の値上げをお願いせざるを得ないだろし、100以上ある私立学校はそれぞれの事情があり、一つの公式で問題が解けるわけではない。
・ 「 浪速の心配は私がする」。橋下知事には大阪府の事だけを心配すればよい。今までは誰でも出来る。「問題は胸突き八丁のこれから」だ。知事には頑張って欲しい。「正念場が来た」。

2008年4月12日土曜日

4月12日(土)駅前看板

.「我孫子前駅」の本校看板
 ・この3月に転居した。このため通勤の駅が従来の阪和線我孫子駅から南海高野線「我孫子前」に変わった。幾分通勤時間は長くなったが特段大きな問題はない。駅から学校までは些か短いような気がする。
 ・しかし何時も気になるのが駅前、踏み切り傍に立ててある「本校の看板」だ。ちょっと目には気が付かないが一旦存在を確認すると忘れられない看板だ。どうも私のスタイルに合致しない気がして、通るたびに心を痛める。寂しいのだ。
 ・そこで今日の朝会で問題提起した。あんな「存在感のない看板はやり変えろ!何か、“国立結核(浪速)療養所”みたいな感じがする。白いペンキにただ浪速中学校高等学校と黒字で書いているだけではないか!見るたびに落ちこむ。寂しい。」
 ・他の管理職は「大笑い」だ。恐らく自分たちも心の中ではそのように感じていたのではないか。それを理事長が国立結核療養所とイメージを髣髴させる表現を使ったからだろう。しばし議論が続く。
 ・あれは「南海」が好意で立ててくれているもので「一切学校の費用はかかっていない。」「昔もそのような意見があったが、基準があってこちらの都合の良いようには変えてはくれない」とか、なんとかだ。
・ 事務長が言う。「しかし本校の生徒が南海を多く使っているのだから、少しはこちらも言う権利もあるのでありませんか」。私から「カラーの7色で今の大きさの2倍くらいで、費用は一切こちらが持ちますから」と言って「だめ元」で事務長が南海に当たってみることになった。
2.新館屋上の本校看板
 ・前述の議論が発展する。今度も私からの問題提起だ。「新館屋上の本校の看板がもうペンキが剥げたりしてみすぼらしいらしいという声があるが・・・」。これまた議論が沸騰する。
 ・周辺に建物が建って「もうどこからも見えなくて看板の意味がない」と。3人の管理職が異口同音に主張する。ところが中学の副校長は「南海本線からは見える」と言ったものだから、ブーイングだ。「本線から見えるはずはないって」。
 ・電車の車窓から、大和川大橋の上から「見える」ならまだしも、見えないなら「外せ」というも「外す工事が大変」だと言う。結論は新館の外壁再塗装の時に「あわせて実施」することで本日は落ち着いたのである。
3.広報宣伝費
 ・19年度は18年度に比べて大幅に広報費を増額したが20年度も「」の予算を設定した。正式には5月の理事会で正式決定だが、その線で原案を作っている。厳しい「生徒獲得競争」の中にある。
・ 19年度が良かったからといって20年度もそのようになるという保障はない。後で後悔しないように「必要なものは手当て」しなければならない。先ほどの我孫子前駅の立て看板も然りだ。
・ 担当教頭に指示し、本年度の広報戦略と戦術を一回まとめて報告するように指示した。私からは電車内の広告ビラとか基幹駅の固定看板とか、新しい考えも入れて考えるように述べた、又記念品と言うかお土産というか、学校説明会に来てくれた中学生にプレゼントする小物についても新しいセンスで考えるように言ったが、・・・センスがなー?
・ 本心は「テレビに広告放送」を流したいくらいだ。夕方ゴールデンタイムに1分間くらいのコマーシャルだ。「浪速が変わる、浪速で変える」と大写しでまず出す。次は場面が変わって「正門」を映し、流れるように「学院神社」にカメラは動き、生徒が拝礼している場面が出る。次に「教室の授業風景」に変わる。先生は誰が良いだろう。教科は数学か、英語か?真剣な生徒の目を大写しにするのだ。そして一挙に「グラウンドで野球」と「女生徒のテニス」のクラブ活動に変わる。そして最後はテロップで「進学と生指の浪速」だ。とにかく「映像で勝負」だ。説明は不要。絵で勝負する。一挙に評判とならないか。しかしお金が随分とかかるし、顰蹙をかうだろうな。「止めた!」。 「正攻法」で行けば良い。
4.その他決定事項
 ・高校の修学旅行の引率総合責任者をK教頭にお願いした。あわせて付き添い教員であるが理数科については「原案差し戻し」とした。3クラスを5人の引率であったが、4人で行けないかというものだ。
 ・今年は夏の8月、「来年のオーストラリア修学旅行の下見」に相当費用がかかることを覚悟している。従って今年は経験多い国内の北海道だ。女生徒の数も多くないから3人の担任に一人の女性教員の計4人で遂行してくれれば有難いが・・・。まあ学年主任の意見も聞いてみよう。

4月11日(金)ワーキングプア

1.自治体非正規職員 増える一方
・ 府内の自治体で正規職員に対する臨時や嘱託などの非正規職員の割合は2007年、4月現在21.8%、対前年度から1.3ポイント増で、とにかく「非正規化が進んでいる」との記事が少し前にあった。
・ 大阪労連が府と43の市町村を対象にアンケート結果を分析した数値だから間違いはあるまい。正規職員数は前年より5676人減少し、10万5046人だと言う。非正規職員は765人増えて2万9319人という。すごい数値だ。見た目、普通の校務員だが身分は非正規職員だという。
・ 河内長野市では非正規率がなんと53.4%と半分を超え、島本町でも48.7%という。又「自治体の一般事務の平均時給は817円」で民間パートの969円を大きく下回っている。岬町では「学校の校務員さんの時給が最低賃金と同じ731円」と言う。
・ 非正規職員は2ヶ月から最大で1年の短期契約だから昇給制度もなく、自治体が人件費削減を進めていけば間違いなく「官製ワーキングプア」を生み出すことになるとの内容だが、これでは「収入という感覚」には程遠い。まさしく「自治体ワーキングプア」だ。
2. 本校の非正規職員は?
・ 常勤講師と非常勤講師は「教職にある身」だからこの際、非正規職員の定義とは区分して考えておきたい。最も正規職員を「専任教諭」と定義すれば常勤講師の先生は契約期間が1年なのだから非正規職員ということも出来るが・・・。
・ 「本校が抱えている非正規職員は直雇用と派遣職員の2種類」に分けられる。結論から言えば、総じて「給与処遇は良い」と考えている。前述した自治体の非正規職員の時給800円から900円に対比して、本人手取り分換算で時間給は1200円以上であり最大で1500円というのもある。
・ 派遣職員の場合は派遣会社のコミッション分があり、実際は更に数百円単位で上乗せして支払っているのだから、コスト削減を優先させれば直雇用に切り替え、自治体レベルと同じ900円程度の時給で「募集したとしても、昨今の経済情勢下、応募者はすぐ集まる」と考えられる。
・ しかし現時点で私はそのような考えはとらない。皆さん、大変責任感が強くよく仕事をされるし、自治体のように最低レベルの時給などに切り替える積りはない。決して「ええ格好」して言っているのではないが、「ある程度の生活基盤の成り立つような労働条件の提示は労働組織体の経営側の責務と考えている」からである。
・ それは私が企業出身だからということもあるかもしれない。自治体の長の如く、民間での経験はなく、税金で賄うということしか知らない連中とは違うといいたいと深層心理としてあるかもしれない。
・ 派遣職員のお一人は大学卒で有名な大手企業に勤めておられたが、故あって本校に来て頂いている。陰日向なく大変良く仕事をされる。もう1人いる同じ種類の仕事のパートナーは正規職員であり、給与の違いは極めて大きいが、不満を漏らさず働いておられる姿には頭が下がる。
・ 直採用の非正規職員はこれまた難関大学卒の若い女性職員で将来のキャリアを目指して勉強中だ。本校をステップアップにして「資格を取り、将来に備える」よう激励している。このように非正規職員が本校で働いておられるのは様々な背景がある。
.「ワーキングプア」働く貧困層の拡大
 ・ もうこの言葉は有名すぎるくらい有名になった。「NHKの特集番組」を見た方も多いはずだ。この番組を見たときに体が震える感じがした。働いても収入が少なく、まともに食べてはいけないワーキングプア(働く貧困層)が拡大している。特に若年層だ。大学を出て路上生活者だ。
・ 背景は経済のグローバル化にある。商品が海の向こうで作られ、日本に持ち込まれる形がどうも完成されてきた。言い換えれば日本の労働者が国内で作ると人件費が高くついて安いものが国民に供給できないから海外依存となるということだ。
・ これは「経済のグローバル化の宿命」で、新興国、中国やインドなどより高い能力と技術力を有しないと新興国の低賃金に引きずられて空洞化が生じるのは経済合理性の至極当然の結末である。かっての日本もそのようにして欧米諸国を追い上げたのだから。
・ もう一つの理由はバブル後企業はこぞって「リストラ」を行い、一旦高齢層の人員整理をした上で、「正規職員で補充をせず」、「非正規職員」に切り替えたものだから、ますます格差に拍車がかかってきた。「労働力の構成が大きく変わってきた」のである。
・ いまや日本の労働力で1/3、即ち働き手の3人のうち、1人は正社員ではない。その数1700万人で、内1000万人に人が年収200万円以下だというから「厳しい」。
・ 大学を卒業しても職がなく家賃が払えなくてインターネットカフェに寝泊りする人や路上生活者が若い世代で増えているという。これでは日本の将来は暗い。このまま勤労社会に高齢者が増えて行ったら社会はなりたたなくなるという指摘は少なくない。
・ 年金問題や高齢者医療の問題は大切だけれども、それよりも私は「若い世代への対応」に国家や自治体の施策を切り替えていかないと国家衰亡の危機を感じるのだ。どうも高齢者対応に視点を当てすぎていないかとの疑問が心から消えない。
・ 少子化であるからますます青少年対策は重要である。「年寄りはもういいとは言わないが」、一人の若者が背負う年寄りの数はどんどん増えて、しかも「若者の仕事がない」ではどうしようもない。人手不足と言うが人手はあるのである。「その人手を年寄りが占有するから若者に仕事がまわって来ない」との視点がある。
4.浪速高校の一つの試み
 ・ 以上のような観点から小さな組織体であるが私は「若者に職の提供と待遇の改善」を考えているし具体的に動いている。本年度がその起点になる。まずベテラン教職員に「十分なる割増金を付け早期退職優遇制度」を導入して適用した。
・ 本校では65才定年制であり、この基準そのものは残し、61歳から1年単位で「選択定年制」を導入した。この結果により平成20年3月31日付けで60才超えの教職員が殆ど退職していった。「後進に道を譲る」としてである。
・ その結果、「若い先生方に職を提供することが出来た」のである。当て嵌めには非正規職員に相当する非常勤講師ではなく、「常勤講師」を大量採用した。常勤講師の数は総勢40名を近くなる。常勤職員には一時金・賞与が支払われ、非正規職員に比べ格段の処遇改善だ。この中から将来の正規職員、即ち専任教員が誕生することになろう。
・ 常勤職員の先生方は概してお若く20台で中には大学新卒というお方もおられる。このような劇的な変化が何を学校にもたらしたかと言うと「完全に学校の雰囲気が変わってきた。」又時間講師ではないため、「時間割編成が極めて楽」となり、教育効果そのものにも大きな効果が期待できる。
・ 私は「若者の味方」である。若者の可能性と力を信じ、「若者の応援団でありたい」。生徒についても全く同じ論理である。着任以来既に1億5000万円以上の投資をして教育環境も改善、施設設備の改造リフレッシュ工事を進めてきた。
・ 今までは全て教職員の給与となって消えていたものを少し生徒に回してきたのである。私が若者の味方だと言っても、別に「年寄りが嫌い、ベテランを排除」との論理ではない。ただ仕事もせず、努力もせず、給料だけが高くて「偉そうにしている」教職員を見ていると許せないのである。
・ ベテランはベテランらしく「イチローや兄貴金本」のような仕事をしなくてはならない。副校長の観察によると常勤講師の先生方は遅くまで残って仕事をしてくれているらしい。ベテランは早く帰って残っているのは常勤講師だけというのは頂けない。最も勉強することが多いから常勤講師の先生の居残りがすべて「業務、仕事」とは私は見てはいない。
・ セイムワーク、セイムペイではなくて最近読んだ本では「セイムバリュー(価値)、セイムペイ」だと言っている。その通りだ。人材育成評価システムで徹底的に能力・業績を明らかにして「適切な価値バリューの評価によって適切な処遇格差」をつけるつもりだ。

2008年4月10日木曜日

4月10日(木)春季例祭

1.春季例祭
・ 春の朝の雨、それは酷いものであった。風も強く、洋服や靴などずぶ濡れだ。本日は「春季例祭」、1,2限を使って行う。昨年までは午前中4限授業をして、その後例祭とし、そのまま帰宅させていたが、今年から例祭の後は6限まで授業だ。
・ 昨夕が合祀祭、今日は新入生を迎えての「神前祈願と誓いの日」だ。教職員と生徒の今年1年の健康と安全を願い、明るく学校生活が送られることを祈願するものだ。加えてこの1年間の我々の努力を見守って欲しいとの「誓い」も込めている。
・ 9時頃突如、雨が止み、「晴れ間」が出てきた。生徒は「教室での参列の形態」とするか「中庭に出して正規の方法」でやるか、思い悩んだが、「中庭で実施」と結論を出し、生徒を急遽中庭に整列させた。途中で雨が再度降り始めたらどうしようと「はらはら、どきどき」し通しであったが、何と式の最後まで持ってくれた。「神慮」を頂いたとしか考えられない。
・ 式を終えて「新校歌」をCDで披露する。壇上で校長がみぶりてぶりで独唱だ。もとより音痴だし上手く歌えなかったが「生徒は大笑い」で、座が緩んだことは間違いない。最後には「アンコール」の声が出たくらいだから、良い形で生徒には新校歌が披露できたと思う。
・ 今日は「直会(なおらい)」と言って神に供えられたものを共に頂くと言う神道では意味ある行事があり、生徒全員には1人一冊「ノート」が配られる。これで終了だ。全校生徒が集まる最初の行事であり、「学校としての求心力を高める」為にも大変良い行事だと思っている。
2.大阪府歳出削減 職員給与10%削減ニュースから
 ・今朝の読売だけが報じているのだが、スクープ、1面トップ記事で橋下改革チームが「職員給与を10%削減する」との案を最終的にまとめたとある。知事の意向を反映しているともある。これで効果が300億円で不足財源1100億円の大きな柱となるとしている。
・改革チームと言っても間違いなく橋下知事の考えであろうが、「警察官や教職員も含めて」であるから今後大きな論争が出てこよう。そうでなくとも全国レベルで低い自治体の代表格の大阪府が更に給与を削減したら「士気と人材確保に影響が出てくる」というのも分からない話ではない。
・しかし知事は『府民サービスを削って人件費を丸々残すと言うことは府民の理解を得られない』と強硬らしいが、組合の反発は避けられないだろう。しかし最後は「府民の民意」が決め手になるのではないか。
・しかしこのニュースは私学にとっても極めて重要な情報だ。昨日知事は最初の私立高等学校として「堺女子高」を訪問したらしいが、学園長から「私学助成削減は困る」と訴えられて、「何もコメントしなかった」らしい。やる気なのだ。
・府立高校の教職員の給与が10%削減されたら、「私立高校の教職員の給料はどうなの?」との議論が当然出てくる。先のブログにも詳細解析しているが府の進める「私学助成削減高校対象10%」が若し、なされたら極めて厳しく経営に影響を与えることは間違いない。どの私学も精一杯の経営状況の中で、この不足する財源の措置どうするのかと考え込んでしまう。
・一つの方法は「授業料の値上げ」であるが、そう簡単にはいかないだろう。難しい問題だ。特に本校は近隣や似たような学校に比べて授業料で大きく差がある。低いのだ。私学助成の削減があろうともなかろうとも授業料のアップを考えているところなのだが、いかにもタイミングがまずい。
・来年度、授業料を上げれば「先取り」と言われそうだし、上げなかったら「他の私学との格差」は残ったままだ。そして私立学校の中には「うちは上げません」と「ええ格好」するところもあるだろうし、新聞には「値上げした学校」「値上げしなかった学校」と報道されるだろう。有り得る話だ。
・微妙な問題になってきた。春季例祭で来校されたM職務代理と角つき合わせて相談するも結論が出ない。「困った、困った」。タイミングが極めて悪いのだ。大体本校は具体的数値は言えないが、府立の教員に比べて、給与が高いわけではなくてほぼ同じレベルであると推察しているが、公立が10%下げて来たら、当然「下げろ」、「下げなければ経常費補助金をその分下げますよ」と物言わぬ無言の圧力を感じる局面も否定できないから怖れているのだ。
3.給料の上がらない時代の到来
 ・もし大阪府が警察官と学校の教職員の給与を10%下げたら、大きな分水嶺を越えることにならないか。「最後の砦が崩される」感じだ。最も日本全国年収が200万円をきる勤労者が1000万人を超えたと報じられているから「時の流れ」という大学人や経済人もいる。
 ・テレビにもよく出ている森永某氏は「年収300万円で暮らす方法」とかの本を書いて有名になっているが、年収300万円というのは現在の日本の教職員平均の半分以下だ。6000万人の全国勤労者の中で1000万人が200万円以下だから、確かに教職員の給料は高いかもしれない。「しかしなー。そうは言っても学校の先生だ、給与が高いから誇りを持って仕事が出来る」という面もあるだろう。
 ・今年の春闘も福田総理がわざわざ経団連に「給与是正」を訴え、経団連会長も「出せるところは出す」と言ったが結局、円高、オイル高、米国サブプライムローン問題でそうならなかった。「もはや給料が全体として上がる時代は来ない」のでないか。30数年に及ぶ企業勤務時代の経験と勘でそのように思う。
 ・学校の教職員も「生活のスタイルの変更」が求められているのかも知れない。「一般勤労者と異なる生活パターンとスタイルが維持できなくなってきている」と感じる人は感が良いし、準備が出来る人である。
・ 高級車に乗り、タバコを吸い、高価な服に身を飾り、時に居酒屋で酒を楽しみ、月に1,2回はゴルフに汗を流すスタイルは、最も一般の勤労者にはないスタイルであるが、「できなくなる時代がそこまで来ている」と感じる人は常識人であろう。辛い世の中になってきたものだ。
・ 昔の大阪府の知事に10%もの給与の削減を言う人などいなかった。橋下知事は「なかなかやる」。しかし前途は険しいだろうな。私は私でしっかりと大阪府の動向を見守りながら「浪速教職員の生活を守る」ために戦っていかねばならない。「大阪府も夕張市になってはならないし、浪速も道頓堀「くいだおれ」になってはならない」。経営者にとっても舵の取り方が難しくなってきた。

2008年4月9日水曜日

4月9日(水)その2:新校舎建設チーム初会合

新校舎建設検討チーム初会合
1.メンバー
・ 本当は「パンパカパーン、パパパ、パンパカパーン」と派手に行きたいところだが、「先行き何があるかも分からない」のでアナウンスはしていなかったが、もうボツボツ内外に明らかにしても良かろう。「遂に浪速高校は新校舎建設の具体的な検討に着手」する。
・ 本日がその「初会合」だった。「チーム長」は老練Y教諭、体育の先生だ。今度の検討は武道場、プール、部活動部屋などが一つのポイントになる。それを考え、ベテランの先生にチーム長をお願いした。彼の有する建築のセンスは分からない。若い方が良いのだが許せる範囲と考えた。調整の力量があるから皆をまとめてくれるだろう。
副チーム長は二人、1人は事務のM主査だ。この人は学校の事務処理に精通しており「対業者との窓口と金庫番」だ。もう1人は若い美術のY教諭、パソコンは尋常ではない使い手、「美的センスを期待」しての抜擢だ。
・ チーム員に中堅のY教諭、国語科であり、類長だ。もう少し大きく見られる人物として当て嵌めた。大体この先生、この種のことが「お好き」だ。「好きこそものの上手なれ」という。良い仕事をしてくれるだろう。
・ それに女性教諭代表でK教諭、英語科だ。「女性の視点」でアイデアを盛り込んでくれるだろうし、教室設計などにも意見があるかもしれない。生指の部屋にこだわりがあるかも知れない。最後の1人は「最年少20台」、今年専任教諭に採用した先生だ。「フットワークの良さ」を買った。走り回ってくれるだろう。
・ 以上で6名、私を入れて「7人の侍」だ。何ッ?女性が1人いるって!そんなことは分かっている。彼女は武士道精神を有した「女サムライ」だから問題ない。新校舎検討チームは理事長直轄のチームとした。
2.建設のスケジュール
・ 平成25年創立90周年に「新校舎を仰ぎ見る」。着工ではない。要は「完成」させておかねばならない。まず今年は「発注者としての基本スペック」をまとめなければならない。20年度の仕事は「概念」と「基本仕様」の作成だ。
・ それに新築なった「他校の状況を目で確かめる」ことが必要だ。他の良いところを盗む必要がある。
・ 来年、21年度は我々の検討をベースにして、どこかの「設計事務所」に発注して「基本設計」と「発注仕様書の作成」だ。ここで「概略予算」を立てることが出来る。
・ 22年度は「ワールドテンダー」にかけて「ゼネコンを決定」しなければならない。ここが重要で「実力のある、しっかりした建設メーカー数社」に見積もり照会して「見積もり金額」を出して貰う。
・ その結果を理事会に図り最終的な「ゼネコンの決定」の運びとなる。すでに「新校舎建設は理事会の決定事項」であり、最終的に「Go !」をかけるかどうか、23年度の夏場となろう。
・ メーカーが決まれば工事着工は23年度秋口になえる公算が大だ。所管の官庁の承認手続きや近隣説明などの時間を入れても十分時間は取れる。23年の冬場から25年の春まで18ヶ月くらいあれば今日の建設技術からすると建物は立つだろう。
・ 平成25年秋、創立90周年この年の秋季例祭、浪速祭の頃に「竣工披露」だ。お祝いのパーティは難波の「スイスホテル」くらいで関係者をお招きし盛大に行いたい。夢は膨らむばかりだ。
3.新校舎建設のポイント
・今日の初会合でも強調したが「21世紀に燦然と輝くIT武装化されたシティ・スクール」でなければならない。「ダサい建物は作らない」「日本全国から見学者が殺到するような校舎」にしなければならない。
重要なパラメーター
*一足制か二足制か?メンテナンス費用と美麗さ維持には二足制か?否か?
*中学校と高等学校のクラス数をどのように見るのか?将来構想との兼ね合い
*武道場の集合化 剣道場、柔道場、ボクシング、弓道場、それにプール
         空手道場はどうするのか(今は体育館)
そして“武道場の外部開放” 年に2回くらい、各武道場を「外部に開放」し地域に貢献(小、中学生の囲い込み?)
記念講堂を新設  600人規模が入る講堂の保有
特別教室  視聴覚教室、LL教室、生物実験室、化学実験室、物理実験室
       家庭科調理実習室、家庭科一般実習室等々、
*図書室と保健室  特に保健室の場所が重要  救急車が横に着けれるレイアウト
最新鋭の職員室と各分掌の部屋、並びに各教科準備室
*地下駐車場のスペースと地下倉庫、校務員室  他
・建設にあたっては「仮校舎」を作るのか、作らない方法で行くのか?グラウンドは極力狭めないようにレイアウトを考える。工事の順序をどうすれば良いのか?授業をしながらの工事となる。
4.心構え
・本校創立以来の「一大プロジェクト」になる。検討チーム員は窓口であり、「教職員、皆で良いものを作るという意識と姿勢が重要」だ。
・予算は理事長が何とかする。既に私学財団などにも手を打っている。計画実現のためには「まず生徒募集」だ。生徒が来てくれる学校でなければならない。次に「我慢するところは我慢」だ。今日も出入りに教科書扱いの書店の女性社長が「先生、すごい人気ですね。こちらも助かっています」と喜んでおられた。このような学校であり続けなければならない。
着任して1年、新校舎の建設を口にすることが出来るところまで来た。「感無量」だ。絶対に実現する。不退転の決意である。

4月9日(水)合祀祭

1.カフェテリア使用開始
・ 待ちに待った「カフェテリアの使用解禁」だ。まず12時40分、4限終了後、「臨時の拡大校務運営委員会」を開き、メンバーにお披露目だ。隣接した4つの会議室も皆で巡視して回った。各委員も「良い物が出来た」と大変喜んでいた。
・ 生徒はすでにチャイムと同時に殺到しており、「開店人気」は凄い。120名はゆうに超えていたかもしれない。うどん、どんぶりもの、カレー、おにぎり、パン、それに自動販売機が並ぶ。
・ しかし問題は「売り上げ」だ。ただ観に来ただけのものもいるし、どうも自販機が一番人気だ。本日は初めてということであるが「ご飯もの」の人気は今ひとつ、やはり「カレー」が生徒には好まれている。
・ 無理に頼んで来てもらうことにした業者さんだ。教職員や生徒へのPRを考えねばなるまい。値段はぎりぎりの安さに抑えて貰っている。味だって悪くはあるまい。第一「温かい」食べものである。
・ コーナーの応接セットは私から寄贈したものだが、早速女子生徒が6人座り込んでカレーを口にしていた。丸テーブルと長四角テーブルの組み合せが良い。しかし何と言っても人気の的は『42インチテレビ』だ。
・ 生指は「視聴出来るのはNHKだけ」とリモコンを隠していたが、生徒はすぐ本体のチャンネルを触って「笑っていいとも」に切り替えていたな。想定どおりだ。カフェテリアサービスの会社からは社員さんが午前11時頃から14時ころまで来てくれる。今日は5名くらい働いておられた。
・ これで昨秋以来検討してきた「食堂改善プロジェクト」は終了した。この施設の管理責任者は正が保健体育部長、副が生徒生活指導部長とした。外部の方、PTA、同窓会、などの利用価値も高い。特に4つの会議室を有効利用するよう話した。
2.合祀祭
・ 本日は「合祀祭」の当日である。新年度になってすぐ執り行われる。前年度に物故された本校関係者の「御霊」を「祖霊社」に納めお祀りするのである。亡くなられた方のお名前を「霊璽簿」というものに記載し、御霊をお納めする「御霊鎮めの祭」である。
・ 昨年に続いて2回目となる経験だ。陽が沈んで辺りが暗くなってから、厳粛に行われる。私の執務室は神社の真横であるが、このときは「一切の電灯などは消され、真っ暗」になる。本当に厳粛な気持ちになる。幻想的でまるで映画のワンシーンを見るようだ。
・ 最終的に御霊は修抜の後「警ひつ」と言われるものの中に斎主に守られて「祖霊社」の中に静かに祀られるのである。本日は昨年亡くなられた今宮にある有名な神社の前宮司で本校の元「理事、評議員」の先生である。 私もここで何時かは祀られることになるのであろうか。
・ 教職員の出席は管理職、神道科の教諭は当然として「新規採用の専任教諭と常勤講師が参列」していたのは嬉しかった。特に常勤講師の先生は国学院で学ばれた女性の先生で、女性の常勤講師の参列は初めてではないか。「来るか、来ないか楽しみに想像」していたがやはり来られた。評価したい。
3.ホスピタリティとは
・「人を温かくお迎えする」「気配り、心配りで歓待する」とはどういうことか分かっていない。教員にはここ1年相当厳しく喫煙マナーとか服装、言葉使いとか指導して来たが、どうも事務室に問題が目立ってきた。
・この1年改革に次ぐ改革で目が行かなかったことはあるが、これではいけない。事務室は「電話の応対」「保護者の窓口」「来客の窓口」、言ってみれば本校の表の顔だ。第一印象で学校のイメージが決まるくらい大切な場所だ。
・素晴らしい応対はすべてに影響を与える。「良い感じの事務員だったわ」「こういう学校はすべてが良いに違いない」「管理職の指導が行き届いている」と直ぐいきわたる。前の学校では着任当初「電話の応対が悪い」と数回もクレームを受け、厳しく指導したことがあった。
・大体こういった人もスーパーや銀行の窓口、コンビニ、市役所の窓口の応対が悪かったりすると直ぐ文句を言うが、「自分のやっていることは「別物」だから始末が悪い」。要は「しつけがなっていない」「訓練されていない」のだ。
・学校の教職員は「サービスという精神」が身についていない。若い頃から「先生、先生」といわれてちやほやされることに馴れてきて、「自分が偉いと錯覚」してしまう。「偉いのは教師という職業」であって教員すべての人が立派であると思っている国民は一人もいない。
・同じように事務員もそのような教員を見ているから「サービスという概念が分からないのだ。決して世間相場で言えば安くは無い給料で「いい加減な仕事」では先行き思いやられる。まして本校は私学、私企業だ。客によって経営が成り立っているのだ。
・来客が来ても、すぐお茶は出さない、何時までも湯飲み茶碗を部屋にほったらかしにしておく。今日の合祀祭ではお弁当を出し放しで、大体19時30頃こんなお弁当食べるはずはなかろう。皆さん、お持ち帰りだ。直ぐ考えたら分かるはずだ。
・校長がお帰りのバッグを探す、事務長がうろうろ紙袋を探すが、お弁当みたいに薄いものは通常の紙袋に収まるはずがない。直ぐ中身がひっくり返るのはちょっと考えたら分かるはずだ。中には電車のお方もおられる。弁当を横にして電車に乗せるのか。大した弁当でもあるまいに。「彼らの仕事は結局、弁当を出しとけばそれで仕事は終わり」なのだ。
・ご遺族も同窓会長も、PTA会長も急いでお帰りだ。皆毎日が忙しい中を調整して来校して頂いている。「どのようのお迎えするか」「どのように帰っていただくか」が問われているのだ。何時も正門の門の開閉は校長が指示する。こんなのありか?もっと「真剣にやれ」と言いたい。
・新事務長の大きな仕事は事務長系列の部下の指導だ。「部下の人気取り」で「優しく」では事務長の仕事とはなるまい。「民間出身だから分かっているはず」だ。皆が仲良くするのは大変良いが、みんなが「仲良しグループ、赤信号をみんなで渡れば怖くないでは困る。」事務系列の職員は「人に応対するプロ」にならなければならない。こういう点に関して、社会で一般的に言うところの「厳しい」が、「これが私の仕事」だ。

4月8日(火)入学式

 些か「過ぎて」、遅く帰着。昨日は大変忙しい日であったが充実していた。「何と気持ちの良い日」であったのだろう。教職員は本当に良くやってくれた。この数ヶ月、節目節目で緊張する場面が多かったが、すべて「順調」に推移した。「神のご加護」を感じざるを得ない。「入学式を済ませ新たな出発」の気分となる。
1.始業式から
・ この春休み中、全員事故なく揃ってくれた。天気にも恵まれ中庭にての「始業式」となる。式に先立ち「神前奉告の儀」が挙行され、生徒による「浪速生活の綱領」が唱和された。中々良い雰囲気であった。新しく来られた先生方のお顔には驚いたものがあった。
・ 私からは施設設備の完成と入学生の件、特に「3年生の進路決定」について強調して話す。静かに聞いてくれていた。
・ 初めて男子制服と同じブレザー、ズボン、ネクタイをつけて壇上に上がり、「校長も男子生徒と同じ制服を着たよ!」と披露したが「すべらないまでも」、それほど大きな笑いは取れなかった。最も笑うものではないが。「?」
2. 管理職朝会
府の橋下改革、「私学助成カット」を話題。遂に具体的数値が出て来た。各紙トップ記事に近い。私学経常補助金について「高校は10%程度の削減」を考えていると報じている。大変なことになった。義務教は20%というから大きい。
・ 額で数十億になるが、私が予想したとおりだ。今回は授業料軽減措置分には手をつけないという。その他府立体育館の売却とか報じられているが、今後の展開には要注意だ。高校で10%削減と言うと生徒一人当たり、3万円程度の削減となり経営に与える影響は小さくない。
・ 「転校生」の様子が気になっていたが、高校3年に編入してきた生徒は上手く着陸できたそうだ。これは恐らく「担任のT先生」の持っていき方の成果だ。この先生は「中々やる」。評価したい。果たして中学校の転入生はどうであったのか、気になる。
・ 「 教職員慰労会と歓送迎会が5月9日に仮決定」となった。今後場所とか事務長先生が進めてくれると思うが、昨年の天王寺の中華料理店はもう結構だ。新しいところを期待致したい。今度は各理事にも出席を願っている。
3. 校長制服姿その後
・ 式が終わって中庭にて生徒に捕まる。「ダサい」「校長先生だけブレーザー金ボタンはずるい」「よう、似合ってるわ」などなどやはり「反響多し」。良かった。
4. 2年生、3年生クラス写真撮影
・ ホームルーム終了後各クラスに分かれてテニスコートでクラス写真、今日はまさに桜が満開、第2グラウンドでの写真撮影で写真屋さんも場所が良いと大変喜んでおられた。
5.入学式
・ ブラスバンド部が中庭ピロティで歓迎の演奏をする中でまず「神前奉告の儀」が執り行われた。続いて新入生代表と神前のお参りだ。太鼓が鳴り響き、雅楽の演奏が入り、在校生の担ぐ神輿が空に舞う。「持てるもの総てを出しての歓迎だ」。人を迎えるときはこうでなくてはいけない。
・ そして場所を体育館に移し入学式だ。「凄い!」の一言しかない。晴れやかな生徒と喜びにあふれた保護者が会場一杯に集う有様は「圧巻」であった。詳細はホームページに掲載されるだろう。
6.理数科SS及びⅠ類の生徒保護者集会
 ・全員を新館に集め「校長の思い」を熱く語った。要は「徹底的に鍛える」ということを生徒保護者に言明した。3年後の進学実績を問うために「やれることは何でもやる!」ということを校長自ら宣言した。
・生徒保護者から「息遣い」が聞こえてくるくらい、気分的に盛り上がった会合となった。3年間徹底して「面倒を見る」ということを言い、国公立大学をまず考えるようにも言った。
・ 笑いあり、緊張あり、とにかく新制度でのスタートとなった理数科SS, 普通科Ⅰ類3クラスであったが、生徒の顔は「大変良い顔」をしている。保護者は「安心感」で時に笑みがこぼれる会合であった。
7.PTA役員をカフェテラスにご案内
 ・改装中の「今後PTA役員会などはカフェテラスを使ったら如何ですか」ということで役員の皆様をご案内した。立派な出来上がりに驚いておられ、話は決まった。今までは新館の部屋を使っていたが、生徒が増え、あまり好ましくないなと感じていたからである。
・ 保健体育部長が現在「使用基準」を作成中だ。カフェテラスに隣接して会議室が4つもある。今回の食堂改造はまたまた「ヒット作品」になりそうだ。しかしこれで大きな設備改造は終了だ。今後は「ケチケチ作戦」に切り替える。
8.会食
 ・飲みすぎた。「反省

2008年4月7日月曜日

4月7日(月)学級編成

 さあ、明日は始業式、そして午後から入学式だ。新しい年度が今始まる。気を引き締めて頑張っていこう。20年度の新1年生の「学級編成」は果たしてどのようなものか?
1.一クラス当たり生徒数
・ 1学級当たりの生徒数が「どれくらいが適正規模か?」は難しい命題である。私も答えを持っていない。組合は何時も30人学級とか35人学級とか教条的に言うけれども、納得でき得る客観的数値や説明を、目にしたり聞いたことはまだない。
・ 大体「学級」なるものの言葉の定義はどこにも書いてないが、学校教育法施行規則他法令本には多く出てくる。「学校教育の目的達成のため、継続的に組織する児童生徒の生活または学習上の単位となる集団」と持って回った言い方が一般的な捉え方である。
・ 少なければ少ない方が良いとは限らない。本校でも遂1年前までは中学校で一クラス数名で授業をしていたが、まるでこれでは「」みたいで、これで「集団としての学校教育効果」が上がったとは理解していない。高校の英語集約コースも30名以下で行っていたが、どうなんだろうと思う。
・ 我々の世代は50人学級やそれ以上の時もあったが、その後時代と共に45人学級、40人学級と来て今日、「40人学級が普通」だ。これは文部科学省の教員数根拠になっている「法的数値」である。教職員定数の標準等に関する法律(高校標準法)が根拠である。
・ まず小中は同一学年前提で40名であり、2学年の場合は16名となる。高校は「同時に授業を受ける一学級の生徒数は40人以下とする。ただし特別の事由があるときはこの数を超えることが出来る」とあり、やはり40名だ。 「私立高校は学校教育法施行規則により50人が上限」とされている。
・ しかし行政区によっては35人学級とか30人学級とか自らの裁量で行っているところもある。大阪府でも前太田知事は義務教育の35人学級を言い、今度の橋下知事は「そんなものは必要ない」と最初に発言した。
・ 実はこのクラス定員は「教員数に直結する数値」であり、もろに「教員配置の国庫負担金」に跳ね返り「財政支出を伴う」。かって会計検査院から幽霊児童生徒を捏造して教員加配をごまかした学校が厳しい指弾を受けたが、それくらいその数値は大切なものである。
・ 本校では平成16年度が底で男子校最後の年であったがこの年、クラス数は8、一クラス平均は30名であった。中学はここで書けないくらい少ない数値であった。
・ 気を付けなければならないのは一旦その年度でクラス定員が決まれば「卒業までの3年間この状態が続く」ということである。それも「おかしな話」で変えられれば変えれば良いのだが「学校の教師は一旦決めたことは変えない習性」がある。
・ 翌年、17年度は共学初年度でクラス数も11に増え37.8人に回復する。しかし18年度は課程コース数が6つもあり調整が上手く行かず、クラス数は14に増えても一クラスあたりは34.5人と義務教育並みの数値に落ちる。
・ 19年度着任して私はすぐクラス数を14から12に調整し40.25人とした。これが「息を吹き返す原動力」となり、20年度の今年は15クラス41.2人と理想的状態となった。この数値が「浪速復活ののろし」となったと考えている。
・ そのために類制に変えて6つの科コースを4コースに削減したのである。即ち「容器の数」を減らせば容器一杯入れられるという寸法である。入れ物6つでは一瓶当たり33%ほど目減りすることはあたり前だのクラッカーなのである。
・ 確かに「今日的生徒」を観察すれば「教師の目の行き届き易い少人数が良い」という論拠は分からぬでもないが、「教師の側のポテンシャルのアップ」の議論がないのは寂しい。「ちょっと余計に教師が気を張れば済む話」もないわけではなかろう。「ただ少なければ良いとの意見には私が賛成できない」のはそのようなところにある。
・ 高校生になって40人以下であるべきという根拠は義務教育ほど伝わってこない。行政も然りだ。それよりも課程で3クラスある場合は3クラスを「発展別に区分けして指導」することの方がより教育効果を上げることは間違いない。「習熟度別授業」だ。
・ 特徴ある性格を有した仲間の中で揉まれ、他を知ることは特に高校生では必要である。自分にないものを有するクラスの仲間は教師以外の有力な教師に成りうるのである。今後とも弾力的にクラス編成をしていきたい。
・ 何時もこの話になるとM理事長職務代理は昔「数年前、一クラスが40人を超え、一部教員から猛反対されて、泣く泣くクラスを『二つに分けた』ことを話される。何時の事だろう。結局そのような行為が「経営の脚を引っ張り、自分の処遇に跳ね返ってきている」ことに気がつかねばならない。
・ 今年理数科SSコースは40人を遥かに超えた数値となったため、些か悩ましかったが、理数科長(担任兼務)が絶対一クラスで行きたいと申し出てきた。私は2クラスでも良いと覚悟していたが彼には彼の考えがあるらしい。
・ Ⅰ類3クラスとSS1クラスを習熟度別に展開し、「1年終了時に再編成」できるというのだ。最初の段階は大勢の中で切磋琢磨した方が良いと主張するのである。この先生は時に説得性があるから今回は受け入れることにした。
・ そのために50人は楽に入る「地学階段教室を視聴覚教室に改装」して「50インチプラズマテレビを2台購入」し、河合塾や代ゼミの教材を使えるような環境に急遽変えることとした。どうしてもやりたいという教員の熱意に応えてやるのが校長の仕事だ。
・ 上町台地にある有力私学を覗いてみればすぐ分かる。ロッカーなどは外にほうり投げて詰め込めるくらい詰め込んで授業している。それで進学も生活規範も素晴らしい実績を上げているのだ。これを見習えとは言わないが「金科玉条的に少なければ良いという単純発想の持ち主に私は腹が立つ」のだ。
・ 「クラス編成権は明確に校長」にあり、それを5月1日付けの時点で校長が都道府県知事に届けなければならない。一部の教員が単純に「減らせ」と言うようなものではないのである。「私学助成金は教職員数に明確に反映されており、」そこを分からなければならない。