2009年2月10日火曜日

2月10日(火)高校入試当日

・ 昼休みに近くの病院に診療に出かける。昨年から「校医」さんを頼んでいる若くて中々良い先生だ。「高血圧の診断」をして貰うためである。その側には薬局があり何時もそこで薬を処方して頂く。もう皆さんとは「顔なじみ」である。
・ 「先生、すごい数の生徒さんですね」と言われてしまった。朝JR我孫子駅を降りて薬局の前を通っていく生徒で「驚いた」と言われたのである。「悪い気はしない」。遂に高校入試の当日である。
・ 今日は全員が7時45分の出勤、受験生で早い人は7時半ごろには学校に来るから、整理のためには教員も早い。しかしピークとなる8時頃には「中学生の洪水」みたいに正門に飲み込まれていく感じだ。私はこの光景を見るのが大好きで「機嫌」が一挙に良くなる。しかし「2460名の生徒というのは相当な迫力」ですよ。
・ 8時10分職員室に全員が集まり、私から短い挨拶と教務部長からの注意事項がある。その後部隊は「図書室」に移りそこが今日の「入試本部」である。広さが丁度良いのだ。そして試験問題が「大型金庫」から取り出され運ばれてくる。入試広報のある室員はその数を見て「感無量」だと言う。一時期は600部くらいの時もあったという。
・ 今日は全教職員は「しっかりとした服装」で「厳粛な受験となるべく」を形で見せて呉れている。マスクをしていた先生が結構目立った。欠席は1名の先生だけで、昨日の会場準便作業で「ぎっくり腰」になったそうだ。
・ 8時45分、きっかりと最初の科目である国語が始まった。試験開始前に「試答」と言う作業があり2人の教員がもう一度問題用紙と解答用紙の不備をチェックするのだ。若し何か発見すれば全受験生に試験前に説明して「適切な対応」を取ることになる。問題はなかった。
・ 「数名のインフルエンザの生徒」もこの日ばかりは休むわけには行かず受験に来るがこういう生徒は「特別室受験」となる。一般教室で受験させるわけにはゆかないからである。それ以外に突然の体調不良なども起きた場合を考え「保健室は特別体制」だ。
・ 壮観な光景は試験が終わって監督の先生が問題と解答用紙を抱えて引き上げて来た時だ。「ワッと人が増える」のである。そこで問題用紙を本部役員が受け取り解答用紙は所定の位置において再度ここで枚数などを確認する。そして次のクルーが試験問題を持って教室に出向くと、「ワッと人が居なくなる」のだ。「潮の満ち引き」のようである。
・ すべては「チャイム」が知らせてくれる。このように受験の日は「校内放送」が重要な役割を果たしてくれる。節目節目で説明が入るため混乱は起きない。「しゃべるシナリオ」もしっかりと出来ており今日は英語科の女性教員が放送を担当していた。聞き取り易い声であった。少し語尾が甘えるように聞こえるがね。
・ 昼食は「お弁当の支給」である。アルバイトの高校生と教職員では当然、中身が少し違うらしいが全員に仕出しだ。落ち着く暇もないので恐らくかき込むという感じではないか。しかし私は満足していない。あれほど言ったのに「ボリューム感が全くない」。かえって寂しくなった感じだ。
・ 「今年は200円上げて1200円」としたのに付き出しみたいなおかずに干からびた3ミリ程度の鮭の切り身であれは「詐欺に近い」のではないか。若い先生が多く、「今日は肉体労働日」だから昨年から言っているのだが大体「事務の人間が少食で上品」と来ているから何時もこんなことになる。メーカーを変えろと言っても何時も同じだ。明日の弁当も期待できないだろう。
・ 私は部屋から時々図書室に顔を出す。教務と管理職が解答用紙を厳重に管理して今度は受験番号と本人の氏名に加えて採点番号みたいな新しい番号を当て嵌めて一切「受験番号と採点番号とが一致しないような作業」をする。どのようにやるのか私にも分からない。これで絶対誰の解答用紙か分からないのだ。最終発表までこれで行くことになる。
・ 堺市の中学校の校長先生からお電話があった。インフルエンザの生徒は今日中に面接試験をやると入試本部が決めたことについての感謝であった。「ご配慮有り難うございます」と丁重に言われてこちらが恐縮した。「面接担当の教頭の素晴らしい判断」であった。
・ このようにして2時55分全く混乱なく試験は終了した。私は大体意地が悪いのだと思うがこの時は正門で受験生を送りながら「どう、出来た?」「難しかった?」と聞くのが唯一の楽しみなのである。入試説明会で私の顔を覚えてくれているのか、笑いながら素直に答えてくれる。「数学が難しかった」という生徒ばかりだった。
・ 帰りは班に分けて少しづつ混雑しないように正門から出していく。本校は便利な場所で南海我孫子前駅、JR我孫子駅、御堂筋線の我孫子と三つの駅があるがそこに教員を待機させ、「事故のないように交通整理」だ。こういうところは「浪速の良いところ」である。鼻が高い。
・ 終わったからと言って教員はすぐ帰れる訳ではなくて長椅子を取り出して普通の教室に教員の手で戻すのだ。「現状復帰」でその後、明日の「面接会場の準備」となる。今日は17時10分が勤務終了日としている。このようにして「頑張ってくれている教員を見ると私はいとおしく、優しく」なるのだ。
・ 16時10分教務部長が報告に来て呉れた。「見事な入試作業でした」と慰労したのである。4月から指導教諭となるこの教務部長と「二人のY教諭という補佐役」がこれまた素晴らしいのだ。これに情報委員長も教務兼務だから「本校の教務部は強い」。
・ 夕刊は当然のようにして「私立高 京阪神入試スタート」と見出しだ。ここでもまた「不況の影響で受験校を公立に絞る受験生が増えているとみられ、各府県とも志願者は減少した」とか書いてある。もう書かなくっていいからと言いたい気分である。
・ 産経は大阪高校の写真を使ってわざわざ2297名の受験者を集め、定員320名で府内最高の7.18倍を記録したとあるが、「数では2462名の本校の勝ち」だ。倍率も定員を400人から同じように320人にすれば本校は7.69倍で断トツなのになーと思うが、「マッ!いいか!」。
・ ある新聞は又ここでも早稲田摂陵について触れ、245人の募集に対して出願が29人になったと又わざわざ記事にしている。あの名門摂陵が外部志願者29人で新学年を迎えざるを得ないのか。他人事ながら気になる。教職員はどうなるのだろうか。若し私がここの校長だったら今頃は「荒れ狂っているだろう。」
・ 生徒を夕方正門で見送りながら感じたのであるが「どうも今年は賢そうな顔をした生徒ばかり」に見えてきた。それに服装も良いし、「挨拶も出来る」。「ウーン、楽しみだ」。これは入試広報担当の教頭先生も同じことを感じているらしい。でもまあ、「油断は出来ない。彼らはすぐ豹変するからな。」
・ しかし夕刊には私立高を巡る「苦しい記事」もある。それは「授業料の滞納者が増え」ているという事実だ。全国の私立高校1321校を対象に調査し、「20年の12月末時点で24500人が滞納し2.7%に当たる」という。これは19年度末の調査時に比べて「9ヶ月間で約3倍の増」となっており、塩谷文科省が本日の記者会見で明らかにしたそうだ。「「滞納者への対応をしっかりとしたい」と述べたが何をしてくれるのか具体的に示して欲しいものだ。
・ 地域別では九州ブロックが5.7%、次いで北海道・東北が4.5%、一番低かったのは東京で1.3%、次いで関東ブロックが1.6%、中部は2.0%で「近畿は2.5%」である。ちなみに本校はゼロ%。
・ 本校は事務室と教員のタイアップで卒業間じかの「中学3年生と高校3年生の授業料滞納はなくなった」。即ちゼロであるからこれも特筆的である。それは「減免制度の活用」など親切に保護者に説明したり、熱心にご理解を求めたからであろうが、基本はやはり「本校の教育を評価頂いているから」だと私は思っている。
・ 本校は「授業料が払えず退学になった例はない」。しかし他校では現実にある話で厳しい世の中になっていく。それだけに昨日のブログ「ゼロ・トレランス」ではないが「一人の生徒を大切に大切に」していかねばならないと思うのである。