2009年2月23日月曜日

2月23日(月)塾業界が元気

・ 「塾業界が今元気だ」。少子化の中だから経営の苦しいところもあり、大変だと思うだけに、今塾業界が元気だなどは直ぐには信じられないと、普通はそのように考えるが、実態はそうではないらしいのである。私の友人の一人である民間教育連盟の森本一会長は次のように語っている。
・ 「私塾界ほど元気な業界は今他にはない。市場の縮小にひるむことなく常に新商品開発やM&Aなど時代の潮流をすぐに受け入れ変化し続けている。ゆとり教育時代の失われた期間を支えたのは間違いなく塾。私塾会の柔軟な発想や行動力に学ぶべき点は多い。」
・ 何か何処かの電気製品を作っている会社のトップの話みたいな言い回しに聞こえるが、ポイントを付いたコメントである。常に「現状打開にチャレンジ」し、「立ち止まらない私塾界」である。もっともっと我々、「私立学校の人間が塾業界に学ぶべき点は多い」。
・ 森本会長とは私が府立高津高校に赴任した時からのお付き合いである。入学した新1年生を預かって貰い、「ウィン講座」として土曜日に英数国で特別講習を始めた時に随分とお世話になった。
・ しかし「スタートする時には本当に苦労」した。その辺の苦労話は1月9日のブログ「橋下知事による公立教育改革」の中で少し触れているが「本当に大変」だった。ところがあれから6年もすると公立の小学校や中学校や一部の高校に「塾の先生が正々堂々と正門から入って教室で講義する」時代となったのだ。「時代は変わった」ことを痛感する。
・ 「塾の市場規模」について文科省の「子どもの学習費調査」からある民間会社が算定したものを2月21日の大阪日日が報じている。それによれば「08年度総額が1兆4011億円」と言うから「巨大な市場」である。
・ 小学校が4492億円、中学校が6193億円、高校が3326億円の内訳であるが小学校、中学校の数値の大きさに驚くではないか。私の時代などでは小学校からの塾通いなどは余り聞いたことがない。中学の塾も本の一部であったが今や塾は学校に並び立つ「立派な社会の教育装置」である。
・ 要は塾は「社会的に認知」されたということではないか。一頃の文科省や学校関係者の「塾いじめ」みたいな冷たい視線を思い出す。「ハザマ産業」などと揶揄したりしてね。塾の先生の「肩身が狭かった」時代は長く続いた。
・ 金融不安に端を発し各業界が縮小方向に走っている中で「学習塾業界」は依然として前向きである。そして今塾業界に起きている風は「合併買収(M&A)」や「提携」などの「再編」であるという。そしてその「動きはますます加速」されているという。
・ 一つの特徴は「低年齢からの囲い込み」だという。特に大学受験予備校は小学生から予備校生までの一貫教育構築の動きが特徴で東進ハイスクールは中学受験の名門四谷大塚を買収した。ドン欲というかすごいエネルギーだ。
・ もう一つの大きな特徴は「学校に出来ないサービスの商品化」であるという。これも私が思っていることと一致する。塾業界はこれまでも時代の変化に合わせて指導スタイルを変えてきた。「学校ではない塾は学校ではできないサービス」が「売り」だという。その通りだ。
・ 当初の謳い文句は「学力別クラス編成」であったが、今の主流は学校で学力別が普通に成ってきたから「生徒一人ひとりに対する個別指導」が生まれてきた。日日の新聞記事によれば「指導スタイルはここ10年で大きく変化し現在は個別指導が4割までシェアを拡大」したと言う。これも分かるような気がする。その他大勢の中での指導」ではなくて「私だけ、僕だけ」の指導スタイルだ。
・ 大阪で開成教育セミナーなどを展開する成学社は時代の潮流を見て個別のシェアを拡大している。ここの太田社長も友人の一人で親しい知り合いで、中々のやり手で昨年8月には株式上場を果たしたが、今後は収益構造を集団50%、個別50%に計画していると言う。
・ 一方では「集団指導の強みにこだわる塾」もあり典型的なところは浜学園だ。神戸女学園と灘中学に全国トップの合格者を出す最強と言われる塾だ。ここの特徴は「塾生同士の競争意識をかきたてる」やり方と「復習主義」と言われる独特の指導方法である。
・ そして今注目されているのが「インターネット上の仮想学習塾」だという。パソコンのインフラが整った今、「ネットスクールへのパラダイムシフト」は現実味を帯びている。大阪のメリック教育システムでは「個別指導もそろそろ頭打ちの状況。デジタル教材の活用が今後の個別指導の行方を左右する」と予測している。
・ 又近畿圏を中心に学習塾やIT教育を展開しているウィザスは昨年直営の第一ゼミナールの「ネット版学習塾」を開設した。テレビ会議の機能を応用して会話しながらの指導システムを開発したりとお互いが「知恵比べ」の様相を示してきている。
・ その内に「自宅が塾に早や代わり」になるのも近いのではないかと報じている。このようにして考えれば私立学校も「ぼやぼや」出来ない。私は今「次の一手」を慎重に考えている。そのキーは「土曜日の使い方」だ。
・ 私立学校は考えてみれば「柔軟に発想できる」ところが特徴である。公立は「売り」を謳う事は出来ないが私立は「売り」がないとやっていけないのである。他の私立と同じようなことばかりやっていったのでは意味はない。
・ 手にした「分校」ともいうべき「多聞尚学館の活用」と「新たな視点での土曜日の使い方」が戦略である。「授業は月~金で済ませ」、土曜日をどのように活用するか。本当の意味で「生徒の為」にたったカリキュラムの検討が必要だ。
・ 本日の校務運営委員会で「土曜日活用検討チーム」の編成を指示しメンバーも決めた。短期間で答申して欲しいと思う。大々的に平成22年度の入学者から展開する。勿論在校生にも適用できるものはしていく積りだ。
・ 日本を代表する「日能研」が2009年・2月号の「日能研新聞」に本校を取り上げていただいている。物凄い大きさの記事だ。「憧れの私学へ」「関西私学大百科」に本校の「新春拝賀始業式」が写真付きで載せられている。それだけ「期待」されているという証明だ。頑張らねばならない。
・ 橋下改革は「超エリート10校」を作るという。これは公立の売りだろう。本校も「超エリートクラスを徹底的」に作って高めていかねばならない。「完全習熟度の徹底」と「演習による実践」「繰り返しの反復教育」「選択と集中」この辺がポイントになるのではないか。
・ 今までは教員の「労働負荷の平均化と持ち時間の均等化が学校文化」であったが今後は「生徒への負荷の与え方」に「教師の労働付加が左右される」ということだ。曜日によっては教える時間がないときもあれば、朝から晩まで連続して教えると言う場面もあるだろう。いずれにしても答申を期待したい。