2009年9月5日土曜日

9月5日(土)英語教育の偉大なる実験


・ 「英語教育の偉大なる実験」として今年に入りまず「英検受験」「TOEIC BRIDGE」「TOEIC」の3タイプを実践した。英検については極めてポピュラーで現在の高校生には定着していると言っても良いが「TOEICについては初めての実験」で今後の課題と本校では捉えている。
・ まずTOEIC BRIDGEを高校2年生の2クラス72名に7月24日に受験して貰った。BRIDGEは「TOEICの簡略版」と考えても良いもので、「対象は中学生や高校生」である。「180点満点で英語力」を見るものであるが、結果は予想以上に良い成績を上げてくれた。
・ 100点未満の生徒はいなくて「平均が132.4点で全国高校性平均の118.5点」を大きく上回っている。半年前の1回目に比べて平均点が17点も向上しているのは素晴らしい。
・ しかし細かいところをみると「リーディングは強いがリスニングがいささか弱い」。ここは「一工夫」いるとKとM両先生に言ったところである。リーディングもまだ「語彙力」が足らない。
・ 生徒のアンケートを見ると「英語を学ぶ目的」としてまず当然「受験のため」がきて、次に「国際化に向けて」との回答が少し増えていたのは嬉しいことである。「朝礼」などで校長から「国際化、グローバル」などを繰り返し言っていることも効いているのかと思う。
・ 「一番伸ばしたい分野」はとの問いにはやはり「リスニング、会話、リスニングと会話」で68%もあり運用能力として「対面コミュニケーションの能力」を高めたいと思っている比率が多くなったのは「力が付いた」と実感しているからだと思う。更に上を狙っているのだ。
・ TOEICや英検が生徒にとって「社会で資格を持っていることが有利」と考えていることも分かったが、良い傾向でこの厳しい世の中で「先のことを考えて」いることが大きな「動機付け」となっている。
・ 「TOEICと英検のどちらを重視するか」という問いでは「両方頑張りたい」と答えた生徒が昨年の1回目は45%であったが2回目は68%と上昇した。これは「前向きな姿勢」が現れた証拠で私はこの「チャレンジ精神」を評価したい。
・ さて今度は本格的な「TOEIC」であるがこの8月24日に高校3年生47名に受験して貰った。英語の出来る生徒が主体である。990点満点で最高点が585点の生徒が出た。「英検2級合格者の平均で452点」となっている。
・ このテストは「2時間で200問を解く」かなりかなり厳しいもので「受験の訓練」が必要であったが今回はその時間は取れなかったようである。ちなみにTOEICによれば「全国高校3年生の平均スコアは394点、大学4年生が499点、大卒新入社員の平均スコアが460点」と言うことになっているので本校の2級合格者の平均452.2点と言うのはかなりレベルが高い。
・ さてこれからの問題として「英検は全員受験を義務」付けているがTOEICをどうするかである。「ブリッジとするかTOEICにするか」であるが結論は出たように感じる。「TOEIC一本に集約すべき」であると私は感じているが先生方が決めればよい。
・ まず「外国語系学部や大学ではTOEIC指定」でありスピード、分量、レベルどれをとっても格段に難しくなるTOEICのほうが実践的であり、これを「指定校推薦入学条件」などで指定している大学が多い。やるなら「難しいほうに挑戦」して欲しいと考えるからだ。
・ 英語は確かに学問の一つではあるが「訓練の対象」でもある。訓練こそ唯一の実力向上の決め手であると私は信じて疑わない。したがって最後は生徒の努力となるが、そこに「英語教師の腕の見せ所」はあるのではないか。
・ 今回もBRIDGEは英語科のKM教諭コンビが担当してくれ、TOEICはH教諭が指導してくれた。彼らの力でこのような素晴らしい結果が出たのは間違いないことである。生徒がやる気になり先生が指導したら「学力は付く」と言う証明がなされた。「私はとても幸せな気分」なのである。
・ 今年は間に合わないが来年からはTOEICのスコアを校内指定校推薦の条件とする方向で進路指導部長に指示しよう。又TOEIC訓練のために「TOEIC e-ラーニング」を導入する方向で新館の大教室を改造することも決心した。「生徒への支援」である。
・ 更には「語学研修制度」を再開することもすでに決めている。幅広く生徒対象を広げ「3月頃にオセアニア方面」も対象にして考える事とした。シドニー、メルボルン、ウェリントンなどは安全面でも良いのではないか。従来の7月実施の比較検討をするように英語強化チームに指示した。何か「ユネスコ」関連もあるらしい。
・ 又2学期中に「関西大学」の先生にお越しいただいて「ご講演」を頂く手筈も整えつつある。どうも観察していると「英語の勉強」は外国語だけに「生徒の心が拡がっていく」ようにも見える。
・ 今年から始めた「浪速英語教育の新しい展開」は順調な滑り出しを示している。これも「英語科教諭の頑張りのお陰」だ。「ありがたい」。私は早速次回のTOEICの受験料の1/2の学校負担を決めた。「頑張る生徒への応援歌」である。
・ 昼に弓道部員一人ひとりに「矢」をインターハイ出場褒章としてプレゼントしたのだが運動部にはこの種の支援があっても勉強にはない。「英語クラブ」として扱い、一人1500円程度の支援は大したことはない。200人居ても30万円である。
・ 「英語科教員に人材」が揃ってきた。大変結構なことである。様々なタイプの教員が居て良い。皆仲良く生徒にしっかりと向き合ってくれている限り「教育の手法は教員が考える」ことだ。私はそれの「支援と結果トレースと評価が仕事」である。
・ ある教科では教員間で「足並みが揃わない」という声を時々耳にするがそれは絶対に許せない。犠牲になるのは生徒である。教員がそれぞれの「教育観」を持つのは勝手であるが、「個人の教育観をサボリの言い訳」に使ってはならない。
・ 生徒のやる気を待つとか、生徒の自主性を尊重するとかは「自分がやらない言い訳」に過ぎない。十年待ってもやらない生徒はやらない。やるように「仕掛ける、仕向ける」のが教師の仕事であり、腕の見せ所ではないのか。教師とは「必中勉強仕掛人」であって欲しい。
・ 今年「校鳥(スクールバード)」として「ふくろう」を制定したのも「学問の象徴」としてじっと生徒と教師を見守って欲しいからである。「ふくろう」は眼光鋭く我々の活動を凝視している筈である。