2009年9月22日火曜日

9月22日(火)俳優津川雅彦氏


・ 最近面白い「対談集」によく当たる。先には在日の辛珠玉氏と政治家の野中広務氏との対談単行本のことを書いたが本日の紹介は月刊雑誌である。「WILL別冊号」で「暦史通」というのが正式なタイトルである。
・ この中に「特別インタビュー」として評論家の「加瀬英明」氏と最近は映画監督でも売っている俳優の「津川雅彦」氏との対談がある。「国と歴史を語って何が悪い」という見出しタイトルであった。
・ この「国と歴史を語って何が悪い」という言い方というか「物言い」に、あの俳優の津川さんの「口吻」を感じるではないか。この津川さん、1940年京都のお生まれだから69歳におなりか。映画界名門の出身である。
・ 私はこの対談を時には大笑いしながら読んだのであるがこの癖のある俳優を一挙に好ましく思った。「なるほど」、この人はこういう人物であったのかと今さらながら「感心し得心」し、賞賛するのである。
・ とにかく「面白い」のである。彼の持つ視点は大いに自分自身の物事の見方に「栄養分」を与え、「思考の幅」が膨れる。勿論異なる意見の部分もあるが「大人の男」が70歳近くなるとこのように「熟成」してくるのかと思えば「自分もああなりたい」と思うのだ。
・ 88年の「プライド 運命の瞬間」で東條英機役をやったときの裏話から対談は始まる。この映画に猛反対したのがあの有名な山田洋次監督でこの作品がアカデミー賞のときに津川さんはこの山田監督に「おーい、共産党!」と叫んだと言うのである。笑ってしまう。
・ 津川さんはあの「村山談話」で有名な元社会党の村山総理を評して「あの人にそんなインテリジェンスはありません」といい、その理由は「日本文化の本質に無知」だからと言っています。
・ 次に映画を作るとすれば「大東亜戦争は正しかった」だといい、そうすれば中国韓国北朝鮮だけでなくアメリカなど世界中が話題にしてくれ大いに宣伝してくれるだろうと言い放っている。要は「日本人が自分の国とその歴史を語って何が悪い」と言っているのである。大笑いだ。
・ 更に続けて「今どの企業も団塊の世代がリーダーシップを取って幅を利かせていますが、この世代は左翼の影響を受けている一番ダメな日本人」だと切って捨てています。私などもやばい世代です。
・ 「自虐史観」をインテリ仲間の「踏み絵」としてきた連中で「安保闘争」を青春として生きてきたこの世代は「歴史を正しく総括する勇気がない」と言っています。更に矛先はアメリカにも及びます。
・ 昭和20年敗戦によって精神的にアメリカ製の新しい国に「移民」してしまったと書き、アメリカと同じ歴史の浅い国になってしまったと加瀬氏の意見に100%同調します。
・ そして津川氏は「本丸」に近づきます。「明治以降これだけ短期間に世界の列強入りをした黄色人種を脅威に感じ、二度と立ち上がらせないために日本人の研究を重ね、GHQが日本の文化「和魂」とその誇りを徹底的に腑抜けにし、壊滅させる目的で「日教組」を作ったと話すのです。
・ 戦後初めて小学1年生になった僕らは「自虐史観」を植え付けられ更に「知識を暗記することがインテリジェンス」だと、いわば「知能の低い人間つくり」のモルモットとなったと論理を発展させています。
・ 目的を同じくする中国、ソ連の共産主義に洗脳された「左翼思想の連中がこの日教組を乗っ取り」今日に至るとまで津川さんは発言されている。そしてこれが「一億総白痴化」の始まりと断定される。
・ これに輪をかけたのが「テレビの導入」で日本人とその文化をますます「薄っぺら」にしていくわけですね。(中略) そして津川さんはマスメディアに矛先を向けていきます。
・ マスメディアこそ政治を動かし国民を組織する時代と錯覚しまさに「マスコミは権力と化し薄っぺらな人間を大量生」しましたとある。ところで興味あることに津川さんは朝日と読売と産経を読み比べているそうである。
・ そして余談として話は「酒井法子の逮捕劇」に向かいます。何か極悪殺人でも犯したようにはしゃぐが、嫉妬深い何千万人のテレビの視聴者が求めるのは「有名人の不幸」だと言っています。それにテレビは迎合しているというのです。「なるほど」と思うわけです。
・ テレビのタレントを見て「こいつ馬鹿じゃないの」と軽蔑しながら「私のほうがましだ」と安心したいのだと分析しています。これ以上書くとこの雑誌の発行元から文句がでますからもう書きません。
・ しかし私は驚きました。俳優津川雅彦と言う人物がここまで「よどみなく」自分の考え、思いを正直にしゃべると言う「勇気」と「けれんみのなさ」にいささかの感動を覚えるのです。
・ この俳優と言ったら何か「癖のある」「個性の強い」言い換えれば「あくの強い」人物を思い浮かべるのですが実際は「日本を愛し、日本人であることを誇り」にして「日本人が自分の国と歴史を語って何が悪い」と叫んでいるのです。
・ 「還暦を過ぎた人間は新たな人生の始まり」ということもできます。「遠慮は要らない」「一生懸命生きてきた」「それなりに社会の発展に貢献してきた」、もういいだろう。この辺で自分の思いと考えを「赤裸々」にしゃべっても許されるのではないかと津川さんは話しているのだ。この点に私は心を揺り動かされ勇気を貰うのである。