2008年1月27日日曜日

1月27日(日)映画「北辰斜めにさすところ」

・ 良い映画を観ました。久し振りです。勿論最近観た「椿三十郎」も良い映画でしたがあれは超娯楽大作の部類、今回の映画は「伝えたい志がある。残したい想いがある。」とビラに書かれているように混迷する日本の行く道にある示唆を与えてくれているように思います。
・ 元々、母に似てすぐ涙ぐむ性質(たち)なのですが、今日はたびたび涙をぬぐいました。年も取ったからますます、そうです。涙は悲しい時ばかりではなく、嬉しいときにも出ますが、今日のは「感動の涙」でした。
・ 題名は「北辰斜めにさすところ」と言います。劇場は「シネマート心斎橋」(06-6282-0815)、昨26日が初日です。時間は10時50分と14時50分の2回のみ。午後の上映は2月1日までです。今まで「テアトル梅田」にかかっていましたが、評判が良いので場所を変えてのロングランですね。
・ こういう独立系のプロダクション映画は大手の流通ルートに乗れないので、少し変わったところで上映されます。十三の「第七藝術劇場」などもそうですね。この「シネマート心斎橋は難波アメリカ村のビッグステップの4階」にある小さい映画館です。60歳を超えているので1000円でした。私は初めて行きましたが、三角公園のすぐそばですから簡単に見つけられます。
・ どうしてこのように詳しく書いているかというと、もし時間があれば「是非見て欲しい」と思うからです。「大変良い映画」でした。特に「教育関係者には一見の価値」があると存じます。
・ 「北辰斜めにさすところ」、何のことか分からないと思いますが、「旧制第七高等学校造士館」の開校第14回記念祭歌の歌詞の出足の部分です。歌の題は「北辰斜めに」とあります。北辰とは北極星、鹿児島市内からは北天の仰角31.36度に北極星を望むことができます。映画にはこの「北辰斜め」がたびたび登場します。「良い歌でした。」
・ かって日本には明治時代に生まれた「旧制高等学校という教育機関」があったことは皆様もご存知だと思いますが、この映画は言ってみれば旧制高校を舞台にした骨太な群像ドラマですが、いわゆる「学校ものではありません」。
・ 間違いなく一種の「反戦映画」ですが、しかし単なる反戦というより監督は旧制高校にあった純真な理念と偽善や虚飾を排する誇り高き精神を教育を通じてと訴えているし、「今日本人が振り返らなければならない歴史とは何か、そこから何を学ぶべきか」、この「北辰斜めにさすところ」はあらゆる世代に訴えているように思います。
・ 監督は巨匠「神山征二郎」、素晴らしい監督で私はこの監督の映画は見に行きますが裏切られたことがありません。「郡上一揆」「草の乱」などは印象深い映画でした。主演は名優「三國連太郎」、素晴らしい脇役陣が揃っています。今は亡き北村和夫(遺作になりました)、土屋嘉男、神山繁、滝田祐介、坂上二郎、緒方直人、林隆三、鈴木瑞穂、犬塚弘、高橋長英、河原崎建三、永島敏行、織本順吉、佐々木すみ江等々の「演技派」のオンパレードですから「見ごたえ」はありますよ。中でも私は三國は別格として神山繁、坂上二郎、などの演技が光っていました。
・ 坂上二郎は病気をしてから良い役者になりました。喜劇タレントは大体演技が上手くなっていくのですが、二郎さんも良い味を出しています。欽チャンなんかはあのキャラですからシリアスな演技は期待しても駄目でしょう。
・ ごちゃごちゃ言わないで、「筋を早く書け」と言われても困ります。「是非足を運んで観てください」。今日もご年配の方が沢山来られていました。そして「涙」を久し振りに流してみてください。薩摩弁と熊本弁が飛び交う練られた台詞、緒方直人が演じるバンカラと情、見所は山ほどあります。野球が主要なドラマ設定で柱になっています。「野球ですよ」。
・ ところで、もう最近のテレビでは山田洋次監督、吉永小百合主演の「母べえ」ばかりです、すごい宣伝じゃないですか。あれはJPが応援しているからですよ。映画の宣伝をテレビでするようになったのは何時頃からでしょうか。でもこの映画「北辰斜め」は誰も宣伝などしません。だから少しでもと思って私が宣伝をしています。
・ 「母べえ」と言えば、Oさん、26日が「母べえ」の初日でした。もう観られましたか。感想など教えてください。待っていますよ。「母べえ」も「北辰斜め」も「戦争で失ったものへのノスタルジーではなくて、「戦争への静かなる怒り」だと考えれば良いと思いますが、平成も20年になって今、戦前戦後を問い直す映画が同時に出てくるのはどうしてでしょうかね。