2008年6月7日土曜日

6月7日(土)早稲田、大阪に進出

早稲田が大阪に進出
・ 些かショッキングといっても、予想された動きが出てきた。遂に東京、「都の西北」が大阪に進出だ。朝日と読売が1面に囲み記事を載せている。「ウーン」という感じだ。私の想定を超えて動きが此処にきて「早くなっている」。
・ しかし面白い。「系属校」というらしい。何処の辞書を探してもこのような文字はない。系列校ではなくて系属校だ。学校法人はお互い分離独立しているがある程度の数を入学させるというものである。付属高校と系列校は同じ意味であり、原則系列大学に進学するものであるが系属校はそこまでの強制力はないという。
・ 茨木市の摂陵中学校高等学校は名前を早稲田摂陵みたいに「早稲田」を冠にして名前まで変えると記事にはある。来年から早稲田の傘下に入るということだ。同時に佐賀県唐津市の早稲田佐賀中学校高等学校も10年度から九州地方初の系属校とするらしい。
・ 摂陵は立派な中堅の進学校でその昔大阪繊維工業高等学校をスタートとする有力な私学であったが今年などは中学も高校も生徒数が落ち込み「危機感」が背景にあり、この道を選択したとある。近いうちに男子校から共学校に移行するらしい。
・ 早稲田といえども最近は首都圏からの進学比率が60%超えで大きくなり「少子化を睨んで地方に着」しこのような動きになったのだと思う。摂陵は早稲田の名前を借り、再起をかける勝負に出たのだ。
・ 早稲田から見れば「何の損もない」。優秀な生徒であれば40名入学を許可するというだけで地方から生徒を集められる。さて本校はどうするか。そこが問題だ。思い切って早稲田に対応して「慶応大学に話を持っていくか」。
・ 少子化の中でとにかく大学も私立高校もその数が減らないのだから「不思議で仕方がない」。逆に有力大学は学部数を増やし、遂には小学校から「囲い込み」を始める始末だ。恐ろしい「市場競争」になってきた。
・ 「大阪の私学も大学の系列化の話で持ちきり」である。恐らく「独立系」と「大学系列系」の二つに分かれて行くのか。星光学院が系列に入るなどは今のところ考えにくい。独立でやっていける学校だ。清風学園も行ける。
・ 神社神道を建学の精神に持つ本校はまさか「ミッション系の大学」というわけにもいかないか?いや関係なく行けるか?隣の私立高校がある大学と提携したところに本校も同じ大学でということは可能なのか。色々と悩ましい。
・ 独立系の学校だから「本校に来たい」といってくれる生徒や保護者もいてくれるかも知れない。判断に迷うところだ。「独立独歩で行けるところまで行くという考え」も一つの有力な考えだ。系列に入るとしても「誠実な大学」と話がしたい。やるなら「浪速中学高校を育ててくれるという姿勢」を期待したい。
・ 様々な生徒が集う学校が「生き延びていける学校」と最近は考えるようになってきた。勉強が出来る生徒、スポーツが出来る生徒、素直な人間的魅力に満ち溢れた生徒、「生徒に色を付けず」のびのびと延ばすことの出来る学校つくりが目標だ。大学だけに行かせるだけが教育ではなかろうと。「私としては思い切った発言」だ。
・ トップが「あたふた」してはまずい。どっしりと据わって「方向を見定め、間違いない判断をしていきたい」と思う。本校は今上り調子だ。別に経営が苦しくて生徒集めの為に大学の名前が欲しいというわけではない。今後の戦略だ。
・ それにしても「東京の大学が大阪や地方に拠点校をつくる」なんて一昔前には考えもしなかった。この意味は全然違う。大阪の大学が東京の私立高校を系属化しようにも誰も乗ってはこない。東京だから出来る話だ。
・ 企業も本社を東京に、東京に、大学も東京に東京にとなると「大阪は空洞化」する。そう言えば橋下知事も早稲田卒で東国原知事も早稲田で学んでいる。今や東京は一人勝ちだ。なんとか独立系で生きていくか。本当にそれで我慢できるのか。悩ましい。
・ それに少子化の中で本当に「東京に出て行って」経費やその後のことを考えれば「本当に成り立つ話しかという問いもあろう」。「大阪で良いではないか、大阪の大学に進学し、大阪の地で頑張るという意思も尊い。」と思う。秀吉が家康を東京に追いやったのだ。大阪で良いではないか。
・ 理事長校長として「橋下改革での私学助成削減」「大学との連携」「新校舎に関わる行政との調整」「教職員の労務管理」ややこしいテーマは次々と出てくる。人間ドックで検査したが「食いすぎ、飲みすぎ」と言われた。完全に、典型的な「メタボ」と言われた。「体重を落とさないと大変なことになりますよ」と言われた。こっちの方も大変だ。