2008年6月18日水曜日

6月18日(水)施設使用損耗料

施設使用損耗料
・ 本校も他の公立や私立の学校と同じく「生徒が必要とする物品」を間違いなく手配してくれる一般的に言えば「協力会社」がある。いずれも永い、永いお付き合いだ。今の経営者の先代や先々代からの関係というのもある。
・ まず「制服、靴、かばん、運動服、教科書、水泳着、柔道着、アルバム制作会社」もそうだ。制服といっても夏冬、ジャケット、ズボン、スカート、セーター、カーディガン、シャツ、リボン、ネクタイ他まだまだある。教科書も教科別、副教材を入れればその「種類は極めて多い」。それに洋服でも靴でも「サイズ」がそれぞれ異なるから「もう大変」である。
・ 今日までまったくトラブルがないから余程しっかり内部管理された業者さんであることがこのことだけでも分かる。「素晴らしい」。大体これらの会社の経営は難しい筈だ。何が難しいかというと「必要とする人数」が年度末ぎりぎりまで分からないからだ。
・ 3月末の公立の合格発表で初めて併願者の本校入学希望者が把握できるから、4月初旬の入学式までの短い間に採寸、手配、調達、手渡しなど一刻を争う事態となるのだが極めて上手く対応してくれている。「ノウハウ」があるのだろう。これぞプロの仕事だと思う。
・ しかし「ちょっと待てよ」と私は考えた。すべての生徒は本校が命を懸けて集めた「虎の子の生徒」だ。我々が集めて、「最後に顔を出して有難うございます」といって「売り上げ」を“ごっぽり持っていく”のは「如何なものか」と思ったわけだ。言ってみれば「元締め」は我々ではないか。
・ 生徒募集には入試広報室に直接対応している教職員スタッフ、直接広報費等このブログでも書いて来た様に「相当のコスト」がかかっているのだ。人件費を入れれば軽く1億円は下らない。そのようにして集めた入学者はすべて「100%本校の仕事の成果」だ。業者さんから別に広報費の支援を1円たりとも受けているわけではない。
・ それに販売は本校の校地や施設を使っている。細かいことを言えば光熱費もかかっているのだ。「無料で本校の施設も使い、電気代も払わず」、上がりを掠め取っていく(ごめんなさい)のは理不尽と考え昨年着任と同時に私は他校を調査するよう事務長に指示した。場所代や電気代くらいはあっても良いではないかと感じたわけだ。貧乏をするとどうにかして収入の途を考えるのは当然だ。
・ その結果、「施設損耗使用料」等の名目で適切な損耗料を学校に支援してくれている事実が判明した。勿論すべての学校ではないがほとんどの学校が実施している。中には学校が直接小売業者として物品を扱っている学校もあることが分かった。「私の勘は当たった」のだ。お金がなくてどうしようもない学校だったのに(今は違うが)、誰もこのようなことを考えて来なかったのにも驚く。
・ 要は「他人事なんだ。」理事会や学校の管理職、事務室の人間は誰も本気で収入を増やすことなど考えず、「自分の手取りばっかり主張」していたのだ。私は動いた。関係の会社の経営者を呼んで趣旨を説明し「ご協力頂けるなら考えて頂きたい」と丁重にお願い申し上げた。 「業者いじめ」になってはいけない。
・ 各社さんは本当に気持ちよく「分かりました。協力致しましょう」となったのが昨年だ。それで昨年は頑張りに頑張って生徒募集に走り、「浪速改革」の評価をいただいて「中学高校で720名」という大きな入学者を得た。通年の2倍の数だ。平均の2年分である。各社さんの中には「理事長先生、生徒さんが増えて我々も助かりました」とお礼を言って貰えるところまで来たのだ。
・ 会社単位で金額の差があるのは良くないと考えて「すべて一律の乗率」をかけて頂くことになった。売り上げ、即ち、入学者が増えれば「学校の取り分」も増えるし「業者さんの収入も増える」という具合だ。今「各社単位で数値の精査をしている」ところだ。順番にお話を聞いている。無理をしてはならない。あくまで「協力会社の経営安定が優先」される。「余裕があれば」の条件だから。本音は「数年遡って欲しい」くらいだがこれは諦めた。
・ これらの「入金はすべて法人会計」に入れなければならない。公明正大、「学校会計基準」にのっとって処理されなければならない。「裏金」に直結し易いお金であるがそれをしてしまえば、「近隣の他校のようにお仕舞い」であるし、折角業者さんのご好意を無駄することになる。
・ 「すべては生徒の為や新校舎に使う」ことになる。教職員の人件費に化けるなんてことは絶対ない。税理士、公認会計士のチェックを受けなければならない。業者さんの帳簿の経理的数値と本校の決算書の数値がぴったり一致しなければならない。
・ このようにして私はここでも学校の為に金額は小さいが「収入拡大の途を開発」した。それもこれも「しがらみがない」からで、今後とも学校の為にならないと判断したり、お取引会社に社会的不祥事があったりすれば「取引停止」とするつもりだ。遠慮はまったくない。
・ 「カフェテラス」もそのようにして売り上げが上がればいくらかはペイバックと考えていたがこれはどうも当てが外れた。自動販売機からペットボトル一本あたり、うどんや丼一杯あたり数円の施設貸し出し、光熱費を頂こうと考えていたが、これこそ「獲らぬ狸の皮算用」で逆に「赤字補填」を業者さんにしなければならないかもしれない。すべては上手くはいかない。