2008年6月20日金曜日

6月20日(金)目立つ地方大学と浪速

“目立つ”大学と浪速中学校高等学校
・ 「グローバルCOEプログラム29大学68件」が文科省から認定された。2002年度から3年間行われた「21世紀COEプログラム」を引き継ぎ、昨年からスタートしたもので本年度は医学、数学物理地球科学、機械土木建築、学際、複合などの5分野で公募しその審査結果が18日に発表された。
・ 文科省から「世界水準と認定され研究教育費が十分担保される」から各大学にとっては必死に認定を受けようと努力する。大学にとって「栄えある偉大なる勲章」みたいなものだ。第一に採択されれば「これ以上ない大学のPR」にはなる。
・ 早速今回認定された「近畿大学農学部水産学科」は「黒マグロ等の養殖科学の国際教育研究拠点の指定」を新聞半ページを使って大々的に広報している。近畿大学、頑張っているなー。連続だから立派である。
・ しかし指定された大学をみれば「やはり国立大学が強い」ことが分かる。採択数全体68件に占める国立の割合は81%で昨年の79%と相変わらず高水準だ。トップは東大の10件、東北大7件、京大6件、阪大4件、である。私立では慶応4件、早稲田3件となり西日本勢では立命館大と近大が各1件となる。
・ 完全に「東髙西低」「国髙私低」だ。特に「酷い結果となったのは公立大学」だ。15大学24件の申請はすべて不採択という厳しい裁定に西日本の公立大学の関係者は「母体の自治体が財政難にあえいでいる時に採択されれば士気が上がると思ったのに・・。」と嘆き節だ。嘆いても仕方がなかろう。もっと特徴を出して頑張らねば。
・ もう一つ今回の採択で特徴的なことは「地方大学の活躍」が目立つ。山形大、長崎大、熊本大、愛媛大、帯広畜産大、横浜国大、鳥取大などが入っており、少しずつ地方が頑張ってきているのか。こうでなくてはならない。
・ 「地方の時代」は間違いなく来るだろう。「地方大学の逆襲が始まる」と私は見ている。誰もが中央に行く必要はなくなる。全国に拠点が分散する時代になるだろう。今日も「岡山大学の学長」が中四国の学都になると言ってのろしを上げていた。そのためにもいずれ地方財政が逼迫して現在47もある都道府県が「道州制」で縮減されなければならない。
・ 私立大学でも雨後の竹の子のように新しい大学、学部が出来てきているが、今後は「何処で何を学ぶか」という「学部学科選択の時代」になるのではないか。国公立私立が境目がなくなり、融合し始める。国立大学法人の授業料が上がればうまみはなくなる。「地方でじっくり学問」という時代は来る。
・ 「首都圏大学、近畿圏は関関同立を中心に、加えて地方の国立大学の3分野」に淘汰され始めるのではないか。関西の私立大学はもう少し頑張らねばならないと思う。東京とは異なる視点で頑張らないと空洞化してしまう。
・ 早稲田、慶応が関西に高校も含めて「進出」だ。何で「東京の大学が大阪に出てくるのだ」。今回の採択でつくづくそのように思う。大阪は「偉大なる田舎」で良いではないか。東京の真似をしても勝てる訳がない。
・ しかし旧七帝大は強い。北大、東北、東京、名古屋、京都、大阪、九州の7大学だ。今回採択された大学は29大学でそのうち7帝大だけで合計35件/68件だから過半数だ。「どうしてこのように強いのか」。教授陣か、学生のレベルか、伝統の蓄積か、やはりやっている内容が素晴らしいのか、経常研究費の差か、文科省のえこひいきかおそらく全てが影響していると考えざるを得ない。それくらい力の差が出ている。何時も暗澹たる気持ちになる。地方大学、私立大学はもっともっと頑張って欲しい。そのように考えてしまう。
・ それにしても「東大は強い」。圧倒的だ。頂点に立つ「東京大学に今年本校から一人送り込んだ」がその後もその余波は続いており、6月29日のサンデー毎日には「徹底分析!低偏差値を確実にアップさせる注目の私立中高一貫校」の例によって大きな見出しで特集記事がありその中に本校の名前がある。「低偏差値だけ余分だ」。
・ まあしかし記事にならないよりなった方が良いかと考えることにした。浪速中学の評判が徐々に上がってきているらしい。記事の内容は「各校の改革力や教育力が評価点」とあり、「入学後本当に学力をつけてくれる学校はどこか」ということらしい。この評価は「本望」である。
・ 「塾関係者の言葉」として「偏差値が低くても出口の部分で何とかしてくれそうだという学校に人気が集まっている」ということらしい。近畿圏で「浪速中学高校は二重丸」がついている。入るときに偏差値が低いと書いているのは間違っている。「今年の中学高校入学生は凄い。あのデータは古い」。気にいらないが、「何とかしてくれる学校」と言うのは気に入っている。確かに「灘中学」と偏差値は違うがそのうちに追いつくだろう。
・ その証左はあるのだ。「浪速高校への入学が少し難しくなってきて、浪速中学から狙うという話し」が出てき始めているという。確かにそういう動きがある。この2学期から市内公立中学から浪速への転入希望者が学校に来られたという。「公立中学ではやってられないから浪速中学に入れて欲しい。」と平野区の保護者は強く言われていると副校長が報告にきた。
・ 今日の朝刊各紙、市内の公立中学校で生徒指導をしていた女性体育の教員が生徒が突然キレて「バタンと急にドアを閉め」、そのため指を挟まれ切断した事件が大きく記事になっている。「可哀想に、公立中学教員残酷物語」だ。
・ 仕事柄私のところには様々なお話があるのだが、昨日も旧知の大学教授からお電話があり、知り合いの市内某中学校の社会の教諭が「公立を辞めて浪速に勤めたいが先生の空きはあるかどうか」問い合わせがあった。
・ そう簡単に言われても困るのだが、本当に公立中学校教員も「大変」なのだと思う。とにかく「今でも良い学校なのだがもっともっと良い学校にして行きたい」と考えている。まあ、昨年からの改革開始で2年目にして、ここまで話題に上がるようにはなった。先生方、自信を持って頑張って行こうではありませんか。