2009年7月29日水曜日

7月29日(水)高校総体弓道部の応援







・ 「近畿まほろば総体」という。正式には「全国高校総合体育大会」という。いわゆる「インターハイ」と言われるものである。分かり易い言い方として今年は奈良県が主体で行われるから「まほろば」である。インターハイとは大学選手権のインカレ(インターカレッジ)をもじって「インターハイスクール」から来たものである。
・ 28日に「皇太子様」をお迎えして奈良の鴻ノ池陸上競技場で開会式が行われた。「高校生アスリートの夏の祭典」である。競技会場は近畿の2府4県が共同で受け持っている。「平城遷都1300年」が来年だから言ってみれば「宵宮」みたいなものだろう。
・ スローガンは「君が今歴史の新たなページを創る」であり、全国から25000人以上の選手が参加する。大阪府選手団は役員監督106人、選手691人の大選手団である。この中に「浪速高校の弓道、空手道部、ボクシング部」の選手が含くまれているのだ。
・ 「硬式野球の全国大会(甲子園)」やこの総体など「高校性対象のスポーツの競技会」がこのように機能し、発展している国は世界中ないと思う。素晴らしいことだ。「高校球児は甲子園」を目指し、「アスリートはこのインターハイ」を目指して汗を流して努力する。
・ 「 ラグビーもサッカー」もすべてそうだ。最近では「クイズ」や「俳句」「作文」などの高校性全国大会も出てきている。大変結構である。校長の立場としてこのような大きな競技大会に自校の生徒が出場するのは「嬉しい」し、「誇り高い」のである。
・ さて今日は「弓道の応援」である。場所は奈良県立樫原公苑第一体育館である。公園ではない公苑である。午後天王寺に出て近鉄南大阪線樫原神宮前駅で下車すれば徒歩で10分のところに会場はあった。弓道部長のY教諭が会場入り口で待っていてくれた。誠実な先生である。
・ 第54回弓道競技大会は今日から本格的に競技となる。12時から男子団体予選でこれに間に合うように出掛けたのである。プログラムを見ると「弓道は古式ゆかしく」「矢渡し」というのが昨夜行われ、最終日は「納射」というのもあるとプログラムにあった。
・ 参加料というものが当然あり、団体競技では1チーム23000円、個人競技は一人当たり2500円をすでに振り込んでおかねばならない。なんでもこのように「ただ」ではないのである。
・ 面白いことに「宿泊場所」も決められており勝手に「どこどこに泊まります」と言うわけにはいかないのである。「配宿センター」に申し込むのであるが。それはトラブルを避けるのと宿泊料金の統一性を考えたものだろう。特AクラスからEクラスまで6段階に分かれており13860円から8085円である。朝食夕食付一泊の値段である。
・ 事務局もしっかりしており、キャンセルのないように「予約金一人当たり4000円」を事前に支払わせている。取り扱い銀行も面白いではないか。すべて「南都銀行」で奈良の銀行である。三井住友銀行や東京三菱などはお呼びではないのである。
・ 弓道には一つの特徴があって公立学校が結構頑張っている。またどちらかと言うと工業高校とか商業高校が頑張っているのだ。例えば2007年度のデータでは男子が鹿児島県立鹿児島高校、2位が熊本秀岳館、3位が 女子は県立沼津商業、川崎市立川崎商業、慶応女子高校の順番である。
・ 大阪府では女子が圧倒的に好文学園、昔の福島女子で男子は我が「浪速」である。全国高校弓道専門部の部長はこの好文学園のS先生が担っており、素晴らしい指導者である。そして今明らかにするのだがこのS教頭先生が「浪速の卒業生」なのである。
・ 私は「神社神道の学校として武道を奨励」している。伝統ある本校の弓道を重要視しており私なりの応援をしてきた。「新武道館」も弓道場はその一角を占めるのである。弓道の指導者を探し求めていたがようやく前述のS先生の紹介で現在本校の常勤講師のW先生をこの4月から採用できたのである。
・ 高校弓道界で有名な強豪校である「熊本私立秀岳館高校から立命館大学」に進み4回時には「主将」を務めた人物で弓道4段、弓道暦は10年を超える。この話をS先生から受けたときに「すぐ会いたい」旨を伝え、面談したのが一昨年の12月も押し迫っていた。会って5分で「採用を決めた」人物である。
・ 誠実で沈着冷静、誠に人間としても「品格」があって私は一目で気に入ったのである。この先生は故郷肥後銀行の就職が内定していたが、正月に帰省したときに母校の秀岳館の恩師、ご両親、肥後銀行から円満に内定辞退が受け入れられるのであれば「君を本校の教諭ならびに弓道の指導者として招聘したい」と言って別れたのが遂この前のことであった。
・ 見事に彼は短期間で成果をあげてくれ、もともと強い弓道部をさらに強くしてくれた。今度の大阪府大会は男子は圧勝であり、女子も個人で好文学園に少し肉薄できるようになってきた。女子の指導者にも恵まれている。
・ これで弓道部は部長以下「人材が揃った」のである。これに新しい弓道場でも完成すれば「向かうところ敵なし」となるだろう。今まで全国3位が最高成績だというが是非個人か団体で「日本チャンピオン」になって欲しい。
・ 新弓道場も出来るし新指導者も手に入れた。これも「木村改革」の一つである。しかし今日初めて弓道の試合と言うものを3時間たっぷりに見学したが、なかなか「面白い」。観覧席はY先生が確保してくれていた。エアコン付で良い試合会場であった。
「用語」なども独特のものがある。それを隣のY先生が詳しく教えてくれるのだ。大体覚えたような気がする。大阪府代表の本校男子チームは予選を良い成績でクリアした。目の前で的が射抜かれるのだから一目でわかるのだ。
・ 一人が4回射て5人のチームで的中数を競うのだが20的で本校は「15中」であった。一人が4つとも命中すると「皆中」と言って会場から「大きな拍手」を貰えるのだ。応援の掛け声は「よし!」以外には許されていない。
・ しかし「弓道は厳しい競技」だ。ものすごい「緊張感」の中で的に向かっていかねばならない。可哀相に他校の中には一つも当たらない選手も結構いたのである。そうかと思えば4的とも中心に当てるつわものの選手も居たりで、「本番での精神力」がものをいう競技だと思った。練習で幾ら当てても意味はない。本番である。
・ 保護者も私の姿を見て挨拶にきてくれた。「M主将」も試合後喜んで来てくれた。彼は3的を射た。皆さん嬉しそうだった。それはそうだろうと思う。弓道などは特殊なスポーツで本校くらい強くなると有名私立大学から「引き手」が山ほど来る。会場には「大学の弓道部の関係者」が目を皿のようにして有力選手を探しているのである。
・ Y先生の案内で帰りに「樫原神宮」にお参りして私は気分良く難波に戻ってきたのである。「弓道は白い着物に黒はかま」と決まっており、今日は私も「着物」を着て行ったのであるが、それだけに気分が乗った応援であった。