2009年3月29日日曜日

3月29日(日)大阪私学経営者協議会(私経協)

・ 3月19日に「大阪私学経営者協議会総会」が開かれて「21年度の賃金改定にかかる基本方針が確認決定」された。21年度はこの方針で大阪私学の学校経営が進むことになる。確認された方針は大きく四つに分かれている。
*  学園の経営方針、財政状況に応じた賃金改定を行い、収支のバランスのとれた適切な人件費比率を目指す
* 教職員の活力・意欲の向上につながる賃金改定を目指す
* 納税者である府民や学資負担者である保護者の理解が得られる適切な賃金水準を目指す
* 具体的な方法として定期昇給額の縮減、賞与の削減、諸手当の整理、退職金制度の見直し、メリハリのある柔軟な賃金体系制度の実施、その他となっている。

・ しかし大切なことは「考え方」である。教育基本法8条(私立学校)に基づき、「公費支出を受ける私立学校」の教職員賃金は納税者である府民や学資負担者である保護者の理解が得られ、かつ補助金の一律削減措置、生徒数の低迷等による帰属収入の減少など厳しい経営環境に柔軟に適応できるよう「支出の大半を占める退職金を含めた総人件費を考える」と言うことである。
・ 私は「打出の小槌」など何処にも持っていない。昔みたいに生徒数が減っても給料が上がり続けるようなことはできないと言うことである。施設設備などが古くなっても何も新しいことをせず「教職員の給与に化ける」ということには今後はならない。
・ 「厳しい社会環境」の中にあって「魅力ある私学」として社会に必要とされる存在であり続けるためには「教職員の資質、能力、意欲の一層の向上と学園財政の健全化」が何より重要である。言ってみれば「土台を失ったら元も子もない」ということを分からねばならないということである。私学だから学園財政の健全化がまず重要である。子どもでも分かる理屈だろう。
・ 「大阪私学教職員組合」は同日我々に対して「申入書」なるものを執行委員長の名において私経協会長に提出されている。これは「09私学春闘」について大きく4つの課題を「大私教統一課題」に設定した「要求書」であり、「協議の申入れ」である。
・ 大私教の言い分は組合としては当然のことであるし、私は冷静な執行委員会の対応を評価している。本校も組合教員はまだ多いが私はどちらかといえばこの2年間の彼らの対応を評価している。立派であったがゆえに私は「失敗できない」と今更ながら決意しているのだ。信じて付いてきてくれている教職員を嘆かすわけにはいかない。
・ しかし要求項目の4つの内、「私学助成削減問題」と「公私比率の見直しや教育バウチャー」などは私経協としては対応が出来ないテーマでこれらは「大阪中高連のマター」であるからいくら私経協に言っても如何ともし難いのではないか。
・ 統一テーマ、あと2つのテーマの「期限付き雇用教職員の均等待遇問題と雇用に関する問題」「私学教職員の労働時間管理問題」については「意見交換」を始めるのは構わないのではないかというのが私の個人的な考えである。中でも重要な労働時間問題はすでに本校では一歩進めている。
・ 正直なところ100%満足するところまで行ってはいないが他の私学に比べ労基法の精神にのっとり本校は恐らく数年先行しているのではないか。これこそ「民間企業出身の私」が本校の理事長として来た最大の責務と成果だと自負している。
・ 私は本校で残った問題は期限付き雇用職員の待遇問題だと思う。現在他校のデータを集めて分析をしている。「21年度の本校の大きなテーマ」だ。それに「専任教職員の給与カーブが少しいびつ」で若い世代に対して、もう少し配慮することが必要かと思っている。
・ 生涯にわたって考えて呉れれば同じことなのだが本校では40歳、50歳代で給与が相対的に高く若い世代で低く抑えられている感じであり、「是正」の必要性を考えている。これは他の私学でも同じ傾向である。
・ 財源はないのでベテランの給与を若い世代に少し回すということになるのか、新たな財源を捻出するのか今頭をひねっている。前述したように教職員の能力、意欲の向上に繋がる賃金改定を目指すということは「頑張る教員への支援」ということであり、「能力業績評価」ということである。
・ これは「年功序列賃金体系の一部見直し」ということであり、年功序列を完全に否定することではなくて「年功序列プラス能力業績」体系への移行ということである。私はこれが「あるべき姿」と考えている。社会では常識の話である。
・ 本校では「人材育成評価システム」を導入して丁度1年になる。都合3年間の段階的な手順で「処遇へも反映」していく。厳密に評価し相対的に観察して「給与・賞与」に反映されることになる。府立ではもう数年先行していることで、私学でも本校に続いて新たに2校が導入することになった。
・ 今後「大阪府の私学への監視の目」がより厳しくなってくるものと考えた方が良い。それがイヤなら補助金を受け取らねば良いが本校では内部蓄積や大学を有していないのでそれではやっては行けない。
・ 私経協傘下のある大学を有し、伝統ある某私学などは今回の基本方針に同調できない、「我々は独自の道を行く」というところもあるがうらやましい限りだ。おそらくこの学校は内部留保もあり、今後とも生徒募集に自信を有している学校である。正直有力なライバルであるが、悔しいけれども今のところ少し実力差があると思っている。
・ 私のポジションは他の私学と共同歩調を取りながら「体力の範囲内で経営の安定化と教職員の生活の安定」を両にらみで進めていくことしか方法はない。後5-6年で新校舎を絶対に建設しないと決定的禍根を残す大きな問題になりかねない。
・ 本校の教職員で単純に給料が高いとか安いとかは口に出す人は居ても良いが、慎重であるべきだと思う。やぶへびになりかねない。これらを口に出す教員も「自分の給料が世間相場から高い」ということは十分に認識しているのは私との議論でも知っているのである。
・ 本校の有力な理事は「調整手当てをゼロに」「府議会で私学教員の異常に高い学校を名指しで取り上げたらどうだ」などと幾分過激に言われているが何時かはそうなるだろう。今朝の新聞各紙では遂に「09年度国家公務員の給与の削減の声」が与党から出始めた。人事院勧告ではなくて法律で対応するというのだ。少しずつ変わってきている。