2008年7月11日金曜日

7月11日(金)その2:K先生と難波

・ 関空に同行した「K教諭を難波に誘う」。聞いてみれば各グループ別慰労懇親会に出席しなかったという。途端に私の気持ちが曇る。「何故だ?」と、又「要らぬ遠慮」をしたのかと。誘いはあったみたいだが本人から「固辞」したという。 しかし強い誘いがあったのかどうかは分からない。
・ 理由は4月に一旦退職し「嘱託教諭」になって科の会合などもタイミングの関係で出席できず、皆は遅くまで頑張っているのに私だけ自由に勤務しているみたいで「気おくれ」するという。今まで2度ほどあった生指の会食もスキップしたから今回も体育科のK教諭から話があったがお断りしたという。
・ 「えーなんでや、あれは私の会合だよ」というと「キッ」と顔を上げて驚いた様子であった。知らなかったみたいだ。しかし結果的に「可哀想なこと」をした。よし今日は二人で難波で私自ら慰労してやろうと誘ったのだ。
・ この先生、とにかく「独特のもの」があり、人は色々と言うが、私は評価している。「健康も気力も生徒に対する思いもずば抜けてある教師」だが昨年自分が指導していたクラブでちょっとした生徒の問題や、、クラス担任であったが課題を抱えていた生徒が退学した事案、ご本人が肋骨を折るというハプニング、そして決め手は30数年同期で一緒にやってきた同じ体育の先生が「早期退職」するという様々なことがあり、「自分も身を引きたい,後進に道を譲る」というのを押し留めて、なんとか嘱託教諭として時間を減して私が頼んで来てもらっている先生だ。
・ でも「やはりそうか」。「自分は正教諭ではないから、一歩身を引く」という「独特の自分流の美学」を、誰も気にはしていないのに「余分に感じて」しまう先生なのだ。そこが良いところだし悪いところだ。分かってはいたが、やはり「可哀想」と私は感じるのである。あの時、「辞職を認めるべきではなかったと後悔している。」そういうわけで予定はなかったが今日は二人で飯でも食おうと急遽決めたのである。
・ 焼肉、寿司、串しカツ、イタリアン、日本食どれが良いかというと即座に「スパッゲティ」というので千日前のイタリアンにした。時刻は5時から始めて8時30分だから長すぎだ。しかしよく話をしたなー。何時もは私がしゃべるのだがこの先生だと「聞くほうにまわる」。それが楽しいのだ。
・ 前述したような「思い」があるから「時々部屋に呼んでたわいもない話」をするのだが、これも同室の教員には「なにかしらあるらしい」。「校長室で何の話なの?」とあからさまに聞くものもいるらしい。私は言ってやった。「貴方の評判を聞かれたので正直しゃべりました」と言ってやれと。
・ 今保健体育科はまとまり、素晴らしいチームになったが皆さん担任を持ち、分掌業務もあり忙しい思いをしていると、「彼は決して人の悪口は言わない」。これは立派だ。最近Y先生の目の調子が悪いと心配していたが確かに昨日の職員会議ではサングラスをしていた。あれで理解した。明日でも様子を聞かねばならない。
・ 他のY先生も調子がいま一つらしい。この先生は大学が後輩になり心の奥ではもっとも親近を感じているのかと言う感じだ。剣道では日本を代表する指導者になるだろうと言っていた。大学では700人の部員を率いていたトップ剣道家とわが事らしく話していたな。この息子が又良い。この前京橋でこの息子といっても本校の生徒だが飯を食わせたと言っていた。知らなかったが奥様も剣道家らしい。
・ 若いI先生も評価が高い。結婚してさらに大きくなったという。昨日も正門前でうろつく他校のやんちゃな子を「そうか、そうか」と上手くあしらっていたという。彼が世界に通用する空手のチャンピオンと知ったらこの先生を前に「ええカッコ」など出来まいにというのだ。
・ もう一人のI先生には頭が下がると。泣き言を言わない、次から次へと仕事を処理する。「生指部のキッシンジャー」だと言っていた。もう一人のキッシンジャーは英語科のY先生だという。「生指の飛車角」とも言っていたな。確かにこれは光っている。
・ 女性のK先生は「姐御、姐御」と言われて皆の信頼を得ており、「こんな素晴らしい先生が専任になって」大変良かったと評価は高い。この先生の後輩で常勤講師のA先生も明るくて最高という。生徒を扱うこつは逆に勉強になるとまで言っていたな。
・ もう一人の常勤講師のH先生も2年目だが学歴が良いものだから「天才とか秀才」とか言われながらも頑張っているらしい。昨日の生指の2次会ではさくらんぼのパンパンで盛り上がっていたらしいと聞いたと言っていたな。パンパンて何だ?
・ 最後のI先生はとにかく「仕事、仕事」と頑張っているらしい。「私の野球部」といって中学の野球指導やら運動会準備で走り回っているらしい。K先生が校長室に入るのを気にしてるらしいが関係ないと言っておけと言ってやった。少し仕事を抱え込む傾向があるが、分掌部長として中島誠之助ではないが「良い仕事していますね」 。
・ 「運動会は最初から良いものにしたら後が大変だともし考えていたら大きな思い違い」だ。「何事も最初が肝心」、後で手を抜くのが常道だ。「最初から小出しにしたら絶対に評価は上がらない」。後で努力しても駄目だ。「一回目がとにかく大切だ」。手を抜くなと言っておけと言ってやった。
・彼に補助が必要ですというからそれはA先生と私は心得ているとも言ってやった。彼女も中学の運動会の成功次第が自分の将来にかかっているくらいは分かっているだろう。I先生をどれだけサポートできるかにかかっている。
・ その他色々話が弾んだ。最近辞めたM教諭の理由を詮索する声も最近は消えた、今休んでいるT教諭は私に似ているところがあるとか、退職金を奥さん、娘さんと本人で分けたとの事。「1000万円は厚さ9.5センチ、重さが丁度1キロだった」とか、ご家庭の事など男二人の会食であったが時間を忘れるほど話が弾んだ。
・ 私と丁度同じ年で「親近感」を感じるのだと思う。来年はもう身を引こうと思うというから「怒鳴りつけてつけてやった。許さない。ずっと学校に来い」と。これほど「学校が好きで浪速が好きで生徒思いで身を粉にして働く男」を結果として辞職させて私は後悔している。
・ 最もお金はいくらあるか分からないという資産家だから、我々庶民とは違う。少し話が長いとか、くどいとか、ネクタイが派手だとかは関係ない。私が本校に必要な人材かどうかが基準だ。今やH先生、N先生に続く古参の先生だ。大切にしなければならない。若手の中で「エースは?」と聞くとM先生という。私はまだまだだと言ってやった。
・ ところで戎橋のリクローおじさんというケーキショップで本校に勤務している先生が妙齢のお若いご婦人と仲良く連れ立って買い物をしていたのを偶然目撃し、二人とも目を合わせて静かに気付かれないように通り過ぎた。「あれ、奥さん?」「知りません」「フーン」「綺麗な人だったね」「奥さんかな」「いやそんな感じではなかった」「奥さんならあんなに近くには立ちませんよ」「そうかなー」「どうでも良いじゃん」。しかし気になる。