2008年12月17日水曜日

12月17日(水)浪速高校は「中学の補習」をします

・ 浪速高校は来年度から「新入生の中学補習」を考えている。高校1年生を対象にして特に「数学」「英語」を主体に「中学校3年生の課程」を「高校で復習する補習授業」をしようと検討を開始した。特に数学が問題だ。
・ 数学の基礎が出来ていないから多くの生徒が数学で躓く。「高校の教科は進度が速い」から最初で理解できなくなるとそれはそのまま引きずることになる。それでは「授業も苦しい」だろうし、面白くないだろう。赤点の連続では他の教科にも影響を与えることになる。
・ どのような方法でどこまで範囲を広げるか議論しなければならない。しかしこれは生徒や保護者に喜んで貰える筈だ。勿論意欲のある生徒を対象にして「集中的にする必要」がある。ダラダラとは出来ない。
・ この発想に至った理由は簡単だ。「大学が高校の内容を補習」し始めたからだ。だったら「高校も中学の分を受け持とう」と私は考えた。それにしても大学側も大変だ。中には中学の課程の補習もしている所もある。
・ 「五月雨と書いてさみだれと読みます」「五月はさつきとも読む」などと伊勢市の皇學館大學では国語の補習授業を元中学校の教師を講師にしてやっているそうだ。使っている教材は中卒から高校初級のドリルである。嘘のような本当の話である。
・ 文学部、教育学部の今年度の入学生(約600人)を対象にして今年から国語が髙1レベルに達しないと3年生に進級させないことにしたことを受けて始めたものだとのことであるが、あの「神宮皇學館」を起点にする名門中の名門の皇學館大學でさえこうだ。
・ 「大学生の基礎学力低下」が言われて久しいが「ゆとり教育の弊害」や「社会の文明の変化」など視点は多くあろうが、論評ばかりしていても仕方がなく、背に腹は変えられないとこのような大学は増えつつあるらしい。
・ 文部科学省の06年度調査でも中学高校レベルの「補習をしている大学は10年前の4倍」に増えているそうだ。「全体の33%の234大学」がしているというから最早定常的ともいえる。例外ではないのだ。
・ しかし次のデータには驚く。補習を行う大学の教員らで作る「日本リメディアル教育学会」の調査結果によれば「日本語で中学生以下」と判定された大学生は「国立大学で6%、私立大学で20%」に上ったという。
・ 06年度調査では「66%が中学生以下と判断された大学もあった」という。この大学の名前を知りたいくらいだ。大学ではなくて「大学付属中学校」かも知れない。学会の小野会長は「全体の学力が落ちたというより一つの大学に幅広い学力の学生が存在するようになった」と言われているそうだが、簡単な話で「そういう学生を大学は入学許可」したということだ。
・ いずれにしても麻生総理みたいに国語力の低い大学生が多くなったということである。中央大学理工学部でも数学と理科で「学生のレベルが揃わず、講義を進めにくい」という教員の訴えが目だっているという。出来る子と出来ない子が同じ講義を受けている。これは大変良く分かる話だ。
・ 14日の朝日は詳細分析して記事にしているのだが非常に分かり易く記事にしている。まさか麻生総理を真似てでもあるまいがマンガを使って解析しているのも面白い。要は「学力検査免除」が諸悪の根源としている。余りにも「学生数確保優先」が過ぎると批判しているのだ。そういうことをするから大学で中学高校の補習をする羽目になるのだと言わんばかりである。
・ 朝日の意見には100%賛同する。大学は特に国立大学が法人化されて以来、ただやみくもに学生集めに奔走しているように私には見える。今や「推薦AO入試は4万人を突破」し「08年度で言えば推薦AO入試で進学を決める比率は全体の43.4%」という。私立大学に限れば50%を超えたという。二人に一人は受験勉強などしなくて大学へ進学する。
・ 一般入試では合格しても他の大学に流れたりするから読めないが「推薦やAOは正確な数値が読める」というのだ。「入学者が定員より少ないと経営者が怒るし、多いと文科省から怒られる」。
・ 読めない入学者数を一般入試で取るなど難しくその点特別入試の合格者は確実に入学してくれるというのだ。分からないでもないが、それでは「大学の質」という議論は何処に行ったのかと言いたくも成る。
・ しかし私の見るところ「大学は二つの流れ」が出てきたように思う。一つは国公立を主体にAO入試の見直し機運だ。筑波大学、九州大学、一橋大学は09,10年度から廃止するところも出てきた。
・ ところが「問題は私立大学」である。半数近くが定員割れで「定員確保」は経営の必須条件だから特別入試方法をやめることは死活の問題となってくる。そう簡単な話ではないのである。中には地方の高校を傘下に収めるに躍起な大学もある。
・ 学力確保と大学経営を両立させる一つの案として中教審や政府の懇談会が提案しているのがAOや推薦の受験生の学力を測る「高大接続テスト」の導入である。まだ案の段階だろうが「一定の水準確保を求める」もので現在の「センター試験より基礎的な内容」とする案が出ているらしい。センターでも易しいのにこれ以下とはどんな問題だろうか。
・ しかしこれにはまだ様々な意見が出てくることが予想される。例えば「高卒資格試験」みたいなものになると「高校中退者激増」といった事態も予想されるという。私大関係者の多くは「学力が低い学生が来るものとして対応するのがこれからの時代」だと腹をくくった言い方もしているがこの辺に「本音」があるように思える。
・ 私が大学経営者だったら「まず受け入れて、補習なりのサービスを完備し、最大7年まで在籍させ、駄目だったら退学」とすれば良い。即ち欧米の大学のように「入るは易しく出るは厳しい」で良いのではないかとも思えるのである。
・ 「ファッション感覚」で一応大学と名の付く大学に入っても、卒業は出来ない、就職も出来ないではそのうち高校生の考えも変わってくる。現在京大でも同志社でも「内定取り消し」が出ている。
・ 基本的に大学の数が多いのが問題である。高校卒業数よりも大学定員の方が多いという現実からすれば「学力のない学生が何処かの大学に紛れ込んでいるのは当たり前」なのである。
・ 私は今浪速IT専門学校、浪速経理専門学校、浪速会計専門学校などを作って浪速高校から大学に行かない、言っても意味のない生徒を確保し「徹底的に鍛え直接優良企業に就職」させることを夢見ている。そのほうが企業も嬉しい筈だ。即戦力の「腕を持った事務の専門家育成」である。
・ 大学とは名ばかりの何にもない大学卒業生ほど企業の人事部にとって「扱いにくい」ものはなにのだ。企業出身だけによく分かる。「学士様」の時代はとうに過ぎ去った。