2008年12月10日水曜日

12月10日(水)公私比率はカルテル

・ 11月28日のブログにおいて「授業料値上げ」について言及したときに私は下記のように書いた。もう一度書いておきたい。
*しかし今回のことで私は大変気になることがある。それは橋下知事が府教委に次のように指示を出したことだ。このブログでも何回も言及しているが「大阪府の場合、公立私立の割合は昔から7:3」で来ている。知事はこの数値を見直せと言ったと言う。
*大阪日日だけが取り上げている。この記者は相当学校のことに詳しい記者だと思う。単に授業料がこれだけ上がって大変だなどの記事だけではなくて「本質の問題」に言及した知事の発言を捉えているのである。
*同日行われた来年度の予算編成に伴う「知事ヒヤリング」で「府公私立高等学校連絡協議会」が決定する公立私立の受け入れ比率ありきではなくて、公立高校進学希望者は「受け入れる」体制づくりの検討を指示したとある。
*知事は「七、三は経営者同士のキャパシティの割り振りで子どもたちには関係ない」と批判したという。更に「授業料の関係で公立しか行けない人のため公立のキャパシティを広げるよう検討していただきたい」と述べたという。
*昨夜の夜8時45分からのNHKテレビはここだけであったがキャスターがこの問題に言及し、「場合によっては学級の人数を45人とか50人とかにして受け入れることも含めて」とかなんとか言っていたが「トンでもない話だ」。

・ そしてその後は何も本件に関してニュースはなかったが、今日、朝日新聞だけが報じている。「公立定員増検討を」「橋下知事 私学側は反発」の見出しである。朝のABCテレビでも取り上げていた。あれ以降私学連盟は国会議員に陳情したりして反対する構えを強めているのだが、昨日も知事は「あれはカルテルみたいなもの。これでは何も改革できない」と述べたという。
・ 高校での定員枠の設定は75年当時第2次ベビーブームによる生徒急増を見越した当時の「文部省が指導」して公立と私立が協力して生徒を受け入れるよう両者の「協議会」設置を求めたことから始まったのである。
・ 大阪は80年代の入試から府教委と中高連が協議しほぼ7:3でやってきたのである。大都市圏では東京都が59.6:40.4、神奈川県が6:4と定員枠を定めているのだが橋下知事はついに「パンドラの箱」をこじ開けようとしている。
・ しかしこれは府教委幹部が述べたように「そう簡単ではない」と思う。教師の増配や教室の確保など大掛かりな制度改革と大幅な予算が必要で又50人学級などに戻したら「納税者たる府民」が黙っていない。「一人当たりの公教育費投資(私の造語)」が学校やクラスで異なると言う現象が定常化する。
・ 無理してこれをやられたら「つぶれる私学は少なくないだろう」と中高連幹部は述べたとあるが、だろうではなくてつぶれることは間違いない。しかし橋下改革も「何かおかしく」なってきた。それは「論理」が崩れてきているからである。
・ 今までの知事の発言は「筋と言うか論理」が一応は立っていたと思う。だから府民は支持してきた。ところがこの問題は論理が間違っている。これは「やりすぎ、いきすぎ」である。何故か?この論理展開はいささか難解な面があるが一言だけ書いておくと「受益者負担の原則」に外れるからだ。「納税者受益公平性の原則(これも私の造語)」にも外れる。
・ いずれ論理を明らかにしていきたい。私学側は橋下知事と「論理で勝負」しなければならない。「公費助成の公私間格差の問題」に係る論理である。私学に通う保護者は立派な公民であり、国税の納税者であり、府税の納税者である。
・ 学校選択の自由は生徒保護者にあり、「授業料が高いか安いか」が問題ではない。「教育の中身」が問題であり、その付加価値について議論すべき問題である。「私学の授業料が高いから公立の受け皿を大きくする」ことが知事の言う「大阪の教育日本一」には繋がらない。
・ 根本的考えが間違っている。「知事の私学嫌いの感情」が左右しているとしか考えられない。法廷論争をしてでも一歩でもここは退くべきではない。私はそのように思うのだ。しかし本校の教職員に言いたい。正しく世の中を観察するようにと。
・ 従来タブーとされてきたことがタブーではなくなってきた。「思い上がりは許されない」と。ちゃらちゃらした格好や言動は人物全体が、ひいては浪速そのものが疑われるとも限らない。「心して欲しい」。

・ さすがに昨日のブログの影響か、3人の国語科の立場ある教員が校長室に入ってきた。何か「もじもじ」している。さすがに「恥ずかしかったんだろう」。本校には「朝読書を研究している教員は一人も居なかったことが私も含めて恥ずかしい。自分に腹が立つ」という教員もいた。正直で良い。
・ 清教学園の知り合いから情報入手。「朝読を毎日10分間」すれば週で合計60分、これを「総合的時間」にカウントできるからその分は時間的に楽になると。しかし別の意見もあるらしい。「単位認定」にしたら目的が外れるというものだ。この理屈も分る。しかしこういう研究は他校ではどんどんやっているのが私は悔しいのだ。

・ 大阪労働局労働基準部長から「協力依頼文」が入って来た。「最低賃金を守れ」というものだ。「大阪府は748円」という。最も高いのが塗料製造業で840円、最も安いのが各種商品小売業の765円だ。本校にはそのような安い人は居ない。低い人でも1200円以上だ。

・ 不機嫌な理事長を慮ったのか進路指導部長が入る。「防衛大に6名一次合格」と来た。「これは朗報」だ。早速「面接模擬試験」をやる旨申し伝えた。何とか最終合格に繋げてやりたい。

・ 11時府庁に出張。私学課と府議会議員にあることで面談。極めて良い雰囲気の会談であった。公私比率の問題で知事に文句を言おうと思ったが止めてすぐ学校に戻る。