2008年8月24日日曜日

8月24日(日)星野ジャパン惨敗

・ 日曜日の朝、北京のマラソンを見ている。ケニアのワンジルが最後抜け出している映像だ。時速21キロのスピードだから私の100メートル競走全力疾走よりも断然速い。日本選手のことは何も書かない。一人は前日になって棄権だから「何おかいわんや」である。
・ ケニアで生まれて日本で育ったワンジル選手はオリンピック新記録でゴールした。アフリカ勢がメダル独占だ。3分も記録を縮めているから内容も巣晴らしい。面白いのは優勝インタビューでワンジルは「完全な日本語」で受け答えしていた点だ。笑ってしまった。走っていた途中で考えたことは「優勝したらどうなるか、人生が変わる」ただそれだけだったという。ハングリー精神だろう。
・ それにしても今朝の朝刊各紙、「星野ジャパン」に厳しい。「ここまで書くか」という論調だ。特に朝日は紙面を数ページ使って「あれでもか、これでもか」という具合である。「不完全燃焼」「力負け」「実力の違い」見出しも厳しい。
・ 気になってスポーツ紙もチラッと見たが同じようだ。「野球界での影響力低下必死」「駄目星野」「ダルビッシュは準決勝先発の気持ち、不可解な投手起用」とにかくすごいわ。これは負けた云々よりも「星野の試合運び」に納得できないからこのような記事になるのだろう。
・ 野球は今回の北京で終わりになり、次回のロンドンでは競技種目から外されるだけに星野及び日本のメダルにかける意気込みはすごかった。それも「」以外はメダルではないと監督自ら言い切っていたから反動は余計だ。
・ 長島ジャパン、王ジャパンとメダルを取り、特に王監督率いる世界選手権での優勝はまだ記憶に新しいが、あれから見ると今回の星野ジャパン、「こうなる運命」だったのかも知れない。
・ 選手が小粒で、特に私は「イチロー」「松坂」が居ないのが大きく影響されたと思う。ヤンキースの松井は居なくても良いが特に「イチローは絶対的に必要な選手」だった。今回のメンバーの中に「世界を知っている人間」が全くいないのだ。
・ 朝日は次のようにも書いている。大体「星野監督が田淵と山本という仲良しクラブでチームを編成」したときから見えていたという。守備コーチの経験など全くない山本と星野も田淵も実戦経験から離れて4年も経ち、出発前に日本では数試合しか練習試合をせず、それも負けて日本を離れた。故障選手も多かったこともある。
・ 各紙共通して今回は「星野の采配負け」という記事である。投手出身の星野だからこそ「投手起用」に失敗しているという。これは私もそのように思う。何時も行く「床屋」のおじさんは野球通であるが「こと細かく解説」してくれた。
・ オリンピクなどの「短期決戦」では「非情な采配」が時に必要だというのだが今回の星野監督は「エース、ダルビッシュの起用ミス」「打たれ続けるピッチャーの連続起用」「エラー頻発の選手の連続起用」など「投手交替のタイミングはずれ」まで言及している。
・ 大体1戦目で破れたときから星野の顔は何か「ボーツ」として自分を失っていたように私には見えた。審判のゾーンがくるくる変わると嘆いてもどのチームにも同じことだ。さすがに星野は男で「一切言い訳せず、すべては自分の責任」と殊勝なところはさすがであるが、私はだからといって「庇う気」はない。「責任を認め責任を取る」ことが組織のリーダーの絶対的条件だ。
・ 今回の北京を見て私がつくづくと感じるのはやはり「ハングリー精神」ではないか。最後の2試合は先取点を取って逆転負けだ。北京に応援に行った観客は試合を見ていて「勝とうという気迫」がまったく伝わってこなかったと言っている。「薄味の味噌汁を飲まされたみたい」「淡白すぎる」など憤慨に近いものを与えたというのは各紙の共通だ。やはり「ハングリー精神」などどこにもなかったのだ。
・ 寄せ集めのチームで編成の一体感は出ず、「大金持ちのプロ野球選手」ばかりだ。まあ「名誉参加」くらいしか感情輸入は出来ないだろう。勝とうが負けようが年俸には影響せず、頭には自分のチームのペナントしか頭にないと言ったら言い過ぎだろうがそのように書いている新聞もある。
・ 「 女子ソフトボールの金メダル」と比較すると良く分かる。あれが「優勝を狙うチーム」だろう。本当に女子ソフトはよく戦った。あれが「戦い」だ。アメリカとの決勝戦の気迫は素晴らしかった。柔道の鈴木と星野ジャパンは良く似ている。負けるべくして負けたということだ。
・ しかし「チーム編成」「コーチ編成、即ち管理職編成」が「命運を決する」ということが今更ながら今回良く分かった。シンクロナイズドスイミングで中国に渡った「井村雅代コーチの手腕」は大したものだ。「銅メダル」をもたらした。日本は完全に中国に敗れ去った。当初中国チームのコーチになったときブーイングが起きたが「何を言っているか、日本の指導力が世界に認められた」ということだろう。喜ばねばならない。「世界に通用するスポーツ指導者が日本に何人いるのか?」
・ハンマー投げの室伏も敗れた。もう「お父さんコーチ」では駄目なのでないか。 レスリングの浜口選手などは父から離れてアメリカにわたり世界の指導者に見てもらえばよい。そうすれば「見えてないものが見えてくる」。柔道の石井はそのようなことを言っていたな。日本という狭い範囲でだけ生きている人間には「もはや世界に出て行けない」ことが判明した。「井の中の蛙、大海を知らず」だ。
・ 大阪府、大阪市の裏金問題も、大分県の教員採用汚職も大相撲の不祥事続出もすべて「身内の仲間内」ですべての論理を通し、処理してきた結果が出ている。本校でも管理職の朝会で私は何時もそのことを言っている。
・ 言っても、言っても分からないことがあるが、それは「理解しようにも頭の中に論理的回路構造が出来ていないからだ」。性格が悪いのではなくて「まったく他の世界の経験がないから浪速以外のことには頭が付いていかない」のだ。言われたことは「しっかり」とやってくれるが、新しい企画や複数のアングルでの見方には限界がある。
・ 今のチーム編成は今年4月からだから丁度5ヶ月だ。改革は「短期決戦」でないと為しえない。「時間をかけて」などはまやかしだと何回も言ってきている。5人の管理職の特技、人間性、能力などを何時も考えながら私は指示を出している。
・ 浪速は星野ジャパンみたいに惨敗してはならない。少し良くなったからといって「楽な方向に」考えたらハングリー精神は失われる。近隣は大学名を校名に付け、私学助成は削減され、一挙に増えた生徒の生活指導を一段と高めねばならないときに「管理職が甘い考え」では勝負に負ける。私は時に「非情な采配」をして学校を守るのだ。