2008年8月27日水曜日

8月27日(水)その2:兼職兼業

兼職兼業で府立高校の教諭処分
・ 昨26日の教育委員会で「一人の府立高校教諭が処分」された。今日のもう一つの校長日記に書いているように「教諭の処分が教員委員会の仕事」だ。今月の処分はこれだけだが大体例月2ないし3件ある。通勤費不正受給、わいせつ行為、セクハラ等色々あるが今回の処分には感じるところがある。教育委員会のあった翌日に必ず新聞に出る。
・ 恐らく「書道の先生」だろう。62才の男性教諭だ。書道の先生は少ないし、62才ときたから「ピンッ」と私には来た。特定できる。知り合いだ。公立の先生は60才定年でその後本人が望めば63才まで1年契約で勤務できる、その途中での事件だ。
・ 勿論年金受給までを考えての「嘱託教諭」としての配慮だが大体週3日勤務くらいだろう。持ち時間は8時間から12時間までとフルタイムではない。言ってみれば「温かい配慮」である。しかしこの先生は大阪市内の画材店で書道を指導し年間100万円を受け取っていたことが、これまた「内部告発」かなんかで明るみになったのだろう。
・ このほか書道の昇段試験で合格者に出す免状の記名する作業を請け負い年間5万円、昇段試験の審査員としての報酬が50万円だったらしい。加えて処分の対象は驚くことに書道雑誌に解説原稿を執筆して報酬を得ていたとか、不動産賃貸しでも利益を得ていたという。
・ 優秀な腕を有した「書道家」である。60才定年で年収規模は300万円くらいだろう。少し時間に余裕ができたから自分の専門を生かせることで利益と言うか報酬というか「謝礼」を受け取っていたことが「公務員の兼職兼業の禁止」に触れたのだ。
・ しかしそれにしても62才の恐らく40年間くらい府の高校生の書道教育に当たってきた芸術分野の教諭を「処分するか」ということだ。しかしここが微妙なところで「やはり処分することが妥当」と法令に準拠したものだ。
・ 処分内容は減給6ッ月1/10と記事にはあるが、教諭は「けったくそが悪い、辞めてやる」と当日付けで「依願退職」したらしい。本人は腹が立ったと思うが「これが法律であり、公立公務員のせつない」ところだ。
・ 私も4年間、公立公務員の経験があり、今でも「公立共済」からお涙みたいな年金があるのだが、この4年間、私は「公立教員にも兼職兼業の自由を」と言い続けてきた。勿論休みにスーパーマーケットで働くというのではなくて「自分の勤務する学校の生徒への勤務時間外の講習や部活動などについてある程度の金銭的報酬」はあってしかるべきものという論理だ。
・ 私は民間企業出身だけに「価値ある人間が動けばそこにはコストがかかる」「無料とかボランテイアとかは人間の尊厳を逆に落としている」なんとか理屈を言いながら攻め寄っていったが結局間に合わなかった。
・ 当時は学力問題から放課後の特別講習とか特に土曜日の講習体制の整備とか山場で「頑張ってくれている教員に報いてやりたい」と強く思っていたからだったが、何とか「教育後援会」から援助して貰っていたがやはり公明正大に大阪府ですべきことという思いは今でも消えない。
・ 府教委も大阪を代表する各学区のトップ校が土曜日に講習をしていることは承知であったが、これは兼職兼業になるといって一切許可せず、前任校では保護者有志に頼んで「教育後援会」を組織し、そこから「謝金」ではまずいということで「資料代」の名目で部活動指導に準じて支払うようにしたのも今では懐かしい。その後単価も上げていったが今でも前の学校ではこのシステムが残っているのかなと思う。
・ 昨年本校は「就業規則」を全面的に改定し、明確に「兼職兼業は禁止」とした。ただし我々は公務員ではないので「私の考え」としては「弾力的に運用」している。即ち本校勤務以外で定期的な収入がある場合は「申請許可制」とした。
・ お家がお金もちでアパートの家賃収入があるからと言って「懲戒処分」には出来ない。しかし奥さんが社長の会社に一応名前は取締役で入って、そこから役員収入があるというのは「?」だとした。「納税義務の違反」があるかどうかが問題となる。
・ 勿論日曜日にパチンコやアルバイトというのも駄目だ。やはり教師は「学校で勝負する」という気構えが大切で、本当は収入に不安なく教育活動に専念させるべく十分支払ってやりたいのだが、今は先立つものがない。しかしそのうち府内で一番給料の高い私学の実現を目指している。もしそうなれば「私の低い鼻は高く」なるだろうし、経営者の夢だ。
・ 私学においては休みの講習などは「受益者負担」であり、「兼職兼業として認める」とした。ただし「所得税はちゃんと支払え」と明確にしたのである。前述した公立教員に比べていかに「私学は融通があり、働き易いか」分かってもらわねばならない。
・ 厳しい運用をすれば大阪府は今度の橋下改革で10%給料がダウンし、定年後の兼職兼業も厳しく問われるということにあれば「人材が枯渇」しかけない。人ごとながら心配する。
・ 最も優秀な教員が公立から私学に流れてくれればこれほど有り難いことはないのだが、大阪の教育を強くするには「公私の切磋琢磨」だ。役人にならなくて良かった。最も公立高校4年間で相当勉強したがね。特に「教育法令」は大体頭に入っている。これが私の武器だ。